唎酒師が教える! どぶろくの選び方
唎酒師の宇津木聡子さんのアドバイスをもとに、美味しいどぶろくの選び方を紹介します。ポイントは下記。
【1】産地
【2】味の好み
【3】「生」か「火入れ」か
【4】アルコール度数
【5】量
上記のポイントを押さえると、より具体的に自分好みのどぶろくを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
【1】産地で選ぶ
「どぶろく」とは、お米・水・米麹を主原料として発酵させたもろみを、濾(こ)したり搾ったりしていない、そのままのお酒のことです。酒税法上のことではありますが、厳密には「にごり酒」という名称がついているものとは区分が違います(にごり酒は、もろみを粗く濾したものです)。そのぶん素材の味わいや特徴が出るとも言えます。
お米の種類での味わいの違いを感じたり、どぶろくが造られた地元産のお米が使われているものを選んだりしてみるのも楽しいものです。
【2】味の好みで選ぶ
どぶろくは「甘い」という印象をもたれがちですが、甘さをもちつつもキリッとした辛口テイストのものもあり、その味わいは実にさまざま。普段はあまり日本酒を飲まない人や、初めてどぶろくを飲む人には、飲みやすい甘口から選んでみることをおすすめします。
スッキリと楽しみたいときや、普段からキレがあるタイプの日本酒が好きな方なら、甘さ少なめの辛口タイプがお好みかもしれません。自分のお酒や飲み物の嗜好、シチュエーションを考えながら選んでみましょう。
【3】新鮮な味わいの「生」、まろやかな旨味の「火入れ」で選ぶ
日本酒には「本生」という「火入れ」(発酵を止めるための作業)を行っていないタイプのお酒があります。どぶろくにも同じように「生」と「火入れ」があるのです。生どぶろくは、酵母がまだ元気に活動し続けている状態をそのまま瓶に詰めたものなので、フレッシュな味わいと、シュワシュワっとした発泡感を楽しむことができます。
ただし、開栓時に勢いよく噴き出すほど元気なものもあるのでご注意を。「火入れ」タイプには発泡感は無く、そのぶん旨味を含んだ味わいそのものと滑らかなのど越しを楽しめます。
【4】アルコール度数で選ぶ
甘みがあって飲みやすいどぶろくですが、なかにはかなりアルコール度数が高いものもあります。選ぶときにはアルコール度数もチェックしておきましょう。
アルコールが強いと感じるときには、オンザロックにしたり、炭酸などで割ったりするのもおすすめです。
【5】飲むスピードにあわせて量を選ぼう
どぶろくには賞味期限が記載されていないことが多いです。しかし、封を開けてから時間が経過していくと風味が変化していきます。特に、開封後は酸化が進み数日で味が変わりやすいので、なるべく早く飲むことが大切です。なかには、賞味期限を設定している酒蔵もあるため、購入時はパッケージに記載されているかどうかをチェックする必要があります。また、どぶろくの種類によっては、味の変化を楽しめる種類もあります。種類ごとの特徴はあらかじめ把握しておきましょう。さらに、どぶろくが好きな人のなかにはこの変化が好きというケースもありますが、基本的には開封後が美味しくなるように造られています。
また、どぶろくは常温で保存しておくと瓶の中で発酵が進み、開けた際に中身が吹き出すこともあります。そのため、冷蔵保存しておくことを忘れないようにしましょう。自分の飲むペースを考えて、開封してから早いうちに飲みきれるサイズを選んでみてください。200~300ml程度の量で販売されているどぶろくもあります。このようなタイプは価格も手頃に設定されているので、お酒をあまり飲まない人にとっては購入しやすくなっています。
いろいろなどぶろくの個性を楽しみましょう! 唎酒師からアドバイス
日本酒の原型ともいわれる「どぶろく」。ご自身の好きな酒蔵さんがどぶろくを造っていたらまずそれを試すのも良いし、旅するような気分で全国のどぶろく特区のものを探して楽しんでも良い……あまり難しく考えずに、色々飲み比べるうちに自分の好みの方向が見えてくるでしょう。
注意点を今一度。発泡感のある生タイプで、特に「開栓注意」などの表記があるものは、届いてすぐに開栓しないこと。運搬直後は瓶内で生きている酵母も落ち着かない状態。あわてて開けると、最悪の場合は瓶の半量ぐらい噴き出してしまうことも。1日ぐらい冷蔵庫で静かに休ませてから、慎重に開栓してください。美味しく、美しく、健康的にどぶろくを楽しみましょう!
どぶろくおすすめ11選

濃醇で甘酸っぱい味わい
天然の乳酸を使う手間のかかる古式製法で作られたどぶろく。乳酸たっぷりの甘酸っぱい味わいが、大人のヨーグルトのようです。
やや米の粒感が残る濃醇なテクスチャーなのでそのままはもちろん、オンザロックにしたり、炭酸やビールなどで割ったりしてよりスッキリと楽しむこともできます。
木にとまってさえずる鶯(うぐいす)が印象的な、ちょっとレトロで美しいラベルも雰囲気があります。

出来たてのピチピチとはじけるような口当たり
岐阜県観光連盟推奨観光土産品の特賞を受賞したこともある、飛騨伝統のどぶろくです。飛騨の酒造メーカーで初めてどぶろくを手掛けたのがこの天領酒造。伝統的な醸造手法で丹念に造られています。
酵母が生きている発泡感のある生タイプで、お米の甘さや華やかな香りと共に、爽快な発泡感が楽しめます。甘みも酸味も強すぎず、バランスのとれた味わいです。
※Amazonと楽天は6本セットです
※Yahoo!ショッピングは1本、楽天、Amazonは6本セットです。
契約栽培米100%の純米どぶろく
「純米どぶろく」は地元でもある愛知県の農家と契約して作られた米を100%使用して造られた酒です。そのため、米の良さをそのまま感じることができます。
濃厚な味わいなのが特徴で、トロっとした口当たりであるほか、爽やかな酸味と米の甘みも楽しめます。また、あらかじめ冷やしておき、食事しながら一緒に飲むとより美味しく感じられます。
見た目もかわいく甘酸っぱいどぶろく
瓶にかわいらしいデザインが施された奥出雲酒造のどぶろく。「D-269(どぶろく)」というおしゃれな商品名です。
また、特徴としては、どぶろくのなかでもさっぱりとしているほか、甘酸っぱくシュワっとした舌触りで飲みやすくなっています。中には炭酸が入っているので、冷蔵庫で冷しておくと、より美味しく飲むことができます。フルーティーな甘みも含まれているため、果汁と合わせて飲んでも楽しめます。

甘み×酸味×発泡感で軽やかに楽しめる
甘さと軽快な酸味がよく調和し、そこに発酵過程で生まれた炭酸ガス由来のシュワシュワ感が相まって、とても爽やかな味わいです。
使われている米は酒蔵のある長野県産。アルコール度数は6度と控えめで、長野の県鳥である雷鳥がデザインされたラベルもかわいらしく、女性にたいへん人気があります。
冬~春の限定流通されるどぶろくが多いなかで、このどぶろくは一年を通じて手に入れることができ、健康・美のために日常的にどぶろくを取り入れたい人にもおすすめです。

きれいなピンク色がひときわ目を引く
赤色酵母という酵母を使うことで、自然にピンク色に仕上がっているどぶろく。プレゼントしたり、女性が集まるパーティーで出したりしても喜ばれるお酒です。
とろみが強く濃醇(のうじゅん)ですが、微発泡でさほどアルコール度数も高くないので、後味に重さはなくフルーツを食べているような感覚を味わえます。
また、酒田発酵株式会社はどぶろく製造が専門です。地元である山形県産の酒造好適米と鳥海山の伏流水を使って「何も足さない、何も引かない」をモットーにどぶろくが造られています。

現代人の味覚にマッチするどぶろく
名前のとおり「甘・酸・泡が三位一体となって楽しめる」どぶろく。
甘口ですが、上品な甘みとさらりとした酸味、発泡感があり、アルコール度数も低めなのですっきりした味わいです。
毎年10月~3月の間の販売予定が蔵元から発表され、多くのファンがその時期を心待ちにしています。より軽いものを好む人向けの『十二六 ライト』(発泡感はなし)という通年商品もあるので、春から夏にかけては、この酒を楽しむのもおすすめです。
本格にごりでほんのり甘いどぶろく
「飛騨のどぶ」は飛騨白川村で行われている「どぶろく祭」で解禁され話題になった、本格的な飲み応えを楽しめるどぶろくです。飛騨古川のミネラル分が豊富な水を使用し、まろやかでキレが良くなっています。原材料にもなっている米にもこだわりがあり、飛騨で作られた「ひだほまれ」が使われます。
また、トロっとして濃厚な味わいも人気の理由のひとつです。ストレートで飲んでも美味しいですが、オンザロックや甘めのサイダーで割りながら飲むと新感覚のどぶろくが味わえます。飛騨の水や米にこだわった本格的な飲みごたえのどぶろくです。
ワイナリーが作った甘口のどぶろく
山梨県にあるスズラン酒造が手がけたどぶろくです。地元のこしひかりだけを使用して精米歩合70%で仕上げてあります。甘口ではありますが、アルコール度数は高めで飲みごたえがあります。
スズラン酒造はもともとワイナリーであり、ワインづくりが落ち着いた冬場に設備を使ってどぶろくを作っているというのが特徴です。
女性でも飲みやすいやさしい製品
宮崎県の高千穂町にある酒造が作ったどぶろくです。2010年に創業し、若い人たちの感覚を知る人たちが製造にたずさわっています。地元の米や水など原料にこだわって作られているところが特徴です。
甘口でアルコール度数が8度と低めに設定されており、軽い飲み口によって女性でも飲みやすいどぶろくになっています。
どぶろくの味をしっかり感じる一品
火入れタイプで仕上げられたどぶろくになります。徳島の酒造である斎藤酒造場が手がけており、しっかりとした飲み口で米の甘さを引き立てたもろみから深い味わいを感じられます。
ほかにも火入れしていない生タイプやさつまいもの鳴門金時を入れたどぶろくもあり、伝統を守りながらも新たな味に挑戦しているメーカーの一品になります。
※楽天市場は1本、Amazon、Yahoo!ショッピングは6本セットです。
「どぶろく」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする どぶろくの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのどぶろくの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
お酒が苦手な方はソーダ割りをお試しあれ
どぶろくは日本酒の原型ともいわれているお酒で、濃厚な味わいが特徴となっています。苦手な人にとってはこの濃厚さが飲みにくい原因ですが、ほかの飲み物と割ることで飲みやすくなります。なかでも、ソーダ割りはどぶろくならではの甘さと口当たりを感じつつも、炭酸のスッキリとした食感も楽しめるので、お酒をあまり飲まない人でも満足できるのではないでしょうか。さらに、どぶろくの種類によってはフルーツのような甘みを感じるタイプもあります。
このようなタイプの場合、果汁の含まれたソーダで割ってもおいしく飲むことができます。どのようなソーダで割ると自分に合ったおいしさになるのか、それを探すのもまた楽しみのひとつと言えるでしょう。
なかには、ミルクやビール割りといった飲み方もあります。ミルク割りの場合、どぶろくとミルクが相まって心地の良い甘さを楽しめます。一方、ビール割りは炭酸と苦みがプラスされ、どぶろく特有の甘みやトロっとした舌触りが苦手な人でも飲みやすくなります。ビール好きな方はぜひ試してみてください。また、どうしても苦手な人は、どぶろくをしっかり冷やしてから飲むことが重要です。冷やすことでどぶろくのもつ酸味が抑えられ、飲みやすさが増します。
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適量のどぶろくで味を楽しみ美を追求しよう
甘酒ブームの到来とともに、その独特な味わいと美容にも効果があるとして注目され、人気上昇中のどぶろく。米をそのまま発酵させて造られているので、トロッとした濃い味わいにファンが増加しているお酒です。
ソーダ割りや果汁割りなどの飲み方のバリエーションも、人気の理由となっています。自分に合う飲み方を見つけてまずは適量から楽しんでみましょう。
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日本の風土、知恵、歴史が生み出した日本酒の魅力や楽しみ方を、より多くの人に広めるため、訪日外国人へのプライベート日本酒体験、外国人・日本人向け日本酒にまつわるセミナーやイベントの企画を行っている。 外国人のプライベート日本酒体験では、これまでに30か国以上から400人余りをお迎えしている。 日々の生活でも、カンパイは日本酒、スキンケアは日本酒と酒粕で、そして朝晩の甘酒を欠かさない。