エギングロッドとは? イカ釣りに使用!
シマノ『フリーゲーム S86ML-4』より
エギングロッドとは、エギング専用に作られたロッドのことを指します。
そもそもエギングとは、アオリイカやコウイカといったイカ類を、エギ(餌木)と呼ばれる擬似餌を使用して釣り上げるルアーフィッシングです。エギ自体は下記の写真のように、小魚やエビに似せたルアーであり、これを生きた本物のエサに見せることでイカを釣り上げます。
エギの参考画像(DUEL(デュエル)『EZ-Q ダートマスター パタパタ』より)
エギングのやり方は、通常のルアーフィッシングと異なり、「しゃくり」と呼ばれる、ロッドを上下左右に動かしたテクニックを駆使してイカを釣り上げます。
※「しゃくり」について詳しく知りたい方は「しゃくりのやり方」をクリックしてください。
そのため、扱いやすさがとても重要になります。本記事では、釣りライターの中山さんへの取材のもと、エギングロッドを選ぶときに大切なポイントを初心者の方でもわかりやすく紹介しています。ぜひ参考にしていただき、エギングを楽しんでください!
エギングロッドの選び方 釣りライターに聞く
アブガルシア『ソルティースタイル エギング STES-832ML-KR』より
それでは、釣りライターの中山一弘さんへの取材のもと、エギングロッドを選ぶポイントを紹介していきます。
これからエギングをはじめようと考えている方に向け、「エギングの導入」となる基礎知識から解説していますので、商品選びの一定基準が理解できるはずです。ぜひ参考にしてください!
ロッドの長さによる特徴を掴む エギングロッドの選び方その1
メジャークラフト『2代目ソルパラ X SPX-862EH』より
キャンプ/釣りライター
エギングロッドはキャスト重視では長め、操作重視なら短めという考え方が一般的。
市場に出回っているのは7フィートクラスから9フィート台までですが、中心となるのは8フィート5インチ前後です。これを基準に遠くへ飛ばしたいときは長めのロッド、なるべく手返しよく、テクニカルに攻めたいときは短めのロッドを選ぶとよいでしょう。
下記のロッドの長さごとの特徴を確認し、釣りのポイントや扱いやすさを考えながら、自分に合うものを見つけていきましょう。

ロッドの長さ別特徴の一覧表
7フィート台のエギングロッド
7フィート台のロッドは比較的短いものになるため、軽量で操作性がいいのが特徴です。しゃくりを行った際の手の疲れも軽減されています。また、軽量で短いため、感度もよく、フッキングもやりやすいです。
しかし、他のロッドと比べると飛距離が出ないのと、ロッドが短い分、糸が長めになり、糸吹けができやすいのがデメリットです。
8フィート台のエギングロッド
8フィート台のロッドは一番オーソドックスな、基準となる長さになります。長くも短くもないため、飛距離も操作性もバランスがよく、初心者が使い始めるのにもピッタリです。
逆に言うと、バランスがいい反面、飛距離も操作性も物足りなさを感じることがあります。8フィートの長さを基準に、飛距離・操作性どちらに特徴を振るか、自分の使いやすさを探っていきましょう。
9フィート台のエギングロッド
9フィート台のロッドは、比較的長いものになります。飛距離が出るため、砂浜から投げることができたり、磯や沖の潮目など、より遠くのポイントにエギをキャストできるのが特徴です。糸吹けもできにくいです。
しかし、他のロッドと比べると長いため、操作が難しく、また重いため、手も疲れやすいのがデメリットです。
(2)ロッドの硬さの違いを理解する エギングロッドの選び方その2
アブガルシア『ソルティースタイル エギング STES-832ML-KR』より
キャンプ/釣りライター
ロッドには、L、ML、M、MH、Hといったようにいくつかの硬さでバリエーションがあります。真ん中のMやMHは3.5号ぐらいのものを基準としており、全国的に見てももっとも出番が多いサイズのエギが扱いやすい硬さといえます。
では、MとMHのいずれにするかはどうやって決めるかというと、自分がよくいくフィールドのイカのサイズが決め手になります。
例えば1kg以下がほとんどというなら、3.5号をマックスに3号、ときには2.5号なども使うのでM。2kg以上のサイズが狙えるのであれば、4号まで念頭にいれてMHを選ぶといった具合です。

エギの硬さと狙うイカのサイズの一覧表
※あくまで基準です。状況により変動します。
柔らかい場合、エギへのアクションがやりにくく、硬い場合はエギが軽いとキャストがやりにくいといった形で、ロッドの硬さによって特徴があります。
初心者の方は基準となる、バランスのいいMクラスのエギングロッドを。中級者・上級者の方は、自分の好きなエギングスタイルに合わせて選びましょう。
ロッドの重量は必ず確認する エギングロッドの選び方その3
メジャークラフト『N-ONE(エヌワン) NSE-S862EL』より
キャンプ/釣りライター
エギングはロッドアクションを多用する釣りです。ときには一晩中、ロッドを煽り続けることもあるので、ロッドの重さは非常に重要なチェックポイントになります。軽量化のポイントは使っているガイドの材質や、ブランクの厚さや、グリップ周りのデザインなどです。
ただし、軽さは人によって感じ方が違うので、力のある人や重めロッドが好きな人は、重さに関するプライオリティを下げても問題ありません。その方が選べるロッドが増えるので、トータルではメリットが大きいでしょう。
前述しましたが、エギングロッドは常に「しゃくり」を繰り返す釣り方をします。そのため、できるだけ軽いものが使いやすく、疲れません。また、現在は素材の改良により、軽量化も進んでいるため、使いやすいロッドも増えています。
しかし、少なからず軽さと強度は反比例しますので、軽すぎるロッドは耐久性がないものもあります。実際に店頭で商品を持ったり、振ってみることで、重さの感覚を含めた使いやすさを想像してみてください。
一度の購入で満足するロッドが見つかることは稀なので、実際にエギングをしながら自分だけのロッドを見つけてください!
注意:エギングロッドの代用は“そこそこ”しか使えない エギングロッドの選び方その4
アブガルシア(Abu García)『フレッシュ&ソルトウォーターロッド XRFS-862M』より
キャンプ/釣りライター
「エギングロッドを他の釣りにも使いたい。」
よくある質問ですが、私はいつも「使えますよ。でも、そこそこです」とお応えしています。
当然のことですが、エギングロッドはエギを投げてアクションさせ、イカとファイトするために開発されています。ですから、シーバスフィッシングやショアジギングで使う場合は、その釣り専用の設計ではないということを常に頭に入れて置き、あくまでも“代用として楽しむ”というスタンスで接している分にはそこそこ活躍してくれます。
(逆もしかり、シーバスロッドもエギングに使えますが、そこそこです)
例えば、エギサイズで3.5号負荷のエギングロッドは、対応負荷をグラム数に換算すると大体20g前後になることがほとんどです。つまり、18gぐらいまのでミノーやメタルジグは投げられますが、24gはNGです。特に軽量エギングロッドになるほど、耐荷重はシビアになるので設定負荷以上の重さのルアーは絶対に投げないようにしてください。他にも、例えばやりたいルアーアクションが再現しづらい、といった制約も当然あります。
どうしても幅広く使いたいという場合は、ユーティリティ(汎用)寄りに設計されているロッドもありますから、そちらを選ぶと良いですよ。
エギングロッドの有名メーカー5社の特徴 釣りライターがおすすめ!
アジングロッドやシーバスロッド、ベイトロッドなど、釣りたい魚に合わせたロッドごとに、専門メーカーも変わってきます。
本項では、信頼できるエギングロッドの有名メーカーを、釣りライターの中山さんに選んでいただきました。こちらもぜひ購入する際の参考にしてくださいね!
ダイワ エギングロッドの有名メーカーその1
ダイワ『エメラルダス MX NT 85MLM NT』より
キャンプ/釣りライター
日本釣具メーカーの大手。シマノと並んで量販店でそのラインアップを見ないというところはないほどのメジャーブランド。
エギングにも力を入れていて、主力の「エメラルダス」シリーズを筆頭にボートエギングやイカメタルなども揃えるなど、ラインアップも豊富。最初に選ぶロッドとして間違いのない一本が必ず手に入る技術力の高さはさすがですね。
シマノ エギングロッドの有名メーカーその2
シマノ『フリーゲーム S86ML-4』より
キャンプ/釣りライター
ダイワ同様、日本釣具界の超大手メーカー。エギング黎明期から専用ロッドを出していて、ノウハウも豊富。ユーザーからの支持も厚く、人気釣場では必ず見かけるのがシマノ製のエギングロッドです。
専用ロッドの「セフィア」から、汎用性の高い「フリーゲーム」など、初心者からベテランまで、納得のロッドが選べる安心感があります。
メジャークラフト エギングロッドの有名メーカーその3
メジャークラフト『N-ONE(エヌワン) NSE-S862EL』より
キャンプ/釣りライター
防波堤の主役ともいえるメーカーで、特にコストパフォーマンスが高いロッドが多いのが特長。
コストバランスの良さが光る「ソルパラ」や「クロステージ」等、安いだけでなく、品質も高い製品が多いのでベテランになっても使い続ける人が多いです。扱いやすさも群を抜いているので、初級~中級者にもおすすめのブランドといえます。
ヤマガブランクス エギングロッドの有名メーカーその4
ヤマガブランクス『BattleWhip TR 63/N Type-N / No Look』より
キャンプ/釣りライター
専用ロッドを数多く輩出しているメーカーで、こだわりの仕様でファンの心をがっちりつかむ製品が多いのが特長です。
「メビウス」「カリスタ」等、こだわりの設計が光る製品が多く、ピンポイントで自分が欲しい調子のロッドがある人は、このブランドがおすすめ。品質も高く、期待通りの活躍をしてくれますよ。
アブガルシア エギングロッドの有名メーカーその5
アブガルシア『ソルティーステージ KR-X エギシス SXES-882ML-SJ-CMG』より
キャンプ/釣りライター
もともとグローバルブランドですが、日本の釣りシーンに合わせたラインアップも積極的に開発、コストパフォーマンスの高い専用ロッドを提供しています。
エギングにおいてもそれは当てはまり、「ソルティースタイル エギング」シリーズ等、買い求めやすく品質が高いロッドが手に入ることでファンが多いメーカーです。
【~1万円台】エギングロッドおすすめ5選 釣りライターが厳選!

〜1万円台のエギングロッドをご紹介いたします。
初心者の方が手を出しやすい商品や扱いやすいものなど、エントリーにピッタリのものを、釣りライターの中山さんに選んでいただいたので、ぜひ参考にしてください!

シマノ『フリーゲーム S86ML-4』 【1万円台以下】おすすめエギングロッドその1














出典:Amazon
長さ | 8フィート5インチ(2.59m) |
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硬さ | ML |
自重 | 115g |
適合エギサイズ | 2〜3.5号 |

アブガルシア『ソルティースタイル エギング STES-832ML-KR』 【1万円台以下】おすすめエギングロッドその2












出典:Amazon
長さ | 8フィート3インチ(2.52m) |
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硬さ | ML |
自重 | 120g |
適合エギサイズ | 2〜3.5号 |

メジャークラフト『3代目 クロステージ エギング CRX-862EH』 【1万円台以下】おすすめエギングロッドその3






出典:Amazon
長さ | 8フィート6インチ(2.62m) |
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硬さ | H |
自重 | 未表記(ガイドやグリップ部の接着樹脂量で変動するため) |
適合エギサイズ | 3.0-4.0号 |

ダイワ(Daiwa) 『エメラルダス 72M-S BOAT 』 【1万円台以下】おすすめエギングロッドその4

出典:Amazon
長さ | 7フィート2インチ(2.18m) |
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硬さ | M |
自重 | 103g |
適合エギサイズ | - |

メジャークラフト『N-ONE(エヌワン) NSE-S862EL』 【1万円台以下】おすすめエギングロッドその5










出典:Amazon
長さ | 8フィート6インチ(2.62m) |
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硬さ | L |
自重 | 未表記(ガイドやグリップ部の接着樹脂量で変動するため) |
適合エギサイズ | 2.0〜3.5号 |
【2~3万円台】エギングロッドおすすめ5選 釣りライターが厳選!

2〜3万円台のエギングロッドをご紹介いたします。
初心者だけでなく、中級者・上級者の方も扱いやすいものや高級なものなどを、釣りライターの中山さんに選んでいただいたので、ぜひ参考にしてください!

ダイワ『エメラルダス MX NT 85MLM NT』 【2万円~3万円台】おすすめエギングロッドその1

出典:Amazon
長さ | 8フィート4インチ(2.57m) |
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硬さ | MLM |
自重 | 99g |
適合エギサイズ | 2.5〜4.0号 |

シマノ『セフィア TT S83M』 【2万円~3万円台】おすすめエギングロッドその2






出典:楽天市場
長さ | 8フィート2インチ(2.51m) |
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硬さ | M |
自重 | 98g |
適合エギサイズ | 2〜4号 |

ヤマガブランクス『BattleWhip TR 63/N Type-N / No Look』 【2万円~3万円台】おすすめエギングロッドその3






出典:Amazon
長さ | 6フィート2インチ(1.92m) |
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硬さ | - |
自重 | 75g |
適合エギサイズ | - |

テンリュウ『ブリゲイド フリップ BGF872S-MLM』 【2万円~3万円台】おすすめエギングロッドその4










出典:Amazon
長さ | 8フィート5インチ(2.57m) |
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硬さ | M |
自重 | 96g |
適合エギサイズ | 3.5号まで |

アブガルシア『ソルティーステージ KR-X エギシス SXES-882ML-SJ-CMG』 【2万円~3万円台】おすすめエギングロッドその5
















出典:Amazon
長さ | 8フィート8インチ(2.64m) |
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硬さ | ML |
自重 | 119g |
適合エギサイズ | 2.5〜3.5号 |
【4万円以上】エギングロッドおすすめ5選 釣りライターが厳選!

4万円以上のエギングロッドをご紹介いたします。
金額の高いものは、中級者・上級者が購入すると思われがちですが、感度やトラブルも少なくなるので、実は、初心者の方にピッタリなんです!釣りライターの中山さんに選んでいただいたので、ぜひ参考にしてみてください!

ヤマガブランクス『Calista 82M/TZ NANO』 【4万円以上】おすすめエギングロッドその1










出典:Amazon
長さ | 8フィート1インチ(2.48m) |
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硬さ | M |
自重 | 99g |
適合エギサイズ | 2.5~4.0号 |

シマノ『セフィア エクスチューン S82ML』 【4万円以上】おすすめエギングロッドその2

出典:Amazon
長さ | 8フィート1インチ(2.49m) |
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硬さ | ML |
自重 | 102g |
適合エギサイズ | 1.8~3.8号 |

ダイワ(DAIWA)『エメラルダス AIR AGS 84ML-S』 【4万円以上】おすすめエギングロッドその3












出典:Amazon
長さ | 8フィート3インチ(2.54m) |
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硬さ | ML |
自重 | 83g |
適合エギサイズ | 1.8~3.5号 |

エバーグリーン『ポセイドン スキッドロウ インペリアル NIMS-82L テクニマスター82』 【4万円以上】おすすめエギングロッドその4








出典:Amazon
長さ | 8フィート1インチ(2.48m) |
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硬さ | L |
自重 | 109g |
適合エギサイズ | 2.5~4号 |

オリムピック『ヌーボカラマレッティー プロトタイプ GNCPRS-8102MH』 【4万円以上】おすすめエギングロッドその5






出典:Amazon
長さ | 8フィート8インチ(2.69m) |
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硬さ | MH |
自重 | 105g |
適合エギサイズ | 3.0〜4.5g |
「エギングロッド」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする エギングロッドの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのエギングロッドの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【番外編】初心者向けエギングの仕方 エギングロッドを使って防波堤からアオリイカを釣ってみよう
エギング初心者の場合、どんな道具が必要で、どんな釣り方をすればよいのか、わからないことだらけです。
本項では、エギングがどんな釣りなのか少しでもイメージできるうよう、用意する道具の説明や釣り方の知識などを、動画・イメージ図などを踏まえて、釣りエキスパートの中山さんに詳しく解説してもらいました。ひと通り読んでいただくことで、エギングでの最高のスタートダッシュを切ることができますよ!
必要な道具 エギングはじめの一歩 その1

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ロッドとリール、PEラインとリーダー、スナップとエギ。シンプルな構成のエギングタックル。(撮影:中山 一弘)
キャンプ/釣りライター
エギングに必要なのはルアーロッドとスピニングリール、PEラインにショックリーダー、エギの交換を容易にするスナップ、そしてエギが少々だけです。
基本的にはこれで釣りができますが、釣れたアオリイカを引き上げる玉網(タモ)や、錨型のフックで引っ掛けるギャフ、アオリイカを新鮮に保つためすぐに〆るためのナイフや専用の治具、それにクーラーボックス、手を洗ったり、吐いた墨を洗い流したりするための海水を救うバケツなどがあると便利です。
ロッドとリールは専用のものが出ていて、それを使うのがベストですが、必ずしも用意しなくてはいけないということはありません。
例えばシーバスロッドや硬めで長めのバスロッドでもエギを投げることはできます。あとで解説しますが、エギはそれ自体がアクションをすることがないので、「シャクリ」と呼ばれる動作でイカにアピールさせますが、その動作のやりやすさが専用とそれ以外では違うと思ってもらえれば間違いありません。まずは手持ちの道具で試してみて、専用ロッドが必要だと感じたら買うようにしましょう。
【タックル(釣り道具一式)まとめ】

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予備のエギや小物類はバッグに入れて身に着けるようにすると頻繁な移動が楽になります。(撮影:中山 一弘)
●ロッド
:7.5ft~8.5ft、15g~30gぐらいまで投げられる強さ
●リール
:スピニングリール2500番前後
●ライン
:PE0.6~1号、100~150m
●リーダー
:1.5~3号(アオリイカのサイズによって使い分けます)
●スナップ
:なるべく小型でしっかりしたもの
●エギ
:2.5号~3.5号各種(アオリイカのサイズによって使い分けます)
【ランディング(釣れた獲物を獲り込むこと)グッズ】

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500gぐらいまでのイカならそのまま抜きあげられますが、それ以上になると玉網(タモ)かギャフが必須になります。(撮影:中山 一弘)
●玉網(タモ)またはギャフ
:柄の長さは防波堤の高さに合わせます。5m前後あると大抵の場所では足りるでしょう。
【その他、小物類】
●クーラーボックス
:小型のもので十分です。大きく味が落ちるので、イカが氷に直接触れないよう、ビニール袋に入れてからクーラーボックスに納めてください。
●バケツ
:手を洗ったり、墨まみれになったイカをきれいにしたり、防波堤を掃除したり、あるとかなり役にたってくれます。
●ハサミ
:リーダーやPEラインを切るのに使います。落としやすいので予備があると安心です。
ナイフまたはイカ〆用治具:イカの目と目の間に刃物を刺して神経を切断します。これをするのとしないのとではまるで味が違うので必ずイカが元気なうちに〆てあげてください。
●偏光グラス
:日中にエギングをする際は必需品です。根を見つけたり、エギを追ってくるイカが見えやすくなります。
●ウエストバッグなど
:予備のエギや小物類を収納して身に着けます。エギは頻繁に交換するので、専用のストッカー(エギ収納ケース)などを用意しておくと出し入れが簡単になります。
リーダーとPEラインの結束はこちら!
釣り、アウトドアライターが自ら使って選んだPEラインを紹介しています。ダイワ、東レ、シマノ、デュエルなどのメーカーから発売されているPEラインはさまざまな釣りに使われますが、最も細分化され、なおかつ専用製品が多いのがソルトルアーフィッシングでしょう。ここでは主だった釣りジャンルに合った商品を紹...
イカが住む場所 エギングはじめの一歩 その2

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岩礁と砂地が点在し、海藻類が豊富にあるような地形はアオリイカが住んでいる可能性が高いです。
キャンプ/釣りライター
日本では北海道以南に広く分布するとされますが、特に太平洋側は関東以南、日本海側は新潟以西の沿岸であればアオリイカがいる可能性はさらに高いです。
アオリイカは潮通しが良く、海藻類が豊富にある岩礁帯などにいることが多いのですが、テトラポッドやケーソンが入っている防波堤も同様に好む傾向があります。そのため、自然の地形では磯周りでもよく釣れますが、入釣するのが難しいことが多いので、各地の防波堤や岸壁などが主な釣り場になります。
季節によっては沖に出てしまうのですが、主に産卵期にあたる春から、生まれたイカが盛んに餌をとって大きくなる晩秋までは沿岸でよく釣れます。
ただし、潮の温度や気候、地域によって早くから産卵することもありますし、冬でも成長途中の子イカが釣れることもあります。この辺は地域によってかなり違いがあるので、シーズンに関しては事前の情報収集は必須です。
釣るポイント エギングはじめの一歩 その3

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小規模な防波堤でも条件が揃えばアオリイカのねらい目になることがあるので見逃せません。(撮影:中山 一弘)

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潮通しのよい防波堤の先端には案の定、墨跡がありました。好条件が重なるとかなりの高確率で絶好のポイントになります。(撮影:中山 一弘)
キャンプ/釣りライター
実際にどの堤防で釣れているかは、釣具店に聞いてみるなどするしかありませんが、現地で確かめる方法もあります。大きな手掛かりとなるのは「墨跡」と呼ばれるものです。釣れたイカが地面に置かれたときに吐いた墨はすぐに消えないのでそれが良く釣れる場所の目印になるのです。
例えば、防波堤に立ってみて周囲を見渡してみると、ある一角だけ墨跡が集中していることがあります。その近辺は何かの地形変化や絶好の根(大きな岩や隆起した海底、沈船などの人工物)があるケースが多く、小魚が集まりやすいのでアオリイカも寄りやすいことが多いのです。
まずは事前の情報収集からはじめ、地域の釣具店での聞き込み、最後の絞り込みに墨跡、といった順序でポイントを開拓すると、アオリイカをゲットする道は近くなりますよ。
釣り方(2段しゃくりのやり方)【動画解説あり】 エギングはじめの一歩 その3

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2段しゃくりのやり方も含め、エギングのやり方を全般的に文章・動画で解説いたします。
キャンプ/釣りライター
1:【タックルの準備ができたらエギをキャストします。】
まずは自分が思う方向で構いませんからなるべく遠くへ投げてください。エギが着水したらすぐに糸ふけをとり、ロッドの先端をなるべく低い位置へ下げます。こうすることで風の影響を少なくする狙いがあります。
2:【姿勢ができたら、ふたたびベールをオープンにします。】
すると沈下していくエギに合わせてラインが引き出されていくので、それが止まるまで待ちます。このとき不要なラインが出ないようにリールを握っている手の人差し指をスプールのエッジに軽く添えます。これを「フェザリング」と呼びますが、ラインの放出を邪魔しないギリギリの押さえ具合にしておくと、ストップする瞬間が感じやすいので着底がすぐに分かるようになります。
3:【エギが着底したらベールを戻して「シャクリ」の動作に入る準備をします。】
飛距離や水深にもよりますが、遠くにあるエギを動かすにはかなり大きな動きをする必要があります。着底直後のラインはロッドの先端まで直線ではないので、まずは大きく一回シャクってください。この一回目は海中で膨らんだラインを直線に近くするイメージになります。一回目のエギはそれほど大きく動かないので、数秒も待てばまた着底します。
4:【次はまずは軽くシャクってエギを持ち上げ、再びロッドを軽く下げてからもう一度やや強めで大きくシャクリます。】
海中では軽くジャンプしたエギが方向を変えて大きく逃げたような動きになります。これが「2段シャクリ」という方法で、軽く跳ね上げるシャクリと大きく動かすためのシャクリをひとつの動作として連続しておこないます。
さらに小さく強いシャクリを繰り返す、多段シャクリもありますが、この2段シャクリだけで十分アピールできます。言葉だけでは難しいので、動画でも確認してみてください。
キャンプ/釣りライター
5:【シャクリの動作を終えたらロッドを下げて、いまシャクった分の糸ふけだけを巻き取ります。】
竿先にかすかにエギの重さを感じるぐらいの感覚で自然に落下するのを待ちます。これを「カーブフォール」と呼び、海中では弧を描くようにエギが底へ沈んでいくイメージになります。カーブフォールの場合、着底すると急にラインが軽くなるのですぐに分かると思います。
ロッドの長さにもよりますが、どんなに大きくシャクっても1~1.5mも跳ね上がる程度なので時間にすれば3.5号のエギで5秒もあれば再び着底するはずです。そして着底したら、また小さいシャクリと大きなシャクリを連続しておこないます。

Photo by マイナビおすすめナビ
海中でのエギのイメージ図
これを繰り返して手前までしっかり探ったら、今度はキャストする位置をやや変えて広く探るようにします。何投かしてダメだったら、少し移動、また何投かして移動、と広範囲を探るのがコツです。
ただし、混雑している堤防ではほかの釣り人の邪魔にならないよう細心の注意を払ってください。移動できそうもない時は、同じポイントでもやや間をあけて再びキャストを始めるのも効果的です。
アタリや取り込み エギングはじめの一歩 その4
キャンプ/釣りライター
ジャンプしたエギに興味を持ったアオリイカは落下をはじめたエギを攻撃しようと近寄ります。
どのタイミングというのはイカの活性にもよりますが、アタリが集中するのは落下直後か着底直後、もしくは次のシャクリの最初の動作時が多いです。ですから、カーブフォールをさせているときは神経を集中してください。
イカは触腕を伸ばしてエギにタッチしてから抱き着きます。この時のアタリの出方は明確に「コツン!」と手元までくることもありますし、何かしらの違和感を感じる程度のときもあります。また、エギが沈下中に抱かれたときは何の前触れもなく糸ふけだけが出ることも多いです。
なので、異常を感じたらすぐに合わせてみてください。その動作もアピールになることがあるので怖がらずに積極的に合わせをいれましょう。

イカがエギに反応しやすいタイミングのイメージ図。
キャンプ/釣りライター
エギに重さが加わったり、グングンと大きく引き絞るようならヒットです。慌てずに一定のスピードでリールを巻きましょう。
厳禁なのはラインを緩めることです。エギについている針(カンナと呼びます)は返しがないので簡単に抜けてしまいます。ドラグも極端に緩めず、強烈な引き込みのときだけロッドのしなりでなんとか交わすイメージです。
手前まで来たらあとはランディングするだけです。魚と違ってイカは頭(胴体の先端)の方向へ逃げます。足から掬おうとせず、頭から玉網(タモ)またはギャフを打つようにすれば大丈夫です。
さぁ、いろいろと解説しましたが、まずはチャレンジあるのみです。実際にやってみれば、それほど難しいテクニックはありません。他にもフリーフォールを交えた釣り方や、ラインの糸ふけをわざと出しながら釣る方法などもありますが、まずは2段シャクリとカーブフォールでエギの動きやアオリイカが乗ってくる感触を楽しんでみましょう。みなさんが美味しいイカを釣るのを楽しみにしています!
【最後に】釣りライターからのアドバイス エギングをより楽しむために
キャンプ/釣りライター
エギングは一晩中、ビシバシと誘い続ける釣りなだけに疲労度も重要なチェックポイントです。体力差や体格差によって披露度合いがまったく異なるため指標化はできませんが、ここで述べたポイントのほかにもグリップ形状やセットするリールのサイズ/重さなどによっても疲労度の感じ方が変わってきます。
グリップはもちろん握りやすく激しいアクションでも滑らないしっくりくるタイプが理想です。リールに関しては軽ければ有利ではあるものの、人によってはある程度重量があるほうがリズムが作りやすくなる傾向もあります。この辺は実際に使っていかないとわかってきませんが、エギングを続けるならぜひ意識しておいてほしい部分です。
また、ラインのガイド形状によってPEラインが絡みやすいこともありますが、ここで紹介したロッドは品質の良いガイドを採用しているので問題は起こりづらいはずです。もし、トラブルが起こるようなら、PEラインやアクションを加えたときのラインテンションのコントロールなどをチェックしてみましょう。
エギングロッドのおすすめに関するQA
そもそもエギングロッドとは何ですか?

エギングロッドとは、エギング(ルアーを使用したイカ釣り)専用に作られたロッドのことです。エギングロッドを使用し小魚やエビに似せたルアー(エギ)を本物のエサに見せ、イカを釣り上げるのです。詳しくはこちらも合わせてご覧ください。
エギングロッドはどのようにして選べば良いですか?

エギングロッドを選ぶポイントは大きく分けて3つ。「ロッドの長さ」「ロッドの硬さ」「ロッドの重量」には注目しておきたいです。また、専用のロッドではなく代用品ではそこそこの使用感しか得られないので注意が必要です。こちらでは、釣りライター・中山一弘さんがそれぞれのチェックポイントを詳しく解説しています。
エギングロッドで有名なメーカーはどこですか?

釣りライター・中山一弘さんに選んでもらった信頼できるエギングロッドの有名メーカーは、ダイワ・シマノ・メジャークラフト・ヤマガブランクス・アブガルシアです。こちらから中山さんのおすすめポイントと各メーカーの特徴をチェックしてみてください。
1万円台以下のおすすめエギングロッドを教えてください。

釣りライター・中山一弘さんが厳選したおすすめの1万円台以下のエギングロッドをこちらにまとめました。求めやすい価格かつ扱いやすいロッドばかりなので初心者の方にもおすすめです。自分にぴったりなエギングロッドを見つけてください。
2万円~3万円台のおすすめエギングロッドを教えてください。

釣りライター・中山一弘さんが厳選したおすすめの2万円~3万円台のエギングロッドをこちらにまとめました。初心者だけでなく、中級者・上級者の方にもおすすめです。自分にぴったりなエギングロッドを見つけてください。
4万円以上のおすすめエギングロッドを教えてください。

釣りライター・中山一弘さんが厳選したおすすめの4万円以上のエギングロッドをこちらにまとめました。少々高価ではありますが、感度やトラブルも少なくなるので、実は初心者の方にもおすすめなんです。自分にぴったりなエギングロッドを見つけてください。
エギングロッドを一覧で比較したいです。

釣りライター・中山一弘さんが厳選した「エギングロッド」を、長さ・硬さ・価格など特徴ごとに比較できるように一覧を作成しました。分かりやすい比較表はこちらから確認できます。
初心者がエギングロッドを使用してイカを釣るにはどのようにすると良いですか?

エギング初心者の方は、道具や釣り方など分からないことだらけで不安ですよね。こちらでは、初めての方でも分かりやすいように、必要な道具やイカが住む場所、釣る際のポイントなどを解説しています。ロッドの動かし方の動画も合わせてチェックしてみてください。
エギングを始めるにあたって気を付けることはありますか?

エギングは一晩中獲物を誘い続ける釣りです。体力や体格によって差もありますが、根気が必要で疲労もたまる場合もあります。ですが、実際にやってみると難しくはなくイカが乗ってくる感触は楽しいものです。そこで、釣りライター・中山一弘さんに、初心者の方に向けてアドバイスをいただきました!ぜひこちらからご覧ください。
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エギはアオリイカなどのイカ類を釣るエギングで使う、専用ルアーのような道具です。古くから漁具として使われてきたものが、近年釣り用に流用されるようになって脚光を浴び、瞬く間に広がりました。号数、沈下速度、カラーなどで使い方や特徴に違いがあります。現在、たくさんの種類のエギが市場を賑わしていますが、...
エギングラインの選び方のコツとおすすめの5商品を、釣りライターの中山一弘さんにうかがいました。アオリイカをはじめ、イカ類を狙う釣り「エギング」は多くのファンがいる人気の釣りです。一度ハマれば奥深い面も見えてきますし、食べたら食通もうなるおいしい獲物が釣れるのですからたまりません。ハマり度120...
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※2020/11/19 コンテンツを追加しました。(マイナビおすすめナビ編集部)
青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。