ボルドーの白ワインとは
ボルドーの白ワインのブドウ品種や作られる地域、フランスのAOCなどについて、まずはご紹介します。
ブドウ品種について
ボルドーの白ワインは、ソーヴィニョン・ブランとセミヨンが主流。この2つのブドウ品種で作られるものが、ボルドーの白ワインの9割をしめます。ブレンドされたものがメインですが、ソーヴィニョン・ブラン種は辛口、セミヨン種は甘口という特徴を持ちます。
作られる地域について
ボルドー地区で作られる白ワインは、村や地区の名前がそのままラベルに載っています。有名なところでいうと、メドックやグラーブ、ソーテルヌなど。またボルドーとひとくくりに言っても、地域ごとに作られるワインの特徴が異なります。
フランスのAOCについて
ワインの本場・フランスでは、国内各地の伝統的なワインを守るためにAOC(原産地呼称統制法)という法的な規制がもうけられています。そのなかには品種や栽培方法、醸造方法、アルコール度数などの基準が設定され、その厳しい規定を満たしたワインだけが、原産地を名乗ることが許されています。
ボルドー産白ワインの選び方
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・石関華子さんへの取材をもとに、ボルドーの白ワインを選ぶときのポイントをご紹介します。
【1】品種の違い
まずはボルドーの白ワインに使われるブドウ品種についてです。ご紹介したように、ボルドーの白ワインに使われているブドウ品種は、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンがメインです。それぞれの特徴をみてみましょう。
辛口のソーヴィニヨン・ブラン
白ワイン用のブドウ品種であるソーヴィニヨン・ブランは、そのさわやかな香りが特徴。またしっかりめの酸味とフルーティななかにも苦味のある味わいで、口当たりのいいワインです。また辛口ワインの主体として用いられることが多い品種ですね。
栽培される地域においても違いの出るソーヴィニヨン・ブランは、北の方ではハーブなどの香りが、南の方では果実のような風味がより強くなります。
甘口のセミヨン
ボルドーのセミヨンは、ソーヴィニヨン・ブランとブレンドすることが多いブドウ品種です。落ち着いた果実味で上品な味わいを持つのが特徴。
とくに長く熟成させたセミヨンは、コクのある世界最高峰の甘口ワインとして知られています。
【2】辛口か甘口を選ぶ
ボルドーの白ワインのなかにも、甘口・辛口があります。大きく特徴が異なりますので、好みの味わいを選んでみてください。
香り高い辛口ワイン
ボルドーの白ワインを選ぶときには、まず辛口か甘口かをチェックしましょう。また味わいは、それぞれの生産地域やブドウ品種などによっても異なってきます。
主にボルドーの辛口白ワインは、さわやかで香り高いものが多いです。
極甘口の貴腐ワインが有名
ボルドーの甘口ワインとして有名なのは貴腐ワインでしょう。貴腐菌がついたブドウから作り出される貴腐ワインは、濃厚な甘みと独特な香りを持つ極甘口のワインです。
【3】生産地区から選ぶ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
同じボルドー地方の白ワインであっても、生産地区ごとにその個性はさまざまです。代表的な白ワインの生産地区としては、すっきりとした辛口の白ワインを生み出す「アントル・ドゥ・メール地区」、芳醇で複雑味のある白ワインを生み出す「グラーヴ地区」などが挙げられます。また、「ソーテルヌ地区」は、甘口のデザートワインの代表格である貴腐ワインの産地として有名です。
このように地区ごとに生産される白ワインの個性が異なるので、お好みやその日の気分に合わせてワインの生産地区から選ぶというのもおすすめです。
●メドック地区
メドックは、ボルドー地方の北部及びガロンヌ河の西側にある地区になります。赤ワインの生産地として有名ですが、そのかげで良質な白ワインも造られていますよ。
●グラーヴ地区
グラーヴはガロンヌ河の西側にあり、メドック地区の南側にある地区。赤も白もどちらのワインも生産していますが、高品質な辛口の白ワインをつくることで有名です。
●ソーテルヌ地区
ソーテルヌの貴腐ワインは高品質で、ときに数十万円という価値を生み出すこともあります。ソーテルヌの気候が生み出した貴腐ワインは、極上の甘口だと言われます。
●アントル・ドゥ・メール地区
リーズナブルで良質な白ワインの扱いが多いのも特徴です。赤ワイン生産が多いボルドー地方のなかでも、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンが栽培されている白ワインの産地です。飲みやすい辛口を探しているなら、アントル・ドゥ・メール地区の白ワインはいかがでしょう。
【4】合わせる料理から選ぶ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
ボルドー地方ではさまざまな味わいの白ワインが生産されているため、それぞれ相性のいい料理というのも変わってきます。
一般的に、すっきりとした辛口の白ワインには、あっさりとした味付けの料理や軽めの料理、まろやかで芳醇な白ワインには、クリームやバターなどを使った料理、甘口の貴腐ワインには甘いデザートやチーズなどがよく合います。
このように、ワインの味わいによって相性のいい料理が異なるため、合わせたい料理からワインを選ぶというのもおすすめです。
【5】ワインの生産者「シャトー」から選ぶ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
フランスのボルドー地方でブドウ栽培やワイン醸造を手掛けるワイナリーは、伝統的に「シャトー」と呼ばれています。ボルドー地方の白ワインを選ぶときは、このシャトーで選ぶというのもおすすめです。
一般的にフランスのボルドー地方の白ワインは、複数のブドウ品種をブレンドしてつくられているのですが、ブレンドされるブドウ品種の比率(セパージュ)はシャトーごとに異なります。また、ブドウ畑の立地条件やブドウの栽培方法、醸造方法などもシャトーによってさまざまです。ですので、シャトーが変わればワインの味わいもまったく別のものになります。
好みの味わいを探すのはもちろんのこと、シャトーごとのワインづくりへの取り組み方や、歴史などからワインを選んでみてもいいでしょう。
【6】贈りものにする場合は格づけも目安のひとつに選ぶ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
贈りもの用のボルドー地方の白ワインを選ぶときは、格づけを目安にして選ぶのもおすすめです。「ソーテルヌ地区」では、とくにすぐれた貴腐ワインを生産するシャトーが上から順に「特別第1級」、「第1級」、「第2級」に格づけされています。また、「グラーヴ地区」でも、とくにすぐれた白ワインを生産する9つのシャトーが格づけされています。
ただし、格づけされているシャトーのワインだからといって、必ずしもすべての人の口に合うとは限りません。格づけされていないシャトーのワインでもおいしいものはたくさんあるので、格づけはあくまでもワイン選びのひとつの目安とするようにしましょう。
ボルドー産の白ワインおすすめ11本
うえで紹介したボルドー産白ワインの選び方のポイントをふまえて、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・石関華子さんと編集部が選んだおすすめのワインを紹介します。これから初めてボルドーの白ワインを購入してみたいという方も、ワイン好きでプロのおすすめを知りたいという方もぜひ参考にしてみてください。

シャトー・カルボニュー『シャトー・カルボニュー・ブラン 2015』

出典:Amazon
産地 | フランス(ボルドー/グラーヴ地域) |
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品種 | ソーヴィニヨン、セミヨン、ミュスカデル |
生産者 | シャトー・カルボニュー |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | 13% |
特別な日に飲みたいグラーヴ地区格づけワイン
贈りものにしたり、特別な日に飲むのにおすすめの1本がこちら。グラーヴ地区の格づけシャトーのひとつ、シャトー・カルボニューが手がける白ワインです。
産地はグラーヴ地区のなかでもとくにすぐれた白ワインを生み出すペサック・レオニャン。ブドウ品種はソーヴィニヨン・ブランとセミヨン、ミュスカデルがブレンドされています。
華やかな香りに、力強い果実味と適度な酸味が見事に調和しているエレガントな味わいで、まさにぺサック・レオニャンの典型とも言うべき1本です。白身魚のグリルやソテーのほか、お寿司やふぐのお刺身などともマッチします。

バロン・フィリップ・ド・ロートシルト『ムートン・カデ レゼルヴ グラーヴ ブラン 2016』

出典:Amazon
産地 | フランス(ボルドー/グラーヴ地域) |
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品種 | セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデル |
生産者 | シャトー・ムートン・ロートシルト |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | 13% |

シャトー・ボネ『シャトー・ボネ 2016』

出典:楽天市場
産地 | フランス(ボルドー/アントル・ドゥ・メール村) |
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品種 | ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデル |
生産者 | シャトー・ボネ |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | 12.5% |
手ごろな価格の親しみやすいボルドーの白
手頃な価格のボルドーの白ワインを楽しみたいという方におすすめするワインが、こちらの『シャトー・ボネ・ブラン』です。産地はボルドーのなかでも、親しみやすい白ワインを生み出すアントル・ドゥ・メール。ドルトーニュ川とガロンヌ川にはさまれた一帯にあります。
このシャトー・ボネのオーナー、アンドレ・リュルトン氏はとくにボルドーワイン全体の地位向上に貢献したことで知られる人物。ブドウ品種はソーヴィニヨン・ブランを主体とし、柑橘類やハーブを思わせる香りに、フレッシュな果実味とさわやかな酸味が特徴で、ワイン初心者の方でも比較的飲みやすい味わいです。魚もしくは鶏肉の香草焼きや天ぷらなどと合わせるといいでしょう。

ドゥルト『ドゥルト bボルドー ブラン』












出典:Amazon
産地 | フランス(ボルドー) |
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品種 | セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデル |
生産者 | - |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | 12% |

シャトー・リューセック『シャトー・リューセック 2015』

出典:楽天市場
産地 | フランス(ボルドー/ソーテルヌ) |
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品種 | セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデル |
生産者 | シャトー・リューセック |
味わい | 甘口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | - |
ソーテルヌ格付け1級シャトーの貴腐ワイン
贈りものにしたり、特別な日のデザートタイムに飲みたいソーテルヌ地区の貴腐ワインがこちら。1855年に制定されたソーテルヌの格づけで、第1級に格づけされた11のシャトーのひとつ、シャトー・リューセックの貴腐ワインです。
長きにわたって安定して高い評価を受けているこの貴腐ワインは、トロピカルフルーツや甘いスパイスを想わせる香りと、エレガントな甘味が特徴的です。ドライフルーツやチョコレートのほか、フォアグラやブルーチーズなどとも抜群の相性です。長期熟成も可能なため、お子さんやお孫さんの生まれ年のものを探し、成人や結婚などのお祝いに贈るのもおすすめです。

シャトー・ギロー『プティ・ギロー 2013』

出典:楽天市場
産地 | フランス(ボルドー/ソーテルヌ) |
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品種 | ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン |
生産者 | シャトー・ギロー |
味わい | 極甘口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | - |
ソーテルヌ1級シャトーのセカンドラベル
貴腐ワインを気軽に試してみたいという方におすすめの1本がこちら。ソーテルヌ格付け第1級のシャトー・ギローが手掛けるセカンドラベル、『プティ・ギロー』です。
セカンドラベルとはいっても、その製法や品質管理には一切の妥協はありません。貴腐ワインは希少価値が高いため高価なものが多いのですが、そのなかでは比較的手ごろな価格で、本格的な味わいを楽しむことができる1本です。
完熟したトロピカルフルーツやアカシアの花のような香りに、蜂蜜のような甘さとほのかな酸味が特徴で、フルーツやデザートのほか、ナッツやチーズなどのおつまみともよく合います。
シャトー・フレイノー 『ボルドー・シューペリュール』

出典:Amazon
産地 | ボルドー |
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品種 | ソーヴィニヨン・ブラン セミヨン |
生産者 | シャトー・タルボ |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | 13.5% |
シャトー ラ ミッション 『オー ブリオン ブラン』

出典:Amazon
産地 | ボルドー |
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品種 | メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン |
生産者 | シャトー ラ ミッション オー ブリオン |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | - |
クレスマン 『クレスマン・アントル・ドゥ・メール』

出典:Amazon
産地 | ボルドー |
---|---|
品種 | ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン |
生産者 | - |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | 12% |
シャトー ラグランジュ 『アントル ドゥ メール』

出典:Amazon
産地 | ボルドー |
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品種 | ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン |
生産者 | シャトー ラグランジュ |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | - |
ミシェル リンチ 『オーガニック ブラン』

出典:Amazon
産地 | ボルドー |
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品種 | ソーヴィニヨン ブラン、セミヨン |
生産者 | ミシェル リンチ |
味わい | 辛口 |
容量 | 750ml |
アルコール度 | - |
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ボルドー産白ワインの売れ筋をチェック
楽天市場でのボルドー産白ワインの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【最後に】ワイン専門家のアドバイス
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
あらゆるシーンでボルドーの白ワインを楽しんで
贈りものにしたり、特別な日の1本にしたり、ふだんの食事に合わせてカジュアルに飲んだりと、ボルドーの白ワインはあらゆるシーンで楽しむことができます。また、すっきりとした辛口の白ワインから甘口の貴腐ワインまで、幅広い味わいのものがあるのも、その魅力のひとつと言えるでしょう。
皆さんもこの機会を通して、日々のワインライフにボルドーの白ワインを取り入れてみてはいかがでしょうか。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:やきさんま、掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2019/12/24 一部コンテンツと価格を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 桑野美帆子)
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。