APS-Cミラーレスカメラとは? フルサイズよりも軽量でコンパクト、コスパもよい
APS-Cセンサーとは、一般的なカメラに搭載されているイメージセンサーのフルサイズセンサーよりも小さいセンサーです。APS-Cセンサーだからこその魅力やメリットも多くあります。
軽量コンパクトで画質もよい APC-Cはマイクロフォーサーズ同様に軽い
写真家、カメラ評論家
APS-C判(約23.5×16mm)のイメージセンサーはフルサイズ判(約36×24mm)と比べると約1/2ぐらいのサイズ。画質はフルサイズ判が上回るとはいえ、センサーサイズの違いほど「差」はありません。
APS-C判カメラはその小型センサーの利点を活かすことで、より小型で軽量なカメラボディ、交換レンズが作れます。
できるだけ小型軽量で価格も安く、コンパクトカメラより画質のよいカメラをお望みなら、文句なしにAPS-C判ミラーレスカメラをおすすめします。
また、APS-Cはフルサイズよりもレンズの焦点距離が1.5倍長くなる特徴があります。重くなってしまうフルサイズの超望遠レンズを使わなくても、軽量のAPS-Cの望遠レンズを使用しての撮影が可能です。
屋外やスポーツ撮影など、シーンによってはAPS-Cの望遠レンズのほうが向いていることも多いです。
APS-Cはコスパのよいモデルも豊富 ソニーやライカなどはマウント共通でフルサイズレンズ使用可
写真家、カメラ評論家
そのぶん価格も安く抑えることが可能。
ソニーやライカのカメラはAPS-C判カメラもフルサイズ判もマウントは共通なので、フルサイズ判用の交換レンズをAPS-C判カメラで使用できます。キヤノンのAPS-C判カメラは、専用のマウントアダプターを利用することで一眼レフ用の交換レンズを使うこともできます。
APS-Cミラーレスカメラの選び方
それでは、APS-Cミラーレスカメラの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
【1】必要な機能が備わっているかチェックしておく
【2】本体のみかレンズキットモデルかを選ぶ
【3】機能とサイズ、重量をバランスで選ぶ
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】必要な機能が備わっているかチェックしておく 防水防塵、液晶モニター可変式、Wi-Fi、Bluetooth、EVFなど
必要な機能が備わっているかをチェックして、APS-C判ミラーレスカメラを選びましょう。
写真家、カメラ評論家
以前は、カメラ選びで重視されていたおもな性能としてセンサーの画素数や連写速度などでしたが、今はそれほど重要なスペックではなくなりました。今はほぼじゅうぶんな性能を備えている機種ばかりになっているからです。
▼幅広いシーンの撮影ができる防水防塵機能
おもに屋外で撮影する機会が多い場合は、防水防塵機能がついているAPS-C判ミラーレスカメラを選ぶとよいでしょう。
防水防塵機能があれば、急な雨のときや、砂埃の舞うスポーツや運動会などのシーンでも、精密機器であるカメラを水濡れや砂埃から守れます。いろいろな撮影シーンに対応できるAPS-C判ミラーレスカメラを探しているときにも、防水防塵機能の有無をチェックしておきましょう。
▼液晶モニター可変式なら自撮りもできる
APS-C判ミラーレスカメラには、モニター部分が可動式のものがあります。可動方式にはモニターが上下にスライドするチルト式や、左右いずれかに開いてモニターを回転させられるバリアングル式などがあります。
撮影シーンや、自撮りしたいかなどでモニター可動の有無や方式を選びましょう。
写真家、カメラ評論家
通信機能やEVF内蔵かなども確認
しっかりチェックしておくべき機能としては、たとえばWi-FiやBluetoothの機能を内蔵していてスマホなどと容易に連携できるか、明るい戸外でも構図が決めやすいEVF(電子ビューファインダー)を内蔵しているか、かんたんに誰もが自由なアングルで撮影できるように液晶モニターが可変式になっているか、フル充電したバッテリーを使って何カットぐらい撮影ができるか、などがあります。こうしたポイントをカタログやスペック表などで調べてからカメラ選びをすることが大切です。
【2】本体のみかレンズキットモデルかを選ぶ
APS-C判ミラーレスカメラは、カメラ本体とレンズをバラバラに購入する方法と、あらかじめ本体とレンズがセットになったキットモデルを購入する方法があります。
写真家、カメラ評論家
APS-C判ミラーレスカメラは、しいて言えば初心者向けから中級者向けクラスの機種が多くありますが、撮影機能や画質などは上級機種と比べてもまったく遜色(そんしょく)はありません。この点についてはそれほど心配する必要はありません。
新しくAPS-C判ミラーレスカメラの購入を予定されているなら、ボディ単体と交換レンズを別々に購入するのではなく、交換レンズ(おもに標準ズームレンズ)とセットになった「レンズキットモデル」がおすすめです。ボディとレンズを個別に購入するよりも、ずっと低価格で買うことができます。お買い得です。
もしキットモデルが用意されていなければ、交換レンズは、まず標準ズームレンズを選ぶといいでしょう。その後に、F値の明るい単焦点レンズを加えていく方法がおすすめです。
(★)コストをおさえたいなら型落ち品も選択肢に
できるだけ価格をおさえてAPS-C判ミラーレスカメラを購入したい場合には、型落ち品を選ぶ方法もあります。前モデルでも、撮影に必要なスペックをじゅうぶん満たしていれば、コストは押さえつつ納得のAPS-C判ミラーレスカメラが選べます。
まずは型落ちモデルでも撮影するシーンや被写体に応じたスペックを満たしているかを確認してみましょう。
【3】機能とサイズ、重量をバランスで選ぶ
APS-C判ミラーレスカメラはフルサイズや一眼レフよりも軽量コンパクトなのが魅力です。軽量性や持ち運びの利便性から、APS-C判ミラーレスカメラを選ぶ人も多いでしょう。実際に持ち運ぶ方法や撮影シーンで快適に使用できるように、本体サイズや重量を確認しておくのが重要です。
APS-C判ミラーレスカメラはコンパクトデジカメやスマホよりは当然重くて大きいです。はじめてAPS-C判ミラーレスカメラを購入したい場合には、とくにサイズや重量も確認しておきましょう。
APS-Cミラーレスカメラのおすすめ6選
うえで紹介したAPS-C判カメラの選び方のポイントをふまえて、写真家・カメラ評論家の田中希美男さんに選んでもらったおすすめ商品、編集部で選んだ商品を紹介します。入門機から中級機、プロやハイアマチュアの要求に応えられる上級機までそろっていますので、自分に合った1台を選んでください。

キヤノン 『EOS Kiss M』












出典:Amazon
すぐれたカメラ性能ながらリーズナブルな価格
APS-C判センサーを使用するキヤノンのミラーレスカメラが「EOS M」シリーズで、そのトップモデルとなるのがこのKiss Mです。カメラ中央の上部にポップアップ式フラッシュを内蔵し、電子ビューファインダー(EVF)も装備。すぐれたAF性能(追尾AF、143点AF)、高速連写(最高10コマ/秒)、動画性能(4K動画)を備えています。
すぐれたカメラ性能にしてはとてもリーズナブルな価格で、お買い得機種です。ホワイトカラーモデルが用意されていて、とくに女性にはおすすめ。とてもよいデザインです。
なお、約29~240mm相当画角のズームレンズとキットにしたモデル(EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMレンズがキット)も用意されていますので参考にされるといいでしょう。

キヤノン 『EOS M100 レンズキット』














出典:Amazon
初心者向けエントリーモデルだが不満のない性能
APS-C判ミラーレスカメラEOS Mシリーズの初心者向けエントリーモデル。しかし、初心者向けとはいうものの、撮影モードは充実していてP/A/S/M(プロブラム/絞り優先/シャッター速度優先/マニュアル)はもちろん、便利なオート撮影モードも備えています。
AF性能(デュアルピクセル CMOS AF)も、連写性能(最高6.1コマ秒で最大89コマ)についても、まったく不満のない性能を備えたカメラです。
電子ビューファインダーは備わっていませんが、液晶モニターは180度回転して自分撮りもできます。Wi-Fi、Bluetooth LEの機能も備わっているのでスマホと写真共有や遠隔撮影も可能。
24~72mm相当の画角をカバーする手ブレ補正内蔵の「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」レンズとのキットモデルもあって、こちらは手頃な価格で購入できるので、こちらをおすすめします。ホワイト、ブラック、グレイのカラーモデルが用意されています。

富士フイルム 『X-H1』




















出典:Amazon
頑丈なボディに機能凝縮、使い続けられるカメラ
富士フイルムのミラーレスは中判カメラのGFXシリーズをのぞけばすべてAPS-C判センサーを採用した機種(Xシリーズ)だけです。ざっと10機種ほどラインナップされていますが、その最上位機種がこのX-H1。いちばんの特長は、Xシリーズでは2019年5月現在で唯一のボディ内手ブレ補正を内蔵したカメラであることです。
交換レンズXFレンズにはレンズ内手ブレ補正を内蔵したものが多くありますが、それらとX-H1とを組み合わせればふたつの手ブレ補正を働かせて手ブレ補正効果をアップする機能も備わっています。
プロの過酷な使用条件でも適応するように頑丈なボディで、さらに防塵・防滴・耐低温の構造にもなっています。せっかく購入するのだから何年も使い続けられるカメラを、と希望するならXシリーズのなかではX-H1が最適なカメラでしょう。少し価格は高めですが、買って使ってみて後悔しない機種です。

ライカ 『TL2 ボディ』
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出典:楽天市場
スタイリッシュで高性能、ライカファン注目のカメラ
アルミ金属の削り出しボディで、手触りバツグン、たいへんにスタイリッシュで高品質なカメラです。ライカファンなら持っているだけで満足し自慢もできます。
ボディ背面にはほかのカメラのような操作ボタン類はなく、モニター画面に表示される機能アイコンをタッチして撮影モードや機能の設定をおこないます。最高20コマ/秒の高速連写や4K動画、120fpsのスローモーション撮影も可能です。
EVF(電子ビューファインダー)は内蔵していませんが、別売オプションで外付けタイプのEVF・ビゾフレックス(角度調整可能)が使用できます。
交換レンズはライカLマウントであればフルサイズ判用レンズでも使用できますし、専用のマウントアダプターを利用すれば新旧のM型ライカ用レンズも使うことができます。もし予算的に余裕があれば、ぜひおすすめしたい高級ミラーレスカメラのひとつです。
RICOH(リコー)『GR III』


















出典:Amazon
Canon(キヤノン)『PowerShot G1 X Mark III(PSG1XMARKIII)』












出典:Amazon
「APS-Cミラーレス一眼」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする APS-C判ミラーレスカメラの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのAPS-C判ミラーレスカメラの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
APS-CミラーレスカメラのQ&A
APS-Cミラーレスカメラで中古やレンタルを利用するのは?

カメラの中古市場は一定の需要があってマーケットも確立されています。中古を扱っている店舗であればメンテナンスもされているので、中古品に抵抗がない人には選択のひとつになります。型落ち品が格安で入手できたり、手に入らない人気モデルはプレ値になっている場合もあります。レンタルについても使う頻度が少ない人や、試してみたいという人は利用してみてもよいでしょう。
【関連記事】そのほかのミラーレスカメラ関連の記事はこちら
APS-Cミラーレスカメラは発売から3年以内の機種を カメラ評論家からのアドバイス
写真家、カメラ評論家
近年は旧型から新型にモデルチェンジされても、機能や画質が"格段に"よくなるということはなくなりました。だから、というわけでもないでしょうが、新型が出てもしばらくは旧型を売り続けているメーカーもあります。
こうした旧型は価格が安くなっていることが大きな魅力なのですが、なかには発売されてから数年以上経過している機種もあります。目安として発売から3~4年経過した機種を選ぶのは避けたほうがいいでしょう。3~4年の期間といえば、撮影機能も画質もそれ相当に新しくなり性能も向上しています。
数万円ぐらいの価格差であれば、できれば新型または発売後1~2年ぐらいの機種を選ぶことをおすすめします。価格が安いから、という理由だけで購入すると、あとで後悔することにもなりかねません。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。