ベースの選び方 重厚感のある音色は、まさに縁の下の力持ち
レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんに、ベースを選ぶときのポイントを4つ教えてもらいました。
パッシブとアクティブ、どっちにする?
アクティブタイプのベースはこちら。ハッキリと力強い音です。
レコーディングエンジニア
ナチュラルなパッシブ、ノイズに強いアクティブ
ベースには、パッシブタイプとアクティブタイプの2種類があります。ピックアップで拾った信号がそのまま出力されるのがパッシブタイプで、プレシジョンベースやジャズベースが代表例。
アクティブタイプはベース本体にプリアンプを内蔵し、出力を大きくすることで、力強い音色や自由な音作りを実現しています。MUSICMANのStingRayはアクティブタイプの代表例です。
どちらのタイプもメリット・デメリットがあるので、その特色をよくつかむことが必要。かんたんに言うなら、パッシブはナチュラルでふくよかな音色、アクティブはノイズに強くてはっきりと前に出る音色です。
演奏スタイルやジャンルによって選ぼう
レコーディングエンジニア
音楽のジャンルによるベースの向き不向きをチェック
エレクトリック・ベースといってもさまざまな機種があり、それぞれに音色の特徴や得手不得手があります。ベースごとの特色をよく知ることが、選択の際の重要なポイントです。
たとえば、ハードロックやオルタナティブ、パンクロックに向いてる機種として、GibsonのThunderbirdやMusicmanのStingRayがあります。
また、ピック弾きならプレシジョンベース、親指で弦を叩き、人差し指で弦を引っ張るスラップ奏法を多用するのであれば、ジャズベースやアクティブタイプがいいでしょう。
価格帯はどのくらいがいい?
レコーディングエンジニア
楽器以外の周辺機材の費用も考慮しよう
ベースは安ければ1万円以下から、高いと数百万円するものまであるので、どの価格帯のものを選べばいいのか迷うはず。
総予算が5万円だとして、はじめてベースを購入する方は、周辺機材も含めて考えないといけないので、ベース本体にかけられるのは2~3万円前後でしょう。
すでに楽器を持っていて2本目の購入などを考えている方なら、その限りではありません。
その場合は、シールドやエフェクターなど、周辺機材のアップグレードを同時に行うのがおすすめです。楽器のアップグレード以上の効果を得られます。
好きなアーティストと同じモデルを選ぼう
アメリカのベーシストのジェームス・ジェマーソンや、イギリスのヘヴィメタルバンドIRON MAIDEN(アイアン・メイデン)のスティーブ・ハリス、シド・ヴィシャス、日本のロックバンドOKAMOTO'Sのハマ・オカモト氏などが愛用。
レコーディングエンジニア
理想のサウンドに迫るには楽器から
みなさんそれぞれ好きなバンドやミュージシャンがいると思いますが、好きなアーティストと同じ機材を選ぶのも、選択肢としては有効。憧れやミーハー的な意味だけではなく、同じものを使えば出てくる音をイメージしやすいからです。
もちろん同じ機材を使ったところでまったく同じ音が出るわけではありませんが、少しでも近づくために努力することはいいことだと思います。
ベースの人気おすすめ10選 プロのミュージシャンも愛用者多数、ハードロックやパンクロック向けなど
前述してきたベースの選び方のポイントをふまえて、レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんが選んだおすすめ商品を10個紹介します。

Fender(フェンダー)MADE IN JAPAN TRADITIONAL『70S PRECISION BASS』














出典:Amazon
弦数 | 4弦 |
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表板の材質 | アルダー |
指板材の種類 | ローズウッド |
スケールの長さ | 86.4cm |
パッシブ/アクティブ | パッシブ |
カラー | アークティックホワイト、ブラック |
1970年代のプレシジョンベースを再現した逸品
現在の形のエレクトリックベースの元祖が、Fenderのプレシジョンベース(通称プレベ)です。プリミティブでシンプルかつ、ストレートでパワフルなサウンドが魅力。
アンプで音を出すためのマイクであるピックアップがひとつなので、音作りの幅は広くありません。ピック弾きするときの独特の太いサウンドは、バンドのなかに埋もれることなく存在感を発揮します。
プレベの愛用ミュージシャンは、アメリカ発祥のモータウン・レコードにおいて1960年代~70年代にかけて数々のヒット曲で演奏したベーシストのジェームス・ジェマーソンや、イギリスのヘヴィメタルバンドIRON MAIDEN(アイアン・メイデン)のスティーブ・ハリス、シド・ヴィシャスが有名。日本ではロックバンドOKAMOTO'Sのハマ・オカモト氏などがいます。
この機種はプレベならではの荒々しさを活かしつつ、若干モダンにリファインされているので演奏しやすく、どなたにもおすすめできます。

Fender(フェンダー)MADE IN JAPAN HYBRID『JAZZ BASS V』












出典:Amazon
弦数 | 5弦 |
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表板の材質 | アルダー |
指板材の種類 | ローズウッド |
スケールの長さ | 86.4cm |
パッシブ/アクティブ | パッシブ |
カラー | アークティックホワイト、チャコールフロストメタリック、シャーウッドグリーンメタリック、トリノレッド |
迷ったらこれ! 愛用者多数のフェンダーのジャズベ
定番中の定番、Fenderのジャズベース(通称ジャズベ)。アメリカのベーシストであるマーカス・ミラーや、イギリスのロックバンドLed Zeppelin(レッド・ツェッペリン)のジョン・ポール・ジョーンズ、日本ではミュージシャンの細野晴臣氏や音楽プロデューサー・ベーシストの亀田誠二氏が使用していることでも有名です。
ナチュラルな低音が特徴で、ウォームな音色から輪郭のハッキリした音色まで、複数のピックアップの組み合わせで幅広く音作りができます。
Fender Japan製ということで、製品ごとの当たり外れが少ないのもポイント。
とにかくあらゆるジャンルに対応できるので、困ったらこれを選べばまず間違いありません。比較的ネックが細身なこともあり、ビギナーや手の小さい方にもおすすめです。

MUSICMAN(ミュージックマン)『StingRay4 Vintage Sunburst』












出典:Amazon
弦数 | 4弦 |
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表板の材質 | - |
指板材の種類 | メイプル |
スケールの長さ | - |
パッシブ/アクティブ | アクティブ |
カラー | ヴィンテージサンバースト |
ハードロックやパンクロックにぴったりの定番モデル
StingRayは1976年の発表から揺るぎない地位を確立しているMUSICMANのベースのなかでも、一番人気の大定番モデルです。
大きく特徴的なピックアップはブリッジ寄りに1基。アクティブタイプなのでノイズに強く、3バンドイコライザー搭載で、幅広い音作りが可能。強烈な個性を感じます。
アメリカのロックバンドRed Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)のベーシストであるフリーが使用していることでも有名。
しっかりとした低域がありながらもクリアでヌケのいい高域が特徴で、ハードロックからオルタナまで、またスラップを多用するベーシストにもおすすめです。

Fender(フェンダー)『Squier AFFINITY SERIES PRECISION BASS PJ』










出典:Amazon
弦数 | 4弦 |
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表板の材質 | アルダー |
指板材の種類 | インディアンローレル |
スケールの長さ | 86.4cm |
パッシブ/アクティブ | パッシブ |
カラー | ブラック、オリンピックホワイト、レースレッド |

Gibson(ギブソン)『Thunderbird Bass 2019』


















出典:Amazon
弦数 | 4弦 |
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表板の材質 | マホガニー |
指板材の種類 | ローズウッド |
スケールの長さ | 約86.3cm |
パッシブ/アクティブ | パッシブ |
カラー | ヘリテージチェリーサンバースト |
個性派の人におすすめの独特なシェイプ
同じGibsonのエレクトリック・ギターにFirebirdがありますが、同時期に開発されたエレクトリック・ベースがこのThunderbird。
とにかく音が太く、ほかの楽器の音に負けない「ロック!」という音がします。大げさでなく「ロックベース=サンダーバード」という人もいるくらいです。
アメリカのヘヴィメタルバンドMotley Crueのニッキー・シックスは、Thunderbirdをベースにしたオリジナル仕様の「ブラックバード」というモデルを愛用しています。
ハムバッカー・ピックアップの太い音は、どちらかというと抜けのよい音ではないのでスラップなどには向いていませんが、ピック弾きでゴリゴリ演奏したい方におすすめです。
Fender(フェンダー)『MIJ Traditional '60s Jazz Bass (5350060300)』














出典:Amazon
弦数 | 4弦 |
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表板の材質 | バスウッド |
指板材の種類 | ー |
スケールの長さ | 86.4cm |
パッシブ/アクティブ | パッシブ |
カラー | 3カラーサンバースト・アークティックホワイト・ウォルナット・キャンディアップルレッド・ソニックブルー・ダフネブルー |
Bacchus 『Universe Series IKEBE ORIGINAL HWL-ALL (WJB-ALL-BLK/R)』

出典:Amazon
弦数 | 4弦 |
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表板の材質 | ポプラ |
指板材の種類 | ローズウッド |
スケールの長さ | 86.4cm |
パッシブ/アクティブ | ー |
カラー | ブラック |
YAMAHA(ヤマハ)『TRBX505 (TRBX505TBR)』

出典:Amazon
弦数 | 5弦 |
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表板の材質 | マホガニー |
指板材の種類 | ローズウッド |
スケールの長さ | 86.4cm |
パッシブ/アクティブ | ー |
カラー | ブラウン・ブラック・ホワイト |
星野楽器『SR305E (SR305E-IPT)』






出典:Amazon
弦数 | 5弦 |
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表板の材質 | マホガニー |
指板材の種類 | マホガニー |
スケールの長さ | 86.4cm |
パッシブ/アクティブ | ー |
カラー | IPT(アイアン・ピューター)・CUB (Cerulean Aura Burst)・PW(パール・ホワイト) |
山野楽器『4003S WN』


















出典:Amazon
弦数 | 4弦 |
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表板の材質 | ウォルナット |
指板材の種類 | メイプル |
スケールの長さ | ー |
パッシブ/アクティブ | ー |
カラー | Walnut |
「ベース」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ベースの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのベースの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【最後に】レコーディングエンジニアがアドバイス 実際にベースの音色を聴いて判断しよう
レコーディングエンジニア
ベース選択の決め手となるポイントを一部あげてきましたが、結局決め手となるのは各々の好みです。他人の意見よりも自分の感覚を信じたほうが後悔しないでしょう。
後悔しないベース選びのためには、自分のなかに基準となるものを持つことが大事。ネットや雑誌を利用した情報収集も大切ですが、ビギナーの方もまずは実際に楽器に触ってサウンドを確認してから選ぶのが一番いいと思います。
とはいえ、実際に楽器に触る機会のない方は写真や文章の情報だけではなく、動画サイトの楽器レビューなど、実際に音を出して演奏しているものを参考にしてみてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
2020/12/13 コンテンツ修正のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 平野慎也)
1989年株式会社ゼロスタジオに入社。 アシスタントを経て、1992年チーフエンジニアに昇格。 その後、数々のレコーディングに携わる。 2001年ゼロスタジオを退社、フリーランスとなる。 以降、レコーディング・ミックスからプログラミングまで、またアイドルソングからプログレまでなんでもこなす便利な人として、活躍中。"