ドリルビットとは DIY初心者はおさえておきたい
ドリルビットとは、電動ドライバーの先端に取りつける刃のこと。ドリルビットには非常にたくさんの種類があり、何をしたいのかによって選ぶドリルビットが変わってきます。
基本的に電動ドライバーは、各用途のドリルビットを取り付け、回転させることで、ネジ締めや穴あけを行います。逆にいえば、ドリルビットがなければ電動ドライバーは使えません。
■ドリルビットの種類
ドリルビットには各用途ごとに種類が分かれています。
▼穴あけ用ビット
電動ドライバーの回転を利用して、穴を開けるためのビットです。
プラスチック用、木工用、金属用、コンクリート用、竹用など、素材ごとに分かれたビットや、下穴錐、皿取錐、フォスナー用など、先端の形状が特徴的なビット、さらに、ダボ用ビットという穴を探るためのビットもあります。
▼ネジ締め用ビット
電動ドライバーの回転を利用して、ネジを締めるためのビットです。
手動のドライバーと同じく、「+(プラス)」と「ー(マイナス)」があり、小さいサイズから大きいサイズまで幅広い展開があります。
▼研磨・研削用ビット
電動ドライバーの回転を利用して、研磨・研削ができるビットです。
ガラスや金属、プラスチック、石などを研磨できる、素材ごとのビットや、面取りなどを行うビットなどがあります。
本記事では、ドリルビットの中でも一番一般的な「穴あけビット」について、選び方やお勧め商品をご紹介いたします。
ドリルビットの選び方
それでは、ドリルビットの選び方についてポイントを紹介します。ポイントは下記の4点。
【1】使うドライバーの種類とチャック形状
【2】加工材と加工内容(穴の大きさや深さ)
【3】セットかどうか
【4】正確性や安全性
これらを抑えることで用途に適したアイテムを見つけられます。一つずつ解説していきます。
【1】使うドライバーの種類とチャック形状をチェック
ドリルビットを取りつける電動のドライバーは、大きく分けて「ドリルドライバー」「インパクトドライバー」の2種類です。
DIYで使用するドリルビットには、一般的に丸軸と六角軸のものがあります。ドリルビットを装着する部分をチャックといい、「ドリルドライバー」と「インパクトドライバー」で構造が違います。
▼丸軸タイプ
チャックのうしろが丸くなっている「丸軸タイプ」は、ドリルドライバーに使用できます。手持ちの電動工具がドリルドライバーなら、ドリルビットを選ぶときは丸軸タイプです。
手持ちがインパクトドライバーの場合は、そのままでは丸軸タイプを使えません。アタッチメントを用意すれば取りつけが可能になります。間違って選ばないように事前にしっかり確かめてください。
▼六角軸タイプ
ドリルのうしろが六角形になっている「六角軸タイプ」はインパクトドライバーだけでなく、ドリルドライバーにも使用できます。もし選ぶときに迷ったり、事前の確認をしてなかったりの場合は、六角軸タイプにしておきましょう。
これからドリルビットをそろえるなら六角軸が適しています。六角軸タイプはしっかりとドリルビットを固定できるため、空まわりを防げるのがメリットです。
「インパクト使用可能」という記載があるか確認!
「ドリルドライバー」のチャックは先端の三ツ爪(みつづめ)がドリルビットをはさんでしめつける形状です。そのため、丸軸と六角軸の両方を装着できます。一方、「インパクトドライバー」のチャックは6.35mmの六角軸でないと取りつけられない構造です。「インパクトドライバー」で穴開けをする予定の方は、必ず六角軸のドリルビットを選ぶようにしましょう。
「インパクトドライバー」はドリルビットを回転させるだけでなく、回転方向に打撃を加えることができる工具です。しかし、ドリルビットのなかには打撃による衝撃に弱いものもあります。「インパクトドライバー」に装着できるタイプのドリルビットでも、念のためパッケージや製品説明に「インパクト使用可能」という記載があるかどうか確認しておくと安心です。
【2】加工材と加工内容(穴の大きさや深さ)をチェック
ドリルには金属用、木工用、コンクリート用などの種類があり、目的によって使い分ける必要があります。木工用は木材だけでなくプラスチックの穴あけに、金属用はステンレス用などがあるので素材によって使い分けてください。
金属用でも木材の穴あけに使用できますが、仕上がりが雑になりがち。コンクリート用は振動ドリル専用になるので注意してください。
加工材に適したドリルを選ぼう!
ドリルビットは刃の形状によって切削するのに適した加工材が決まっています。不適切なドリルビットを使用すると加工ができないだけでなく、思わぬ事故につながる場合もあるので注意しましょう。
多用途タイプのドリルビットを使えば、さまざまな素材の穴開けができます。しかし、木材なら木工用、金属なら金工用などのように、加工材専用として販売されているドリルビットのほうが切削性が高く、キレイに仕上がるのが普通です。使いたい加工材が決まっているなら、できるだけ専用のドリルビットを選びましょう。
基本的には、パッケージや製品説明に加工可能な材質が記載されています。必ずよく確認してから購入するよう心がけましょう。
【3】セットかどうかチェック
はじめてドリルビットのセット商品を購入するときは、そろえるサイズに気をつけます。ネジの下穴をあけるのに使うことが多いので、一般的には1.5~6.5mmぐらいのサイズがそろっていればじゅうぶんです。
セット商品のなかにはサイズ別に十数本も入っているものもありますが、はじめてDIYをするには持て余すでしょう。ただし本格的な木工作業を目指すのならお買い得です。
【4】正確性や安全性をチェック
木工作業や金属加工をおこなうときは正確さだけでなく、安全性も求められます。選ぶときはこの2点にも注意を払ってください。
金属加工の場合は滑りやすいので、ドリルの先端にシンニングされているドリルビットを選びます。シンニング加工というのは、素材への食いつきがよくなる加工法で、金属面にかんたんに穴あけが可能です。
安全性の面でも滑りにくいドリルビットが向いています。
ドリルビットのおすすめ13選
それでは、ドリルビットのおすすめ商品をご紹介いたします。木工用、鉄工用、コンクリート用、セット商品、面取りや穴の拡張向けなどの商品を厳選しました。
ほぞ穴に最適!家具や建具など本格DIY派に
本格的にDIYを楽しまれている方におすすめのドリルビット。家具や建具作りで重要になってくる「ほぞ穴作り」は、専門的で難易度が高いとされています。しかし、このビットを使えば本当に簡単。この角穴ドリルセットでは、正方形か長方形のほぞ穴が作れます。
熱・錆に強い硬化素材を使用し、手動ドリル、電動ハンドドリル、の丸軸が使えるドリルに対応しています。また、構造的に排出スロットルから木屑がスムーズに排出されるので、詰まりによる作業中の面倒を強いられません。このドリルビットを使えば、正確でスピーディーに作業が進められます。

木工貫通穴に最適!らせんタイプのドリルセット
先端が「らせん状」になっている木工用ドリルのセットです。刃先が回転しながら木材に当たり、ネジのように回りながら進むので小さい力で楽に穴が開けられます。
穴径3mm~10mmの5本セットで、3mmのビットはネジを打ち込む前の下穴としても使用できるので便利です。木材は穴を開けるとき割れやすいので、下穴を作ったほうが良いでしょう。
模型や基板など繊細な穴あけに
木材や竹、模型やプラスチックなど、繊細さを要するモチーフに最適なミニサイズドリルのセットです。20本入りで、特に0.3〜1.0mmまでの小さいサイズが、0.05mm刻みの感覚で揃えられている充実ぶり。
ここまで小さいタイプだと、比例して軸の部分も細いので、使用の際には別売のピンバイスを用意する必要があります。そうすることで、ボール盤での精密な穴あけや、電動ドリルでのフレキシブルな穴あけ作業に威力を発揮します。

木材やプラスチックの穴開けができるドリルセット
ドリルビットセット。木材だけでなくプラスチックなどの樹脂類にも穴開けができ、ちょっとしたDIYにも使えて便利です。先端は「らせん状」ではなく鋭利にとがっているため、ねらった場所に穴を開けやすく精度を出しやすいという特徴があります。
穴の深さも調整しやすく10本セットで非常に安価なので、「少しだけ穴開け加工をしたい」というライトユーザーにぴったりの商品といえるでしょう。貫通穴を作りたいのでなければ、こちらのドリルビットがおすすめです。

作業効率が格段にアップ!埋木仕上げもできるセット
スターエムから発売されている下穴皿取錐(さらとりきり)と埋木錐(うもれぎきり)がセットになった木工用のビットセット。下穴皿取錐には、木材に皿ネジ(頭に皿のような部分があるネジ)を打ち込んだときの割れを防止する効果があります。1度の加工で下穴と皿取り加工ができる便利な工具です。埋木錐とは、木材をつなぐ木栓(ダボ)を作る工具のこと。
下穴皿取錐を使えば、深く穴を開けて「ザグリ加工」(穴が段差になった加工)をすることが可能です。ここに埋木錐で作った木栓を入れることで、ネジが見えないプロのような仕上げができます。作業効率がアップし仕上げもキレイになるドリルセットです。

木材にキレイで大きな穴を開けるならこのビット
こちらは、木材に大きな穴を開けるのが得意なドリルビットです。15mm~35mmまで5mm刻みで穴開けができ、家庭でのDIYや家具作りなどにピッタリ。非常に便利なサイズになっています。同じく大口径の穴開けが可能なホールソーと異なる点は、貫通させない止め穴や斜めの穴開けが得意なところ。
止め穴加工が簡単にできるので、同じ深さで横にどんどん穴を開けていけば広い大きな溝(みぞ)を作ることも可能です。木工用としての切削性が高く、穴の中心をねらいやすくて使い勝手の良いおすすめの一品といえるでしょう。
高品質ホールソーでプロも愛用する商品
プロも使用する、本格的な高品質なバイメタルホールソーです。刃先にはM42材質を使用しているので、天井ボードやドラム缶にも穴が開けられるほど、硬質の切れ味。薄く作られた刃は、小さな力でも美しく正確に大きな穴を開けられます。
また、スプリング付きのセンタードリルは、掘削の際にも最適です。10mmドリルが装着できるドリルドライバーに適しており、インパクトドライバーに設置する場合は、別途ドリルビットが必要となります。

バリ取りができて金属に穴を開けられるドリルビット
藤原産業から発売されている鉄工用ドリルビットのセット。金属の穴開け加工をしたときに出るバリはそのままにしておくと非常に危険ですが、穴の入り口を「手やすり」でキレイに整えるのは困難です。
この商品の特徴はバリ取り用の皿取錐がセットでついている点にあります。これひとつで金属加工をスムーズかつキレイに仕上げることが可能です。穴開け用ビットは1.5~5mmの9本入りで、極小の穴径から使用頻度(ひんど)の高い穴径まで幅広いサイズに対応しています。

コンクリートの穴開け専用ドリルセット
家庭内でのDIYでも、コンクリートなどに穴を開ける必要性に迫られることも少なくありません。そんなときはコンクリート専用の「振動ドリル」を使用しましょう。
コンクリートにはネジが効きにくいので、DIYではネジの下穴としてコンクリート用の「アンカープラグ」を使うのが一般的です。コンクリートに適切な穴を開けて下穴代わりの「アンカープラグ」をセットし、ここにネジを打ち込む仕組みです。穴のサイズはねじの下穴径によって決まりますが、コンクリートに下穴径の穴が開けられるドリルを見つけるのは容易ではありません。
リリーフのコンクリートドリルセットは通常の穴開け加工で使うサイズに加えて、アンカープラグで使用することが多い下穴径にも対応しています。コンクリートの穴開けをするなら、このドリルビットセットが便利でしょう。

いろいろな素材に大口径の穴開けが可能
多用途ホールソーとして人気のビットセットです。木材・金属・樹脂・石膏(せっこう)とさまざまな素材への穴開けが可能で、DIYの幅広いシーンで活躍してくれます。
刃物部分は硬度と耐久性が高いHSS材が使われているため、安心して長期での使用が可能。MOHOOのホールソーセットはビット数が13本と大変多く、かつ非常に安価でDIY用としておすすめの商品です。
用途・サイズに幅広く対応する大容量セット
大手ブランドのマキタ純正品。マグネット式ビットホルダー、センターパンチ、ソケットビット、座ぐりドリル、ビットのセットです。使用用途も木材、石材、金属とほぼ網羅しているといっていいくらい、幅広く対応しています。
六角軸のドリルビットは、素早く付け替えでき、空回りしない設計。特にインパクトドライバーにて使用する際、締め付けが強く、威力をダイレクトに発揮します。75本全て収納できる付属の収納ケースは、コンパクトでかつ頑丈。ドライバーの収納ケースとともに、現場への持ち運ぶ際にも便利です。
面取り加工で仕上げを美しく安全に
面取り加工とは、打ち付けた皿ネジや固定具の頭部分が出っぱらないように加工する技術です。手作業で美しく円錐の穴を開けるのは難しいですが、このドリルビットを使えば、簡単に美しい加工が行えます。DIYで家具や棚を作る場合も、面取り加工後にネジ打ちすれば、子供の爪や服などが引っかかって傷つく心配がありません。
ご家庭での使用はもちろん、プロの建築現場やエンジニアリングにも用いられています。材質はチタンコーティングで処理が施されており、木材から軟質金属の掘削まで対応しています。

穴の拡張やバリ取りが一本でできるステップドリル
特徴的な形のステップドリルで、タケノコドリルとも呼ばれます。このステップドリルは加工が難しい「中心のズレた穴」を拡張するのが得意。ある程度薄い金属板であれば、このドリルだけで小さい穴から大きい穴まで段階的に開けられます。穴周りのバリ取り加工ができる点もステップドリルの特長といえるでしょう。
tradのステップドリルセットは6.35mm軸で「インパクトドライバー」でも使用できます。DIYで使うことが多い口径を2本でカバーできるおすすめのドリルセットです。
「ドリルビット」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ドリルビットの売れ筋をチェック
Amazonでのドリルビットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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ドリルビットはDIYに必須の工具 エキスパートからのアドバイス
穴開け加工ができるドリルビットは、DIYに必須ともいえる工具です。DIYにハマるといろいろな穴のサイズが必要になってくるため、今回はお得で便利なビットセットをメインにご紹介してきました。
ドリルビットを選ぶときのポイントを知り適切なビットを手に入れられれば、おどろくほど簡単にキレイな穴を開けられるようになります。快適かつ安全に穴開け加工を楽しむためにも、目的にあった形状や素材のドリルビットを選びましょう。
◆Amazonや楽天を始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しており、当記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されます。◆記事公開後も情報の更新に努めていますが、最新の情報とは異なる場合があります。(更新日は記事上部に表示しています)◆記事中のコンテンツは、エキスパートの選定した商品やコメントを除き、すべて編集部の責任において制作されており、広告出稿の有無に影響を受けることはありません。◆アンケートや外部サイトから提供を受けるコメントは、一部内容を編集して掲載しています。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。