音楽制作ソフト(DAW)とは?
自宅で音楽制作(宅録やDTM)をするうえで必要な「音楽制作用ソフト」=「Digital Audio Workstation(DAW)」。パソコンやタブレットにソフトウェアをダウンロードしてインストールするだけで、歌や楽器の録音、演奏データの記録や編集といったことが可能になります。
音楽編集ソフトの選び方
音楽編集ソフトは、世の中に数多く存在します。しかし、検討するための基準がわかれば選びやすくなるのではないでしょうか。
そこで、サウンドクリエーター/キーボーディストの内藤朗さんに音楽編集ソフトを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
ポイントは下記。
【1】目的に合ったソフトウェアを選ぶ
【2】対応ファイルフォーマットをチェック
【3】パソコンの動作環境も確認
【4】ガイドブックを検索
【1】目的に応じてソフトウェアを選ぶことが重要!
音楽編集ソフトは、一般的にMIDI、オーディオデータの編集ができるソフト全般を指した呼称です。
音楽編集ソフトには、作曲やアレンジのための録音や修正などに適したものだけでなく、オーディオ編集に特化したものや、楽譜の作成や浄書に特化したものもあります。
まずは、「何を作りたいか(あるいはやりたいか)」をハッキリさせておくと、自分に合ったソフトが絞り込みやすくなります。そして、どのような機能をソフトに望んでいるかなど、具体的な希望をリストアップしておくといいでしょう。
【2】対応ファイルフォーマットも事前にチェックしよう!
MIDIデータやオーディオの既製データを編集したり、複数人数でやり取りする場合、ファイル互換が問題になります。
特に、複数人数でやり取りする場合には、必ずしも全員が同じソフトを使用しているとは限りません。そのため、全員が共通のファイル形式に対応していることが不可欠です。
MIDIの場合には、スタンダードMIDIファイル(拡張子:.MID)、オーディオの場合には、WAVファイル(拡張子:.WAV)やAIFFファイル(拡張子:.AIF、.AIFFなど)などが、共通のファイル形式です。
これらに対応しているソフトは多いですが、事前に検討中のソフトが対応しているかどうかチェックしておくといいでしょう。
【3】パソコンの動作環境もじゅうぶん確認しよう!
検討中のソフトを快適に使用するためには、使用するコンピューター周りの動作環境が推奨される条件を満たしていることが不可欠です。OSのバージョンやドライブの空き容量、搭載メモリ容量などは事前に確認しておきましょう。
また、さまざまな音楽編集作業において、オーディオデータを扱うことは多々あります。そのため、作業用のドライブはOSなどをインストールするディスクとは別に、オーディオ編集作業用のドライブを用意しておくといいでしょう。
ハードディスクを選ぶ際には、多くのソフトにおいてディスクの回転数が7,200回転のものが推奨されていますので、購入前にはこの点も要チェックです。
【4】音楽編集ソフトのガイドブックを探してみよう!
独学でソフトの使用法を修得する場合は、製品付属のユーザーマニュアルなどの説明だけだとわからない部分も多いでしょう。そのようなときは、メーカーサイトで情報を得たり、サポートへ問合せすることで解決することが可能です。
しかし、サポート営業時間外で問合せできないことや、メールでの問合せで回答が届くまでのタイムラグなどの問題もあります。
ソフトによっては、その活用法や使用方法のポイントを解説したガイドブックなどが出版されていることがあります。これらの参考書籍も、問題が起こったときに重宝することがありますので、事前にどのようなものがあるか調べておくといいでしょう。
音楽編集ソフトおすすめ5選
ここまでご紹介した音楽編集ソフトの選び方のポイントをふまえ、内藤さんに選んでもらったおすすめの商品をご紹介します。購入する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

ミキシングに必要なものを備えたソフトウェア
もともとはオーディオ主体のレコーディング制作に特化したソフトで、長年プロのレコーディング制作における定番音楽編集ソフトとして使用されてきた商品。
今では、MIDIデータの編集もできるようになり、総合的な曲作りができるDAW(デジタルオーディオワークステーション)となりました。
MTR(マルチトラックレコーダー)のような感覚で使用できるため、ギターやボーカルなど、生演奏主体の録音作品を作りたい人に適しています。

ライトユーザー向けの音楽編集ソフトがここに
現在のDAWや、ソフトシンセのベースとなる技術のASIOやVSTなどを開発した、Steinberg社の商品です。
『Pro Tools』同様、定番DAWのひとつとしてプロ、アマ問わず多くのユーザーに使用されており、本格的な曲作りを行いたい人におすすめと言えるでしょう。
およそ30年前のMIDIのみが扱えた編集ソフトの時代から着々と進化してきたため、オーディオ編集だけでなく、MIDIデータの作成や編集メニューも充実しています。

Avid(アビッド)『Sibelius 7 First』
初心者~上級者まで使う人を選ばない楽譜作成ソフト
上位版にあたるSibelius Ultimateから厳選された、各種機能のみに限定された楽譜作成ソフトの入門版。直感的な操作で楽譜の作成や編集が行えるのが、このソフトの大きな特徴です。
作成した曲の演奏を確認しながら曲作りを進められるため、曲作りと楽譜作成を同時進行、かつ、スムーズに作業したい作曲家やアレンジャーに適しています。

多様性のある万能な音楽編集ソフト
CDやMP3などのオーディオデータからのコード進行検出や、ボーカルパートをミュートする機能のほか、曲のテンポやピッチ変更などが容易に行えます。また、MIDIデータの打ち込みによる曲作りもできるため、多目的に活用できるソフトです。
バンドで演奏する曲のコード採譜や、ボーカル練習のためのツールとしても重宝します。さらに、耳コピーをはじめたばかりの人のチェック用として使用するのもいいでしょう。
ライブ演奏でも使えるリアルタイム性!
エイブルトンの『Live』はその名が示す通りリアルタイム性に優れていて、DJプレイやライブでの取り回しを想定して設計されています。たくさんの有名アーティストがDJプレイやライブ演奏で使用しています。
ダンスミュージック系の音楽制作やライブ演奏をする人向けの音楽ソフトですが、MIDI機能にも長けていて初心者にもおすすめ。
「音楽編集ソフト」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 音楽編集ソフトの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの音楽編集ソフトの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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使用目的と対応ファイル形式は要チェック
サウンドクリエーターからのアドバイス
商品選びの際は、「曲を作りたい」「楽譜を作りたい」「オーディオ編集を行いたい」など、目的をハッキリさせることが重要です。
また、自分以外の人とやり取りする必要がある場合は、作成したデータの互換性を考慮しましょう。さらに、選んだソフトがどのようなファイル形式に対応しているかも合わせて確認することをおすすめします。
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キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。 S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIプロジェクトでのレコーディング、ライブなどから、イベント、キャンペーンソング、放送メディアのテーマ曲、BGM製作等、その活動の幅は多岐に渡る。 また、DTM黎明期より音楽制作系ライターとしても広く知られ、近著は「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ音作り大全」(技術評論社刊)など。 数多くの音楽専門学校、ミュージック・スクールなどでおよそ30年以上に渡り講師を務め、数多くの人材を輩出する実績を持つ。 有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会委員。