ジャズピアノにおすすめの楽譜の選び方
それでは、基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】音楽理論やアドリブ学習ができるか
【2】ソロかセッションか演奏形態
【3】演奏したい曲が収録されている楽譜
【4】模範演奏のCDつきかどうか
【5】楽譜内容
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】音楽理論やアドリブ学習ができるかチェック
ジャズの魅力はアドリブにありますが、基本の音楽理論も学んでおくと本格的な演奏にチャレンジできます。ジャズピアノの楽譜を選ぶのなら、理論やアドリブを学びながら練習できるものに注目してください。
ジャズの基本フレーズがたくさん記載されているものなら、繰り返しの練習でフレーズが身につきます。音楽理論を学ぶと自由自在なプレイを楽しめるようになるでしょう。
【2】ソロかセッションか演奏形態をチェック
自分がどのようなスタイルで演奏したいのかによって、選ぶ楽譜の種類も変わってきます。一人でピアノで演奏したいのであれば、ピアノソロ用にアレンジされた楽譜、ドラムやベースと一緒に演奏する場合には、トリオ編成用にアレンジが考えられている楽譜というように選ぶとよいでしょう。
収録されている曲がどのようにアレンジされているものなのかは、書名からおおよそ判断できますが、楽譜を選ぶときは書名だけで判断せずに、ひととおり楽譜に目を通して演奏形態を確認しておきましょう。
▼ソロで演奏するなら「ソロ向き」楽譜を
初心者はまずソロで演奏できるようになることが大事なので、ソロ向けの楽譜を選んでください。アドリブやコード記号がわからなくても、練習すれば最後まで弾けるようになります。
ソロ向けの楽譜には曲のはじめから終わりまですべての音が記載されており、楽譜がある程度読める方なら練習しやすいでしょう。練習を重ねればアドリブが弾けるようになります。
▼みんなで即興を楽しむなら「セッション向け」を
ある程度のスキルが身についている方は、セッション向けのピアノ楽譜を選んでください。ソロとは異なるジャズの楽しさを体験できます。
セッション向けの楽譜はコードとメロディだけが記載されたシンプルなものなので、コード記号がある程度読めることが前提です。
ほかの楽器のプレイヤーとアドリブを重ねながらジャムセッションに挑戦できます。
【3】演奏したい曲が収録されている楽譜をチェック
ジャズピアノを練習するときは、自分の好きな曲がのっている楽譜を選ぶとモチベーションが上がります。「ジャズスタンダード」と名づけられた楽譜ならおなじみの定番曲ばかり収録されており、練習しやすいです。
クリスマスソングや人気ポップス曲をジャズ風にアレンジした楽譜などいろいろな種類があるので、選ぶときにチェックしてください。
【4】模範演奏のCDつきかどうかチェック
ジャズが好きな方なら曲のイメージがつかめますが、初心者の場合はどのように演奏すればいいのか迷うことでしょう。そのような場合は、お手本となる演奏が収録されたCDつきの楽譜が適しています。
とくにセッションの場合は楽譜がシンプルなのでわかりづらく、参考となるCDがあったほうが練習しやすくなります。音源を聴くことで曲への理解も深まります。
【5】楽譜内容をチェック
「ジャズピアノを弾きたい」といっても、人によって「自分で考えた旋律を自由に演奏したい」「ジャズ風に聴こえるように既存の曲を弾きたい」など、要望はさまざまかと思います。ジャズピアノの楽譜も演奏譜のみのシンプルなものから、音階・和音の配置・曲の奏法などについて充実した解説がなされているものまで、多種多様です。
初めてジャズピアノに取り組むという場合には、曲についての解説がわかりやすいものを選ぶとよいでしょう。ある程度演奏の経験をお持ちであれば、曲の構成のアドリブ部分が自分でアドリブを考えるときの参考にもなります。まず、楽譜の内容が自分のニーズに合っているかどうかのチェックが必要です。
ジャズピアノの楽譜おすすめ15選
前述したジャズピアノ楽譜の選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。 初心者はとくに、初級・中級・上級をチェックして自分にあったものを選びましょう。
トルコ行進曲をお洒落なジャズスタイルにアレンジ
ドイツで最古の音楽出版社の一つである「ショット・ミュージック」がリリースし、トルコ出身のピアニスト、ファジル・サイによって編曲された「トルコ行進曲ジャズ」が収録されている楽譜です。
モーツァルトが作曲した「トルコ行進曲」を原曲に、途中からお洒落でかっこいいジャズスタイルにアレンジしたものが採譜されており、発表会や演奏会での演奏曲としてピッタリな「トルコ行進曲」を演奏することができるおすすめの楽譜です。

ジャズのアドリブ技術が深められるレッスン本
プロのジャズピアニストとして、ジャズピアノの先生としても活躍する著者が、ジャズ初心者向けに、ジャズセッションができるようになる練習法を解説した教本です。演奏やアドリブ技術はもちろん、ジャズについての知識も身につく一冊となっています。
音程やコード・ネーム、セブンス・コードなどの基本から、ジャズのアドリブに必要不可欠なダイアトニック・コードなど、基礎から応用までジャズ音楽を深めるレッスンが多数収録されています。他のジャンルでピアノ経験がある方が、ジャズピアノを一から学ぶのに最適な本と言えるでしょう。



複数で演奏したいなら実践力抜群のこちらがおすすめ
本書はピアノソロの演奏を想定したものではなく、ピアノトリオの編成で演奏したい人向けといえます。セッションなどでの演奏と同様に、メロディとコードと進行が書かれたリードシートで付属CDに収録されたカラオケに合わせて演奏するスタイル。実践へ直結した内容であることが大きな特徴です。
実際に演奏に必要となる知識や左手の押さえ方などが簡潔にまとめられており、それを参考に演奏することでジャズピアノの基本を体得できるでしょう。書名には「はじめての……」と書かれていますが、実践力を身につけたい中級~上級者向けとしてもおすすめです。

名曲にカッコイイジャズアレンジが加わった楽曲集
今流行りのJ-POPから、「赤とんぼ」や「朧月夜」などの日本の歌、ビリー・ジョエルやスティングなどの洋楽、「雨に唄えば」などの映画音楽、「エリーゼのために」などクラシックまで、聞き馴染みのある名曲に、オシャレなジャズアレンジを加えたベストセラー楽曲集です。ジャズにアレンジされた部分も全て楽譜に起こしてあるので、知っている曲をジャズ風に弾いてみたいけれど、アドリブは難しいという方におすすめ。
一人で楽しむだけでなく、発表会やパーティー、結婚式など、人前でのピアノ演奏にもぴったりの一冊です。


おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ジャズピアノの楽譜の売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのジャズピアノの楽譜の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
弾きたい曲のジャズピアノ楽譜を比較して選ぼう サウンドクリエーターからのアドバイス
サウンドクリエーター / キーボーディスト
同じ曲でも、そのアレンジのバリエーションは豊かで、難易度は楽譜によって千差万別です。楽譜のなかには、ジャズの曲が選曲されているだけで、アレンジはジャズ風でないものなども見受けられます。
楽譜選びの際には、複数の楽譜で同じ曲のアレンジを比較検討してみてください。自分の好みや演奏の熟練度に合致したものを選びやすくなります。
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最初は模範演奏や参考音源で演奏スタイルを確認しよう
ジャズの演奏は、独特のリズム感と和声感に特徴があるため、楽譜どおりに演奏してみても違和感を覚えたり、間違っているように感じることも多々あるかもしれません。最初は模範演奏や参考音源でジャズの演奏スタイルを確認するのをおすすめします。
また、楽譜自体が初級向けと書かれていても、書かれている内容に馴染めるようになるまでに時間を要す場合もあります。楽譜を選ぶ際には、まず中身を見て購入を検討するといいでしょう。
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キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。 S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIプロジェクトでのレコーディング、ライブなどから、イベント、キャンペーンソング、放送メディアのテーマ曲、BGM製作等、その活動の幅は多岐に渡る。 また、DTM黎明期より音楽制作系ライターとしても広く知られ、近著は「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ音作り大全」(技術評論社刊)など。 数多くの音楽専門学校、ミュージック・スクールなどでおよそ30年以上に渡り講師を務め、数多くの人材を輩出する実績を持つ。 有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会委員。