ワンドア・ツーロックで防犯対策! 玄関補助錠を取りつけよう
玄関補助錠を取りつけた状態をワンドア・ツーロックといいます。侵入者に狙われやすい侵入口はドアや窓などがありますが、4階建以上の住宅で約57%(令和元年時点)を占めるのが玄関からの侵入です。開錠方法には、特殊工具を用いるピッキングやドアに穴を開けて内側のロックを外すサムターンまわしがあります。
戸建てや3階建以下の住宅でも窓や玄関からの侵入被害は多いため、警察庁では防犯対策のひとつに玄関補助錠の取りつけを推奨しています。防犯対策のためにドアに適した玄関補助錠を選んで取りつけましょう。
玄関補助錠の選び方 取り付け方法や開錠タイプなど
防犯アドバイザーの京師美佳さんに、玄関補助錠を選ぶときのポイントをご紹介します。ポイントは以下の5つです。
【1】かんたんに取りつけられるものを選ぼう
【2】取りつけ方法をチェック! 目的に合ったタイプを選ぼう
【3】防犯性にすぐれた開錠タイプを選ぼう
【4】取りつけるドアの開き方をチェックしておこう
【5】シリンダー補助錠ならCP(防犯建物部品)錠を選ぶ
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】かんたんに取りつけられるものを選ぼう
玄関補助錠には取りつけ工事が必要なものもあります。防犯対策のためなら仕方ないのかもしれませんが、原状回復義務がある賃貸物件では、工事による取りつけが難しいでしょう。
賃貸物件やドアにキズをつけたくないときは、工事不要の玄関補助錠が便利です。両面テープ式やドア枠を挟みこむタイプ、シリンダーに差し込むタイプがあり、日曜大工程度のスキルがあればかんたんに取りつけられます。
ただし、サムターンまわしには有効ですが、ピッキングでは防犯性が低くなります。住環境やドアの形態などをふまえて選んでください。
開錠するのに時間のかかるものを選ぶ
泥棒は侵入するのに5分以上かかれば、その約7割が諦めるという警察庁のデータ(※)があります。泥棒が侵入するのに時間がかかるような鍵を選ぶことが大切です。
理論上、開かない鍵は存在しません。だからこそ、開錠に時間がかかりそうだと泥棒に侵入を諦めさせることが重要です。ふたつ以上つけることが有効ですが、鍵自体も開錠の難しいものや壊すのに時間のかかるようなものを選ぶとより安全です。
(※)出典:(財)都市防犯研究センター
【2】取りつけ方法をチェック! 目的に合ったタイプを選ぼう
玄関補助錠にはドアの外側につける外付けタイプと、内側に取りつける内付けタイプ、ドアに穴を開けてネジで固定する面付けタイプがあります。目的に適した玄関補助錠を選べるように、それぞれのタイプについて解説します。
外付けタイプ|防犯対策アピールに
ドアの外側に取りつける外付けタイプの玄関補助錠は、見た目にもふたつの鍵がついているとわかります。「防犯対策をしています」といったアピールになるため、見た目にも抑止力があります。しかし、対策がされていないドアや窓が狙われてしまう可能性もあるため、勝手口や窓が多い戸建て住宅には向いていないでしょう。
また、つねに見えていることから、ダイヤル式や暗証番号など補助錠のタイプが知られてしまいます。防犯性を高めるには、補助錠にピッキング対策をされた商品や数を増やすといいでしょう。
内付けタイプ|ひとり暮らしに便利
内付けタイプの玄関補助錠は、外出時ではなく在宅時の防犯対策にぴったりです。とくにひとり暮らしは犯罪者から狙われやすいため、在宅時や就寝時の防犯対策にぜひ取り入れましょう。賃貸物件で主流のU字ロックやドアチェーンは、防犯性が低いため、ドアにしっかりと固定できるものがよいでしょう。一緒にサムターンカバーを取りつけておくと、サムターンまわし対策もできます。
また、介護中のご家族の夜間徘徊にお困りの方は、暗証番号で開錠する内付けタイプの商品が便利です。
面付けタイプ|取りつけ工事が必要
面付けタイプの玄関補助錠はドア枠やドアに穴を開けて取りつけるため、業者による取りつけ工事が必要です。サムターンまわし対策やピッキング対策としてはもちろん、バールによるこじ開けやドリルなどによる鍵穴壊し対策にもなるなど防犯性にすぐれているのが特徴です。
工事費用はかかりますが、店舗や事務所などの防犯対策の強化に適しています。
賃貸物件など住環境によって選ぶ
賃貸物件では、オーナーの許可なく補助錠を設置することができない場合が多いです。現状復帰ができればよい、電子錠などの場合はそのまま残していくならよいといったケースもあり、オーナーに確認してみないと補助錠が設置できるかどうかはわかりません。
賃貸物件であれば、工事不要の商品を選ぶと楽です。ただし、ドアの形態によっては設置できない補助錠もありますので、ご自身の住環境に合った商品を選んでください。
【3】防犯性にすぐれた開錠タイプを選ぼう
防犯性にすぐれた玄関補助錠を選ぶために、知っておきたい開錠方法について解説します。
ディンプルキー|ピッキング対策に
鍵というと両端や片側にギザギザが刻まれている形状が主流です。ギザギザが多いほどピッキング対策を強化できますが、時間があれば開錠できてしまいます。しかし、ディンプルキーはギザギザが刻まれていないため、鍵師でも開錠には時間を要します。
そのため、ピッキング対策を強化したいなら、ディンプルキーを選びましょう。また、ディンプルキーの合鍵を作るときは、メーカーへの届け出が必要です。かんたんに合鍵を作れないことからも防犯性にすぐれているといえるでしょう。
暗証番号式|キー不要で便利
暗証番号式の玄関補助錠は、暗証番号を入力して開錠するため、鍵を持ち歩かなくていいため紛失リスクがないメリットがあります。電池や電気配線工事が必要なタイプの補助錠は、導入費用がかかるうえに電池が切れてしまうと暗証番号による開錠ができなくなるため、注意しましょう。
南京錠タイプなど工事不要の玄関補助錠なら、導入費用を抑えることが可能です。
リモコン式|高齢者や子どもがいるご家庭に
リモコン式の玄関補助錠も暗証番号式と同じで、鍵の紛失リスクがありません。また、商品によっては手が届きにくいドア上部へ取りつけることが可能です。また、合鍵を作るにはメーカーや施工店に登録が必要なため、防犯性にすぐれています。
ドアの内側からの操作もできるため、高齢者や子どもがいるご家庭の防犯対策にぴったりです。粘着シートで貼りつける工事不要なタイプもあるため、賃貸物件でも取りつけられます。ただし、電池切れや故障などのリスクがあるため、メーカーによるサポートがあるか確認しておきましょう。
自分に合ったタイプ・開錠方法を選ぶ
まずは自分に合った開錠方法や色、形など好みのものを選ぶとよいでしょう。とくに開錠方法に関しては、今ある鍵にもうひとつシリンダー錠を増やしたり、電子錠を設置したりするものなど、さまざまなタイプがあります。
電子錠も番号を押して開けるもの、カードやチップをかざすもの、指紋で開けるもの、スマホやSuicaなどの電子マネーを登録して鍵として使用するものなどバラエティに富んでいます。
ですが、指紋の薄い方には指紋錠は使いにくいでしょうし、若い方ならデザイン性やスマホが鍵になるといった機能がほしいという方もいるでしょう。自分に合った開錠方法で選ぶことをおすすめします。
【4】取りつけるドアの開き方をチェックしておこう
玄関補助錠はドアの開き方によって、取りつけられる商品が変わってきます。海外では内開きドアが主流ですが、日本では玄関で靴を脱いで室内へあがる習慣があるため、外へ押して開く外開きドアが主流です。また、戸建て住宅には玄関スペースの関係から、引き戸をつけている住宅もあります。
また、外開きドアでもかぶせ扉は、商品によって取りつけられないこともあります。防犯対策に適した玄関補助錠を選ぶためにも、購入前にドアの開き方や種類を確認しておきましょう。
【5】シリンダー補助錠ならCP(防犯建物部品)錠を選ぶ
とにかく開錠するのに時間がかかるものを選ぶことが防犯上よいのですが、その基準として「CPマーク」というものがあります。
CPマークは警察庁、国土交通省、経済産業省が認定試験を行なって、5分以上泥棒の開錠攻撃に対して耐えられる商品に与えられます。CPマークのついた補助錠は防犯上、信頼できる商品といえるでしょう。
鍵の他にも、ガラスやサッシなどさまざまな商品がCPマークの認定を受けています。家を建てる際には、できるだけCP部品をお使いください。
玄関補助錠おすすめ6選 暗証番号やICカードでの操作できるタイプも
うえで紹介した玄関補助錠の選び方のポイントをふまえて、防犯アドバイザーの京師美佳さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

スマートフォンで施錠や開錠ができるかんたん補助錠
スマートフォンで施錠や解錠の操作ができるスマートキー。鍵を持ち歩く必要がなく、お友達や家事代行サービスの方が入室する際は、スマートフォンに入室コードを送るだけで合鍵を共有することができます。
工事が必要なく手軽に設置できるので、賃貸物件でも安心してお使いいただけますし、女性でも簡単に設置できる気軽さがおすすめの理由です。
高機能であるにも関わらず、価格が安いという点も魅力的。もちろん、ハンズフリーやオートロック機能もありますので、手がふさがっていても施錠や開錠ができ、閉め忘れなどの心配もありません。

工事不要、鍵の持ち歩きも不要な補助錠
簡易の玄関補助錠で事務所や倉庫、納戸などあらゆる場所でご使用いただけます。自分で設定した4ケタの暗証番号を使用して開錠しますので、鍵を持つ必要はありません。
多人数で使用する際も暗証番号を共有するだけですから、事務所や倉庫、工場などでとくにおすすめです。工事不要でかんたんに設置できるのも大きな特徴と言えるでしょう。

誰でも手軽にワンタッチ設置ができる補助錠
穴開けなどの工事不要で、ワンタッチで設置できる補助錠。鍵穴を隠す構造になっており、ピッキングやこじ開けなどができないようになっているのが特徴。年配の方の徘徊や、小さいお子さんによる鍵穴へのイタズラなども防止できるでしょう。
開錠は暗証番号でおこなうため、暗証番号が合わないと、カバーが空回りするため解錠することができません。多くのシリンダー錠に対応していますが、自宅の錠に使用できるか、事前に確認してから購入するようにしましょう。
取り付け簡単で安全性の高い鍵
取り付けは特殊な粘着シートでドアの内側に貼り付けるだけ。ネジ不要で、外からも見えません。個別の2億6,000万通りの電波コードを使用しているので、キーナンバーのスキミングも防ぐのでセキュリティ効果が高くなっています。
リモコン式でドアホンの前から開錠できるので、子どもでも簡単に使えます。万が一リモコンをなくしても登録や抹消はすぐに自分でできるので、中に入れないといった事故を防ぎます。最大16まで登録ができるのでオフィスにもおすすめです。
BlueTooth対応でスマホからも操作可能
BlueToothに対応しているので、外出先からスマートフォンで操作ができます。カードキーと暗証番号の2つの方法で解錠できます。オートロック機能がついているので、外出するときの施錠し忘れの心配がありません。万が一のときやカードキーを失くしてしまったときなど24時間対応しているコールセンターがあるので安心です。
本体パネルに直接触れずに手のひらをタッチすれば数字が出てくるので指紋のあとが残りません。防水機能付きで、雨の日もしっかり機能します。
ドアノブに取り付けられるタイプ
キーボードや鍵を使って開けるタイプです。キーボードは認識率が99.999%と高く、防犯性に優れています。ハンドルの向きは左右どちらにも取り付けられるのでドアの仕様に合わせられます。
5回連続でパスワードの入力を間違うと、5分間ロックがかかるようになっています。パスワードは最大50個まで、タッチキーは最大200個まで登録ができます。その他にカードや鍵でも開けられます。ステンレス製で、雨にも強く錆びにくい材質です。
「玄関補助錠」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 玄関補助錠の売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの玄関補助錠の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
玄関補助錠に関連する記事のご紹介!
玄関はその家の顔!
玄関補助錠をご紹介しました。まずは侵入するのに時間がかかる玄関補助錠を選びましょう。玄関はその家の顔でもありますし、好みの形や色なども選んでいただくと、鍵を選ぶのも楽しくなりますよ!
ぜひこの記事を参考に、あなたにぴったりな玄関補助錠をみつけてくださいね。
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学校卒業後百貨店のエレベーターガール、商社の営業職に就き、2001年3月錠前師資格取得。 町の鍵屋さんではなく、トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。 法人営業部の責任者を務める中、2002年10月 防犯設備士取得。 その後は、防犯ガラスメーカーに勤め、セキュリティ事業部長、そして、防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。 2005年5月独立。京師美佳セキュア・アーキテクトを設立し、2009年11月には、一般社団法人全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事に就任し、現在も、講演、テレビ、新聞、雑誌など、多方面で防犯の啓蒙活動を展開中。