一脚の選び方と見るべきポイント 安定感と長さで
フォトグラファーの瀬川陣市さんに、一脚を選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。
目的に合わせてタイプを選ぼう
一脚は同じような製品が多いと思われがちですが、使い方や機能はいろいろです。おもに3種類のタイプがあるので、それぞれの特徴や使い方をご紹介しましょう。
自立するスタンド型
Velbon『スタンド型一脚 Pole Pod EX BALLHEAD 』
一脚は足が1本なので自立できないというイメージがありますが、小型三脚と組み合わせて使用する製品が増えています。狭い場所でも小型三脚を使えば立てて使えるので便利です。
一脚+ミニ三脚の組み合わせは、通常の三脚をセッティングできない場所に適しています。またスタンド型は登山の杖として使用できるものもあり、アウトドアで使用するのにふさわしいアイテムです。
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
かつて一脚と地面の設置部分は、ゴム型のストッパータイプのものが主流でした。しかし、最近では自立型の機種も増えてきました。自立型とは、小さな三脚がついていて、一脚が自立できるタイプです。
自立型の利点は、設置部分が安定できること。カメラをしっかりと支えるには、設置面の安定化を図ることが重要となります。不安定な場所で一脚を使う場合は、自立型の一脚を選択肢に入れてみるのもいいでしょう。特に動画撮影で使うときには、自立型タイプの一脚が使いやすいです。
長さが調整できるモノポッドタイプ
モノポッドタイプとは伸縮可能な一脚です。ロック式になっており、4段から5段式に伸ばしたり縮めたりできます。重量も軽めのものが多く、長さは幅があるので使う方の身長に合わせて選んでください。
特徴としては自由雲台がついているものが多く、角度調整や縦長構図の撮影に便利です。屋内と屋外で使い分ける場合は、地面に突き立てる「石突(いしづき)」の素材がゴムや金属スパイクに取り替え可能なものを選びましょう。
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
一脚は脚を伸ばして、高さを調整しながら使います。立ったまま使う場合は、自分の身長より少し高めくらいの長さに伸びる一脚がほしいところです。
また、足場より低いところに一脚を設置する場合は、その段差分の長さが必要になります。一脚の長さが短いと腰をかがめて撮影することになり、不便です。一脚の長さは、想定される使用状況より少し長めのものを持っておくと余裕をもって使うことができます。
多機能なものもある自撮り棒タイプ
自撮り棒タイプはスマホで自撮りするアイテムと似ている簡易版と、自由雲台つきでこだわりの構図を狙える本格版があります。特徴はコンパクトで、伸縮と固定がワンタッチでできる製品が多いこと。
軽いので旅行用に向いており、旅先の記念に自撮りができて便利です。本格的な製品は台座裏に取りつけネジ穴があって三脚と組み合わせて使えるものも。多機能な製品もあります。
撮影シーンに合わせて選ぶ
三脚よりも身軽に動けるのが一脚です。撮影目的によって一脚の選び方も変わってきますので、それぞれのシーンに合ったものを選んでください。
スポーツなど動きの速い撮影での選び方
動きの速い被写体といえばスポーツです。いろいろなスポーツがありますが、ここぞという一瞬を撮影するには長時間待つ必要があります。しっかりした安定感のある一脚を選んでください。
動きの速い被写体を追うときは流し撮りになります。被写体までの距離が遠い場合は望遠レンズを使うので、やはり安定感のある一脚が必要です。
学芸会などのイベント撮影での選び方
学芸会や発表会などのイベントは会場のスペースが限られていることが多いです。このような場所で撮影するときは、三脚と組み合わせて使う一脚が向いています。
三脚つきのスタンド型なら場所をとらずにセッティングできるので、大事なシーンをしっかり撮影できるでしょう。また、カメラだけでなくビデオカメラも同時に撮影したい方にも便利です。
飛行機や動物撮影での選び方
飛行機や動物を撮影するときは、カメラを自由自在に動かせる自由雲台がついたタイプの一脚がおすすめです。飛行機を撮影するときは大空向けのアングルになるので、カメラを上下左右に動かす必要があります。
動物の場合は動きが予測できないため、ファインダーをのぞきながら追いかけることも。自由に動く雲台があるとシャッターチャンスをしっかりキャッチできます。
トレッキングなどアウトドア撮影での選び方
登山やトレッキングしながら撮影するときは、軽くてリュックからすぐに取り出せる一脚が適しています。リュックを下ろして中から取り出すのは時間のロスです。コンパクトでありながら、アウトドアに耐えられる頑丈な一脚を選びましょう。
山登りのスティックとして使える一脚は、グリップのキャップをはずせばカメラをセットできます。一脚とスティックを兼用できて便利です。
カメラを支える耐荷重で選ぶ
一脚は耐荷重が決められており、目安はカメラとレンズの2倍の重さが耐荷重以下であること。望遠レンズを装着することを考えて、耐荷重に余裕を持たせてください。
足の太さも重要で、足の太い一脚ほど安定感が増します。参考までに使用するカメラと太さの目安をご紹介しましょう。
ミラーレス一眼カメラとズームキットレンズを使う場合は、パイプ径が20~25mm。デジタル一眼レフカメラと焦点距離200mmまでの望遠ズームなら、パイプ径25~30mm。デジタル一眼レフカメラと焦点距離200mmを越えるレンズなら、パイプ径30mm以上を選んでください。
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
一脚を選ぶときに、まず重要視すべきことは、使うカメラを支えられるだけの耐荷重です。一眼カメラに望遠レンズを付けた場合、組み合わせによっては1キロを超えるサイズになります。
あまり細いサイズの一脚では、このような重いカメラを支えられません。こういった問題を避けるため、使いたいカメラを乗せられるだけの耐荷重がある一脚を選びましょう。
一脚おすすめ15選 ビギナー向けやプロ向けも
うえで紹介した一脚の選び方のポイントをふまえて、実際にフォトグラファーの瀬川陣市さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

Amazonベーシック『カーボン一脚5段』


















出典:Amazon
耐荷重 | 9.7kg |
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段数 | 5段 |
最大/最小パイプ径 | - |
商品素材 | カーボン |
全高(EVあり) | 154cm |
最低高 | 44.5cm |
重さ | 431g |

GITZO『カーボン一脚4型6段』












出典:Amazon
耐荷重 | 30kg |
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段数 | 6段 |
最大/最小パイプ径 | 37.0/18.2mm |
商品素材 | カーボン |
全高(EVあり) | 154cm |
最低高 | 44cm |
重さ | 0.67kg |

Manfrotto『XPRO フルード ビデオ一脚 アルミニウム4段』






出典:Amazon
耐荷重 | 8kg |
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段数 | 4段 |
最大/最小パイプ径 | 30/19mm |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 192cm |
最低高 | 68cm |
重さ | 1.2kg |

Velbon『自立式4段アルミ一脚 Pole Pod EX BALL HEAD』


























出典:Amazon
耐荷重 | 1kg |
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段数 | ポール:4段、脚部:2段 |
最大/最小パイプ径 | 23/17mm |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 188cm |
最低高 | 65.7cm |
重さ | 742g |

HAKUBA『アルミ一脚 4段伸縮 180cm 3Way雲台 フットレスト 』
![ハクバ一脚黒WT-1006[WT1006]【NATUM】](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/edion/cabinet/goods/ll/img_151/4977187715248_ll.jpg)
![ハクバ一脚黒WT-1006[WT1006]【NATUM】](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/edion/cabinet/goods/l1/img_096/4977187715248_xl2.jpg)
![ハクバ一脚黒WT-1006[WT1006]【NATUM】](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/edion/cabinet/goods/ll/img_151/4977187715248_ll.jpg)
![ハクバ一脚黒WT-1006[WT1006]【NATUM】](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/edion/cabinet/goods/l1/img_096/4977187715248_xl2.jpg)
出典:楽天市場
耐荷重 | 3kg |
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段数 | 4段 |
最大/最小パイプ径 | 最大径:26.8mm |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 180cm |
最低高 | 63cm |
重さ | 625g |
Manfrotto(マンフロット)『COMPACT Advanced アルミ 5段(MMCOMPACTADV-BK)』










出典:Amazon
耐荷重 | 3kg |
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段数 | 5段 |
最大/最小パイプ径 | - |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 155.6cm |
最低高 | 41.5cm |
重さ | 0.35kg |
Neewer『拡張可能なカメラカーボンファイバー一脚(10095109)』
















出典:Amazon
耐荷重 | 5kg |
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段数 | 5段 |
最大/最小パイプ径 | 25/13mm |
商品素材 | カーボンファイバー |
全高(EVあり) | 168cm |
最低高 | 52cm |
重さ | 0.6kg |
Velbon(ベルボン)『ULTRA STICK SELFIE 6段』














出典:Amazon
耐荷重 | 0.4kg |
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段数 | 6段 |
最大/最小パイプ径 | 24mm |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 72.5cm |
最低高 | 18.5cm |
重さ | 0.185kg |
Eienn『三脚 一脚可変式 2段・4段 3Way雲台 水準器付き』
















出典:Amazon
耐荷重 | 5kg |
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段数 | 4段(一脚)/2段(三脚) |
最大/最小パイプ径 | - |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 178cm |
最低高 | 26cm |
重さ | 1kg |
SIRUI(シルイ)『カーボン一脚(P-326)』














出典:Amazon
耐荷重 | 10kg |
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段数 | 6段 |
最大/最小パイプ径 | 32/16mm |
商品素材 | カーボン |
全高(EVあり) | 154cm |
最低高 | 38cm |
重さ | 0.4kg |
SLIK(スリック) 『スタンドポッド (GX-N)』






















出典:Amazon
耐荷重 | 1kg |
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段数 | 4段 |
最大/最小パイプ径 | ー |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 187cm |
最低高 | 71cm |
重さ | 1,035g |
Velbon(ベルボン) 『ウルトラスティック スーパー8 (2405)』














出典:Amazon
耐荷重 | 3kg |
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段数 | 8段 |
最大/最小パイプ径 | ー |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 1,560mm |
最低高 | 260mm |
重さ | 347g |
サンワサプライ 『カメラ一脚 (200-DGCAM016)』


















出典:Amazon
耐荷重 | 3kg |
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段数 | 4段 |
最大/最小パイプ径 | ー |
商品素材 | ー |
全高(EVあり) | 1,800mm |
最低高 | 600mm |
重さ | 600g |
Trackbee 『自撮り棒』














出典:Amazon
耐荷重 | ー |
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段数 | 7段 |
最大/最小パイプ径 | ー |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 1,200mm |
最低高 | 200mm |
重さ | 300g |
Aneva 『一脚 (SJ-002A)』














出典:Amazon
耐荷重 | 3kg |
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段数 | 4段 |
最大/最小パイプ径 | ー |
商品素材 | アルミ |
全高(EVあり) | 1,780mm |
最低高 | 260mm |
重さ | 1,000g |
「一脚」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 一脚の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの一脚の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
身長に合った長さ、カメラ重量に耐えられる一脚を 一脚を選ぶ際のアドバイス

Photo by Nathanael Deck on Unsplash
一脚には三脚にないメリットがたくさんあります。不安定な地面での撮影以外にも、レリーズを使えば、高い位置から人込みの中でのライブ撮影や動画撮影も可能です。
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
一脚を購入する際は、自分の身長、カメラのサイズと重量、撮影するスタイルなど多くのことを考慮しなければなりません。
これらすべてに合致するものが、自身にとって最適な一脚になるのです。そのため、最適な一脚というものは、使用するユーザーによって異なります。
一脚選びの際は、どのような撮影で、どういった機材を使うために一脚を使うのかをできるだけ明確にしておいてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/30 コンテンツ追加のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 福本航大)
米国ウィスコンシン州立大学などで写真を学び、帰国後に独立。 1995年からプロカメラマンとして人物、ウェディング、料理、建築、海外取材など広い分野の撮影をする傍ら、写真講座やメディア出演、執筆などを通じて撮影テクニックやフォトライフの楽しみ方を伝えている。 さらに動画撮影、ドローン撮影にも着手。画像や動画を未来につなげる活動を提案している。2018年には、長崎県五島市アンバサダーに就任。 写真と映像で行う地域貢献や海外に向けた日本文化の映像発信にも積極的に取り組んでいる。