日本茶の選び方 産地や種類をチェック
フードコーディネーターの佐々木沙恵子さんに、日本茶を選ぶときのポイントを教えてもらいました。日本茶は煎茶、玉露、ほうじ茶、玄米茶など種類が多く、産地も静岡、鹿児島、三重、京都など多くの地域で生産されています。お気に入りを見つけるポイントとは……?
日本茶の種類で選ぶ
日本茶にはさまざまな種類がありますが、もとは多くのお茶が同じ「チャの木」の葉からつくられ、栽培方法や製法によって種類・味が変わります。
玉露
一番茶の新芽が伸びたころから、日光を遮って20日程度栽培した生茶に手を加えて製造します。茶園をヨシズやワラ、化学繊維の寒冷紗(かんれいしゃ)で遮って栽培します。海苔のような香りが特徴的なお茶で旨味の強さを感じられるでしょう。
高級緑茶である「玉露」は、直射日光を当てない栽培方法で手間ひまかけて育てられ、カテキンや渋みが少なく旨味たっぷりです。
ほうじ茶・玄米茶
煎茶・番茶・茎茶などを強火で炒ってキツネ色にまで変化させるのがほうじ茶です。香ばしさとスッキリとした味わいが特徴。
一方、蒸した米を炒って同量の煎茶を加えたお茶が玄米茶です。煎茶のサッパリとした味わいと炒り米の香ばしさが楽しめます。
煎茶などの茶葉を炒って作られた「ほうじ茶」や、煎茶に炒った玄米を加えた「玄米茶」は、香ばしくカフェインも少なめになっています。
煎茶
緑茶のなかでもポピュラーで幅広く普及しているのが煎茶です。新鮮な状態で熱処理を加えるので酸化酵素の働きが止まり不発酵茶となります。
一般的な「煎茶」は、摘んだ茶葉を新鮮な状態のまま蒸して乾燥させて作られており、旨味と渋みのバランスがよいお茶です。煎茶のなかでも「深蒸し茶」は、普通の煎茶より長い時間、茶葉を蒸して作られ、甘みのある濃厚な味わい。
日本茶の産地で選ぶ 静岡、鹿児島、三重、京都、福岡など
お茶の産地といえば、全国的には静岡が有名ですね。それ以外にも名産地はたくさん! それぞれの特徴をチェックしてお好みを選んでみましょう。
日本一の生産地は静岡県。第二位は鹿児島県で、本土の新茶の収穫は4月上旬からと早いのが特徴。第三位は三重県で、とくに「かぶせ茶」の生産量は日本一です。
ほかにも、玉露の生産量が日本一の京都府は、宇治茶が有名ですし、高級玉露の生産地で知られる福岡県の八女(やめ)茶や、独自の乾燥処理で香ばしさのある埼玉県の狭山茶などが代表的なお茶です。
「〇〇茶」「〇〇ブレンド」表記に注目 宇治茶や狭山茶など
産地チェックのほか、どの産地のお茶がどのくらい配合されているのかも確認しましょう。配合がすべて同じ産地なのか、複数をブレンドしているのかでパッケージの表記が異なります。
その地域のお茶を100%使っている場合のみ「〇〇茶」と表記でき、「〇〇ブレンド」は産地が違うお茶が混じっています。産地で選びたい場合は、表記にも注意してみてみましょう。
飲むシチュエーションに合わせて選ぶ カフェインもチェック
食後やほっと一息つくとき、お客様を迎えるときなどにいただく日本茶。飲むシチュエーションによって、使い分けるとベターです。
旨味と渋みのバランスがいい煎茶は甘いお菓子と相性がいいです。また、緑茶に含まれるカテキンには抗菌・消臭効果があるといわれているため、食後に飲むのに向いています。おもてなしの定番としても有名ですが、特別なお客様が来るときは、玉露やワンランク上の煎茶を用意したいものです。
料理の味を邪魔しないお茶として、食事中におすすめなのがほうじ茶です。
注意点として、緑茶はカフェインが含まれており、利尿作用があるので寝る前に飲むのは控えたほうがよいでしょう。ただし、ほうじ茶や玄米茶は煎茶などに比べるとカフェインも少なめです。
日本茶のおすすめ9選 自宅用の市販品や贈り物にぴったりの日本茶を厳選
うえで紹介した日本茶の選び方のポイントをふまえて、フードコーディネーターの佐々木沙恵子さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。内容量や産地も合わせて見比べることで、きっと飲んでみたいと思う日本茶と出合えますよ。

コスパ抜群の静岡産のほうじ茶
お茶どころ静岡で作られたほうじ茶は、大容量でコストパフォーマンス抜群です。ほうじ茶のほのかな甘みと香ばしさが感じられるお茶です。
静岡ではほうじ茶は食後に飲むのが主流なのだそうで、このほうじ茶もさわやかな後味で食後にぴったりの飲みやすいお茶です。熱湯で淹れられるのですぐに飲みたいときにもおすすめ。日常的に飲むのに最適の商品です。

冷めてもおいしい京都老舗のほうじ茶
お茶の産地である京都で300年以上続いている老舗のお茶屋「一保堂」のほうじ茶。
一保堂といえば、ほうじ茶と言われるくらい人気の商品です。上品な香りとほのかな甘み、まろやかな香ばしさがありバランスのいいお茶です。
コクも感じられ、深くぜいたくな味わい。淹れたての熱々でもおいしいですが、冷めてもおいしくいただけます。甘いお菓子や脂っこい料理に合わせるのがおすすめです。

屋久島で自然栽培された高級煎茶
鹿児島県屋久島で、無農薬・無化学肥料で栽培された高級煎茶です。
茶葉には「天然玉露」といわれる「あさつゆ」が使用されています。
自然のまま育てられた茶葉から出るお茶は、カテキンが豊富で渋みが強めの味わいなので、リフレッシュしたいときにぴったり。さわやかな香りとスッキリした後味なので、水出しで冷やして飲むのもおすすめです。

二煎目もおいしい静岡県の高級煎茶
お茶どころ静岡県袋井市の宝玉園が安全・安心にこだわって仕上げた高級煎茶です。
新芽の萌芽から摘採まで農薬を使用せずに育てたフレッシュな新茶(※)は、まろやかな甘みとさわやかな香り、コクがしっかり閉じ込められています。最初は新茶らしくじんわりと甘みが口の中に広がり、次第に渋みが感じられ味の変化を楽しめます。
一煎目はもちろん、二煎目もおいしくいただけるお茶です。

芳醇な味わいの最高級の玉露! 贈り物にも!
福岡県八女(やめ)地方の高級玉露茶です。
全国茶品評会では毎年多くの八女茶が優秀な成績を収めるほど品質のよさには定評があります。八女茶の中でもとくに人気の高い星野村で有機肥料で育てられた玉露は、甘みが強く芳醇でぜいたくな味わいの最高級のお茶。とろりとした濃厚なコクや深みを感じられます。
品質が良いぶんお値段も張りますが、特別なお客さまが来るときや贈り物などにもおすすめです。
「日本茶」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 日本茶の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの日本茶の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
正しい日本茶の淹れ方 お茶の種類によって適温が異なります
せっかくおいしいお茶を買っても、淹れ方を間違えると十分な味わいが感じられなくなります。おいしく淹れるコツは、ずばり、茶葉ごとに適したお湯の温度! フードコーディネーターの佐々木沙恵子さんに詳しく聞きました。
お湯の温度が高いとカテキンが多く抽出され、苦みと渋みが多いお茶になります。一方、低温で淹れると旨味や甘みのあるお茶になるなど淹れ方も重要なポイントです。
お茶によって最適なお湯の温度と抽出時間は異なります。
玄米茶・ほうじ茶は90〜100度で30秒
高級な煎茶は70~80度で1分ほど
玉露は50~60度で2分ほど
お茶のランクが上がるほど、温度が下がり、抽出時間も長めの傾向になります。
いいお茶は、最適な淹れ方をすることでおいしくいただくことができますので、必ず確認してくださいね。
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関西を拠点に、フードスタイリング/テーブルコーディネート/レシピ開発/コラム執筆/イベント企画など、料理と食空間に関わる分野で幅広く活動中。 同時に、イギリス・デンマークで暮らし現地レストランの厨房で働いた経験を活かし、自宅で外国人向け料理教室を運営。