ビジネス向けキャリーバッグの選び方 移動のしやすさや機能性に注目!
『monoマガジン』元編集長で、プロダクトコンセプターの土居輝彦さんへの取材をもとに、ビジネスキャリーバッグを選ぶときのポイントをご紹介します。
【1】キャスター・重さなど移動のしやすさで選ぶ
【2】機能性や実用性もチェック
【3】スムーズに持っていられるかをチェック
【4】電子機器を入れるならクッション素材があるものを
【5】一つ持っておくなら、機内持ち込みの可能なキャリーバッグ
それぞれ解説しているので参考にしてみてくださいね。
【1】キャスター・重さなど移動のしやすさで選ぶ
キャリーバッグをブランドやデザインだけで選ぶと、失敗しがちなのがハンドルなどの太さ。とくにメインハンドルは「持ちやすいこと」、「長時間持っても手が痛くならないこと」を、売り場で実際に手にして確認することをおすすめします。
また、キャスターで使用されるタイヤは、なるべく径が太いものを選びましょう。ドライブが安定していますし、重量に耐える強度も高いです。インラインスケートのタイヤに近いものが一番いいと思います。タイヤが細かったり小さかったりすると、売り場では取り回しが楽でも、実際に荷物が入ると動きが鈍くなりがちなので、とくに注意が必要なポイントです。
安定しやすい2輪と走行性のいい4輪
ビジネス用キャリーバッグには、2輪タイプと4輪タイプがあります。2輪タイプには、大きめのキャスターがつけられていることが多いです。キャスターの向きが固定されているぶん、電車などで手を離しても安定してころがりにくいでしょう。
4輪タイプは、キャスターが360度方向に動くため、小回りがきいてスムーズに移動できるのがメリットです。乗りものの乗車中は、揺れによって動いてしまいやすいため注意してください。
自分の利用シーンや好みに応じて、適したタイプを選ぶといいでしょう。
重さ2~3kgなら快適に移動しやすい
ビジネス用キャリーバッグには、パソコンや書類など、重さがあるものを入れることが多いため、バッグ本体はできるだけ軽いほうが好ましいです。
そのため、移動が多くて身軽さを重視したい場合は、重さ2~3kg(容量約30リットル)程度を目安に選ぶといいでしょう。耐久性や収納力が高い製品は、本体重量が重いことも多いため、注意してください。
キャリーバッグがカラの状態でも重いと感じるものは、荷物を入れると当然さらに重くなりますので、金属製のキャリーバッグを選ぶなら注意が必要です。
【2】機能性や実用性もチェック
ビジネスシーンでは、スマートに使えるキャリーバッグが重宝します。機能面や実用性もチェックしましょう。
ソフトタイプは荷物の出し入れがスムーズ
ソフトケースは、ハードケースよりも軽量で、外側にポケットが設けられているのが特徴です。飛行機のチケットや書類などをポケットに入れておけば、中もサッと取り出せて便利。
また、収納部分が深めなので、奥行きのあるものを入れたり、荷物をたくさん入れたりするときに向いています。フタ側に収納がないため、開閉時に力を使う必要がなく扱いやすいです。
防水性や強度の面ではハードタイプに劣るので、パソコンなどを持ち運ぶならハードタイプがよいでしょう。
横型タイプは収納性がよくて実用的
横型のキャリーバッグは、ビジネスバッグにキャスターとキャリーハンドルをつけたような形状をしています。外・内ポケットやPCルームを備えた製品が多いため、書類・衣類・デジタル機器などを整理しやすいのがメリットです。
また、キャスターが交換可能なものや静音タイプになっているものなど、使い勝手にこだわった商品がそろっています。外回りや出張など、さまざまなビジネスシーンで活躍するでしょう。
【3】スムーズに持っていられるかをチェック
トランスポーテーションとは、輸送・運送・移動のこと。バッグは荷物を入れて初めて機能するものなので、荷物が入った状態でどれだけスムーズに移動できるかは大切な要素です。キャリーバッグというくらいですから、持ち運びのための設計は最初から考えられています。
伸び縮みするキャリー(トローリー)ハンドルは、一度伸ばしてみて自分の身長や手の長さにフィットするかどうかを確かめるとよいでしょう。意外に長さが足りない場合もあるので要注意です。
【4】電子機器を入れるならクッション素材があるものを
メインコンパートメントの収納力は「何リットル」という数値で表されています。もちろんその数値が大きければたくさんものが入ります。出張時などにノートパソコンやタブレットが必要なら、そのような電子機器を衝撃から守るクッション素材があるかどうかを確認して選ぶようにするとよいでしょう。
また、サブポケットの数や形状が、自分のスタイルに合うのかも重要です。意外に便利なのが防水仕様のポケットで、濡れた折りたたみ傘を収納するのにとても重宝します。そのほか、パスポートやスマホを収納する専用ポケットやペンホルダー、ペットボトルホルダーなどもあると便利な収納機能のひとつです。
【5】一つ持っておくなら、機内持ち込みの可能なキャリーバッグ
出張のスタイルはさまざま。飛行機や列車に限らず、バスや車、船の旅などもあります。なかでも飛行機での移動は、さまざまな制約が設けられています。その制約をクリアするために考え抜かれたものが、機内持ち込み可のキャリーバッグとも言えるでしょう。
しかしいくらコンパクトだと言っても、選ぶ際に重視したい点は収納力。メインコンパートメントの大きさ、ポケットの数、本体重量、キャリーハンドルの太さと長さ(自分の手に快適な太さか、自分の身長に合う長さか)、キャスターのスムーズさなども見極めましょう。
機内持ち込み可にこだわるのは、あらゆる旅のスタイルに対応できるフレキシビリティがあるから。後々のことを考えたら、ひとつは持っておくべきバッグです。
ビジネス向けキャリーバッグのおすすめ
ここまでに紹介したビジネスキャリーバッグの選び方のポイントをふまえて、『monoマガジン』元編集長で、プロダクトコンセプターの土居輝彦さんと編集部でそれぞれ選んだおすすめ商品を「3万円以上」「1~3万円」「1万円以内」と金額別に紹介していきます。
▼【3万円以上】のおすすめ商品
▼【1~3万円】のおすすめ商品
▼【1万円以内】のおすすめ商品
各商品がすぐに見たい方は、上記のリンクをクリックしてくださいね。
▼おすすめ5選【3万円以上】
3万円以上で買えるおすすめのビジネス用キャリーバッグをご紹介します。

頑丈なキャリーバッグがほしいならこれ!
ペリカンは元々、アウトドアの世界ではペリカンライト(防水懐中電灯)のブランドとして知られていました。その後ペリカンケースというコンテナを作り始め、10年くらい前から非常に質のいいバッグが発表されるようになりました。
現在でもアメリカ軍が正式採用するほど信頼性が高く、密封性能を高めるO型密封リングを採用することで、防水性の高さは他の追随を許しません。密封性の高さゆえ、自動調圧バルブも付いています。
ホイールはステンレススチール製ベアリング付きのポリウレタン製、延長ハンドルももちろん付属しています。頑丈な分そこそこ重いですが、名作バッグです。

TASロックを採用した定番のキャリーバッグ
ドイツ生まれのリモワのビジネスキャリーバッグ。頑丈さと軽さを兼ね備えたポリカーボネート製のボディに、リモワの代名詞ともいえる縦のラインはひと目でリモワとわかるアイコンです。
リモワ製品のほとんどが、TSAロックを採用している点もおすすめポイントです。とくにアメリカでは荷物検査が厳格で、バッグには基本的に鍵をかけてはならず、ロックされたバッグは鍵を壊されてしまうことも。でもTSAロックなら職員が専用キーを持っており、スーツケースを傷つけることなく解錠が可能となっています。
一度は手にしたいトゥミのキャリーバッグ
トゥミを一躍有名にしたバリスティック素材で作られたキャリーバッグ。耐久性の高さはいまさら説明の必要もないほどで、本作はそんな高い性能に加えて流線形の外装デザイン性が加わり、さらに満足度の高い商品になっています。
最新のホイールシステムも魅力のひとつです。
どんな路上でもスマートな高い静音性
ビジネスエグゼクティブのためのスタイリッシュなデザイン。スーツとの相性も抜群で、スマートなビジネスシーンを演出してくれます。キャスターの静粛性が高く、でこぼこ道でもスマートな移動を実現してくれます。
また出張時に嬉しい、スマホが充電できるUSBポートや、持ち上げに役立つボトムハンドルなど便利な機能も満載です。
頻繁に出張するビジネスパーソン向き
本体は革でアクセントを加え、非常に強いバリスティックナイロンを使用。光沢のあるガンメタリックパーツが、できるビジネスマンを演出してくれます。容量は22Lと1泊2日の出張にもおすすめのサイズ。
3.3kgと軽量で、パワーバンクポケットなど最新のビジネスシーンに必要な機能を備えています。
▼おすすめ4選【1~3万円】
1~3万円で買えるおすすめのビジネス用キャリーバッグをご紹介します。
旅をより楽しく!遊び心溢れるデザイン
レコードやスピーカーのデザインからインスパイアされた『SOUNDBOX/サウンドボックス』シリーズの商品です。安定性と耐久性に優れたダブルホイールを採用しているため、凹凸が多い路面でも安心して利用することができます。
またファスナーを開ければケースの奥行が増すため、お土産を買いすぎても安心の収納スペースです。メイン収納部分にも細かいものを入れるためのジッパーポケットや荷くずれを防ぐためにストラップがあり、収納能力が高い商品です!
短期出張や飛行機や新幹線移動時に活躍
ビジネスマンの出張にぴったりの4輪キャスター搭載。航空機持ち込み可能サイズで、飛行機移動の際にも便利です。バッグ表面に耐水加工であるカーボンPUコーティングを施しており、パソコン収納スペースには、14インチワイドまでのノートパソコンを収納できます。
360°回転する4輪キャスターを搭載し、スムーズに移動できるので、短期出張などにも最適です。
コインロッカーサイズのコンパクトタイプ
駅や空港、商業施設などに設置のコインロッカーへの収納に対応したコンパクトなスーツケース。コンパクトなボディながらにしっかりとしたトップハンドルも付いているため、荷物の出し入れや階段等の持ち運びに便利です。
荷物をしっかり仕切れる収納スペースや、ファスナーポケット付きの中仕切りなど、開閉時の荷こぼれを防止し、ストレスを軽減してくれます。
リュックとキャリーをこの一つで
創業100年のスーツケース専門店「モアエルグ」のリュックキャリーは、旅行、アウトドア、ショッピング、防災用、使い方はいろいろ。重量約2.2kgと軽くコンパクトで、撥水加工を施しているので、汚れがつきにくく突然の雨でも安心です。
肩ベルトのほか、取り外し可能なチェストベルトなど使いやすさへこだわり、スペースいらずで、収納もたっぶりです。
▼おすすめ1選【1万円以内】
1万円以内で買えるおすすめのビジネス用キャリーバッグをご紹介します。
ビジネスでも使えるモノトーンカラー
可愛らしいデザインながらも充実の機能を兼ね備えたアイテムです。ファスナーを開けると収納スペースを増やすことができるので、旅行時の荷物が多い方やお土産をたくさん買いたい方にもおすすめです。
軽くて丈夫な素材で、傷や汚れが付きにくいのも嬉しいポイント。落ち着いたトーンのカラーでビジネス・プライベートともに活躍するでしょう。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ビジネス向けキャリーバッグの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのビジネス向けキャリーバッグの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
スーツケースに車輪がついた背景とは? キャリーバッグの歴史
キャリーバッグとは、いわば車輪付きカバンです。今や海外旅行だけでなく、ビジネスマンの普段の出勤時や、奥様が買い物に出かけた時にも持ち歩くくらいキャリーバッグは普及しているそうです。しかし、このキャリーバッグの歴史はそれほど古くないといわれています。
なんと車輪付きカバンが生まれたのは1970年代だとか。歴史でいうと、わりと最近な気がしますよね。「バーナード・セードー」という人が重い荷物を運ぶために、車輪を付けたバッグを考案し、特許を出願したのが1972年といわれています。
それ以降、1987年に米国ノースウエスト航空のパイロット、ロバート・プラスが車輪の付いたスーツケースを直立させて、長方形のハンドルをつけることを発案。それが現在のキャリーバッグの原型となったそうです。そうした経緯から、キャリーバッグは1980年代後半から本格的に普及したといわれています。日本でも旅行だけではなく、日常で使っている人が増えているほど身近なアイテムとなってきているそうです。
収納やパッキングに関する便利グッズはこちら 【関連記事】
まずは定番を確認しよう プロダクトコンセプターから一言
安価なものからメゾンブランドの高級品まで、ビジネスキャリーバッグにはさまざまな選択肢があります。ですが、旅の移動は想像以上にバッグに負担をかけるもの。だからこそちゃんとした作りであることが大切です。
さらに、軽量化と堅牢性と収納力をひとつの製品で実現させるためのテクノロジーにも、注視したいものです。全部のアイテムを比較検討するのは時間も労力もかかりますが、定番と言われる名品を選べばまずは安心でしょう。いいものと呼ばれる製品にはすべからく、納得できる理由があるのです。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
1982年より㈱ワールドフォトプレス社の雑誌monoマガジン編集部へ。 1984年より同誌編集長。 2004年より同社編集局長。 2017年より同誌編集ディレクター。 その間、数々の雑誌を創刊。 FM cocoloへの情報提供、執筆・講演活動、大学講師、各自治体のアドバイザー、IDSデザインコンペティション審査委員長などを現在兼任中。