烏龍茶の選び方
中国茶のうち、日本人にとてもなじみの深い「烏龍茶」。後味がよく、どのような食事とも合うので人気のお茶です。烏龍茶は、コンビニやスーパーで手軽に買えるものから高級なものまで、豊富な種類があります。
この記事では、そんな烏龍茶の選び方を、Cha Tea 紅茶教室代表の立川 碧さんに教えてもらいました。どこにポイントを置いて選ぶのか解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ポイントは下記。
【1】容器のタイプで選ぶ
【2】生産国や茶葉の形状の違いで選ぶ
【3】発酵度の違いによって変わるお茶の風味で選ぶ
【4】品種で選ぶ
【5】茶葉の年数をチェック
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】茶葉? ペットボトル? 容器のタイプで選ぶ
烏龍茶といえば、ペットボトルのものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? ですが、烏龍茶も紅茶などと同様、茶葉タイプやティーバッグタイプの商品も多数販売されています。
▼茶葉タイプ
急須を使って淹れるので、烏龍茶の香ばしさを楽しむことができます。自宅でゆっくり飲みたい方におすすめです。
▼ティーバッグ
お湯を注ぐだけでかんたんに作ることができるので、忙しい方にぴったり。とくに水出しできるタイプなら、ボトルに入れるだけで手軽に飲むことができます。リーズナブルな価格の商品が多いのも魅力です。
▼ペットボトル
手軽に烏龍茶を飲みたいなら、ペットボトルタイプがおすすめ。500mlサイズなど小さめなら持ち運びにも便利です。
【2】生産国や茶葉の形状の違いで選ぶ
中国や台湾のほか日本の農家も製茶
烏龍茶は緑茶や紅茶と同様に、カメリア・シネンシスと呼ばれるお茶の木の葉を原料にしています。主に中国や台湾にて製茶されていますが、最近では日本でも烏龍茶つくりをする農家も増えてきています。まずは生産国を確認して購入しましょう。
烏龍茶の茶葉は、豊かな風味を演出するためにこだわりの製茶が施されたり、形状もリーフタイプ、コロコロとした丸い形の球状茶など個性を楽しむことができます。茶葉自体の美しさを愛でるという楽しみ方もあるので、購入時に茶葉の形状をチェックするのも選び方としておすすめです。
【3】発酵度の違いによって変わるお茶の風味で選ぶ
清涼感やコクなど好きなテイストを探そう
中国茶や台湾茶は「緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶」(※) の順番に発酵度が高くなり、発酵度合いや製法により種類や銘柄が異なってきます。そのなかでも烏龍茶は半発酵茶である青茶の一種。ただし発酵度合いが15%~70%とかなり幅広く、ひと口に烏龍茶と言っても多くの種類や、生産地ごとの銘柄まであります。
例をあげると、発酵度が弱くすっきりとした清涼感の凍頂(トウチョウ)烏龍茶、発酵度が高く蜜のような甘い香りとコクの鉄観音(テッカンノン)茶というように、味のタイプもまったく変わる面白さがあります。たくさんの風味の烏龍茶のなかから、好きなテイストのものを探しあててみてください。
※発酵度の順番(とくに白茶・黄茶)については、諸説あります。
【4】品種にもこだわってみましょう
品種も香りや味わいの個性が出るポイント
烏龍茶の原料カメリア・シネンシスには、大葉烏龍(ダイヨウウーロン)、青心烏龍(チンシンウーロン)、金萱(キンセン)、翠玉(スイギョク)などさまざまな品種が存在します。販売されているお茶のなかには木の品種にこだわって製茶されているものも多く、好みの品種を探すのも通な選び方のひとつです。
たとえば、すっきり爽やかな風味が好きな方は青心烏龍、甘い花のような香りを楽しみたい方は金萱といったように、品種が違うと香りや味わいも変わってきます。ぜひ烏龍茶と一括りにせず、品種にも注目してみてください。
【5】新茶?熟成茶?茶葉の年数をチェック
フレッシュ感と高級感どちらを重視するか
日本の緑茶は新茶が美味しいといわれることが多いですが、烏龍茶には熟成茶と言って、ワインのように数年~数十年と茶葉を寝かせて楽しむものもあります。新茶のフレッシュな味わいとはまったく異なり、年数を増すことで深みのある味わいと、余韻が残る香りなどがあらわれ、特別な風味が楽しめます。
新茶の烏龍茶はフレッシュ感が、熟成茶は特別な催しなどでお出しするのにも向く高級感が魅力です。この違いにも注目しながら選んでみるとよいでしょう。
紅茶教室代表からアドバイス
繊細なお茶だからこそ選択肢が広い!
不発酵茶の緑茶や発酵茶の紅茶に比べ、微妙な発酵度により味わいの変わる半発酵茶。そのひとつである烏龍茶は、つくり手の能力により風味が大幅に変わる繊細なお茶ですが、それだけ選ぶ楽しみも広がりやすいと言えるでしょう。
本場中国や台湾でも贅沢な嗜好品として認知されており、中国の烏龍茶は力強い味、台湾の烏龍茶は香りが決め手など、産地によって特徴もさまざまです。ぜひお好みの烏龍茶をみつけて、香りの余韻を楽しみながらゆとりのある時間を過ごしてみてください。
ペットボトル烏龍茶の有名メーカーを紹介!
烏龍茶は茶葉のみならず、缶入りのものやペットボトル入りのものもありますよね。そういったものはコンビニやスーパーでも手軽に購入でき、さまざまな飲料メーカーから販売されています。ここでは、各飲料メーカーごとの特徴をご紹介します。
サントリー
洋酒メーカーや健康食品でも知られる「サントリー」。サントリーが烏龍茶を発売したのは1981年で、40年近くも続くロングセラー商品です。
サントリー烏龍茶の特徴は、独自ブレンド・製法によって「ウーロン茶ポリフェノール」を豊富に含んでいることです。このため、渋みが残らず、口のなかがさっぱりするような後味になっています。
缶入り、ペットボトル入りの商品を展開しています。
日本コカ・コーラ
従来のかたちにとらわれず新しいアイデアで烏龍茶づくりに挑戦しているのが、日本コカ・コーラの特徴です。
烏龍茶は中国生まれのお茶。そのため、中国茶葉を使用した烏龍茶が多いなか、国産の烏龍茶葉を使って「つむぎ」という商品をつくり出しました。180日以上も長期熟成させるという製法で華やかな香りの商品に仕上げています。
続いて発売されたのが、『煌(ファン)』という商品。こちらは中国の福建省の「武夷岩茶(ぶいがんちゃ)」という希少な茶葉を使った意欲的な商品です。
双方ともにペットボトルのみでの展開です。
伊藤園
日本茶のイメージが強い伊藤園ですが、実際はルイボスティーやジャスミンティーなどさまざまな商品を販売しています。烏龍茶はスタンダードな烏龍茶のほか、特定保健用食品として、『黄金烏龍茶』と『2つの働きカテキン烏龍茶』の2種類を発売しています。
茶葉の種類やブレンドにもこだわりがあり、『黄金烏龍茶』では鉄観音と黄金桂の2種類をブレンドし、優雅な香りの烏龍茶に仕上げています。
ペットボトルや缶入りの販売が目立ちますが、烏龍茶のティーパックも販売しています。
アサヒ飲料
他社が国産茶葉やブレンド茶葉など、新しい形の烏龍茶に挑戦しているのに対して、オーソドックスなスタイルの烏龍茶を販売しているのがアサヒ飲料です。
烏龍茶の本場、中国の福建茶葉進出口有限責任公司推薦の一級茶葉のみを使用したすっきりした味わいの烏龍茶です。
2Lの大型ペットボトル、手軽な245gの缶のほか、200mlのリターナブル瓶での販売もあります。
烏龍茶おすすめ10選
うえで紹介した烏龍茶の選び方のポイントをふまえて、Cha Tea 紅茶教室代表の立川 碧さんと編集部が厳選した、おすすめの商品を【茶葉・ティーバッグ】と【ペットボトル】のタイプ別にご紹介します!
【茶葉・ティーバッグ】烏龍茶おすすめ5選
まずは、香りを楽しめる茶葉やティーバッグの烏龍茶のおすすめ商品からご紹介します。ティーバッグタイプや水出しできる製品を厳選しています。

西洋人にも人気のオリエンタルビューティー
烏龍茶のなかでも発酵度が高く、紅茶のような味わいが感じられることから、西洋でも人気を集めている東方美人(トウホウビジン)という品種。こちらはウンカ芽と呼ばれる夏の時期に摘まれた特別な新芽の茶葉が使用され、フルーティーな香りと蜂蜜のような甘い味わいが特徴です。
19世紀ころのヨーロッパでは、台湾を代表する最高級茶として流行したこともあり、魅惑的な東洋のイメージ、美しい茶葉の形状から「東方美人」とヴィクトリア女王が名づけたとも言われています。別名オリエンタルビューティーとも呼ばれ、烏龍茶ファンにとっても魅力的な東方美人茶。ぜひ特別な時間にお楽しみください。

国産100%! 赤・青の烏龍茶から選べる
国内の茶産地でも烏龍茶を作る農家が増えていますが、そのなかでもお茶所である静岡県牧之原の茶葉を使った国産100%の烏龍茶は、ぜひ飲んでいただきたい逸品です。こちらは青烏龍茶、赤烏龍茶とタイプの違う2種類から選ぶことができます。
青烏龍茶は発酵度の弱いタイプなのでさっぱり系、赤烏龍茶は発酵度の強いタイプなので、甘いコクがあるのが特徴です。国産ならではの味わいをぜひ楽しんでみてください。
台湾の烏龍茶のなかでも人気が高い凍頂(トウチョウ)烏龍茶。こちらはティーバッグに加工されていながらも、花のような甘い香りと美しい黄金色の水色といった、凍頂烏龍茶らしさをしっかりと感じることができます。
渋みが少ないため飲みやすく、甘みとコクを感じられるのが特徴です。
※Amazon・Yahooは3個セットです
美肌効果が期待される、台湾高級茶
製茶技術や栽培が非常に困難で、台湾の高級なお茶とされています。ビタミンCが豊富なので美肌効果が期待され、とくに女性に人気のある烏龍茶です。紅茶に近い味わいで渋みはなく、甘くさわやかです。
きれいな澄んだ深いオレンジの色合いで、果実や密のように甘い香りが特徴です。果物やデザートとも相性がいいですよ。

苦丁茶専門店(一葉茶)『梨山紅香高山7年熟茶』
深い味わいを堪能する熟茶
烏龍茶にはフレッシュな新茶を味わうだけではなく、数年寝かした熟成茶を味わうのも通な楽しみです。熟成が進むことにより、甘みやとろみが加わりより深みのある風味に変化していきます。
そんな熟成茶として7年寝かせたものがこちらのお茶になります。ひと口飲んだときに広がってくる豊かな風味は感動的です。余韻にひたりながら贅沢なお茶の味を堪能してください。
【ペットボトル】烏龍茶おすすめ5選
ここからは、ペットボトルで販売されている烏龍茶をご紹介します。日常的に烏龍茶を楽しむなら、ペットボトル入りのものが購入も保管も便利でお手軽です。
1980年発売のロングセラー烏龍茶
1980年発売のロングセラー烏龍茶です。茶葉は烏龍茶の本場中国福建省の茶葉を使用していますが、特徴的なのは複数の茶葉をブレンドして使用していること。
この「ウーロン茶」では、「色種」「水仙」という2つの茶葉を主体としたブレンド。双方とも茶葉生産量の半分近くを占める代表的な茶葉です。「色種」はさわやかな香り、「水仙」は甘みのある香りと赤褐色の鮮やかなお茶の色に特徴があります。これらをバランスよくブレンドすることで、長く愛飲される本製品が作られています。
1981年生まれのロングセラー烏龍茶
深い香りとすっきりした飲み口が烏龍茶の魅力ですが、反面渋みやイガイガ感が苦手という方もいらっしゃいます。サントリーは独自ブレンド・製法によって「ウーロン茶ポリフェノール」を豊富に含む烏龍茶の開発に成功。コクがあるのに渋みが残らない、烏龍茶です。
食品の安全を保つトレーサビリティにも力をいれており、中国の茶葉農家から加工工場を経たものをサントリーの中国検査場で検品し、日本の工場で仕上げてから、流通を行っています。この流れを全て記録し、何重にも検査を行っています。
希少な武夷岩茶100%使用の烏龍茶
烏龍茶の茶葉では、鉄観音がよく知られています。福建省には他にもさまざまな茶葉があり、そのなかでも鉄観音と同等の知名度を持ちながら、生産量の少なさにより希少性が高いのが武夷岩茶です。武夷岩茶のなかでも大紅袍という最高級品は国賓用に北京に全て運ばれるほどです。
その武夷岩茶を100%使用した珍しい烏龍茶が「煌(ファン)」。煌(きら)めくという字はエネルギッシュで前向きなイメージを感じさせます。気持ちが前向きになる、というメッセージをこめて名付けられたこの烏龍茶は、希少な茶葉を使って市場に乗り込む日本コカ・コーラの意気込みも感じさせてくれます。
希少な茶葉を使用したトクホの烏龍茶
「食事の脂肪吸収を抑え、排出を増加させ、脂肪がつきにくくする」という効果で特定保健用食品に認定されている烏龍茶。その秘密は「ガレート型カテキン」という脂肪吸収を抑える働きのある成分を配合したことです。
トクホとして注目される『黄金烏龍茶』ですが、烏龍茶としても「黄金桂」と「鉄観音」という希少な茶葉を使用することで、優雅な香りの烏龍茶に仕上げています。
本場中国福建省の一級茶葉にこだわった烏龍茶
福建省の一級茶葉を100%使用した、本場の味と風味を前面に押し出した烏龍茶です。福建省の茶葉を使用した商品はほかにもありますが、一級茶葉という点がこの烏龍茶のこだわりポイント。私たちにとって身近な緑茶でも、茶葉によって風味や味が異なります。緑茶のようによく知ることが難しい烏龍茶葉で、消費者がおいしく烏龍茶を楽しめるようにとの思いが、一級茶葉へのこだわりとなったのでしょう。
福建省産の4種の茶葉をブレンドし、「ダブル抽出」によって深い香りと味わいを引き出した烏龍茶です。
「ウーロン茶」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 烏龍茶の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの烏龍茶の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
気になる「烏龍茶」と「黒烏龍茶」の違い
サントリーから発売されている『黒烏龍茶』。特定保健用食品として販売されていることもあり、注目度も高いようです。普通の烏龍茶と異なる黒烏龍茶の特徴に注目してみました。
黒烏龍茶は「特定保健用食品」
サントリーの「黒烏龍茶」は、「食事から摂取した脂肪の吸収を抑え、排出を増加させる」といった効果が消費者庁から認められた、トクホとも呼ばれる特定保健用食品です。血中中性脂肪の上昇も抑えられ、脂肪がつきにくくなるという機能をもっています。
この働きを支えているのが、「ウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)」。OTPPを多く含んでいる点が、黒烏龍茶とそのほかの烏龍茶との違いです。またOTPPは色の濃い成分で、黒烏龍茶が濃い色な理由でもあります。
1回350mlを食事といっしょに飲むのが、推奨されている飲み方です。血中中性脂肪が高めの方は1日1回、体脂肪が気になる方は1日2回がメーカー推奨回数です。
そのほかのお茶関連の記事はこちら
烏龍茶のさまざまな風味、味を楽しみましょう
本記事は、烏龍茶の選び方やおすすめ商品をご紹介しました。いかがでしたか?
紅茶教室代表の立川 碧さんおすすめの本格風味が楽しめる烏龍茶や、烏龍茶を一気に身近にしてくれるペットボトルの烏龍茶。それぞれ香りやコク、後味が異なり、さまざまな個性があります。茶葉から淹れるなら濃いめにつくるなど好みの味がつくれるのもポイントですね。
ゆったりした時間とともにティータイムを楽しむとき、手軽な飲料として利用したいとき、など、シチュエーションに合わせて烏龍茶を楽しんでくださいね。
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紅茶はワインと同じように産地により香りや味が異なり、楽しむ器の形状によって風味も変化しますが、まだまだ知識の普及が進んでおらず「紅茶」とひとくくりにされてしまうことが多い飲みものです。 飲む紅茶、文化としての紅茶、皆さまが自分好みの紅茶を探すお手伝いが出来れば嬉しいです。