ダブルズームレンズキットの選び方 カメラ評論家に聞く
広角側から望遠側まで使用可能なダブルズームレンズ。実際買うときはどれにしたらいいのか悩んでしまいますよね。そこで今回は、カメラ評論家・田中希美男さんに、ダブルズームキットを選ぶときのポイントを教えてもらいました。ポイントは下記3点。
【1】単品とキットどちらがお得か
【2】ダブルズームかズーム+単焦点か
【3】上達するならどのタイプか
それぞれ解説していくので参考にしてください。

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キヤノン、ニコン、オリンパス、ソニー、パナソニック、富士フイルムなどのメーカーから、良いダブルズームキットがたくさん発売されている。
【1】単品購入よりどのくらいお得かを見極める
ダブルレンズキットのカメラボディは、どのメーカーもそうですがエントリー機種が多くなっています。というのも、はじめてレンズ交換式カメラに挑戦しようとしているビギナーの方々がレンズ選びに悩まず、かつ、できるだけ気軽に購入できるようにと価格も抑えて販売されているものだからです。
つまりダブルレンズキットの最大のポイントは「お買い得」ということです。レンズ、ボディそれぞれ単品での合計金額と、レンズキットの金額を比べるとレンズキットモデルのほうが断然安あがり。キットになったレンズはメーカーが決めたレンズに限定されていて、購入者が自由に選べないという制限はありますが、それでも文句なしにお買い得です。
【2】ダブルズームかズーム+単焦点か
ダブルレンズキットのモデルには大別してふたつあります。ひとつは2本のレンズともズームレンズのモデル。もうひとつは、1本はズームレンズでもう1本は開放F値(※)の明るい単焦点レンズとの組み合わせのモデルです。
広角から望遠まで幅広い画角で撮影を楽しみたいという方にはダブルズームのモデルがおすすめ。ちょっと個性的な撮影を楽しんでみたいという方には、ズーム+単焦点のモデルがおすすめです。
※開放F値について
レンズの明るさを示す値(しぼり値)です。開放F値の小さいレンズは、光をたくさん集められるため「明るいレンズ」とも呼ばれています。F値を小さくすると、背景をぼかした像が写せます。F値を大きくすると背景までくっきりとした像が写せます。逆に、開放F値の大きい「暗いレンズ」だとシャッタースピードが遅くなり、手ぶれや被写体ぶれを起こしやすくなるため、少々扱いにくいと感じる方もいるでしょう。
※ISO感度について
デジタルカメラが光をとらえる能力を示す値。ISO最高ISO感度が高いカメラほど、暗い場所での撮影が可能です。暗い場所での撮影は、シャッタースピードが遅くなり手ぶれも起こりやすくなりますが、ISO感度の数値を上げることによって光を増幅させ、シャッタースピードを速くすることが可能になり、手ブレを抑えることもできます。ただし、ISO感度を上げると上げた分だけ画像が粗くなります。
【3】上達したいなら標準+単焦点のレンズキットもあり
レンズキットモデルとセットになっているズームレンズは、多くが標準ズームと望遠ズームの組み合わせ。そのズームレンズは比較的低価格なレンズで、小型軽量を優先していて開放F値はそれほど明るくないレンズが多いようです。そのため、まずはコストパフォーマンスにすぐれたダブルレンズキットを購入して、しばらく使い込んでみてから開放F値の明るい単焦点レンズを1本買い足して撮影を楽しんでみるという方法もあります。
単焦点レンズはズームレンズのような便利さはありません。画角を変えることができないからです。しかしその「不便さ」が写真上達のカギになるのです。苦労して構図を選んで撮影する楽しみも増えます。ダブルレンズキットをベースにしながら、そこに単焦点レンズを加えて撮影領域を広げてみることをおすすめします。
ダブルズームレンズキットおすすめ3選 レンズの内訳・有効画素数・対応記録メディアもチェック!
上で紹介したダブルズームキットの選び方のポイントをふまえて、実際にカメラ評論家・田中希美男さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。

ニコン一眼レフの中でトップクラスのお買い得モデル
ニコン一眼レフのいくつかあるエントリー機種のなかではトップクラス。性能も撮影モードも申し分のない充分な機能を備えています。
画素数は約2,400万画素あり、きめこまかく解像度の高い写真を得ることができます。そのような写真を得るには手ぶれを防ぐ機能を備えたレンズがどうしても必要となります。そのD5600とキットになった2本のズームレンズには、すぐれた手ぶれ補正(VR)の機能が備わっています。
キットレンズの標準ズームはポートレートなど、望遠ズームは野鳥撮影までカバーします。キットひとつで広角から超望遠域まで撮影できるということです。ニコンの一眼レフが好きな方にはイチオシです。
静止画・動画ともに光学手ブレ補正機能を搭載
本機は右手だけで完結できる操作配置になっており、これにより、撮影中にダイヤルを見返すことなく、ファインダーをのぞきながら右手だけで設定を変えていくことができるようになりました。
また、静止画・動画ともに光学手ブレ補正機能を搭載。画像モニターはタッチパネルを採用。自分撮りも可能です。重量も軽くコンパクト。グリップが大きめでなかなかのホールド感。手ブレをおさえやすい設計になっています。

Panasonic(パナソニック)『LUMIX DC-GF10W ダブルレンズキット LUMIX G VARIO 12-32mm+25mm/F1.7 ASPH. 付属』
おしゃれな外観デザインが魅力の多機能なカメラ
ほかのメーカーのレンズキットモデルではズームレンズ2本とセットになっている機種が多いなか、この商品は単焦点レンズと、標準レンズの画角をカバーするズームレンズがキットになっています。
単焦点レンズはF1.7と明るいので、手軽にぼけ味を生かした撮影ができます。ズームレンズは、小型で軽量な広角系ズームを優先させています。液晶モニターはチルト式で180度回転させて自撮り撮影も容易にできます。キットの広角ズームレンズを使えば自分ひとりだけでなく、友人と一緒に自撮りすることもカンタン。
多彩な撮影モードを備えている上に4K動画撮影ができたり、Wi-Fi機能を利用してスマホに画像をアップしたり、スマホから遠隔撮影することもできます。ボディカラーはオレンジ、ホワイト、ブラックの3色ありますが、どの色も大変魅力的なデザインです。
「ミラーレスカメラダブルズームキット」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ミラーレスカメラダブルズームキットの売れ筋をチェック
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複数メーカーのキットモデルを比較してマッチする機種を
ダブルレンズキット、カメラボディとズームレンズ1本をセットにしたシングルレンズキットを問わず、各カメラメーカーはたくさんの機種でキットモデルを販売しています。選び方としてはまず、おおよその購入予算価格を決め、その予算に見合うキットモデルを探して複数機種を比較検討してみることです。
ある機種に的を絞ったとしても、その機種のひとつ前の「旧型」も現行品のキットモデルとして販売されていることも多くあります。新型、旧型にこだわらずにカメラの機能や性能などを参考比較しながら、最終判断をするといいでしょう。
ひとつのメーカーに限定せず、自分の購入予算を元にして横断的に他メーカーのキットモデルと比較しながら、自分にマッチする機種を選ぶことも大切です。
少々手間と感じるかもしれませんが、できるだけ幅広く比較検討を重ねてご自分にとってベストなカメラを選んでください。ここに紹介したカメラメーカーはどれも一流メーカーの機種ばかりです。どのメーカーのカメラ・レンズを選んでも間違いではないでしょう。
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多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。