そもそも洗濯機の汚れとは?
洗濯機の汚れにはおもに5つの原因があります。洋服についた汚れ、洗剤のカス、ホコリ、水アカ、カビです。
洋服には汗や皮脂、外出先の汚れなどいろいろな汚れがついているので、それが洗濯機に付着。粉タイプの洗剤や柔軟剤を使っていると溶け残りが固まってカスとなります。ふだん目につかないホコリも洗濯機に付着しますし、水アカも水道水に含まれている成分が乾いて汚れとなります。
これらの汚れをエサにして発生するのがカビです。洗濯機の内側は水分で濡れているのでカビが繁殖しやすくなっています。
洗濯機の汚れ対策には、この5つの原因を取り除くことが必要です。
洗濯槽を洗浄する洗剤の種類
洗濯槽を洗濯する洗剤には塩素系、酸素系、重曹の3種類があります。それぞれの特徴について説明しますが、気をつけたいのはドラム式洗濯機の場合です。
ドラム式洗濯機は洗濯槽にお湯を張るのが難しいので、酸素系のつけ置きタイプは使用できないことがあります。
塩素系クリーナー
塩素系のクリーナーの原料は次亜塩素酸ナトリウムというアルカリ性の成分で、除菌力が強いのが特徴です。目に見えない汚れやカビを落とすのに適しています。
除菌力が強いにもかかわらず塩素系は使い方がかんたんで、冷たい水でも汚れが落とせるのでお湯を用意する必要がありません。
ただしツンとした独特のにおいがあり、肌への刺激も強いので気をつけて使う必要があります。
酸素系クリーナー
酸素系クリーナーはおもな成分が過炭酸ナトリウムで、発泡力で汚れを落とすという特徴があります。塩素系よりも洗浄力は劣りますが、環境にやさしくて手や肌への刺激が少ないです。
また、塩素系のようなツンとするにおいがありません。ただし洗浄力が弱いため、掃除する時間がかかるというデメリットがあります。
素早く洗濯槽を掃除したい場合には向いていません。
重曹
重曹は住まいの掃除にも使われますが、洗濯槽にも利用できます。特徴は弱アルカリ性で、洗濯槽に溜まった酸性の汚れを中和できることです。
中和効果による消臭効果もあり、酸性の汚れから発生するにおいを消すことができます。重曹は薬や食品にも使用されているので、環境や手肌にもやさしく、お肌が敏感な方に適したクリーナーです。
洗濯機の掃除方法
洗濯槽の掃除について、塩素系クリーナー、酸素系クリーナー、重曹を使う3つの方法を説明します。とくに気をつけたいポイントに注目しながら、掃除するときの参考にしてください。
塩素系クリーナーを使って洗濯槽を掃除する
塩素系クリーナーで洗濯槽を掃除する場合の3つの作業手順について説明します。必要な道具は塩素系クリーナーだけで、所要時間は約40分です。
クリーナーを洗濯槽に入れる
塩素系クリーナーを使って洗濯槽を掃除する手順は、酸素系クリーナーや重曹を使う場合よりもかんたんです。まずは洗濯槽にクリーナーを入れてください。
いろいろな商品がありますが、それぞれ入れる量が決まっているので既定の量を間違えないようにチェックする必要があります。商品にもよりますが、1回で使い切るものが多いです。
水を溜める
クリーナーを投入したら、次は洗濯槽のなかに水を入れます。気をつけるポイントは満水まで水を溜めることです。
ドラム式の場合は水を溜めてしまうとフタを開けることができないため、とくに注意が必要です。洗濯機の電源を入れたらすぐにクリーナーを投入して電源ボタンを押す手順となります。ただし機種によって方法が異なる場合もあるので、事前に説明書で確認してください。
洗濯機を回す
最後は洗濯機を回します。ポイントは洗濯機の洗浄コースにすること。そのような設定がない場合は標準コースにして洗濯機を回してください。
洗いから脱水までの1コースで掃除は完了ですが、大事なのは完了後にフタを開けて洗濯槽を乾燥させること。濡れたまま放置しないでしっかり乾燥させてください。
気をつけるポイントだけ押さえれば、簡単に洗濯槽の掃除ができます。
酸素系クリーナー・重曹を使って洗濯槽を掃除する
酸素系クリーナーも重曹も、掃除の手順は同じです。気をつけたいのは掃除に半日ほど時間がかかるという点。掃除している間は洗濯できないので、朝の洗濯が終わったあとにおこなうとよいでしょう。
用意するものは酸素系クリーナー、または重曹とゴミすくいネットです。ゴミすくいネットがなければハンガーとストッキングで代用できます。バケツも必要です。
ゴミとリネットを外す
洗濯するときはゴミとリネットをつけますが、クリーナーを入れて掃除するときはネットを外すのがポイントです。
ゴミとリネットをつけたままクリーナーを入れて洗濯槽を掃除すると、ネットのなかに残っている汚れが洗浄を邪魔します。また洗浄してとれたゴミがネットのなかに溜まってふくらんでしまうことがあるので、忘れずにゴミとリネットを外してください。
お湯を溜める
お湯を溜めるときに気をつけたいポイントは、お湯の温度です。酸素系クリーナーか重曹の成分が有効に作用するのは40~50度ですので、事前に温度調整をしてください。
洗濯機によっては耐用温度が低いものがあるので、事前に取り扱い説明書でチェックしておくのを忘れずに。もし耐用温度が低い場合、水でもじゅうぶんに効力はあります。
洗濯機の満水の位置まで溜めてください。
洗濯槽クリーナーを入れる
酸素系は洗濯槽にお湯が満水になってからクリーナーを投入してください。塩素系の場合は先にクリーナーを入れるので、間違わないように注意が必要です。
酸素系クリーナーはパッケージに投入する既定量が記載されているので、その量を入れます。重曹の場合は粉末200gが目安となっており、だいたい1カップの量になります。
洗濯機を回したあと、放置する
クリーナーや重曹を入れたら洗濯機を回しますが、ポイントは標準の洗いコースを選ぶこと。機種によっては「念入り」コースや「遠心力」コースがありますが、汚れがひどい場合はそちらを選ぶと洗浄力が増します。
大事なポイントは10分ほど回したら排水せずに洗濯機を止め、そのまま4~6時間ほど放置すること。放置しておくと洗浄作用によって黒いカビが浮いてきます。
洗濯槽の汚れがひどいと泡が立ってあふれることがありますので、その場合は洗濯機を一時停止して泡やお湯をすくって水位を減らしてください。
洗濯機を回し浮いてきたカビやゴミを取る
放置が終わったら、もう一度洗濯機を5分程度回します。撹拌することによって沈んでいたゴミやカビの固まりが浮いてくるので、ゴミすくいネットなどで除去してください。ゴミすくいネットはハンガーにストッキングをかけて代用できますし、100円ショップで購入できます。
こまかいゴミがたくさん浮くので、きちんと取り切るのがポイント。根気よく除去しておかないと、洗濯機を詰まらせる原因になります。
ゴミが出なくなるまで、すすぎとゴミ取りを繰り返す
最後の手順は、ゴミが出なくなるまで洗濯機を回し、これを繰り返します。目で見てゴミがなくなったと判断できたら、洗いから脱水まで一気におこなうのですが、ポイントはゴミ受けネットをつけること。これによって取り切れなかったゴミを集めることができます。
ゴミ受けネットに溜まったゴミを捨てて、洗濯槽の掃除は完了です。乾燥するまでフタを開けておくのを忘れないようにしてください。
洗剤投入口や糸くずフィルター(ネット)の掃除方法
洗濯槽以外にも、洗剤投入口と糸くずフィルター(ネット)を掃除する必要があります。これらが汚れていると、洗濯ものに汚れが付着したりにおいの原因になったりしますので要注意です。
1. パーツを取り外す
2. 40~50度のお湯で汚れをほぐす(ネットはゴミを取り除く)
3. 歯ブラシで汚れをこすり洗いする(ひどい汚れは台所用中性洗剤を使う)
4. パーツを外した本体側も歯ブラシでこすり洗いする
5. パッキンやフタの裏側や溝などの汚れを取る
以上の手順で掃除をしてください。
洗濯パン(洗濯機の下にある受け皿)の掃除方法
洗濯機の底に「洗濯パン」という洗濯機を設置する台がついている場合、これも掃除をします。ホコリや髪の毛が溜まりやすい場所です。
1. 掃除をしやすいように、針金ハンガーにストッキングを巻きつけて道具をつくる
2. 目に見える部分の汚れを掃除機で吸い取る
3. つくった道具で、洗濯機の下をていねいに掃除する
4. 水拭きで「洗濯パン」にこびりついた汚れを落とす
見落としやすい場所なので、忘れずに掃除をしてください。
洗濯槽をきれいにたもつための工夫
洗濯機を気持ちよく使うためには、洗濯機自体をきれいにたもつことが大事です。5つのポイントを紹介しますので、ふだんから心がけてください。
定期的に掃除する
洗濯機をきれいにたもつポイントは、定期的に掃除をすることです。汚れたときに掃除するのではなく、定期的におこなってください。汚れていないと思っても、月に1回の頻度で掃除することが重要です。
黒いカビが出てから掃除しても、すでに衣類に付着したり部屋に広がったりしています。それを防ぐためには、汚れが出る前にきれいにしておくこと。
洗濯槽は月に1回ですが、糸くずフィルター(ネット)はゴミが溜まりやすいので洗濯機を2回使用したらお手入れをしてください。
洗濯後のフタは開けておく
洗濯したら洗濯機のフタは開けておきます。湿気があるとカビが出やすいので、洗濯機を使用したらなかが乾燥するまでフタを開けたままにしておく習慣づけをしてください。
ただし小さな子どもやペットがいる家庭では、洗濯機のなかに入り込むおそれを考えておく必要があります。洗濯機の場所に近づけない対策をして、洗濯前になかをしっかり確認することが大事です。
汚れた衣類は、洗濯カゴに入れる
洗濯する衣類には外出先の汚れや汗、皮脂などがついています。脱いだ衣類をすぐに洗濯機のなかに入れると、服に付着した汗や皮脂などで洗濯槽内の湿度が上がるので気をつけましょう。
ポイントは汚れた衣類をまず洗濯カゴに入れておくこと。衣類は洗う直前に洗濯機に入れるようにしてください。つねに洗濯機を乾燥させておくことが大事です。
洗剤や柔軟剤は適量を入れる
洗剤や柔軟剤を入れすぎると溶け残りが出やすくなり、それが洗濯槽に溜まってカビや雑菌の原因となります。適量を守ることが大事です。
パッケージには洗剤や柔軟剤の適量が表記されているので、それを守ってください。多く入れたほうがきれいになると思われがちですが、メーカーでは効力の出やすい量を表記しているのでそれを守ります。
定期的に乾燥機能を使う
洗濯機にとって気をつけなければならないポイントは、湿気です。お湯や水がなければ洗濯できませんので、湿気には余計に気をつかう必要があります。
ドラム式洗濯機や全自動洗濯機には乾燥機能がついているものがあるので、定期的に乾燥機能を使って湿気を取り除くようにしてください。定期的に乾燥させることがカビ対策になります。
専門の業者を利用してみるのもひとつ
定期的に洗濯機の掃除をしてこなかった場合、汚れが蓄積してかんたんに除去できないケースもあります。洗浄しても悪臭がする場合は、素人の手に負えない部分にまでカビが発生しているかもしれません。
このようなときは、専門の業者に頼んで徹底的にクリーニングしてもらうのもよい方法です。洗濯機のクリーニングで検索すれば多くの業者が見つかります。
洗濯機を買い替えするならおすすめはこちら 【関連記事】
洗濯槽クリーナーを活用しよう! 編集部まとめ
洗濯機を掃除する方法について紹介してきました。塩素系クリーナー、酸素系クリーナー、重曹にはそれぞれに特徴があります。掃除の手順も異なりますので、この記事を参考にしてご自宅に適した洗剤を選んでください。
また、日ごろから洗濯機をきれいにしておくことが大事です。湿気を除去して乾燥状態をたもつということがポイントなので、この点を忘れずに洗濯機の維持・管理をおこないましょう。
洗濯機が清潔だと気持ちよく衣服を着用できます。
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