おすすめ商品の比較一覧表
手織り機とは 織物を作れる機械
手織り機とは、毛糸を使用したマフラーやセーターといった織物を作れる機械のこと。
手織り機にはシンプルなつくりのものから、大型の複雑な構造をそのまま小型化したような本格的なものまであります。シンプルなものは織り機の仕組みや織る過程が分かりやすく、子どもから大人まで気軽に楽しめるのがポイント。本格的な小型の手織り機は、複雑な織りを楽しむことができ、少し手織りの経験がある人やもっと極めたい人向きです。
これからはじめたいという人なら、まずはシンプルな構造のものを選びましょう。手織りの楽しさや作品作りも充分に楽しむことができますよ。
手織り機の種類・タイプ
手織り機には、いくつか種類があり、作りたいものによって特徴が分かれます。6種類ありますので、それぞれ解説していきます。
オープンリードタイプ:たて糸を穴に通す手間がいらない
プラスチックの板が並んだ綜絖の溝に上からたて糸を下ろし、溝のついた手前と奥に糸をはめ込むことで、通常の織り機にたて糸が通った状態にします。この穴に通さず、開いた状態でたて糸を取り外しできるのが、オープンリードです。
これを前後に傾けるとたて糸が上下に開くので、ここによこ糸を通し繰り返すことで布に織り上げていきます。たて糸もセットしやすく作業も繰り返しなので、初級者でもカンタン。古着を裂いたものなどを糸状にし、よこ糸にすることで裂き織りもできます。
クローズドリードタイプ:平織りや二重織りもできる
クローズドリードタイプはオープンリードタイプとは逆。筬と綜絖が一体化したへドル、またはリードとも呼ばれる筬綜絖(おさそうこう)の穴とすきまに、それぞれたて糸を通す必要があります。このヘドルを上下に移動させることで開口ができ、そこによこ糸を通し、打ち込む。これを繰り返すことで布に仕上げていきます。
たて糸の準備に時間がかかりますが、平織りのほか二重織りなども織ることが可能。いろいろ挑戦してみたい人にはいいでしょう。
テーブルルーム:本格志向の方にピッタリ
ルームとは「loom」という織り機の意味で、テーブルルームとは「卓上織り機」のこと。本格的な高機をコンパクトな卓上型にしたもので、筬と綜絖が別々にあります。
綜絖が多いほど複雑な模様を織ることができるので、8枚もあればさまざまな織りを楽しむことが可能です。ただし、準備や作業は複雑になるので、織り機の経験がある中級・上級者向きと言えるでしょう。
リジッド機:テーブルルームよりなじみやすい
リジッド機は筬と綜絖が一体化した卓上手織り機のこと。リジッドルームとも呼ばれています。比較的安価で手軽なものは、ほとんどがこのリジッド機です。
リジッド機には2つのタイプがあり、ひとつが「オープンリード」タイプ、そしてもうひとつが「クローズドリード」タイプになります。それではそれぞれのタイプを詳しく見ていきましょう。
インクルルーム:バンド用の専用織り機
インクルルームはバンド専用の織り機。洋服用のベルトや、ストラップやバッグのショルダーのような帯状のひもを織ることができます。
道具の組み立てや糸の張り方、そして織り方も特有のものなので、初心者には難しいかもしれません。そのためどちらかというと中・上級者向きです。
ミニ織り機:小物作りにぴったり
コースターやミニポーチなど、小物を作るならミニ織り機がいいでしょう。軽くてコンパクトなので場所を選ばず、いつでも手織りを楽しむことができます。
仕上がりサイズは小さいですが、作品をいくつか作って繋げて大きな作品に仕上げることもできますよ。初心者の方でも取り組みやすいタイプです。
(★)難易度や作りたいものに合わせて決めよう
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
手織り機にはシンプルな造りのものと、より本格的な造りのものがあるとお伝えしました。そしてどちらも大きさによって織れるサイズが異なります。作りたいものが幅が広く長いものの場合、そのサイズを織れる織り機を選ぶことが必要です。バンドなどのように長細いものの場合は、専用の織り機があることも。
構造が複雑なほどレベルも高くなり、仕上げられる作品も高度なものになりますので、これからご紹介するそれぞれの特徴を理解して、自分にあった機種を選んでくださいね。
手織り機を選ぶポイント
それでは、手織り機の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
・材質
・折りたたみできるか
・織り幅のサイズ
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】材質をチェック
手織り機は、紙製、プラスチック製、木製など、素材もさまざま。それぞれ耐久性や触り心地、見た目の印象や価格なども違ってきます。ここでは比較的耐久性の高い、プラスチック製と木製の手織り機についてみていきましょう。
▼持ち運びに便利な「プラスチック」
プラスチック製は軽くて持ち運びに便利なのが魅力。さまざまなメーカーがリジッド機やミニ織り機などの商品を出しており、デザインや色のバリエーションもあります。また、それほど強い力がかからなければ壊れる心配もありません。
価格も比較的安いので、ちょっと手織りを試して見たいという人にはぴったりです。
▼安定感がありインテリアにもなる「木製」
プラスチック製よりも重さがあるので安定感がある木製タイプ。木製手織り機の魅力は、なんと言ってもそのやさしい手触りと、しっかりとしたつくりでしょう。ナチュラルな色と温もりのある雰囲気なので、インテリアとして置いておくこともできます。
価格はプラスチック製より高めですが、お子さんの知育玩具としても大人の趣味としても使えるのがいいですね。
【2】折りたたみできるかチェック
折りたたみできる手織り機は、コンパクトに収まるので収納面で助かります。とくに大きめの手織り機ならなおさらです。
手織り教室などに持ち運びが必要な場合も、大きい織り機だとたいへんなもの。また、持ち運ぶことが前提なら、専用のバッグなどもあると助りますよね。手織り機のなかには専用バッグが別売で手に入るものもあるので、購入前にチェックしておくといいですよ。
【3】織り幅のサイズをチェック
手織り機の織り幅はさまざまで、10cm前後から、120cmくらいの幅が広いものまで織れるものもあります。10cm前後の織り幅ならコースターや花瓶敷など、20cm程度ならマフラーなど、60cm以上になるとストールやテーブルクロスなども本格的に織ることが可能です。
ただし織り幅が広いということは、それだけ手織り機の幅も広くなるもの。設置にも広いスペースが必要となります。織りたいもの、使用頻度、置くスペース、熱意など冷静に考えて選ぶようにしましょう。
手織り機おすすめ11選
選び方やポイントをふまえて、手織り機おすすめ商品をご紹介します。それぞれの特徴を参考に、ぴったりのものを探してみてくださいね。







Ashford(アシュフォード)『テーブルルーム 8枚綜絖』




通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 手織り機の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの手織り機の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
さらに手織り機を便利にするアイテムもチェック
手織り機のなかには布を織るだけでなく、作業に役立つさまざまな機能がついたものがあります。どんなものがあるのか、手織り機とあわせて知っておきましょう。
たて糸の調節ができる「整経台」の機能がついたものも
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
手織り機には、別売りの整経ペッグ(棒)を手織り機の裏面に刺すことで、整経台の機能が使えるものもあります。
整経とは布を織るために必要なたて糸(経糸)の長さと順序と本数を整える工程のこと。織り上がりの模様を想定しながら、整経台に糸をかけていきます。
扱いやすくするならスタンドがおすすめ
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
手織り機を扱いやすくするなら、専用のスタンドもおすすめ。手織り機のサイズに合わせた専用スタンドがあり、織りやすいように角度がついています。また、両サイドには小物がおけるテーブルもついていて作業にとても便利です。
大きな手織り機などは家族が使うテーブルの上などに広げると、場所を取り不便なことも。作業しやすい場所にスタンドを設置して作品作りを楽しみましょう。
「組み合わせ筬綜絖キット」で太さの違う糸も
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
手織り機によっては、別売の「組み合わせ筬綜絖キット」を使うことで、太さの違うさまざまな種類のたて糸を通すことができます。この機能があれば、糸の組み合わせで凹凸のある表情豊かな布も制作可能。幅広く織ることができますよ。
織り機の仕組みと名称を知ろう。
織り機を扱うにあたって、まずは仕組みや各部品の名称を知ることも必要です。それぞれの部品について、確認していきましょう。
昔話でお馴染み、足踏み式の「高織(たかばた)」
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
昔話の「つるの恩返し」で出てくるような、大きな足踏み式の織り機を見たことがあるでしょうか。あの織り機を、高織(たかばた・たかはた)と呼びます。足元にある角材のペダルを踏むことで、たて糸が上下に開き(開口:かいこう)、そこによこ糸を通す。この作業を繰り返していくことで織りが進み、1枚の布に仕上がっていきます。
複雑な織りは綜絖(そうこう)の枚数によって決まる
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
そしてたて糸を穴に通し、1目違いに上下に開く部品を綜絖(そうこう)、枠がついたものを綜絖枠と言います。この綜絖が多いほど複雑な織りができるようになるのです。
そのため、織り機が大きければ複雑なものが織れると思うかもしれませんが、織り機はそうではありません。この綜絖の枚数によって、どの程度複雑な織りができるのかが決まります。
糸や織り目を整える筬(おさ)
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
そしてもうひとつの部品が筬(おさ)と呼ばれるもの。髪の毛をとかすクシ状のものに枠をつけたもので、たて糸を通し、織物の幅やたて糸を整え、よこ糸を押さえて織り目を整えたり、密度を整えたりする道具です。
これら、綜絖と筬というふたつの部品が織り機のおもな道具。どの織り機にもこれらの役目をはたすものが使われています。
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ミニ織り機からはじめよう
おもちゃでも楽しめるものから、本格的なものまで手織り機もいろいろある「手織り機」。はじめての人ならまずは無理をせず、リジッド機のオープンリードタイプやミニ織り機からはじめてみましょう。
自分で織ったコースターや花瓶敷、タペストリーなどがお部屋にあったら、暮らしが楽しくなりそうです!!
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雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家・コピーライター。そして時にカメラマンやスタイリスト、ライターとして、広告や雑誌、テレビやWebなど様々なメディアのニーズに応えるクリエイター。世界のリネンを巡る旅をライフワークに、リネンの歴史や現在のリネン産業についても造詣を深める。NHK『美の壷』のテーマ「麻」に出演。雑貨アーティストとして企業との商品開発や保育士・幼稚園教諭のための雑誌にも携わり、小学生の雑貨教室、母親のための雑貨教室、リネンの教室など、雑貨を通して暮らしを楽しむ活動も行っている。またワイヤーワークや木工、ソーイングなど様々な素材の作品をメディアやワークショップを通して発表するなど、多岐に渡って活動中。『アトリエ ペルメル』主宰。