フルフェイスヘルメットとは
バイク運転時に着用するヘルメットには、安全性の高い「フルフェイス」、安全で視界も良好な「システム」、安全性と同時に視界も確保できる「ジェット」、スタイリッシュで高コスパな「ハーフ」、荒地走行にぴったりな「オフロード」という5つのタイプがあります。この記事で紹介するフルフェイスは、頭部からあごまでをプロテクトするヘルメット。頭部全体を覆うので、安全性が高いという特徴があります。
また、防風・防寒性にもすぐれているので、長時間のドライブでも快適な走行が可能。レーシングコースで使用できる、高規格モデルも数多く販売されています。
フルフェイスヘルメットの選び方
フルフェイスヘルメットを選ぶうえで重要なポイントをまとめたので、ご紹介していきます。安全性や視界性のよさ、通気性など、チェックしておきたい項目はさまざま。
【1】安全規格を確認
【2】サイズをチェック
【3】適切な重量のものを選ぶ
【4】通気性のよさで選ぶ
【5】視界のよさで選ぶ
【6】運転の目的に合った機能を確認
快適に使えるヘルメットを選ぶためにも、しっかりとチェックしておきましょう。
【1】安全規格を確認
ヘルメットの安全性を判断する基準となるのが、安全規格です。日本国内の法律によって定められたものから、世界各国や地域限定の基準まで、さまざまな種類があります。安全性の高さを知るための重要なポイントなので、確認しておきましょう。
日本で流通しているフルフェイスヘルメットにつけられている代表的な規格をご紹介します。
国内の法律で定められた安全規格「PSC」
「消費生活用製品安全法」という法律によって定められた安全基準を満たしていることを示す表示が「PSC」です。正式名称は「Product Safety of Consumer Products」。特定製品用の丸形のマークと、特別特定製品用の菱形のマークの2種類があります。
PSCマークがないと、国内で販売することができません。ただし、装飾用として売られているヘルメットには付いていないこともあるので、注意しましょう。
国内の安全規格「SG」「JIS」
国内の安全規格で代表的なものは、「JIS規格」と「SG規格」です。JISは「日本産業規格(Japanese Industrial Standards)」、SGは「Safety Goods」が正式な名称。どちらも任意のもので法的な強制力はないのですが、明確な基準の検査に基づいた信頼性の高い規格です。
ヘルメット選びで、安全性は重要なポイントなので、JISマークやSGマークのあるものを選ぶとよいでしょう。
海外の安全規格「SNELL」
世界各国にも、さまざまな安全規格があります。アメリカの「SNELL」という規格は約5年ごとに基準が改定されており、厳格であることが特徴。このほかにも同じくアメリカの運輸省が定めた「DOT」、イギリスの運輸省が定めた「SHARP」、国連欧州経済委員会が定める「ECE」など、独自の安全基準を設けています。
SHARPは料理のミシュランのように星の数での評価。モデルによって日本製のヘルメットの評価もされているので、購入の判断材料のひとつにするといいでしょう。
競技に出るために不可欠な安全規格「MFJ公認マーク」
日本国内の競技の出場に必要なのが、日本モーターサイクルスポーツ協会による「MFJ公認」。JIS規格・SNELL規格に合格したものがMFJに認められ、公認マークがヘルメットに貼られていないと、レースに出場できません。
サーキットなどで本格的なレースに出場したい方は、MFJ公認のヘルメットかどうか確認しておきましょう。
【2】サイズをチェック
フルフェイスヘルメットのサイズは、選ぶうえでとても大切な要素です。大きすぎるサイズは事故に遭遇したときに衝撃をうまく吸収できなくなるなど、危険性が増大。逆に小さいものだと、頭が締め付けられて痛くなったり、息苦しくなったりなど不快感が強くなります。
帽子と違って伸縮性がないので、各メーカーが設定しているサイズの確認は不可欠。自分の頭部のサイズも把握しておきましょう。
【3】適切な重量のものを選ぶ
長時間のツーリングやドライブをするならば、2kgを超える重いヘルメットは避けたほうがいいでしょう。首や肩の負担を軽減するうえでは、軽さは重要なポイント。ただし、安全性を考慮したしっかりとした作りのヘルメットは、重量もそれなりになる傾向があります。
近年はカーボン素材など、軽くて丈夫な材質のヘルメットも登場。軽さと安全性のバランスを考えて選びましょう。
【4】通気性のよさで選ぶ
フルフェイスヘルメットをかぶると熱がこもりがちになるので、通気性のよさが大切。とくに蒸れやすい夏場は、ベンチレーション機能の有無による通気性の差は大きくなります。
一年をとおしてフルフェイスヘルメットを使用する方は、ベンチレーション機能付きのものを選びましょう。なかには吸気口を開け閉めして通気性をコントロールできるものもあるので、ぜひチェックしてみてください。
【5】視界のよさで選ぶ
フルフェイスヘルメットをかぶったときの視界性のよさは、安全性とも関連してきます。視界が広くて見やすいものほどよいのですが、堅牢性との兼ね合いもあります。理想は、がっちりとプロテクトされていながら見やすい構造です。
また、色も注意すべきポイントです。スモークやミラーは太陽光を遮るので昼間にはおすすめできますが、夜間の走行はクリアシールドを選ぶべきです。シールドの曇りを防ぐ「ピンロックシート」を搭載しているかもチェックしましょう。
紫外線の量で色が変わるシールドがおすすめ
ショーエイから登場している商品に、紫外線の量で色が変わる「フォトクロミックシールド」という製品があります。 紫外線の多い日中は「スモーク」に、紫外線の少ない夜間は「クリア」に色が変わるので、重宝しますよ。
【6】運転の目的に合った機能を確認
どんな場面でバイクを運転するかによっても、ヘルメットを選ぶ基準は変わってきます。
例えば、、、
・仲間とツーリングをするなら、インカムなどを装着できるタイプだと通話が可能に
・高速道路での運転を想定するなら、静音性の高い空気抵抗が少ないタイプ
・街中での運転が多いなら、後方確認のしやすい視界性に優れたタイプ
・荒れた道を進むなら、泥や日差しから顔を保護してくれるバイザー付きのオフロードタイプ
目的に応じて、適したフルフェイスヘルメットを選びましょう。
フルフェイスのおすすめ人気メーカー
購入する際に、メーカー重視で選ぶ方法もあります。ヘルメットの世界トップシェアを維持している「ショウエイ」、創業者が安全性を重視して1950年代初頭に日本初のオートバイ用ヘルメットを作った「アライ」、個性的なデザインのモデルを揃えている「オージーケー カブト」など、信頼性の高いメーカーを選ぶと安全かつ快適にライドできますよ。
SHOEI(ショウエイ):世界から愛される機能性&デザイン性!
ショーエイは、安全性能や機能性はさることながら、デザイン性にも優れた製品を展開する日本のヘルメットメーカーです。熟練のスタッフによって、開発から生産まで一貫して社内で行っているのも特徴。
世界の数々の一流レーサーやライダーに愛されているだけでなく、白バイや自衛隊にも納入した実績があります。また、インカムを搭載するヘルメットにも積極的です。
ARAI(アライ):F1にも採用される安全性を確保した老舗メーカー
日本で初めてオートバイ用ヘルメットを作ったのがアライ。衝撃に逃がす「かわす性能」に注力した頭部が丸いデザインが特徴です。
安全性の高さから、F1などのモータースポーツに出場する世界トップクラスの選手にも選ばれています。2019年には、FIM国際モーターサイクリズム連盟から、ライダー用装具メーカーとして史上初のゴールドメダルを受賞。
プロと同じものを使いたい、といった方にもおすすめできるメーカーです。
OGK KABUTO(オージーケー カブト):目を引くユニークなデザイン性がツボ
オージーケー カブトは、ヘルメットや車両周辺部品を製造する日本のメーカー。社内での厳しい安全性能試験を繰り返し行い、安全性を追求したハイスペックな商品開発に取り組んでいます。
リーズナブルなモデルでも、機能性や快適性は十分。他にはないような、独特なデザイン性を兼ね備えているのもポイントです。
おすすめ商品の比較一覧表
フルフェイスヘルメットおすすめ11選
フルフェイスヘルメットはバイク用品のひとつであると同時に、命を守るために必要不可欠な道具です。安全性、快適性、機能性など、チェックすべきポイントはたくさん。さらには身につけるものなので、ファッション性やデザイン性も気になるところです。
ここからは、バイク雑誌フリーライターと編集部が厳選した、快適で安全な魅力あふれるヘルメットをご紹介します。
不動の人気を誇る復刻版ヘルメット
人気モデルの復刻版として発売された、独特のデザインが目を引くフルフェイスヘルメットです。アメリカのメーカーであるシンプソンの商品ですが、日本人に合うよう再設計されています。
世界初のフリーシールドシステムを搭載。シールドをお好みの位置で止められます。チークパッドには低反発クッションを採用しており、疲れにくく快適に使用できます。

高い安全性と通気性能でツーリングをより快適に
強靭な素材と滑らかな形状が特徴。ヘルメットに加わる衝撃を逃がしてくれる構造なので、万が一大きな事故にあってもしっかりと頭部を守ってくれるでしょう。
前頭部のベンチレーションシステム「フロントロゴダクト」を採用。GフローダクトやGTスポイラーによって、ベンチレーションを閉めても熱気を外へ排出する設計になっています。インカム用のスペースも付いており、ロングツーリングのお供にもおすすめです。

アライヘルメットの性能の高さは折り紙付き。最新技術を誇る現行モデル『RX-7X』であれば、内装の質感にもその高性能にも満足できることでしょう。シルエットの美しさもアライならでは!
強靱さをキープしつつ軽量化を追求
通常のグラスファイバーよりも文繊維の密度を高めたスーパーファイバーを使用することで、文軽さと強度の両立を実現。ヘルメット下部には車のバンパーのような役割をするハイパーリブを装備することで、安全性も向上させています。
さまざまなデザイン・カラーが展開されており、自分好みのものを選べます。ヘルメットで個性を演出したい方におすすめの一品です。
女性にも人気!レトロなデザインがポイント
内装を取り外して洗濯ができるので、いつでもヘルメットの内部を清潔な状態に保つことができる、アメリカンレトロなデザインのフルフェイスヘルメットになります。ハードコートが加工されているクリアシールドになっているので視界も良好。
軽いのに強度と耐久性も実現
カーボン素材の表面に樹脂を染みこませる独自の製法によって、約1.4kgという軽さを実現。強度や耐久性も高く、安全性と快適性を両立しています。大型ベンチレーションに加え、ヘルメット内部に風のとおり道を作ることで通気性を向上させているのもポイントです。
シールドもワイドビュー設計になっているので、街なかの運転でも視野が広くて安全に運転できます。
長時間走行での疲労を軽減する低重心設計
快適性と安全性を追求したフルフェイスヘルメット。通常の構造よりも低重心になっているために、長時間走行での疲労軽減が期待できます。大型ベンチレーションシステム、軽くて強度のあるポリカーボネイト素材の使用など、快適性を増す工夫が盛りだくさん。
UVカットシールドや吸水速乾性にすぐれたSUPERCOOL内装など、細部も作り込まれています。バイクも作っているメーカーならではの完成度の高さを実現したアイテムです。
迅速な着脱が可能なシステムを搭載
「ラピッドファイヤーシールド着脱システム」というシールドの交換が迅速かつ手軽にできる機能を搭載。クリアやスモーク、レインボーなど、オプションシールドを豊富に展開しており、日差しの強さや天候、時間帯に合わせて適切なシールドに変えることができます。
気流を生み出すことによって換気能力を大幅に向上させた、ベンチレーションシステムも搭載。走る楽しさと快適さとをサポートしてくれます。
シンプルでありながら個性的なデザインが光る
アメリカのレース・ドライバーの安全用品専門ブランド、シンプソンのヘルメット。シンプルでありながら独特のデザインが特徴的です。フリーストップシールドを搭載していて、シールドの位置を自由に変えることも可能。
あごにフィットする低反発チークパッドが快適性をアップさせています。見た目と使い勝手のよさを両立した、センスの光る商品です。
ツーリングに対応してコミュニケーションも可能
長時間の走行を快適にするため、さまざまな工夫が施されたツーリング対応のヘルメット。吸湿速乾性にすぐれた繊維、着脱時の肌のこすれを緩和する起毛素材などを内装に使用して快適性を向上させています。
レバーの操作で開閉が可能なサンバイザーは、トンネルでの走行をより安全なものにしてくれます。バイク旅の仲間としても頼もしいアイテムです。
ブレない快適なフィット感
頰ボトムから頭部全体を包みこむ、アライ独自のフェイシャル・コンター・システムを採用。圧迫感のない優しいフィット感が特徴の、フルフェイスヘルメットです。
F-1用ヘルメットに使われる技術を生かし、軽量性と剛性を両立しています。万一の際、スムーズに脱帽させられるエマージェンシー・タブも搭載し、安全性を高めたモデルです。
基本性能を押さえながらハイコストパフォーマンス
充分な安全性を備えつつコストパフォーマンスにすぐれたフルフェイスヘルメット。SG安全規格に対応しており、安全性はしっかりと確保しています。前面2カ所にベンチレーションを搭載するなど、基本的な性能をしっかり押さえており、日常使いにおすすめの商品です。
デザインは非常にシンプルで、バイクのデザインや乗る方の服装を選びません。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする フルフェイスヘルメットの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのフルフェイスヘルメットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
フルフェイスヘルメット着用時のメガネのかけ方

Photo by Duncan Adler on Unsplash

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バイクライダーの方にとって、安全面を考えるとフルフェイスヘルメットを選びたいところ。しかしメガネをかけている方だと、うまくヘルメットにメガネが収まらず諦めてしまっている方にも中にはいるのではないでしょうか。
フルフェイスヘルメットを使用する際のメガネの正しいかけ方として、ヘルメットの着脱の際に「メガネを外す」こと。いったんメガネを外し、ヘルメットをかぶり、シールドを開けてメガネをかけなおすようにしてみてください。この時に無理にメガネをヘルメットに押し込んではいけません。最悪フレームが破損してしまいます。
メガネライダーにおすすめ!フルフェイスヘルメット1選
メガネをしたままフルフェイスヘルメットをつけるには、メガネスリットという仕様が施されているものを選びましょう。それがないと、こめかみ辺りが圧迫されて非常に痛いので専用のものを使いたいです。
メガネ対応チークパッド搭載
あったらいいなと思う機能をすべて詰め込んだ快適なフルフェイスヘルメットになります。ヘルメット大手のアライやショウエイと比べると1万円ほど安い印象。コスパの良いヘルメットをお探しの方にもおすすめです。
フルフェイスヘルメットに関するQ&A よくある質問
ヘルメットの寿命を教えてください。

ヘルメットは一回の衝撃を受けるごとに、ダメージを受けた個所の衝撃吸収性能が失われていきます。このため、製品安全協会とJHMA(日本ヘルメット工業会)により、購入後3年間が耐久性の有効期限とされています。
ヘルメットのお手入れ方法を教えてください。

1)ピカール液などを浸かってウエスに付けて汚れを拭き落とします。
2)PITGEAR シールドクリーナーなどを使ってシールド部分を丸洗いします。
3)内装のパッドを取り外して、丸洗いします。洗濯洗剤を薄めて押し洗いしてください。
4)タオルで水分を吸い取ってから風通しのいい場所で陰干ししましょう。
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初心者はとくにフルフェイスヘルメットを! エキスパートからのアドバイス
万一の転倒の際に絶対に守らなければならないのが頭部。人体のなかで最も重い頭部はダメージを受けやすく、そしていちばんに守っておきたい部分でもあります。
そのため、フルフェイスヘルメットを選ぶライダーは、安全性に対して関心が高い方といえるでしょう。事故が起こってからでは遅すぎます。ベテランはもちろん、初心者は特に安全性の高いフルフェイスを選ぶべきです。
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