うさぎ用ケージの選び方 ペットドクターに聞きました!
ペットドクター・霍野晋吉さんに、うさぎ用ケージを選ぶときのポイントを4つ教えてもらいました。
【1】サイズ
【2】安全性
【3】お手入れのしやすさ
【4】床材
うさぎにとっても飼い主にとっても、安心で使いやすいうさぎ用のケージを見つけましょう!
うさぎがリラックスできるサイズを選ぶ
うさぎのケージを選ぶとき、実際にエサを入れる容器や小屋など、パーツを設置することを想定してゆとりのあるサイズを選ぶことをおすすめします。
●横幅
うさぎが手足を伸ばしてうつぶせになれるサイズが最低基準。小型種では50~60cm以上、中型種では横幅60~70cm以上は必要です。
●高さ
うさぎが立ち上がっても頭が天井につかない40~50cm以上のサイズが目安です。
●奥行
ゆとりのある50~60cm程度あれば問題ありません。
うさぎのケージは頻繁に買い替えるものではないため、子うさぎを飼うなら、成長したときのことを考えて選びましょう。
うさぎが怪我をしないよう安全性もチェック
うさぎ用ケージの床は、金属メッシュやプラスチック製のすのこがあります。素材よりも確認してほしいのはワイヤーの間隔やすのこの穴サイズです。間隔が広かったり穴が大きかったりすると、うさぎが足を挟んで骨折など怪我をしてしまう可能性があります。
ケージの製造メーカーが安全性を考慮し、うさぎが怪我をしないように配慮されているかはケージ選びの重要なポイントです。
また、うさぎはワイヤーをかじることもあります。ケージ部分のコーティングが剥がれて食べてしまう可能性があるため、かじり癖のある子にはコーティングが施されていないケージを選ぶと安全です。
掃除やメンテナンスが楽にできるケージを選ぼう
トレータイプは引き出しタイプよりもお手入れが楽チン
ケージの下部分の構造には、トレータイプと引き出しタイプがあります。
トレータイプはケージの金網や床材を外してからお手入れするのに対し、引き出しタイプはケージ自体はそのままの状態で、引き出し部分のみを掃除することができます。
日々のペットシートの取り換えも簡単なので、清潔な状態を維持しやすくなります。
金網は分解しやすいものを選んでしっかり洗おう
複雑なつくりのケージよりも、分解しやすいものであれば、洗いやすく乾かしやすくなります。
さらに、簡単に組み立てられるので、こまめにお手入れすることもできます。
金網自体は汚れが目立ちにくいため、簡単なお手入れで済ませがちですが、細かい部分までしっかり洗って天日干ししましょう。
健康なうさぎはよく食べて、よく排泄をするため、毎日の掃除で清潔に保たなければなりません。掃除やメンテナンスのしやすさは、飼い主の労力を左右する重要なポイントになります。うさぎ用ケージを選ぶときは、掃除やメンテナンスがラクで長持ちするステンレス製ワイヤーのケージを選びましょう。
一般的なケージの下部は、引き出し状で掃除がしやすくなる工夫が施されています。また、細かい部分も掃除できるように分解できるので、洗浄しやすいのが特徴です。
しかし、男の子のうさぎは尿を飛ばすマーキングの習性があるので、ケージにカバーなどで尿汚れを防げるようになっているかもチェックしましょう。
うさぎにとってストレスの少ない床材を選ぶ
ほかにもうさぎ用のケージ選びでチェックしたいポイントをご紹介します。ケージの床材はメッシュの間隔や穴の大きさだけではなく、うさぎの体重や個性によって適した材質があるので確認しましょう。
木製すのこはうさぎのストレス解消に
うさぎ用ケージに木製すのこを使うとかじることができるので、うさぎのストレス解消につながるメリットがあります。しかし、コーティングなどがされていないため、尿や水分が染み込みやすいデメリットも。
雑菌の繁殖やすのこの腐食を防ぐため、最低でも2枚は用意し、小屋を清掃するたびに交換しなければなりません。また、清掃後、水洗いしたときはしっかり乾燥させてからケージにセットしましょう。
手間はかかりますが、うさぎの足裏にやさしい天然素材を選びたい飼い主さんは検討してみてはいかがでしょうか。
メンテナンスがラクなプラスチック製
プラスチック製のすのこは、天然素材ではありませんがやわらかくうさぎの足裏にやさしい素材です。網やすのこ状など形状のバリエーションが豊富で、毎日の掃除も軽い汚れならさっとふき取るだけで清潔を保てます。
しかし、強度は高くないため、うさぎの体重によっては破損してしまう可能性もあります。材質上、傷がつきやすく長期間の使用には向いていないため、数年置きに買い替える必要があることを覚えておきましょう。
天然素材にこだわらず、メンテンナンスがラクなすのこを探している人にぴったりです。
長持ちするステンレス製
ステンレスなど金属製のすのこは、水洗いができるだけではなく、錆びにくく長持ちするメリットがあります。排泄物がメッシュの間から落ちやすいので、うさぎの居場所に排泄物が残らず清潔に保てます。
ただし、かじり癖のあるうさぎのケージに使用すると、歯が損傷したり、足に負担をかけたりなど、怪我につながる可能性も。
長持ちするため人気がありますが、金属製のすのこを使うなら、マットを敷いてうさぎが足を休められるように工夫するなどしてあげてください。
うさぎ用ケージのおすすめメーカー
マルカン
「マルカン」はうさぎやハムスターなどの小動物や小鳥、爬虫類など幅広いペット用品を取り扱うメーカー。
マルカンのうさぎ用ケージは、ケージ内の出し入れに便利な左右両扉や天面扉付きのものや、掃除がしやすいプラスチック製の床材を使用したものなど、日々のお手入れが簡単な製品を多く取り扱っています。
SANKO
「SANKO」のうさぎ用ケージは、ベース部分の傾斜加工や2重設計など、さまざまな工夫が施された製品が特長。外漏れせずにお手入れ簡単な2つに分かれるトレーなど、アイデア豊富な製品がそろっています。
うさぎ用のケージで迷っている方に! ペットドクターからアドバイス
うさぎが快適に過ごせるケージを選びましょう
うさぎのケージ選びはかんたんなことではありません。うさぎのことを考えれば、広いケージがベストだと思います。しかし、飼い主の手間となる掃除やメンテナンスがラクなケージを選びたい気持ちもあるのではないでしょうか。
ケージの値段は製品の質に比例することもありますので、決して安いというだけで決めないでください。安全性や耐久性に劣るケージを選んでしまった結果、トラブルが起きて後悔することになるかもしれません。
あなたが何十年と住むマイホームを買う気持ちで、うさぎのケージを一生懸命に考えて選んであげてくださいね!
うさぎ用ケージのおすすめ9選
上で紹介したうさぎ用ケージの選び方のポイントをふまえて、ペットドクターの霍野晋吉さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。

錆びにくいステンレス製 ゆとりあるサイズのケージ
大きめのうさぎでもゆったりと過ごせるサイズのケージです。高さに余裕があるので、ロフトも配置でき、ケージの中で三次元的な運動もできます。
床アミはすべてステンレス製ですが、かじられてしまう塗装やコーティングは施されていません。錆びの心配もなく、丸洗いできるので大変衛生的に保てます。
細いワイヤーで作られているので、うさぎの様子もよく見えます。ケージの下部にあるトレーは引き出し式にするなど、工夫が施されているケージです。

大きなうさぎでも広々快適!
室内で使えるうさぎ用ケージの中でも、最も大きなサイズです。広々としているので、アンゴラ種やフレンチロップなど大型種のうさぎにおすすめです。
床板はプラスチック製のすのこ、二つに分かれた引き出しトレー、そしてオシッコカバーまでついていて、とても衛生的に保てます。ワイヤーのガシャガシャする音も少なく、静かに過ごせます。
ワイヤーカバーやトレーの強度や耐久性は満点とは言えませんが、購入しやすい価格です。
天然木のすのこで足にやさしい!
うさぎの足にやさしい天然木のすのこがついているケージです。もちろん、汚れたら買い替えることも可能。正面扉を開けるとスロープになるので、ケージから出入りするときに怪我をする心配がありません。
天面扉はフルオープンになり、掃除がしやすいタイプです。ケージ下部は半分程度までプラスチックカバー付。気になる尿の飛び散りや牧草が出ないようにしっかりガードしてくれるのはうれしいですね。
ケージはトイレや餌入れを入れてもゆとりがあるのでレイアウトを楽しめます。また、高さにも多少ゆとりがあって、うさぎが立ち上がっても天井に頭はつきません。好奇心旺盛なうさぎ向きのケージです。
ハンキングトレー付のゆったりサイズで快適!
どのようなインテリアにもなじみやすいスタイリッシュなケージです。扉は正面・天面・側面と3カ所もあるので、毎日の掃除やお手入れがしやすいです。
プラスチック製でうさぎの足にやさしいハンキングトレー(ロフト)が付いており、ケージの中でも遊べるのでストレスを軽減できるでしょう。
ケージの外汚れの原因となる尿の飛び散りを防ぐために付いているプラスチックのガードは半透明なので、ケージに入れたままでもうさぎの様子が見られるのはうれしいですね。ゆったりと過ごせるサイズのケージなので、大型種のうさぎを飼う場合にも使えます。
天然木のすのこつきでお手頃価格!
うさぎの足にやさしい天然木のすのこがついたお手頃価格のケージです。面が全開するので、すのこの取り外しや設置など、毎日のお掃除も負担になりません。天正面の扉も大きく、餌入れなども出し入れしやすく、お世話をしながらうさぎとのコミュニケーションも楽しめます。
『UK-650』はコンパクトなので子うさぎ、または小型種のうさぎにもぴったりです。

衛生面に配慮した設計で快適な空間に
トレーを囲っているベースカバーが斜めに加工されているので、尿が外漏れせずに確実にトレーへ落ちるベース構造(特許取得)のケージです。引き出しトレーが二つに分かれているので、かんたんに掃除することができます。
エボシリーズは、床板がプラスチック製の他に金属のワイヤータイプもあり、買い替えや買い足しも可能です。ケージ内での毛や牧草、そして尿の飛び散りを防ぐ透明のカバーは別売りなので、ケージを購入するときは忘れないようにご注意ください。
横幅と奥行きは大きいですが、あまり高くありません。そのため、高さのあるレイアウトは作れません。狭い空間を好まないロップイヤーには窮屈に感じるかもしれません。パンダうさぎなど温和な性格のうさぎにおすすめです。

スタイリッシュでお掃除が簡単!
上と同じ会社のケージ「イージーホームエボ」が進化したケージになります。尿が外に漏れないベース構造に加えて、オシッコカバー、トレーのズレを防ぐ「安心ストッパー」で、汚れを防ぎます。
ケージはとてもかんたんに分解できるので、毎日のお掃除が簡単です。サイズはやや小さめなので、ネザーランドドワーフなど小型種のうさぎにおすすめのケージです。
大型のうさぎでも快適に過ごせます
見た目がおしゃれなイタリア製のうさぎ用ケージです。横幅が95cmとかなり大きいので、大型種のうさぎでもゆったりと過ごせます。ただし、高さが46cmなのでよく立ち上がるうさぎには窮屈に感じるかもしれません。
ケージの前面は大きく開きます。そのため毎日のお世話がしやすく、掃除もラクにできます。ケージに水入れとエサ入れがついているので初めてうさぎを飼う方にも便利です。
すのこはついていません。別で購入した木製すのこを入れるか、おがくずや牧草などを敷いて対応しましょう。毎日取り換える手間がありますが、手間をかけるぶん愛着も増します。
黒いすのこで汚れが目立ちにくいケージ
『ノワール』は洗って繰り返し使える樹脂製のすのこがついています。珍しい黒色のすのこなので、排泄物が目立ちません。すのこは2枚にわかれているため、ケージから出し入れがしやすく掃除もスピーディーにすませることができます。
キャスター付きで高さがありますが、正面扉がスロープ代わりになり、うさぎもケージからラクに出入りできます。適応体重は4kgまで。うさぎの種類や体重を把握しておいてください。また、ロフトや餌入れトレーは付属していないため、お持ちでないなら購入を忘れないようにしましょう。
「うさぎ用ケージ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの人気ランキング ケージの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのケージの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
うさぎ用ケージの正しい掃除の方法とは?
掃除の頻度
ケージの掃除は最低でも1ヵ月に一度は行いましょう。掃除を怠って不衛生な状態が続くと、汚れが目立つだけではなく、うさぎの健康も損ないかねません。
また、うさぎの種類や換毛期によって抜け落ちる毛の量にもばらつきがあるため、日ごろからケージ内の状態を管理しておきましょう。
掃除の手順
①うさぎを移動させる
ケージからうさぎをキャリーなどに入れましょう。
②霧吹きで抜け毛が舞うのを防ぐ
水を吹きかけることで舞い散ることを防ぎ、掃除がしやすくなります。
③すのこ、すのこ下を洗う
抜け毛や汚れを軽くふき取ったあと、しっかり水洗いしましょう。
しつこい汚れは、歯ブラシなどを使うと便利です。
④抜け毛の処理
掃除の際に舞い散った抜け毛を片付け、ケージを組み立てて完成!
うさぎ用ケージに関するQ&A
うさぎ用ケージの選び方は?

うさぎ用ケージの選び方のポイントは下記の4つです。
【1】サイズ
【2】安全性
【3】お手入れのしやすさ
【4】床材
詳しくはこちらで解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
うさぎ用ケージにおすすめの床材は?

おすすめの床材は、下記の3種類があげられます。うさぎの特性に合わせて適切な素材を選んであげましょう。
・木製:かじることができたり、足裏に優しかったりと、うさぎのストレス解消につながるメリットがあります。
・プラスチック製:サッと拭き取るなどメンテナンスがラクな点と、比較的安価に購入できる点が魅力です。
・ステンレス製:錆びにくく丈夫なため、長持ちします。
床材は単体購入が可能かどうか事前にチェックを!
床材は素材を問わず、長年使用を続けると劣化や破損が生じるため買い替えが必要です。そのため、床材単体の購入ができるかどうか、事前にチェックしておくことがポイントです。
なお、ケージ選びの際はさまざまな床材に対応しているものを選べば、好みに合わせて異なる素材を組み合わせることも可能です。
床材単体の購入はインターネットのほか、商業施設やカインズホームなどのホームセンターにあるペット売り場で実際にチェックしてみましょう。
そのほかのうさぎ用グッズもチェック! 【関連記事】
掃除のしやすいケージを選べばうさぎも快適!
うさぎが快適に過ごせるケージの選び方を霍野晋吉さんへの取材をもとに紹介してきました。気持ちよく過ごせるように、毎日の掃除は欠かせません。そのため、掃除のたびに手間がかかると、お世話も窮屈に感じてしまいます。
今回ご紹介したケージはうさぎだけでなく、飼い主にとってもメリットのある商品ばかりです。選び方なども参考にして、お好みのうさぎ用ケージを選んでみてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
皆さんはじめまして、私はエキゾチックアニマル専門獣医師の霍野(つるの)と言います。 えっ、エキゾチックアニマルって言葉知りませんか?ウサギやハムスター、インコやカメなどの犬猫以外のペットを指します。 23年前に日本初の専門病院である『エキゾチックペットクリニック』を開業しました。症例数は月に400件を超えているベテラン獣医師です。他にもエキゾチックアニマルのセミナーも企画し、沢山の医療や飼育の書籍を執筆しています。 もっとエキゾチックアニマルの情報を知りたい方は、【Dr.ツルのエキゾチックアニマル情報室】をご覧になってください。専門獣医師によるサイトですので、他にはない病気の記事も多く、とても役にたつこと間違いなしです。 ウサギの専門家による【一般社団法人日本コンパニオンラビット協会】の理事長としても、2020年10月から活動をします。こちらも、ウサギ好きな方は必見ですよ。ウサギの検定を受けてみませんか? エキゾチックアニマルに関することは勿論のこと、ご縁を感じた方がいましたら、いつでもお声かけてください。