お灸とは?
お灸は約3000年前に中国で発明され、日本に伝わった民間療法です。お灸の原料となっているもぐさは、ヨモギの葉の裏にある白い綿毛を精製したものです。もぐさには、食物繊維、クロロフィル(葉緑素)、ミネラルが豊富に含まれており、血流を促進してくれる効果も期待できます。
今では市販品がたくさん発売されており、自宅でお灸することが可能に。火を使わないお灸もあり、また香りを楽しむものもあります。お灸の魅力は疲れをとり、ゆっくりリラックスできることです。
お灸で期待できる効果とは?
お灸で温めてツボを刺激することによって、血流を促進することができます。全身の経絡の流れに沿って、めぐりを良くするので全身の不調をケアします。また、もぐさにはシネオールという精油成分があり、鎮痛効果などもあります。もぐさから出る煙もリラックス効果があるので、お灸をしているときは全身ゆったりした気持ちになれます。
お灸の選び方
医療ライター・編集者の宮座美帆さんに取材をして、お灸の選び方のポイントを教えていただきました。タイプや温度をよくチェックすることが大切です。ぜひお灸選びの参考にしてください。
お灸のタイプで選ぶ
お灸には「点灸」、「台座灸」、「棒温灸」の3つのタイプがあります。それぞれ温める方法が違うので、お灸を選ぶときには3つのタイプから自分に合ったものをみつけてください。
「台座灸」は短時間で手軽に使える
「台座灸」というのは台座の上にお灸があり、火をつけて使用するタイプ。台座をとおして間接的にツボを温められます。手軽にお灸をやってみたいという方向きです。
台座の裏にシールがついており、温めたい部位に貼るだけなのでとてもかんたんで、ツボを温める時間は5分程度です。忙しい方でもすぐお灸ができます。
ポイントはツボを正しくキャッチできるかどうかで、ある程度の経験が必要なことも。また長時間温めすぎないように時間に注意が必要です。
初心者におすすめ!ツボのうえにかざすだけの「棒温灸」
「棒温灸」は棒状のお灸に火をつけて、温めたい部位の上からかざすだけです。肌の3~4cm上からかざすので、直接お灸をふれずにツボを温められます。
初心者で不安な方に向いているタイプ。ツボの正確な場所がわからなくても広範囲を温めるので誰でも使えるのが特徴です。
温める時間は5~20分程度と長く、手で持ち続けなければならないので忙しい方には向いていません。お灸の灰が肌に落ちることもあるので、事前にタオルやハンカチを敷いてください。
「もぐさ」を使う点灸は上級者向け
「点灸」はもぐさを肌に乗せて、火をつけるタイプ。もぐさが燃え切るまで10秒ほどなので、数回繰り返します。短時間で手軽にお灸したい方向けです。煙もほとんど出ません。
ただし燃え切るまで肌に乗せておくと火傷することもあるので、取り除くタイミングが重要です。初心者にはむずかしいので、上級者の指導を受けるなどして、ある程度慣れてからおこなう必要があります。
初めての人は火を使わないお灸も!
初心者が不安なのは、肌に火傷をしないだろうかという点でしょう。そのような方は火を使わないお灸を使用するという方法があります。
火を使わないタイプは、ベタッと肌に直接貼りつけるだけです。ゆっくりとツボを温めるので不安なく使えますし、とても手軽。3時間ぐらい貼っておく必要がありますが、貼ったまま外出もできます。
ピンポイントで貼る「パッチタイプ」、広範囲を温める「カイロタイプ」から選べます。
温度は40度ぐらいの灸を目安に選ぶ
お灸は熱ければ熱いほど刺激があって効き目も増すと思いがちですが、それは間違いです。からだに刺激を与えるためには、約40度ぐらいが適しています。
40度ぐらいではあまり温かさを感じない方もいるでしょう。ですがお灸をするポイントは、もの足りない程度の温かさです。ゆっくりジワジワと温めることによって、からだの芯まで温められます。
気分に合わせて煙や香りの有無を選ぶ
火を使うお灸のなかには煙が出るものがあります。部屋のなかでおこなう場合は煙の出ないタイプや少ないものを選びましょう。
花やフルーツの香りがするお灸もあるので、香りを楽しみながらお灸するとリラックスできます。気分によって香りの種類を変えてみることも楽しみのひとつ。
香りつきのお灸なら贈りものにもおすすめです。
ヤケドには十分に注意して行いましょう
お灸は熱を利用して、ツボを刺激するものです。そのため、使用の際の火傷にはじゅうぶん注意しましょう。
また、使用できる部位にも制限があります。キズやかぶれのある場所、肌の薄い場所(粘膜など)では使用はできません。使用の前は注意書きをよく読み、火の気のある場所は避けて保存しましょう。
お灸のおすすめ11選
いろいろある商品のなかからタイプ別におすすめのお灸を選びました。経験を踏まえて、ご自分に適したものを選んでみてください。

電子レンジで加熱するお灸
火を使わずに電子レンジで加熱して使用するお灸は約48度の熱でツボを温められます。火を使うのが不安な方に適した商品です。本体に特殊セラミック発熱石を採用しており、約200回繰り返し使用可能。この商品には本体が2個ついています。
粘着シートには天然よもぎエキスを配合。粘着シート32枚がついています。煙が出ないので、煙が気になる方にも向いているお灸です。

ピンポイントで熱が伝わる
台座のシールをはがして肌に貼りつけるタイプのお灸です。特徴は通気孔が小さいのでピンポイントでお灸の熱がツボに伝わります。通気孔がシールの糊でふさがれていないため、お灸の熱にむらがありません。
設定温度は43~45度と熱めになっているので、使い慣れた方向き。初心者の方や敏感肌の方には設定温度が41~43度の「ソフト」が用意されています。
手軽ににんにく灸ができる
台座タイプのお灸で、もぐさが直接肌に触れないので初心者にも使いやすいです。もぐさににんにく成分を入れてあるのが特徴で、かんたんににんにく灸ができます。
にんにくにはからだを温める成分があります。足などの肌が厚くて温かさを感じにくい部位に向いています。
従来のにんにく灸はにんにくスライスを肌に乗せ、その上にもぐさを置いて火をつけましたが、この商品なら手軽に行なえて便利です。
6分で終了するお灸
台座タイプに属するお灸ですが、いわゆる台座はありません。もぐさが紙筒のなかに入っており、肌ともぐさの間に空間がある間接灸です。
紙筒には糊がついているので、肌に貼りつけやすくなっています。もぐさに点火してから約6分で終わるので、時間がない方向きです。
この商品は温度が弱ですが、ほかに強とソフトの2種類があるのでお好みで選べます。
熱さを自分で調節できる
棒温灸タイプのお灸で、直径16×長さ21mmの棒状の筒のなかにもぐさが入っています。棒状の先端に火をつけてからだのツボに近づけ、温める方式。
熱源を直接肌に触れさせないので、火傷などが不安な方に適しているお灸です。ツボに近づければ熱くなり、離せば熱くなくなるので自分で調節できるのがポイント。
背中など手が届かない部位は、第三者にやってもらいます。
もぐさとアロマがコラボしたお灸
直接肌にふれさせない台座灸ですが、もぐさの香りが苦手な方に向いているアロマの香りがするお灸です。お灸の心地よさとアロマの香りでリラックス感を高められる商品。
台座に和紙とくぼみをつけて温熱を下げているので、熱に弱い方にも使えます。火をつける前にあらかじめツボを決めておくのがポイント。初心者はひとつのツボに1日1回1個から使用してください。
煙がいやな方にも使えます
直接肌に熱源を触れさせない棒温灸タイプのお灸なので、火傷に不安を感じる方に使いやすい商品です。煙が衣服につくのが気になる方にも使えるように、無煙になっているのが特徴。
もぐさを炭化させることで無煙を実現していますが、多少炭の香りが残ります。マイルドな熱でツボを刺激できるので、冷える部位に近づけるだけで温められます。
心地よい熱さの点灸タイプ
もぐさを肌の上に直接乗せる点灸タイプのお灸です。点灸用として一般的に使われるもぐさで、容量は3.5g。成分はよもぎの葉の裏にある繊毛を精製したものです。
点火しやすく火力もおだやかで、肌の上で直接点火しても心地よい熱さを感じるほど。ツボにペンなどで印をつけ、その上にもぐさを置くとやりやすいです。もぐさの大きさは米粒大で、1回にすえる回数は3~5回が目安。
スピーディーにお灸ができる
台座のついていない筒型タイプの間接灸です。お灸を台紙からはずしてそのまま肌に接着させるだけで、とてもかんたん。押し出し棒つきの台紙なので、片手でスピーディにお灸ができます。
設定温度も熱くないふつうの設定になっており、肌に直接触れないので火傷の不安もありません。スモークレスタイプなので煙りや香りを気にせずに使えます。
上質なもぐさで温まる
明治28年に創業した鍼灸材料を専門に製造販売してきたメーカーが手がけた商品。箱に入った上質な点灸用のもぐさです。少量のもぐさと線香がセットになっています。
直接熱で肌を温めるので、はじめての方よりも経験者に適したお灸です。あらかじめツボを確認して、ポイントをはずさないようにすることが大事。仕事から解放されたあと、時間があるときにじっくりと疲れなどを癒やしたい方に向いています。
ツボをピンポイントで刺激
台座の裏のシールをはがして肌に貼りつけるタイプのお灸。温熱レベルが41度、44度、47度、50度の4種類あり、台座の色で温度を選べるようになっています。
通気穴があいているのでもぐさの効き目をしっかり届けることができ、ソフトでおだやかな温熱が5~6分持続。通気穴が小さいのでツボをピンポイントで刺激します。
「お灸」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの人気ランキング お灸の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのお灸の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのコリ対策に関連する記事はこちら 【関連記事】
お灸のタイプはさまざま。自分に合うものをみつけて
タイプ別にお灸のおすすめ商品をご紹介しました。お灸には火を使うものというイメージがありますが、ご紹介した商品のなかには火を使わずに電子レンジで温めるものもあります。
また、忙しくて時間がない方に向いているお灸や、アロマの香りを楽しみながらお灸ができる商品なども。昔ながらの点灸タイプも根強い人気があります。
ご紹介したものだけでも、いろいろなお灸があります。ほかにもたくさんのお灸がありますが、どの商品も自宅で気軽に楽しめるお灸ですので、自分に合ったものをみつけてください。
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臨床工学技士国家資格保有。大学病院勤務後、ライターへ転身。現在は『kakotto.』を立ち上げ、医療・バイオ・ヘルスケア分野を中心に紙・WEB問わず執筆編集に携わっています。「難しい話を分かりやすく」をモットーに、心をじんわり温めるような記事作成をお届け。当サイトでは健康にかかわるグッズや医療機器などを紹介し、皆さまの健康増進のお手伝いを致します。