漢字ドリルの役割
漢字ドリルは、もちろん「漢字を練習して身につけるため」に使用するものですが、それだけじゃないんです。
ここからは、漢字ドリルを選ぶ際に知っておくと便利、最適なものを選びやすくなるポイントをさらに紹介します。
国語は言葉だけでなく思考力や感性を養う教科
国語の授業では、言葉の力や意味について、小学校の6年間をかけてしっかり身につけます。また、国語には正しい日本語の使い方や意味を学ぶだけではなく、論理的に考える力や表現力を育てる目的も含まれています。
国語の授業では、文章を読み解き、登場人物の感情を推測するなどの内容も扱われるため、感性を高めて自他を尊重する心を養う授業でもあります。
そして、漢字はそれぞれに深い意味をもつため、由来の意味を理解しながら書けるようになれば感性を磨くことにもつながるでしょう。
「正しい漢字」の基準は変化している
小学校の国語教育では「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」(文化審議会国語分科会)によって、手書きの字体について新しく方針が定められました。
そのため、昔は誤りとされていた漢字の書き方でも、現代では正解とされるケースもあります。親が子どもに漢字を教える際には、変更された部分についても認識しておく必要があるでしょう。
しかし、家事や育児、仕事をこなすなかで、新しく定められた決まりをすべて認識しておくことは難しいと言えます。子どもに対して、時代に沿った学習を提供するためにも、漢字ドリルは非常に役立つツールとなってくれるでしょう。
小学生向け漢字ドリルおすすめ8選 人気のうんこドリルも!
ここからは、教育・受験指導専門家の西村 創さんと編集部で選んだおすすめ商品をご紹介します。

書き方を口に出して覚えられるドリル
「唱えて覚える」学習方式を提案している、下村昇先生のシリーズです。たとえば「天」という字なら「ながいよこぼう、みじかいよこぼう、そしてさいごに人をかく」といった風に、口に出して覚える手順が書かれています。
口に出して読みあげながら書くことで学習効率が上がり、おのずと書き順も覚えられるので、漢字が苦手な方におすすめします。
意外な方向性から話題を集めた人気の漢字ドリル
小学生の好きなうんこを題材にしたことで、大人気となった「うんこドリルシリーズ」。このドリルは、小学二年生が1年で学ぶ国語と算数の内容をまとめて復習できるのが特徴です。
たとえば、国語なら、漢字はもちろん、句読点や文章の作り方など、幅広い内容を学習できます。苦手なポイントを残さないことで、小学三年生での勉強へスムーズに進めます。
かわいいキャラクターと一緒に学べるドリル
随所に「すみっコぐらし」のイラストが取り入れられた、楽しい漢字ドリル。小学一年生で習う80字の漢字を収録し、書き方や読み方をしっかり学べます。
さらに、漢検10級の内容も学習できるため、しっかり漢字力を身につけられます。1ページ終わるごとにかわいいシールを貼り付ける楽しみもあり、子どものやる気を伸ばしながらしっかり学べる漢字ドリルです。

テスト対策にも活用できる! 大きめサイズのドリル
小学校で習う全1006字の漢字を収録した、問題演習用のテキストです。A3サイズの大きなテキストは、学校のテストに近い感覚で取り組むことができます。
学年別のテスト形式になっているので、年度末の確認テストにも対応できます。毎年、年度終わりの総復習として、6年間ずっと活用できるでしょう。同音異義語や同訓異字などの複雑な問題も出題されるので、漢字が好きな子どもにとってもおすすめです。

楽しく学習できる漢字ドリルの決定版
話題の『うんこかん字ドリル』は、今や最も有名な漢字ドリルでしょう。漢字の学習はくり返し作業になるため、それが苦痛な子どもは漢字に苦手意識を持ってしまいます。そんな子どもたちが、楽しんで自分から勉強できるようになるよう工夫されたドリルです。
思わず笑ってしまう例文や随所に散りばめられた遊び心が、子どもの心を惹きつけます。ただし、やや演習量が少なく、無理やり「うんこ」という言葉を使っているため、文例は意味の通らないものもあります。
漢字嫌いの子どもに「興味を持たせる」ことに特化したドリルです。

予習・復習や宿題にも役立つドリル
各小学校で使っている教科書に沿った漢字ドリルです。学校で宿題などに用いられている漢字ドリルに近いので、覚えきれなかった漢字を復習することができます。
漢字が苦手な子どもに、学校でまだ習っていない漢字が出てくるようなドリルを取りくませると、苦手意識が増してしまいます。教科書準拠のドリルを使って、すでに習った漢字の復習をしたいという方におすすめします。

文例で漢字の意味を覚えられる
豊富な文例が特徴のドリルです。熟語などはくりかえし書いて覚える方法もありますが、漢字を得意とする子どもは、読書の中で自然と意味を推察しながら身につけています。
ほかのドリルに比べて一つひとつの文例が長いため、詰めこみ式ではなく文脈の中で熟語や用例を覚えることができます。読みものとしても楽しめるため、漢字だけでなく、読解力や語彙力も身につけたいという方におすすめします。
2年生の漢字すべてをオールカラーで楽しく学べる
この商品は、辞書をベースにした内容であり、漢字に関する正しい知識をスムーズに身につけられることが特徴です。
漢字の練習と、テスト対策にもなる問題演習が付いています。オールカラーで、人気のキャラクターと一緒に漢字の勉強を進められるため、楽しく漢字を覚えられるでしょう。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 漢字ドリルの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの漢字ドリルの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
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小学生向け漢字ドリルの選び方
それでは、小学生向け漢字ドリルの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】新学習指導要領に対応した、必要な漢字が学べるものを
【2】正しい書き順の学習が重要!
【3】例文や使い方が掲載されているものを選ぼう
【4】子どものやる気をアップさせる工夫をチェック
【5】「習得用」と「暗記用」の2冊を使いわけて
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】新学習指導要領に対応した、必要な漢字が学べるものを
小学校一年生から六年生まで、小学校の間に習う漢字は1006文字。そのなかで学年ごとに習う漢字数が決められています。そのため、収録数が多すぎたり少なすぎたりすると、学校と自宅での勉強に差がでてしまい、子どもが困惑してしまうこともあります。
予習や復習のために自宅で漢字を勉強してもらうなら、学習を新学習指導要領に対応したドリルを揃えることが大切です。
<小学校で習う漢字数>
小学校一年生:80字
小学校二年生:160字
小学校三年生:200字
小学校四年生:200字
小学校五年生:185字
小学校六年生:181字
【2】正しい書き順の学習が重要!
漢字が苦手な子どもほど、書き順がでたらめになってしまいがちです。しかし、一度間違った書き順で覚えてしまうと、あとから修正することはなかなか難しいもの。とくに中学受験をする場合は、書き順を問う問題も出題されます。
受験直前になって、小学一年生から習う漢字を全て見直すのは不可能に近いでしょう。新しい漢字を覚える段階で、正しい書き順を身につけられるドリルを選びましょう。
【3】例文や使い方が掲載されているものを選ぼう
ただ漢字の読み書きを覚えるだけではなく、実際に文章をつくるときに活かせるようにしたいですよね。漢字ドリルのなかに例文や使い方が載っているものを選べば、「この漢字はこういう場面で使うのか」と理解度も上がります。なるべくたくさんの例文が載っているといいですね。
【4】子どものやる気をアップさせる工夫をチェック
学習する子ども本人がやる気にならないと、どんな漢字ドリルを用意しても使ってくれないかもしれません。子どものやる気をアップさせる工夫をチェックしましょう。
▼ページ数は少なめのものから
「漢字っていやだな、苦手だな」と思っている子どもには、まず「やりきる」という達成感を味わってもらうために少なめのページ数のものを選ぶとよいでしょう。1日1ページでも、コツコツ続ければ身に付きます。褒めて伸ばして、やる気をアップさせましょう。大人から見ると少ないなと感じる量でも、子どもにとって「意外とできるかも」という自信にもつながるはずです。
▼好きなキャラクターでモチベーションアップ!
小学生用漢字ドリルには、子どもたちに人気のキャラクターが採用されているものもあります。ドラえもんやポケモン、ディズニーやサンリオなど、好きなキャラクターと一緒ならいつもより頑張れるかもしれません。
▼物語形式で進む漢字ドリルも
ただ漢字と例文が載っているだけでなく、物語形式で進んでいく漢字ドリルもあります。本を読むように物語に集中して漢字の勉強ができますよ。本を読むこと、物語が好きな子どもや、飽きやすい低学年の子どもにおすすめです。
▼中学受験準備なら小学校漢字を全収録したドリル
1冊に小学校で習う漢字のすべてを収録した漢字ドリルもあります。中学受験に向けて復習したい人や、漢字の勉強が好きでちょっと先に勉強しておきたい人にもおすすめ。知っておいて損はないので、興味があれば何歳でも学習してOKです。
【5】「習得用」と「暗記用」の2冊を使いわけて
たくさんの種類がある漢字ドリルですが、大まかに2つのタイプに分けられます。ひとつは漢字の書き取りスペースが多く、書き順や成り立ちが説明されている「習得用」のもの。もうひとつは、練習問題をたくさん収録した「暗記用」のものです。
はじめに「習得用」を使って正しい形や書き順を覚えたら、定着度を上げるために「暗記用」のドリルに取り組むというのがおすすめです。
どちらか一方では不十分ですので、両方購入したいところです。あまり量をこなせない場合は「習得用」を優先的に使うようにしましょう。
親が教えるときの注意点 漢字ドリルで正しく学ぼう
小学校の国語教育では「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」(文化審議会国語分科会)によって、手書きの字体について新しく方針が定められました。
そのため、昔は誤りとされていた漢字の書き方でも、現代では正解とされるケースもあります。親が子どもに漢字を教える際には、変更された部分についても認識しておく必要があるでしょう。
しかし、家事や育児、仕事をこなすなかで、新しく定められた決まりをすべて認識しておくことは難しいと言えます。子どもに対して、時代に沿った学習を提供するためにも、漢字ドリルは非常に役立つツールとなってくれるでしょう。
漢字の勉強ができる無料アプリも!
鉛筆を持って、机に向かうとどうしても集中力が続かない……。そんな悩みを持つ方には、小学校の漢字の勉強ができる無料アプリもあります。スマートフォンやタブレットが必要にはなりますが、これならゲーム感覚で勉強できるという子もいるようです。参考にしてみてくださいね。
効率的な学習のために小学生向け漢字ドリルを活用しよう!
小学生で学ぶ漢字は意外に多く、その多さから漢字が苦手になってしまう子どももいます。漢字ドリルは、漢字の学習に効果的で、学年ごとに合わせたものを選ぶことで、苦手を残さずに次の学年の勉強をスタートできます。
ただ、勉強自体が嫌いな子ども多いため、プレゼントしてもしっかり取り組んでくれないことも。そのため、子ども目線で漢字ドリルを選ぶことが重要です。学習内容だけでなく、例文や勉強を楽しめる仕掛けがあるかどうかをチェックしながら、子どもが使ってくれる漢字ドリルを選びましょう。
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