バイオリン教本の選び方 バイオリン教室通いや独学の人も!
それでは、バイオリン教本の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】習得方法にあわせて選ぶ
【2】CDはセット? それとも別売り?
【3】好きな曲で選ぶ
【4】コスパの高いバイオリン教本
上記の4つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】習得方法にあわせて選ぶ
バイオリンを教室に通って習うのか、独学ではじめるのかによって、選ぶべきバイオリン教本はまったく変わってきます。それぞれの習得方法にあったバイオリン教本をみていきましょう。
▼独学の方には写真解説やDVD付きがおすすめ
独学で1からバイオリンを学ぶなら、写真解説や、DVDなど映像面で充実したものを選びましょう。バイオリンで最初につまずきやすいのは、弦や弓の張り方やチューニング、構えといった準備段階です。ほかの楽器よりも準備面の違いが音に表れやすく、美しい音が出ない一因となる場合も。こうした基礎的なところから本で学ぶには、文字だけでは限界があります。
バイオリンを弾くまえの基本的な準備から写真やDVDで教えてくれ、音の出し方も開放弦から徐々にレベルアップしていけるタイプのバイオリン教本を選びましょう。
▼教室に通う方にはさまざまなレベルの多曲本を
バイオリン教室に通う際には、基本的には講師が教本を指定しますので、バイオリン教本選びに悩むことはほとんどありません。
しかし、個人レッスンの場合などは好きな教本を選べることがあります。そんなときにはやさしい初級者レベルから、少し難易度が高めの曲まで、曲が多く入っている教本を選びましょう。バイオリン教本は曲によってさまざまな技法を学べるように設定されているので、曲を多くマスターすることによってより多くの技法を習得できます。
【2】CDはセット? それとも別売り?
バイオリン教本には、CDが最初からセットになって販売されているタイプと、CDは別売りにされているタイプがあります。
セットタイプはあとから曲を探しだしたり、個別に購入して音源をダウンロードしたりCDを購入したりする手間がはぶけてラクです。
対して別売りは、個別にダウンロードできるタイプの教本もあります。たとえば教室で習っていて講師が弾いてくれるため、すべての音源が必要ない場合などにはコスパが高くなります。それぞれにメリットがあるので、自分に合ったタイプを選びましょう。
【3】好きな曲で選ぶ
バイオリンを弾いてみたいと思うに至ったきっかけとなるような好きな曲があれば、特別速弾きだったり、難しい技巧が必要だったりしない限りは、好きな曲の入った教本からはじめてみるのもひとつの方法です。
バイオリンだけでなく音楽初心者の方の場合、楽譜を読むのに苦労することがあるため、音名や左手の指番号が書かれた楽譜がのった教本だとさらにいいでしょう。好きな曲を形だけでもいいのでひととおり弾けるようになると、練習にも熱が入り上達も早くなります。
【4】コスパの高いバイオリン教本とは?
バイオリン教本は、シリーズ展開されている定番のものが多くあるため、レベルを追うごとに教本も買い足していく必要があります。1冊だけなら数千円の教本も、シリーズトータルで考えると数万円かかってしまうことも。
対して、たとえ高額な1冊でも曲数が多く教則本的側面も充実しているなら、高コスパといえます。トータルで考えて選びましょう。
ご自分のレベルに合わせたバイオリン教本を選ぼう ピアノ講師がアドバイス
今も変わらぬレッスン人気を誇るバイオリン。昔は練習場所に困ることもありましたが、消音機能つきの楽器が誕生するなど現在では気軽にレッスンをはじめられるようになりました。
おすすめの教本の選び方は、ご自身のレベルに合わせた1冊を選ぶという点。講師からすすめられたものや、独学ならば楽器の持ち方や身体の使い方から学べるものを。視覚や聴覚で確認できるとさらにいいですね。
バイオリン教本のおすすめ12選【初心者向け】
ここからは、ピアノ講師・山野辺祥子さんと編集部が選んだバイオリン教本を紹介します。自分に合った教本を見つけて、バイオリンをすてきに弾きこなしましょう。
DVD付きで独学でも学べる
独学で1からバイオリンをはじめる方に向けて作られたDVD付きの入門書です。バイオリンを購入前の方に向けた楽器の選び方から、肩当ての付け方、弓毛の張り方、各部の名称やポジショニングなど教室で習う初歩的なことも映像でわかりやすく解説されています。
弾き方としても基本のフィガリング練習にはじまり、ヴィブラート、ピチカート、いろいろなボウイング・テクニックなど細部にわかれています。ひとつひとつの工程を繰り返し練習することで、曲を弾くまえにやるべきことが身につくようになっているのが特徴です。
世界中のバイオリンを学ぶ人たちが愛用
世界で使われているスズキメソードの新版で、日本でも多くの教室で採用されています。
模範演奏のCDは、江口有香の演奏でデジタル録音されています。ピアノ伴奏も収録されているので、ある程度弾けるようになったら、ピアノ伴奏と一緒に録音して自身で聴いてみるのもいいでしょう。
楽曲は鈴木鎮一作曲の「キラキラ星変奏曲」や、「むすんでひらいて」・「ちょうちょう」などの童謡から、バッハ,、ヨハン・ゼバスティアンの「メヌエット 第1~3番」など全17曲。
世界中のバイオリニストが基礎練習に使っている1冊
イギリスのバイオリニスト・サイモン・フィッシャーが、学生から熟練者まで幅広く使えるよう作成したバイオリンの基本練習が300掲載されている練習本です。
バイオリンを弾く前の準備体操にはじまり、テクニックをできるだけ最小限の時間でマスターするための勉強法が書かれています。世界中のバイオリニストが基礎練習に使っているとされる1冊。
バイオリン教授界を代表する3人が編集
バイオリン教授界を代表する兎束龍夫、篠崎弘嗣、鷲見三郎。3人の合議で誕生した教本の第1集です。第6集まであるので、レベルに合わせて進んでいくことができ、多くのバイオリン教室で採用されています。
楽曲は、「アマリリス」や「メリーさんの羊」がD線とA線、重奏と変奏曲の4曲、「みつばち」などの童謡から、ドヴォルザークの「新世界」より「ラルゴ」などのクラシック、全24曲です。
楽器の購入から演奏まで学べる基礎教本
楽器を触ったことがないほどの初心者も、楽器の購入や取り扱い方から学べる基礎教本です。練習段階もこまかく設定されていて、開放弦から左手第2弦、3弦と順に進み、徐々に長調、短調と覚えるように作られています。
クラシックの名曲がやさしい音階から徐々に難しいものへと順になっているので、コツコツと練習したい方向けです。
カイザー作曲のエチュード全36曲
ドイツのヴァイオリニストであり音楽教育者のハインリヒ・エルンスト・カイザー(1815~1888)が作曲した練習曲集です。
基本技術の運指と運弓の習得を目的として作られており、とくに1番〜12番あたりまでは、第一ポジションのみで演奏できるため、教室ではここから習うケースが多くあります。曲が進むごとに徐々にレベルがあがる仕組みになっているので、36曲をマスターすることで着実に実力をあげていくことができます。
音名と指番号アップダウン記号付き楽譜J-POP
音が出せるようになったレベルの初心者の方に、手に取ってほしい入門書。こちらの特徴は楽譜に音名と左手の指番号が書いてあることで、譜読みが苦手という方でもスムーズに弦を押さえることができます。また、アップダウン記号付きなのでひととおり曲を弾けるようになり、弾く楽しさをまずは味わうことが可能です。
楽曲はボロディンの「ダッタン人の踊り」といったクラシックのほか、今井美樹の「PRIDE」やGREEEENの「遥か」などのJ-POPも収録されている全34曲。
楽器の選び方から曲演奏まで幅広い
篠崎功子による改訂版です。楽器や弦の選び方から、楽器の持ち方などの基礎、開放弦の練習、フィンガリング、ボーイングなどの奏法指導も書かれています。別売りで模範演奏のCDも販売されているので、耳から聴いて学ぶことも可能。
楽譜には、篠崎弘嗣の作曲によるエチュードにカイザーの短縮版が入っているのも大きな特徴です。エチュードのほかに、ヘンデルの「凱旋の歌」や、ベートーヴェンの「第九」・チャイコフスキーの「古いフランスの歌」など全104曲がおさめられています。
世界中で使われてきたバイオリン教本
1901年に出版されて以来、世界中で使われてきた「OPUS1 PART1」の日本語ライセンス版です。ファーストポジション左手の運指といった初歩的なセッティングから、イントネーション、ピチカート、アルペジオなどの基本について書かれています。
また、練習曲の一覧には目的が書かれています。ある程度基礎力がついたあとに選んで練習することで、弱点を克服できるようになっているのも魅力です。
多くの演奏家を育てたロシア人バイオリニストの教本
日本で数多くの演奏家を育てたロシア人バイオリニスト・小野アンナによる教本。彼女は1917年日本人と国際結婚し、来日。多くのバイオリニストを輩出しました。生徒たちにバイオリンを教える際、大きな役割をはしたものをまとめたのがこちらの教本です。
内容は「1 Scale-Studies」や、「2 Scales within the First Position」など独自に考案されたもので、徐々にレベルを上げることができるよう構成されています。
模範演奏がダウンロードできるDVD付き教本
西谷国登による独学でもバイオリンが弾けるように考えられた、全編オールカラー印刷のDVD付き教則本です。バイオリンの各部の名称や構え方、左手の押さえ方など映像がほしいところはDVDに収録されているていねいさが特徴。
エチュードもクラシックの名曲が弾きやすいように編集されているため、はじめから「弾くよろこび」を感じられる仕組みになっています。
あらゆる技法のポイントを記載した74の練習法
12人の指導者が有効であると実感している指導法を披露した74の練習法が掲載された教本です。
ヴァイオリンの構え方にはじまり、スムーズな弦の押さえ方、音程感をよくする方法、スピッカートのイメージをつかむ方法などのバイオリニストなら知りたいと願う習得方法が掲載されています。図解も多いため、イラストを見ながら実践できる点も魅力。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする バイオリン教本の売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのバイオリン教本の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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自分に合ったバイオリン教本を選ぼう
バイオリン教本には独学に向いているものや、教室で講師に習う用に書かれたものなどさまざまなタイプがあります。しかしどの教本にも、定番のクラシックからオリジナルまで多彩な練習曲が用意されていたり、音名が書かれた楽譜があったり、図解やDVD、CDなど目や耳を使ってアプローチされていたりと、上達をうながす工夫がほどこされています。
自身の練習スタイルや嗜好に合ったバイオリン教本を選んで、バイオリンを効率よくマスターしましょう。
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武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。 音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。 現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。