哺乳瓶ちくびの選び方 保育士・河井恵美さんに聞いた
保育士・河井恵美さんに取材をして、哺乳瓶ちくび(乳首、ニップル)の選び方のポイントを教えていただきました。サイズや穴の形をよくチェックすることが大切です。ぜひ哺乳瓶ちくび選びの参考にしてください。
手持ちの哺乳瓶に使えるかチェック
哺乳瓶に付属しているものから買い替えるときや、ほかのちくびを使ってみたいときには、手持ちの哺乳瓶に合うものかどうかも確認しましょう。
広口・細口を合わせれば、メーカー・ブランドが違っても大体の哺乳瓶とちくびは組み合わせ可能です。一方で、Sサイズの哺乳瓶とスリーカットのLサイズちくびなど、大きさが異なれば同メーカーでも使用できません。大きさや形状を確認して、哺乳瓶に使えるものを選びましょう。
月齢に合ったサイズを選ぼう
哺乳瓶ちくびにはSS~Lまでの5サイズあります。赤ちゃんの発育状況に応じたサイズのものを選びましょう。
赤ちゃんが成長すると口の大きさやミルクを飲む力、一度に飲めるミルクの量なども変わってきます。まだミルクを飲む力や量が少ない新生児のときはSSサイズ、それから成長に応じてSサイズ、Mサイズなどサイズの大きさを選択しましょう。
【月齢】 |
0カ月~(新生児) |
1カ月~ |
3カ月頃~ |
6カ月頃~ |
9カ月頃~ |
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【哺乳瓶ちくびサイズ】 |
SSサイズ |
Sサイズ |
Mサイズ |
Lサイズ |
LLサイズ |
ミルクを飲む量、吸う力で穴の形を選ぶ
哺乳瓶ちくびは穴の形が丸形、Y型のスリーカット、X型のクロスカットがあります。赤ちゃんがミルクを吸う力に合ったものを選びましょう。
吸う力が弱いときには丸穴
丸型の哺乳瓶ちくびは、哺乳瓶を傾ければミルクが出るのが特徴です。少しの力でもミルクが飲めるため、吸う力がまだ弱い新生児や低月齢の赤ちゃんに向いています。
丸形のなかには、母乳育児が軌道に乗るまではミルクも飲ませたいときにおすすめの、赤ちゃんの吸う力をきたえるための哺乳瓶ちくびもあります。
卒乳までならスリーカットやクロスカット
赤ちゃんの吸う力が強くなると、出る量が一定の丸型ではミルクを飲むのに時間がかかってしまいます。ミルクを飲む量が増え、吸う力がだんだんと強くなっていけば、Y型のスリーカットやX型のクロスカットの哺乳瓶ちくびを選びましょう。
スリーカットやクロスカットは吸えば吸うほどミルクが出るため、卒乳までミルク育児を継続したいときに向いています。
消毒方法をチェックしよう
哺乳瓶と同じく、哺乳瓶ちくびも毎日消毒して使用します。消毒方法には消毒液につけるタイプや、電子レンジで加熱するタイプなどがあります。
哺乳瓶ちくびは商品によって、対応している消毒方法が異なります。ふだん使用している哺乳瓶の消毒方法に合っているものを選ぶと一緒に消毒ができて楽チンです。
赤ちゃんがいやがるならいろいろなちくびを試してみる 保育士がアドバイス
哺乳瓶のちくびは、どれも赤ちゃんのためにいろいろと工夫されています。赤ちゃんにも個人差があるため、好みもさまざまです。飲む速度が遅い、早い、いやがって吸い付かないということがあれば、ほかのちくびにかえてみましょう。
一部の商品以外は、広口・細口を合わせればブランドが違っても大体の哺乳瓶とちくびは組み合わせ可能です。ちくびの先は、汚れがたまりやすいため専用ブラシで洗うとよいでしょう。
哺乳瓶ちくびのおすすめ11選 保育士・河井恵美さんと編集部が選んだ
選び方をふまえて、保育士・河井恵美さんと編集部で哺乳瓶ちくびのおすすめ商品を選びました。穴の形やサイズなどで厳選していますので、赤ちゃんが飲みやすく使い勝手のよい商品選びにぜひ役立ててください。
卒乳までひとつで済むタイプ
ミルク寄りの混合、またはミルクのみで育てているときに長く使える哺乳瓶ちくびを選びたいときの選択肢となります。ちくびのサイズは1サイズのみ。赤ちゃんがお母さんのおっぱいを飲むときと同じように大きく口を開けて飲む構造のため、吸う力も鍛えられます。
飲む力に応じて量が変わるクロスカットタイプで、吸う力が強くなっても安定して使用できます。また、広口タイプの哺乳瓶なら、ほかのメーカーでも使用可能です。
咀嚼をきたえる哺乳瓶ちくび
赤ちゃんは母乳を飲むときに、吸うだけでなく口で咀嚼(そしゃく)する力も身に着けていきます。ベッタのブレイン乳首は、吸うだけでなくちくび部分を噛んでモグモグしないとミルクが出てこない構造になっているのが特徴です。
穴の大きさが2サイズある丸穴タイプと、スリーカットタイプのラインナップがあるため赤ちゃんの口の大きさや発育状況に応じて選べます。
ミルクの飲みやすさを重視したちくび
ドクターベッタのちくびを実際に使用したお母さんの声を取り入れて生まれたのが、ジュエル乳首です。穴の大きさやシリコーンゴムのやわらかさの加減のほか、つぶれにくさ、空気弁の開きやすさなどが見直されて開発されました。赤ちゃんがミルクを飲みこみやすく、かつ飲ませやすい工夫や機能が豊富に取り入れられています。
先端の穴と空気弁がしまっているときには、哺乳瓶に付属しているハートピンを使って開いてから使用しましょう。

赤ちゃんが母乳を飲むときの口の動きを参考に作られているため、できるだけ母乳と同じようにミルクを飲ませたい人にぴったりです。
赤ちゃんの口の動きからできたちくび
育児用品メーカー、ピジョンからは数種類の哺乳瓶ちくびが発売されています。母乳実感シリーズは、赤ちゃんがお母さんのおっぱいを飲む口の動きを研究し、作られたのが特徴。直接おっぱいを飲むときと同じ口の動きをミルクでも再現しやすいため、母乳との併用もしやすくなっています。
母乳をお休みするときや、誰かに赤ちゃんをあずけるときだけミルクにしたいときにも、乳頭混乱が起きにくくなっています。

乳頭混乱を起こしにくい構造のため、母乳とミルクの混合で育てたい人におすすめ。
はじめての育児をサポートする機能つき
コンビのテテオシリーズ、授乳のお手本4段階調節機能つき哺乳瓶の専用ちくびです。ちくびが乳頭混乱を起こしにくい形状になっているため、混合育児や預けるときだけ哺乳瓶を使いたいときなどにも向いています。
赤ちゃんの飲む力に合ったミルクの量がでるため、母乳や混合で長く使える哺乳瓶を探している方におすすめです。

飲む力によって出てくるミルクの量が違うため、1サイズの乳首で長く哺乳瓶を使用したい人におすすめの商品です。
赤ちゃんの個性や月齢問わず使える
ジェクスの育児用品ラインナップ、チュチュから発売されている哺乳瓶ちくびです。赤ちゃんがくわえやすいシリコーンゴムを採用し、飲む力によってミルクの出る量が変わるスーパークロスカットを採用しています。
1サイズのみのため、混合やミルク育児で新生児から卒乳まで使えるものを探しているときにも向いています。ミルクの出る穴はふだんはぴったり閉じているため、哺乳瓶を倒してもミルクがこぼれません。
母乳育児のトレーニングやトラブルのときに
お母さんに苦痛を与えず、独自のマッサージで乳房の調子を整える、桶谷式乳房管理法の認定者管理のもとで使用する哺乳瓶ちくびです。ちくびの部分がかたく、赤ちゃんが強い力で吸わなければミルクが出ない仕様になっています。
ミルクと母乳との混合から母乳育児へ移行させるときのトレーニングや、乳腺炎や乳頭炎などのトラブルで一時的に母乳が与えられないときに使用します。煮沸のほか電子レンジ、薬液での消毒が可能です。
母乳と同じ多孔構造
ネイチャーセンスの名称どおり、かぎりなく母乳の飲み口に近い構造を採用した哺乳瓶ちくびです。母乳と同じく、ミルクが出てくる穴が複数空いている構造が特徴。赤ちゃんの唾液と混ざって飲みやすくなっています。
ほかにも柔軟に形を変えるやわらかゾーンや、哺乳瓶のなかの空気を抜いて嚥下やげっぷを防ぐエアシステムなどの機能がそなわっています。
哺乳力の弱い赤ちゃんのトレーニングに
コンビから発売されているテテオシリーズは哺乳瓶やマグなどのラインナップがあります。こちらはテテオシリーズの哺乳瓶につけるスタンダードタイプのちくびで、おもに赤ちゃんの哺乳力をきたえるための構造になっています。
母乳の飲み方に近づけたちくびのため、しっかり吸わないとミルクが出ないのが特徴。低月齢の赤ちゃんにおすすめです。
お手入れのしやすい哺乳瓶ちくび
フィリップスの育児用品ブランド、アベントから発売されているNatural Baby Bottleシリーズに付属している哺乳瓶ちくびです。
花びらを広げたような形状で、赤ちゃんが口を大きく開けてくわえやすくなっています。ちくびの部分はやわらかく変化するため、赤ちゃんも飲みやすいです。分解しやすい形状のため、お手入れや消毒もしやすくなっています。
アンパンマンの哺乳瓶にぴったりサイズ
LECから展開しているアンパンマン哺乳瓶シリーズに付属している哺乳瓶ちくびです。スタンダード哺乳瓶と、太めの広口タイプそれぞれに合うものが発売されています。
先端がやわらかく伸びるため、赤ちゃんの口にやわらかくフィットし吸いつきやすくなっています。ミルク穴や空気弁のつまりを防げるケアピンつきです。洗い替えにも便利な2個セットもあります。
哺乳瓶ちくびおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 哺乳瓶ちくびの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での哺乳瓶ちくびの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
哺乳瓶ちくびを交換するタイミングは? お手入れ方法も!
ひとつの哺乳瓶ちくびを使い続けると、新しいちくびにしたときに赤ちゃんがいやがって飲まないことがあります。基本的に哺乳瓶ちくびはふたつ以上用意し、交互に使用するようにしましょう。
交換時期の目安は、シリコーンゴム製は2カ月、イソプレンゴム製は3~4週間使用したときです。ほかにも、穴はきちんと通っているのに飲むのが遅くなったり、ちくびがつぶれかけていたりする場合も交換のタイミングです。
お手入れ方法は哺乳瓶の穴にミルクのかすがつまらないように、哺乳瓶ブラシなどを使ってしっかり洗いましょう。
哺乳瓶ちくびを嫌がった時の対処法は?
いつも哺乳瓶でミルクを飲んでいたのに、突然嫌がって飲まなくなったと悩んでいるママも少なくないはず! ミルクを飲んでくれないと、赤ちゃんの体重の増え方や保育園に預ける時などを考えると心配になってしまいます。そんなときに試していただきたい対処法をいくつか紹介します。
(1)おっぱいを飲ませながら哺乳瓶にすり替える
(2)哺乳瓶の先に母乳を付ける
(3)哺乳瓶の乳首を変えてみる
(4)哺乳瓶の乳首を少し温める
(5)ミルクを変える
(6)ママ以外の人がミルクで授乳してみる
哺乳瓶や消毒グッズのおすすめもチェック!
哺乳瓶ちくびが合っているかも見直してみよう
保育士・河井恵美さんと編集部で哺乳瓶ちくびの選び方とおすすめ商品を紹介しました。哺乳瓶ちくびは赤ちゃんの月齢や発育状況、ミルクを飲む量や吸う力によってぴったりの商品は異なります。また、母乳育児を軌道に乗せたいときから、卒乳まで使えるちくびまで、使用する用途に応じたものを選ぶのも重要です。
今使っているちくびで赤ちゃんが飲みにくそう、時間がかかっているときなども哺乳瓶ちくびを見なおすタイミングです。赤ちゃんもしっかりミルクを飲める哺乳瓶ちくびを選びましょう。
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