パンチャーとは
厚い金属に穴を開けたいときに便利な道具がパンチャーです。ほかにも穴を開ける道具としてドリルなどもありますが、パンチャーは穴あけパンチを強力にしたような構造になっているため、短時間で効率よく金属に穴を開けることができます。
おもに業者向けのものが多かったパンチャーですが、最近では一般の方でも手を出しやすいお手頃な価格の商品も続々と登場しています。
さまざまな種類があるので、選び方のポイントをしっかりと確認してから購入しましょう。
パンチャーの選び方 使用用途、機能で
パンチャーにはさまざまな種類やタイプがあります。使用用途に合わせて、使いやすいぴったりのものを探してみましょう。まずは、選び方のポイントをくわしくご紹介します。
かんたんに穴を開けられる油圧式がおすすめ
パンチャーには油圧を使ったタイプのものと、油圧を使用せすバネの力で穴を開けるタイプの大きく2種類があります。このうち一般の方でもかんたんに作業ができる、おすすめのタイプは油圧式のパンチャーです。油圧の力を使うので、力を入れる必要もなく、ハイパワーで手早く穴をあけることができます。時間を取らないので、作業効率がいい点もポイントです。
いっぽう、バネの力で穴を開けるタイプのものは、厚い金属板に穴を開ける際には力を入れる必要があるので腕に負担がかかる点が難点です。薄いものにのみ使用するという場合はこちらのタイプでも問題ありませんが、ここでは油圧式についてご紹介します。
用途にあわせた種類を選ぶ
油圧式のパンチャーは、手動式と電動式の2つのタイプがあります。それぞれの特徴をチェックして、作業内容に適したものを選びましょう。
「手動式」大きな穴も開けられる
パンチャーにはダイスという付属品がついていますが、その大きさにより、開けられる穴のサイズが異なります。手動油圧式のパンチャーは、直径50mmを超える比較的大きな穴を開けられるダイスが入っているのが特徴。大きな穴を開けたいという場合は手動式を選ぶのがおすすめです。
手動タイプでも油圧式パンチャーはもちろん力を入れる必要がありません。手に入れやすいお手ごろな価格も魅力です。
手動式をスグにチェック
「電動式」厚い鉄板にも使用できる
電動油圧式パンチャーは一定の大きさの穴しか開けられないものが多く、直径20mmくらいまでのダイスしか入っていません。大きめの穴をあけたい場合には不向きですが、手動式に比べ強力なパワーがあるので、厚い鉄板でもらくらく作業ができるのがメリットです。
電動式にはさらに、単動式と複動式の2種類があります。単動式は穴を打ち抜くときにだけに油圧を使用し、複動式は打ち抜き・打ち上げのどちらにも油圧を使います。複動式なら、厚い鉄板などに使用する際に刃が戻らないという場合にも、油圧の力でかんたんに戻すことができます。
電動式をスグにチェック
求める機能でタイプを選ぶ
油圧式のパンチャーには手動・電動を問わず、さまざまなタイプがあります。おもな3つをみていきましょう。
「ホースタイプ」狭い場所にも使いやすい
ホースタイプは手動油圧式パンチャーにあるタイプです。ハンドルとダイスのついたヘッド部分がホースと繋がっており、ヘッド部分を伸ばすことができるので狭い場所の作業にも便利に活用できます。
電気設備工事や配管工事などの狭いところによく使われるタイプです。手ごろに手に入る機種もあるので、DIYに活用したい方にもおすすめ。
「バリアフリータイプ」ヘッド部分の可動域が広い
低い位置に固定されたものに穴を開ける場合や、下からしか穴を開けることができない場合は、ヘッド部分を自由自在に動かすことのできるバリアフリータイプがおすすめ。こちらは手動式・電動式のどちらにもあります。
ヘッド部分が固定されていないので、可動域が広く使いやすいのが特徴。90~360度まで、商品によって稼動範囲が異なります。とくに、本体が大きい電動油圧式を狭い場所に使用する際は、バリアフリータイプでないと作業が困難です。用途に合わせてチェックしましょう。
「ノッチングタイプ」切り欠き加工ができる
金属板を一部分だけ開いた状態で抜けるのがノッチングタイプのパンチャーです。一般的なパンチャーは、打ち抜いて穴を開けるのに対し、ノッチングタイプは一部分を残した状態で抜くことができます。
こちらは手動式・電動式のどちらにもあるタイプです。ただし、電動式のノッチングタイプはお値段が張るのが難点。たまにしか使わないという方は手動式もチェックしてみましょう。
電源の種類で選ぶ
電源式のパンチャーの電源には、AC電源式と充電式があります。自分の使いたい用途に合わせて、それぞれの特徴を参考にしてくださいね。
【AC電源式】すぐに使える
電源を繋いですぐに使える、AC電源式の電源油圧パンチャーです。充電式とは違い、コンセントさえあれば使いたい時にすぐに使うことが可能です。電圧が安定することも強みです。
【充電式】場所を選ばず使える
充電してどこでも使えるのが充電式のパンチャーです。バッテリーの種類でパワーも変わってきますが、電源がない場所で使えるのが最大の特徴です。充電しておけば場所に関係なく使えます。
穴あけ可能な穴径と厚みをチェック
パンチャーに付属するダイスのサイズによって、穴を開けることのできる穴径が異なります。一般的に、サイズ別のダイスが5~6個付属しています。ついてくるダイスのサイズは各メーカーごとに多少異なる場合があるため、あらかじめ開けたい穴のサイズを確認し、そのサイズが含まれているかチェックしておくと安心です。
また、ダイスはサイズだけでなく形状にも種類があります。丸型や、四角穴など、オーソドックスなものから特殊なものまであるので、こちらも合わせて確認してみてください。
さらに、穴あけできる厚みにも注意しましょう。素材により硬さが異なり、多くのメーカーはSS400(一般構造用圧延鋼材)を基準としています。SS400よりも硬いステンレスを使用している場合は、穴あけ可能な厚みが薄くなるので気をつけましょう。
素材の厚みなど考えてより自分にあったものを DIYクリエイターがアドバイス
空間デザイン・DIYクリエイター
パンチャーは金属のスピーディーな穴あけをする工具で、電気工事など少し専門的な作業をする際に必要とされている工具です。
比較的値段も高いので、穴開けする素材の厚み、価格帯、手動、電動など、さまざまなタイプより、比較して自身にもっともあった道具を選ぶといいでしょう。
【手動式】パンチャーおすすめ5選 低価格で、手軽に
ここでは、手動式タイプのパンチャー5選をご紹介します。電動式よりは低価格で、大きな穴を開けることができるのが手動式の良さです。
空間デザイン・DIYクリエイター
WEIMALL(ウェイモール)『手動油圧式パンチャー(A27B)』は、DIYなどで金属に穴を開ける機会が多い方におすすめしたい商品です。
価格がほかに比べ安く、手に入れやすいのも魅力。油圧式で比較的軽い力で穴を開けることができます。まずはじめに購入するなら、おすすめしたい商品です。

WEIMALL(ウェイモール)『手動油圧式パンチャー(A27B)』

出典:Amazon
駆動タイプ | 油圧式手動タイプ |
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機能タイプ | ホースタイプ |
付属ダイス | 直径22・27・34・43・49・60mm |
出力 | - |
重量 | 約13kg |
MARVEL(マーベル)『油圧フリーパンチ(MOP-1C)』






出典:楽天市場
駆動タイプ | 油圧式手動タイプ |
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機能タイプ | ハンディタイプ |
付属ダイス | 直径19・25・31・39・51mm |
出力 | 73kN |
重量 | 2.6kg |
亀倉精機『油圧式 手動パンチャー(HP-3B)』

出典:楽天市場
駆動タイプ | 油圧式手動タイプ |
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機能タイプ | ホースタイプ |
付属ダイス | 直径・22・27.3・33.8・42.8・49.1・60.2mm |
出力 | 88.2kN |
重量 | 4.5kg |
西田製作所『油圧ノッチングパンチ(NC-TP5032S)』






出典:楽天市場
駆動タイプ | 油圧式手動タイプ |
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機能タイプ | ノッチングタイプ |
付属ダイス | 直径4.5・5.5・6.5・9・11mm 、角19横切、角30隅切 |
出力 | 65kN |
重量 | 2.4kg |
CACTUS(カクタス)『カクタスパンチ SKP-4型 油圧式鋼板穴あけ機』

出典:Amazon
駆動タイプ | 油圧式手動タイプ |
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機能タイプ | ホースタイプ |
付属ダイス | - |
出力 | 78kN |
重量 | 1.3kg(カプラー含む) |
【電動式】パンチャーおすすめ6選 持ち運び可能な強力タイプも
ここでは、電動式タイプのパンチャー6選をご紹介します。手動式よりもちろんパワーがあって、機能性も充実しているので用途に合わせて選んでみたくださいね。
空間デザイン・DIYクリエイター
電動式のパワー重視のパンチャーなら、Ogura(オグラ)『電動油圧式パンチャー(HPC-N209W)』がおすすめ。
電動のため、比較的厚い金属にスムーズに穴を開けることができます。パワー重視、厚い金属穴あけをする機会が多い方におすすめしたい商品です。

Ogura(オグラ)『電動油圧式パンチャー(HPC-N209W)』

出典:Amazon
駆動タイプ | 油圧式電動タイプ |
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機能タイプ | ハンディタイプ |
付属ダイス | 直径14mm |
出力 | - |
重量 | 11.3kg |
空間デザイン・DIYクリエイター
Ogura(オグラ)『コードレスパンチャー(HPC-156WDF)』は、コードレスで取り回しがしやすいパンチャーです。
屋外の電源のない場所での作業も可能で、持ち運びや移動しながらの作業が多い方におすすめしたい商品です。

Ogura(オグラ)『コードレスパンチャー(HPC-156WDF)』

出典:Amazon
駆動タイプ | 油圧式電動タイプ |
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機能タイプ | コードレスタイプ |
付属ダイス | 直径12mm |
出力 | - |
重量 | 7.9kg (バッテリ含む) |
IKURATOOLS(育良精機)『ミニパンチャー(IS-14MPS)』

出典:Amazon
駆動タイプ | 油圧式電動タイプ |
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機能タイプ | ハンディタイプ |
付属ダイス | - |
出力 | 147kN |
重量 | 6.6kg |
IKK『DIAMOND 油圧パンチャー(EP-1506S)』

出典:Amazon
駆動タイプ | 油圧式電動タイプ |
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機能タイプ | バリアフリータイプ |
付属ダイス | 直径11mm |
出力 | 98kN |
重量 | 7kg |
IKURATOOLS(育良精機)『コードレスバリアフリーパンチャー(ISK-BP20LF)』










出典:Amazon
駆動タイプ | 油圧式電動タイプ |
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機能タイプ | バリアフリータイプ |
付属ダイス | - |
出力 | - |
重量 | 12.8kg(バッテリーパック含む) |
IKK『DIAMOND コードレスパンチャー(EPC-1525BLH)』

出典:Amazon
駆動タイプ | 油圧式電動タイプ |
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機能タイプ | コードレスタイプ |
付属ダイス | 直径11mm |
出力 | - |
重量 | 6.2kg(バッテリーを含む) |
「パンチャー」のおすすめ商品の比較一覧表
【番外編】パンチャーと一緒に持っておくと便利なもの
ここでは、番外編としてあると便利なものをご紹介します。軍手や工具箱を揃えておくと作業の効率もあがるので一つは持っておきたいですね。
3M『コンフォートグリップ グローブ』
HAZE『 パーツケース付ツールボックス 190L-2』
そのほかのドリルに関する記事はこちら
穴を開けたい素材や使用環境で選ぼう
パンチャーのおすすめ11選をご紹介しました。使用用途にあわせて、ぴったりの商品を探してみてください。開けたい穴のサイズや厚み、使用環境に応じた利便性にも着目して比較検討してみましょう。
目的にあったパンチャーを手に入れれば、一般の方でも穴あけ作業がかんたんにできるようになります。上手に活用しましょう!
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/20 コンテンツ追加のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 福本航大)
「インテリア空間デザイン」「スタイリング」「写真」「テレビ撮影」「監修」「執筆」などフリースタイルにて幅広く活動中。 予算100万円で自身が住む自宅をフルリノベーション、古材、流木などを使った家具作りが話題となり、様々なメディアにて取り上げられている。 幼少期から物作りが好きで、何でもまず作ってみる、やってみる精神、そんな好きが高じて、趣味から現在のお仕事に発展。