レトルト介護食の選び方
それでは、レトルト介護食の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】やわらかさ・飲み込みやすさ
【2】とろみの強さ
【3】調理・あとかたづけが楽か
【4】体調や含まれている栄養
上記の4つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】やわらかさ・飲み込みやすさをチェック
介護食を選ぶときは、やわらかさ・飲み込みやすさの目安をチェックしましょう。
▼区分1・2:介護食は噛める人に
自分で噛める人には、区分1・2の介護食がよいでしょう。区分1は容易に噛める・飲み込めるが、かたいものや大きいものは食べづらい人向けです。区分2は、歯ぐきでつぶせるかたさで、ものによっては飲み込みにくい人に向いています。
どちらも具材がひと口大の大きさで、家庭で作るものよりもやわらかい食感です。見た目も普通の食事と変わらないものが多いので、目からも食事の楽しみを感じられます。
▼区分3・4:介護食は噛むのが難しい人に
噛むことが難しい人には、区分3・4のレトルト介護食がぴったりです。区分3はこまかくてやわらかければ食べられる人向け、区分4は固形物が食べにくい人向けに作られています。
区分4のレトルト介護食には裏ごしした野菜などもあり、牛乳で伸ばしてスープにしてもおいしく食べられるのがポイント。適度にとろみがついているものも多いので、飲み込む力が衰えてきた人でも食べやすいです。
【2】とろみの強さをチェック
飲み込む力が衰えてきた人にとって、水分の多い食事はむせやすく、気道に入ってしまうことがあります。食べものが気道に入るのを防ぐには、適度にとろみのついた食べものを選ぶとよいでしょう。
とろみの程度は、4段階で表されます。もっともとろみが弱いものはフレンチドレッシング程度のとろみです。もっともとろみが強いものはマヨネーズ程度のとろみがつけられています。
とろみをつけることで、食べものが口の中でまとまりやすくなり、ゆっくり飲み込めるようになります。
【3】調理・あとかたづけが楽かチェック
レトルト介護食を選ぶときは、調理・あとかたづけがラクなものを選びましょう。あたためずに食べられるものもたくさんあります。
あたためて食べる場合は、電子レンジで加熱できるものだと便利です。湯せんでしかあたためられないものだと、食事のたびにお湯を沸かす必要があります。多くのレトルト介護食は電子レンジでも加熱できますが、カレーなど電子レンジ非対応の介護食もあるので、あたためかたはパッケージをよくチェックしてください。
【4】体調や含まれている栄養をチェック
レトルト介護食は、食べる人の体調に合わせて選びましょう。体調が悪いときは、区分にこだわらず消化がよいもの・食べる人が食べたいものを選んでください。
栄養面に気を配ることも大切です。食が細くなってくると、栄養が不足したり偏ったりすることがあるので、不足しがちなたんぱく質やカルシウム、食物繊維、水分が含まれている介護食をすすんで利用しましょう。それぞれのパッケージに書かれている栄養成分もぜひチェックしてください。
エキスパートのアドバイス
上手に利用して食事づくりの負担を減らしましょう
レトルト介護食は、温めるだけで食べられるものや、調理のアレンジに使えるものなどがあり、上手に利用すれば、食事づくりの負担軽減に役立ちます。
3日分ほどストックしておけば、災害時の非常食にもなり安心です。
介護食の調理にお悩みなら、レトルト介護食を食べてみて、柔らかさやとろみ加減、味付けなどのお手本にするといいでしょう。お好みや体調に合うものを選んで試してみてはいかがでしょうか。
レトルト介護食のおすすめ商品
それでは、おすすめのレトルト介護食をご紹介いたします。
▼おすすめ4選|区分1・2
▼おすすめ3選|区分3・4
▼おすすめ商品の比較一覧表
すぐに各商品が見たい方は、上記のリンクをクリックしてくださいね。
▼おすすめ4選|区分1・2
自分で噛める人にぴったりのおすすめレトルト介護食をご紹介します。
キユーピー やさしい献立『牛ごぼううま煮』
アサヒグループ食品 バランス献立『京風がんもの含め煮』
キユーピー やさしい献立『和風ハンバーグ』
▼おすすめ3選|区分3・4
噛む力が弱くなってきた人におすすめしたい区分3・4のレトルト介護食をご紹介します。
▼おすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトのランキングを見る レトルト介護食の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのレトルト介護食の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
レトルト介護食を美味しくお得に食べるコツ
どんなに美味しいレトルト介護食でも、毎日食べていると少し飽きてしまうこともあります。
そんな時、アレンジや活用術などを知っておくと、より楽しんで食べることができます。本項では、そんなレトルト介護食の美味しくお得に食べるコツをご紹介いたします!ぜひ参考にしてくださいね。
▼ひと手間加えてみるのも大切!
レトルト介護食を使うときは、食べやすさ・飲み込みやすさを重視するだけでなく、
彩りや盛り付けを工夫してみましょう。食事の見た目や味付けは、食欲に大きな影響を与えます。食べやすさや飲み込みやすさだけを重視して味や見た目がおろそかになると、食欲がわかず、箸も進みません。
お気に入りの食器に盛り付けたり、レトルト介護食を少しアレンジしたりすることで、食事の楽しみが増え、食欲も増すので、ぜひふだんの食事にひと手間加えてみてください。
▼「とろみ調整食品」を上手に利用しよう

高齢になると唾液の分泌量が少なくなります。口のなかの水分を吸ってしまう食品や、パサパサした食品はできるだけ避けましょう。かといって、水分が多すぎると今度はむせやすくなってしまいます。そんなときは、「とろみ調整食品」を使ってとろみをつけると飲み込みやすくなるので試してみてください。
とろみ調整食品は、無味無臭のものがほとんどです。スープやおかずにふりかけて混ぜるだけでかんたんにとろみがつけられ、とろみの強さも自由に調整できます。
▼ごはんは自分で用意するほうがコスパがよい
ごはんは、レトルト品を使うよりも自宅で食べやすい固さのものを用意するほうがコスパがよいです。好みや体調に合わせて炊き加減を調整しましょう。
最近は、おかゆが炊ける炊飯器も登場しています。目盛りに合わせて水加減することで、全がゆから五分がゆ、重湯までかんたんに作れます。介護食用に、少ない量のごはんが炊ける小さな炊飯器を準備しておくと便利です。
そのほかの介護に役立つアイテムの記事はこちら
レトルト介護食で介護を少しでもらくに
毎日の介護は、決してらくなものではありません。毎食、介護食を1食だけ準備するのは骨が折れます。介護を無理なく長く続けるには、使えるアイテムはなんでも使うことが重要です。レトルト介護食を上手に活用して、介護する人はもちろん、される人も笑顔になれる食卓を作りましょう。
介護される人にとって、毎日の食事は大きな楽しみです。介護される人ひとりひとりの噛む力・飲み込む力に合わせて、おいしいレトルト介護食を選びましょう。そのときは、ぜひこの記事を参考にしてください。
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栄養・健康関連のコラム執筆やレシピ作成、栄養監修、食生活アドバイスなどを中心に活動するフリーランス管理栄養士。 短大卒業後、栄養士として給食会社で社員食堂や寮の献立作成、給食管理を行う。その後、病院で栄養管理、栄養指導、調理などの業務に従事。在職中に管理栄養士免許を取得。 出産を機にフリーに転向し、保健センターなどで栄養指導・食事相談を行うほか、料理教室や発酵食づくりのワークショップを主催。