歩行器や歩行車とシルバーカーの違い
シルバーカーとよく似ているもので「歩行器」や「歩行車」がありますが、それぞれ対象や目的が大きく異なります。
まず、「歩行車」や「歩行器」は自力で歩くことが困難な人が対象です。障がいがある場合や、足腰が弱くなったお年寄りの介助目的なので、介護保険の適用にもなるという特徴があります。
これに対して、シルバーカーは自力で歩行できる人が対象で、荷物が運べるバッグがついていたり、途中で休憩できる座面がついているところが特徴。介護保険の適用にはなりませんが、シニア世代の活動の幅を広げるのに役立つアイテムのひとつです。
シルバーカーを選ぶときのポイント
ここでは、シルバーカーを選ぶときのポイントをご紹介します。シルバーカーには大きさや収納、安全性を高める機能付きなど、さまざまなタイプがあります。タイプごとのメリット、デメリットを把握し、どのような機能があるとより便利で安全か、考慮できるようにしておきましょう。ポイントは下記3点。
【1】使用用途に合わせてタイプを選ぶ
【2】ブレーキ操作を確認
【3】機能性をチェック
それぞれ解説していくのでチェックしてみましょう。
【1】使用用途に合わせてタイプを選ぶと失敗しない
シルバーカーは大きさの違いにより、「コンパクトタイプ」「ボックスタイプ」「ミドルタイプ」「ワゴンタイプ」の4つのタイプにわかれていますが、収納や座面なども異なります。
タイプを選ぶときには、「使う人がどのぐらいの距離を歩くか」「どこに行くときになんの目的で使用するのか」を考えると、比較的スムーズに決められます。
よくお出かけするなら「コンパクトタイプ」
その名の通り、シルバーカーのなかでいちばん小さいサイズが「コンパクトタイプ」です。重さは、3.5~5kg前後のものが主流。軽量なので持ち運びもラクラク。電車やバスなど公共交通機関でよく移動する人にもってこいです。持ち運びしやすく取り回しがきくので、旅行でも大活躍するでしょう。
唯一のデメリットは、収納スペースが少ないこと。「歩く」と「休憩する」をメインに作られているので、途中で休みつつ、ちょっとした散歩や買いものに出かけるという人にも向いています。
座り心地も上々「ボックスタイプ」
収納スペースと座面が広い作りになっている「ボックスタイプ」。たくさん買い物をする人でも、大きな収納ボックスがついているので安心です。また、歩行途中に何度も休憩する必要がある場合でも、ゆったりと座れる座面があるので、快適に散歩や買い物を楽しむことができます。「座れるシルバーカー」は、荷物入れにも休憩の椅子にもなるすぐれものです。
ただし、シルバーカーのなかでも大きいサイズなので、その点は注意が必要です。。自宅に置くときにはスペースが必要なのと、重さがあるので取り回しが悪くなりがちです。安定感と座面の快適性を重視するならボックスタイプがいいでしょう。
買い物メインで使うなら「ミドルタイプ」
コンパクトサイズより収納スペースが大きめの「ミドルタイプ」。「大きすぎるのは邪魔になるし操作が大変だけど、コンパクトサイズだと荷物が入りきらない」という人にぴったりのサイズ感です。
デメリットは、コンパクトサイズよりも幅をとること。電車やバスなどでは、少し邪魔に感じることもあるかもしれません。公共の場で利用する機会が多い場合や、自宅に保管スペースがない場合には、ミドルタイプのなかでも折りたたみできるものを選ぶとよいでしょう。
たくさん荷物を持ち運ぶなら「ワゴンタイプ」
「ワゴンタイプ」は、買い物に行くときに便利なタイプ。アルミフレームに大きなカゴがついているので、たくさんの荷物を収納することができます。また、買いものカゴを、ワゴンの上に乗せることも可能なので、ショッピングカートを使う必要もありません。
ただし、サイズが大きいので、お出かけによく使う場合には折りたたみできるものを選ぶといいでしょう。お買いもの以外にも、ガーデニング用品などの持ち運びにも便利です。
【2】ブレーキ操作を確認
咄嗟に行動しづらい高齢者にとっては、ブレーキ操作がかんたんで使いやすいかどうかは重要なポイントです。ブレーキにもレバーを下ろすタイプやブレーキレバーを握るタイプ、足元のペダルを踏むタイプとさまざまあります。
シルバーカーの使用者が使いやすいのが一番ですが、とくに「このタイプがいい!」と決まっていなければ、ブレーキレバーを握るタイプがおすすめです。さらに、両手で握れるタイプだと、力があまりない方でもしっかりとブレーキがかけられるので◎。
【3】機能性をチェック
タイプでも少し紹介しましたが、小さいものは取り回しがしやすく、大きいものは荷物をたくさん運べるという、それぞれのメリットがあります。
しかし、自力で歩行できる利用者でも、補助機能や安全面は考慮する必要があります。シルバーカーには、タイプだけでなく、さまざまな機能がありますので詳しく紹介します。
あると便利な「折りたたみ機能」
タイプ説明でもふれた通り、折りたたみできる機能はとても便利なもの。コンパクトタイプやミドルタイプに備わっていることが多いですが、ワゴンタイプでも折りたたみできる商品もあります。
自宅にシルバーカーを置くスペースがとれない場合は、その収納サイズも気になるところ。折りたたみ機能があるものを選ぶと、省スペースで保管することが可能です。また、電車やバスなどでよく移動する人にもおすすめです。
ハンドルの「高さ調節機能」は必要
ほとんどのシルバーカーには、ハンドルの高さを調節できる機能がついています。使う人を支えるために大切なハンドルですが、高さが合っていないと姿勢が悪くなり、腰を痛めてしまう可能性もあります。そのため、必ずハンドル高を調節できる機能がついたシルバーカーを選びましょう。
ハンドルを調節するときは、「(身長 ÷ 2)+(5~15cm)」の高さにするのがポイント。使う人によってちょうどいい高さは異なるので、使用しながら微調整をしましょう。
操作しやすい3WAY切替式前輪キャスターだと安心
3WAY切替前輪キャスターとは、直進方向にタイヤを固定してくれる「直進固定」、タイヤが必要以上に曲がらないようになる「左右回転固定」、小まわりが利いて操作しやすい「360°回転」の3種類に切り替えることができる機能のことです。
1種類か、2WAYの2種類に切り替えられるタイプもありますが、3種類すべてに切り替えが可能だと、さまざまな場面に対応することが可能です。
また、キャスターの数にも種類があり、取り回しがしやすい「シングル」、安定感がある「ダブル」から選べるので、キャスターのタイプと併せて考えたほうがいいでしょう。
スムーズな歩行をサポートしてくれる機能も
シルバーカーがあることで活動の幅が広がり、今まで以上に行動範囲が広がる人も多いでしょう。しかし、坂道や段差につまずいてしまうと怪我につながることも。そんなときに便利なのが、「加速抑制機能」と「乗り越え機能」付きのシルバーカー。
「加速抑制機能」は、くだり坂などでスピードが出てしまうのを防いでくれます。また、「乗り越え機能」がついていれば、段差や縁石につまずいても、ラクに乗り越えることが可能です。
この2つの機能があれば、お出かけもますます快適になりますね!
福祉住環境コーディネーターがおすすめ
用途に合わせて複数のタイプを所持するのもあり
一般的にシルバーカーとは歩行補助車のことを指します。歩行にあまり問題のない方が利用することが多く、利用する目的は「荷物を運びやすくすること」と「疲れたときに座る」ため。
ですので、よく使用する方の行動に合わせて選ぶことが重要です。散歩のときは小型のもの、買いもののときはボックスタイプやワゴンタイプと使い分けるといいでしょう。
シルバーカーおすすめ11選
上記で紹介した選び方を参考にした、シルバーカーのおすすめ商品をご紹介します。実際に使う人と一緒に見たり、家族へのプレゼントを考えるのに参考にしてください。
幸和製作所『カウートII(SIST04)』のいいところは、ブレーキが長いハンドブレーキで、どこを握ってもブレーキがかけられる形状となっているところ。力のない人にとって、ブレーキがかけやすいのはうれしいですね。座面も広く大柄な方もゆったり安定して座ることができます。

快適に座れるふわふわクッション
折りたたみ機能も備えた、ボックスタイプのシルバーカー。荷物をたくさん運びながらコンパクトにもなるので、旅行好きの家族へのプレゼントに適しています。
幅広い座面でゆったり座れるのが特徴。クッションには厚みがあり、ふわふわなのでお尻が痛くなる心配もありません。便利な収納バッグもついています。飲み物などを入れておくことができ、すぐに取り出せるので、暑い季節のお出かけでも活躍するでしょう。
男性向けのシルバーカーは少ないなか、島製作所『テノール EVO』は黒を基調としたおしゃれなデザインとなっています。夜間のお出かけにも安心のライト付き。

男性が使いやすいサイズ設計! 座面だけの収納も
歩きやすさに特化した、コンパクトタイプのシルバーカー。歩行補助としても利用したい人に向いています。
男性が使いやすいサイズ設計なのが特徴。ハンドルが高めの位置に設計され、背が高い男性でも腰を伸ばして使用することが可能です。ハンドルはU字型を採用し、ブレーキは2WAY仕様。操作しやすいだけでなく、安全性も考慮されている点がうれしいところです。
ウィズワン『ライトステップ・タイニーW ヌーボー』は小ぶりなシルバーカーで、カラーも10色から選べます。本体もアルミでさびにくくブレーキもワンタッチブレーキでストッパーもしっかりついています。
お洒落でコンパクトな屋内外両用歩行器
押手の高さ調節が5段階可能。歩行しやすい高さにご自身で調整できます。また、座面高さ45cmと一般的に座りやすくたちやすい寸法で設計されています。
杖置きや取り外し可能な収納バッグ、ブレーキレバーなど、うれしい機能がたくさん。ワンタッチで折り畳みでき、玄関先や車に積むときなども場所を取りません。
たくさん買い物しても安心の収納バッグ
買いものカゴを乗せられるワゴンタイプ、島製作所のシルバーカー。大容量の収納バッグは、たくさん買いものをする方や、大きな荷物を持ち運ぶことが多い方に喜ばれるでしょう。
大きいワゴンタイプなのに、折りたたむこともできる点はうれしいポイント。使わないときには、省スペースで自宅に保管しておくことができます。ハンドル高も調節でき、体のサイズに合わせることが可能なため、快適に使えるでしょう。

「シルバー カー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする シルバー カーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのシルバー カーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【関連記事】シニア関連アイテムも要チェック
狭い場所での歩行補助には杖があると便利
シルバーカーはキャスター付きで幅もとるため、なにかと狭い室内で使用するのは不便なこともあるでしょう。シルバーカーが使えない場所では、体の支えにもなり歩行補助にもなる「杖」や「ステッキ」を併用するとよいでしょう。
杖と言っても、1点で支えるものだけではなく、多点が軸となっている「多点杖」もあります。安心安全に使えるものを吟味してみてください。
シルバーカーを使って、気軽に買い物や散歩を楽しんでくださいね。
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DIYアドバイザーを取得後、NHK「住まい自分流」の番組講師出演。 JAPAN DIY HOMECENTER SHOW:10回、日本ホビーショー:2回、イベントDIY講師:公民館・ホームセンター・小学校・生涯学習などで、DIY講師を行いDIY普及に貢献しています。 また、「快適住まい」をモットーに高齢者やお子様にやさしい住まいを提案しています。 最近特に注目の女性も取り組みやすいDIYも提案しています。 地域の防災アドバイザーをしています。