介護ベッドとは
介護される側にとって、普通のベッドや布団だと、起き上がることや座ることが難しい場合があります。また介護をする側も、体に負担がかかってしまいがち。介護は長期間することが多いので、お互いに体への負担が少ないほうがいいでしょう。
介護ベッドはリクライニング機能、ベッドの高さ調整、手すりなどがついているため、介護される方が自分で起き上がることも可能です。できる限り、介護される方・介護する方双方の負担を軽減してくれる介護ベッドが選ぶといいですよ。
介護ベッドの選び方
それでは、介護ベッドの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】モータータイプの種類
【2】介護ベッドのサイズ
【3】付属品や安全性
【4】折りたたみ式かどうか
【5】マットレスの種類
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】モータータイプの種類をチェック
介護ベッドはモーターの数によって、リクライニング機能や高さ調整など、使える機能が異なります。それぞれのモーター数でできることは、どのようなことなのでしょうか。
▼背もたれのリクライニングができる1モータータイプ
1モーターの介護ベッドは価格がリーズナブルで、シンプルな設計のものが多いです。介護ベッドの基本的な機能であるリクライニングができますが、背もたれ部分のみをリクライニングできるもの、背もたれ部分と脚部を同時にリクライニングできるものなどがあります。体に負担をかけずに、立ったり座ったりできるでしょう。
最近ではリクライニング機能だけでなく、パラマウントベッド『レントシリーズ 1モーター(高さタイプ)』のような、1モーターでもベッドの高さ調整ができる介護ベッドも見られるようになってきました。
▼背もたれと脚部が独立調整できる2モータータイプ
2モーターの介護ベッドは背もたれ部分と脚部が独立しているため、それぞれを独立してリクライニングできます。1モーターと比較すると高機能なぶん高価ではありますが、介護ベッド全般から見れば平均的な価格帯といえるでしょう。
機能性と価格のバランスのとれた、使い勝手のいい介護ベッドといえるでしょう。また2モーターの介護ベッドでも、フランスベッドやパラマウントベッドなどから高さ調整ができるものが出ています。
▼ベッドの高さを調整できる3モータータイプ
一番使いやすいタイプが、3モーターの介護ベッドです。機能性が高く、背もたれや脚部の独立した調整に加えて、ベッドの高さを調整できます。ベッドの上で過ごすことが多い方、自力でベッドの乗り降りをするのが難しい方にとっては、ベッドの高さの調整機能があるだけで、立ち上がったり座ったりしやすくなるでしょう。介護する方も、ベッドの高さを調整することで、体の負担が軽減されるはずです。
▼寝たきりの場合は機能性を重視したタイプ
これ以外にも、「1+1モーター」や「4モーター」といったタイプの介護ベッドも販売されています。1~3モーターの介護ベッドと比較すると種類は少ないですが、介護される方がどの程度の介護を必要としているかで選ぶといいでしょう。寝たきりの方や介護の必要性の程度が高い方であれば、機能性が高い介護ベッドを推奨します。
それぞれの機能を単独で調整できる介護ベッドは、介護する方の体の負担も軽減できるので効果的。機能性が高いぶん高価ですので、費用対効果を確認しながら、必要な機能がついたものを選ぶようにすることがポイントです。
【2】介護ベッドのサイズをチェック
介護ベッドの長さは、介護される方の身長により「ショートサイズ」「レギュラーサイズ」「ロングサイズ」の3タイプに分かれています。また、幅は広いほうが寝返りをするのに余裕があっていいように思えますが、あまりにも幅が広すぎると、介護する方の負担になってしまいます。
ベッドの幅は91cmタイプのものや、ちょっと接近した83cmタイプのものが介護される方、する方の双方にとってちょうどいいでしょう。
【3】付属品や安全性をチェック
介護ベッドは付属品をセットすることで、使いやすくなったり安全性が高くなる場合があります。
たとえばサイドレールをつければ、ベッドから転げ落ちるのを防止したり布団のずれを予防したりできます。手すりがあれば、起き上がる際につかむことができ、転倒の防止に役立つでしょう。また、テーブルをつければ、起き上がって食事をすることもできるようになります。
【4】折りたたみ式かどうかチェック
毎日介護ベッドで過ごしていると、湿気が溜まりやすくなり、カビやダニ、ウイルスなどが付着しやすい不衛生な状態になってしまいます。折りたたみ式の介護ベッドなら、使用しないときは折りたたんで干すことができます。物置などに収納することもできますので、利便性に富んでいるといえるでしょう。
また、折りたたみベッドにはキャスターがついているタイプが多いので、ベッドの位置を変えたりして模様替えも容易にできますよ。
【5】マットレスの種類をチェック
介護ベッドは電動で起き上がってくれるモーターがついているため、通常のマットは使えません。介護ベッド用のマットレスを使う必要があります。大体はセット販売されていることが多いです。
▼コイルタイプのマットレス
コイルマットは、バネ(硬鋼線)がマットレスのクッション層に使われているタイプです。特徴としては反発力があるので、要介護者も寝返りがうちやすいことです。また、通気性もいいので寝たきりの方は蒸れにくいのでおすすめです。
▼ノンコイルタイプのマットレス
ノンコイルのマットレスは、ウレタン素材を使っているタイプです。ウレタン素材はコイルタイプと違い反発力があまりないので身体が沈みやすい可能性があります。また、値段によってはすぐへたれてしまい耐久性が良くないことがあります。高密度のウレタンマットを選ぶようにしましょう。
▼ポケットコイルタイプのマットレス
ポケットコイルタイプはコイルタイプと同じバネを使っています。しかし、コイルタイプはマット面全体にコイルが配置されていて身体を支えているのに対し、ポケットコイルは一つ一つのコイルが独立しており、身体を点で支えています。そのため、身体の体重がうまく分散され、寝返りもうちやすく痛めにくいというメリットがあります。
エキスパートのアドバイス
JIS規格が表示されているベッドか確認しましょう
介護ベッドには、大きく「背上げ」「脚上げ」「高さ調節」の3つの機能があり、それぞれの機能が介護される方、介護する方の負担を軽減します。体格や設置する場所の広さを考えて、介護ベッドを選ぶ必要があります。介護される方が使用することから、安全性の高い介護ベッドを選ぶことがもっとも重要。「在宅用電動介護ベッド」JIS規格が表示されている介護ベッドを選びましょう。
介護ベッドおすすめ6選
モーター数別に、介護ベッドを紹介していきます。介護が必要な方のことを考えて、なにが本当に必要な機能なのかを見ていきましょう。

リモコンが大きな文字で見やすく、操作もしやすいパネル式になっています。ベッドもボトムの上下の操作時、ものを挟まないよう安全性に配慮した一旦停止機能がついています。離床を促すため低床が25cmと低いので安定した端座位がとりやすく、背ボトムと膝ボトムの動作も6500とおりを超える組み合わせのなかから、からだのずれや圧迫感がもっとも少ない理想的な動作ができます。
安全性と機能性を兼ね備えた3モーター介護ベッド
3モーターで、ベッドの高さを25~60cmまで調整できる介護ベッド。背もたれ部分、脚部分、ベッドの高さをそれぞれ独立して調整できます。背もたれと脚部分の角度を90度以上に保ち、背中と膝の間隔が狭くならないようにする角度制限機能、ベッドのフレームに足などを挟まないようにするための一旦停止機能など、安全性と機能性を持ち合わせたタイプです。
オプションのマットレスは丸ごと洗えるので、衛生面でも安心して利用できます。

サイドフレームがなく乗り降りがらくで、降りるときは28.5cmまで床面を下げられます。介助しやすい高さ調節機能がついており、病院でも使用されているベッドで、立ち座りに不安な方の味方です。また操作ボタンが大きく使いやすいユニバーサルデザインの専用リモコン、手になじむ形状の手元スイッチ。触れるだけで操作感覚のわかる突起ボタンで使いやすいです。
ベッドからの離着床の安全性を考慮したモデル
3モーターで背もたれ部分、脚部分、ベッドの高さ調整が可能です。手になじみやすい手元スイッチは、突起ボタンとひらがな表示で直感的な操作ができるようになっています。
床面からの高さを285~625mmまで調整可能。介護される方それぞれにとってちょうどいい高さに対応でき、安全性が考慮された介護ベッドです。

背上げと膝上げの連動する電動ベッドです。ふだん使いのベッドとしても介護用としても使えます。今までベッドを使ったことがない高齢者で、立ち座りの弱くなった方は、まずベッドを使ってみましょう。意外と快適ですよ。
1+1モーター仕様で機能性の高い介護ベッド
1+1モーターで、リクライニングとフットレスト機能のある介護ベッド。ボタンひとつで、背もたれ部分と脚部分のリクライニング操作がかんたんにできます。
足側のボードをなくしたハリウッドタイプで、空間を広く感じることができます。シンプルなデザインで飽きがこず、どんなお部屋のインテリアにもマッチするでしょう。
折りたたみ式でコンパクトに収納できる
1モーターの折りたた式介護ベッド。頭部からゆっくりと背もたれが起き上がるリクライニングと連動してフットアップも可能なので、自然でらくな姿勢のまま起き上がることができます。つなぎ目をなくした多層構造の特殊なボリュームマットは、寝心地も快適。
前後2カ所にサイドグリップを取りつけるところがあり、起き上がる際やベッドの乗り降りの支えになります。安全性が考慮された介護ベッドです。
低反発のウレタンを使用した折りたたみ式
指挟みなどの事故防止を考慮した、安全設計の折りたたみ式介護ベッドです。低反発のウレタン素材を採用し、ほどよいかたさで体が沈み込むことがなく、立ち上がりなどの動きもスムーズ。
ワンタッチでリクライニングでき、高齢者の方でもかんたんに操作ができます。折りたたみ式で、使用しないときはコンパクトに収納。キャスターつきなので、女性でもベッドの移動が可能です。
背もたれと脚部が独立して調整可能
2モーターの介護ベッドで、背もたれ部分と脚部をそれぞれ独立して調整できます。しかも、2モーターでありながら4段階でベッドの高さを調整可能。適度な反発性とこしがあり、通気性に富んだリクライニング用マットレスもついており、届いたその日から使用できます。
また、枕元にはコンセントとLEDがついているので、寝る前のくつろぎの時間や夜間に起き上がりたいときにも便利です。
おすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトのランキングを見る 介護ベッドの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの介護ベッドの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
介護ベッドを快適に!マットレスやまくらを紹介
使う人のことを一番に考えて選ぼう
今回は介護ベッドのおすすめ商品をご紹介しました。
介護ベッドはモーター数により、背もたれ部分、脚部分、ベッドの高さ調整など機能が異なります。どの程度の介護が必要かによって、必要となる機能が違うでしょう。
介護が必要な方や介護をする方の立場にたって、ほんとうに必要な機能はなんなのかを見極めて、最愛の介護ベッドに出会えるといいですね。
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DIYアドバイザーを取得後、NHK「住まい自分流」の番組講師出演。 JAPAN DIY HOMECENTER SHOW:10回、日本ホビーショー:2回、イベントDIY講師:公民館・ホームセンター・小学校・生涯学習などで、DIY講師を行いDIY普及に貢献しています。 また、「快適住まい」をモットーに高齢者やお子様にやさしい住まいを提案しています。 最近特に注目の女性も取り組みやすいDIYも提案しています。 地域の防災アドバイザーをしています。