家庭菜園用プランターの選び方 野菜づくりの初心者におすすめ
ガーデニング研究家のはた あきひろさんに取材をして、家庭菜園用プランターの選び方のポイントを教えていただきました。深さや材質をよくチェックすることが大切です。ぜひ家庭菜園用プランター選びの参考にしてください。
育てる野菜に適した深さのものを選ぶ
野菜によって葉や根の伸び方が異なります。育てる野菜にあった深さの家庭菜園用プランターを選びましょう。
トマトなどの実物野菜は20cm以上の深さ

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実をつける野菜はある程度深さのあるプランターを選びます
実をつける野菜は上に向かって伸びるため、風で倒れないための支柱を使うことが多いです。支柱を立てられるだけの深さのあるものを選びましょう。
バジルなど葉物野菜は15cmほどの深さ
ガーデニング研究家
バジルやリーフレタス、パセリ、ネギなどの葉物野菜は、深さ15cmほどのプランターでもじゅうぶんです。
葉物野菜は、底の浅いプランターでも育てられます。ただし、底が浅すぎると根が当たってしまい生育不良の原因となります。
葉を広げて育っていくので、プランターの形は長方形のものが向いています。
ニンジンなど根菜類は30cm以上必要
ガーデニング研究家
ニンジンやみじかい品種のダイコンなどの根菜類は深さ30cmが必要です。
なお、土は25リットルで600円以上のものを使いましょう。安価な土は品質が悪い場合が多く、プランターの深さが適していても野菜が健全に育ちません。
根菜類は土のなかで育っていくため、深さのあるプランターを選びましょう。横幅よりも深さを重視した、ポット型のプランターも選択肢に入ります。
株数や収穫期間にあわせて横幅を決める
野菜や植物には適切な間隔を空けて植えなければいけません。株同士の間が狭すぎると生育不良の原因となります。植える株数に合わせてじゅうぶんな横幅のあるプランターを選びましょう。
また、生育期間が短い野菜はすぐに収穫できるため、小さいプランターでも間に合います。生育期間が長い野菜は横幅のあるプランターを選びましょう。
プランターの素材で選ぶ
プランターにはいろいろな素材のものがあります。素材ごとの特徴を知るとより納得のプランターが見つかります。
取り扱いのしやすいプラスチック製
プラスチック製のプランターは軽いため持ち運びしやすいのが特徴です。手にしやすい価格のものがそろっているので、これからプランターをはじめたいときにもそろえやすくなっています。
保水力も高いですが、水をあげすぎると根腐れの原因となるので気を付けましょう。ほかの素材のものよりも劣化しやすいため、長期間の使用には向いていません。
初心者も育てやすい素焼き
粘土を焼いて作った素焼きのプランターは、テラコッタともよばれています。水や空気を通しやすいので通気性や排水性が高く、初心者の家庭菜園にも使いやすいです。重みがあるので安定感がある一方、移動させにくいデメリットがあります。
素焼きならではの素朴な風合いも楽しめます。ただし、落とすと割れてしまうので、取り扱いには気を付けましょう。
バランスのよい木製
木製のプランターは空気を通すため、野菜の根が呼吸しやすいのがメリットです。通気性のほか、排水性も高くなっています。見た目も植物と相性がよいです。
木製は、プランター自体が腐ってしまう可能性があります。設置場所や保管場所を考える、防腐剤を塗布する、雨季は使用しないなどの対策をしましょう。また、移動させるときには重量があります。
おしゃれなインテリア用途なら金属製も

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見た目にこだわりたいなら金属製も
アルミやステンレスなどでできた金属製のプランターは、スタイリッシュな見た目が特徴です。庭や家庭菜園の見た目も重視したい人に向いています。
いろいろなプランターの形があるので、周囲とのバランスを考えた形が選べます。実際に使う場合は、一回り大きめのサイズを購入し、あらかじめほかのプランターに入っている野菜のカバーとしての用途が多いです。
排水性や通気性は側面や鉢底を確認
ガーデニング研究家
鉢底がどんな形状になっているかチェックする
水やりの手間が省ける貯水タイプのプランターは、一見便利なようですが、排水性や通気性が悪く植物が健全に育ちません。プランターを購入するときは鉢底がどうなっているかも必ずチェックしてください。
理想はザルのようになっている、排水性・通気性の高い商品です。通気性がよいとナメクジやダンゴムシも発生しにくくなります。
IRIS OHYAMA(アイリスオーヤマ)『エアーベジタブルプランター 530 ベジタブルグリーン』
底がザル構造で通気性と排水性抜群!別売の支柱ホルダーを付けると支柱が倒れにくくなり、トマトやキュウリなども栽培できます。
>> Amazonで詳細を見る鉢底のほか側面にも穴が開いているものや、自分で穴が開けられるものもあります。
色は植物を引き立てるダークグリーンなどがおすすめ
ガーデニング研究家
色を統一した方がコーディネートされている感が出る
菜園用プランターで多い色は薄緑や茶色です。庭やバルコニーに複数並べて置く場合は、色を統一する方がコーディネートされているように見えます。
ダークグリーンやブラックは植物が引き立つので、私自身はよく選びます。白色はプランターばかりが目立ってしまうので、木製の化粧鉢の中に入れて使うとよいでしょう。
アップルウェアー『ファームプランター 深型55』
落ち着きのあるグリーンの菜園プランター。足つきのプランターなので、通気性や排水性が良く、ナメクジやダンゴムシの発生も少ないです!
>> Amazonで詳細を見る国際精製店『植え袋 PE 10ガロン』
不織布でできている軽くて折りたためるプランター。根が巻きつくことを防ぎ、水や肥料が自然に浸透し、通気性抜群。深さ35cmなのでダイコンやニンジンなどの根菜類も育てられます。
>> Amazonで詳細を見る家庭菜園用プランターの設置場所や使い方 庭やベランダ、室内など
家庭菜園用プランターを選ぶときに、ほかに知っておくといいポイントをご紹介します。
移動させるなら軽いものを
庭やベランダ、室内など、どこに置くかによってもプランターの選び方は異なります。野菜を育てるには日当たりのよい場所が必要です。立地によっては日が当たるのが午前中だけ、もしくは午後だけということもあるでしょう。日の当たり具合でプランターを移動する必要があるなら、軽いものや小さめのものが便利です。
季節によっては、台風や雪に備えて、屋根がある場所に移動させるという可能性もあります。根菜や支柱が必要な野菜は深めのプランターが適していますが、移動させるのなら軽くて持ち運びしやすい形状がよいでしょう。
ベランダに置くなら、邪魔にならないものを
ベランダに置くときには、洗濯物や布団を干すのに邪魔にならないためにも、長方形タイプがいいでしょう。また、集合住宅のベランダでは、災害時の避難を妨げないよう、プランターの大きさや置く位置にも気をつけましょう。
家庭菜園用プランターの収納方法や処分方法 おしゃれなデザインだけでは選ばない
収納できるか、ほかにも使えるものかで選ぶ
野菜の収穫が終わったら、次の種まき時期までプランターを使いません。使わないときには置きっぱなしにせず、すっきり片付けておきたいものです。
中身を空にすれば小さく丸められる不織布や麻、フェルトなどの布素材なら、収納場所に悩むことが少ないでしょう。重ねて収納できるよう、はじめから同じメーカー・同じシリーズで買い揃えておくのもひとつの方法です。
また、デザインや素材によっては、プランター以外の使いみちがあるかもしれません。プランターを選ぶときには、収納できるスペースがあるか、プランター以外の用途があるかなど、使わないときのことも考えてみましょう。
処分しやすさもひとつのポイント
使っているうちに欠けたり割れたりしたら、ゴミとして処分することになります。素材によって、また自治体によって処分方法が異なり、捨てるのに費用や手間がかかるということもあるでしょう。不要になったときにどう処分するかも考えておく必要があります。
「初めての家庭菜園で、続けられるかわからない」という場合などは、可燃物として処分できる素材のほうがいいでしょう。
家庭菜園用プランターおすすめ5選 ガーデニング研究家厳選!野菜づくりの初心者に最適!
ここまで紹介した、家庭菜園用プランターの選び方のポイントをふまえて、ガーデニング研究家のはた あきひろさんに選んでもらったおすすめ商品をご紹介します。

IRIS OHYAMA(アイリスオーヤマ)『エアーベジタブルプランター 530 ベジタブルグリーン』














出典:Amazon
材質 | ポリプロピレン |
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土の容量 | 約25L |
サイズ | 幅530×奥行355×高さ260mm |

アップルウェアー『ファームプランター 深型55』








出典:Amazon
材質 | ポリプロピレン |
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土の容量 | 26.2L |
サイズ | 幅550×奥行320×高さ300mm |

国際精製店『植え袋 PE 10ガロン』












出典:Amazon
材質 | 不織布 |
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土の容量 | 約38L |
サイズ | 直径400×高さ350mm |

大和プラスチック『しゅうかく菜700型』

出典:Amazon
材質 | ポリプロピレン |
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土の容量 | 40L |
サイズ | 幅700×奥行300×高さ300mm |

WOODPRO(ウッドプロ)『スクエアプランター 長方形 特大』












出典:Amazon
材質 | 杉(宮崎産) |
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土の容量 | 44L |
サイズ | 幅880×奥行375×高さ205mm |
家庭菜園用プランターおすすめ3選 編集部が厳選!おしゃれで見た目にもこだわる
いろいろ比べて失敗しないプランター選びをしたい方のために、さらにいくつか商品を紹介していきます。多くの野菜や植物は3月・4月・5月が種まきや苗植えに適した時期といわれています。9月以降の収穫の時期に向けて育てたい野菜をピックアップし、種や苗、プランターなど、必要なものを揃えておきましょう。
タカショー『ウッドテラスプランター ナチュラル 90/A』








出典:Amazon
材質 | 天然木 |
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土の容量 | 9L |
サイズ | 幅900×奥行150×高さ155mm |
タカショー『フェルトプランター M』








出典:Amazon
材質 | ポリエステル |
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土の容量 | 約27L |
サイズ | 幅350×奥行350×高さ350mm |
IRIS OHYAMA(アイリスオーヤマ)『パームワイヤーバスケット 深型フックタイプ』






出典:Amazon
材質 | スチール(PEコーティング)、ヤシ繊維 |
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土の容量 | 7L |
サイズ | 幅450×奥行290×高さ310mm |
「家庭菜園用プランター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 家庭菜園プランターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの家庭菜園プランターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
家庭菜園用プランターは排水性と通気性がポイント ガーデニング研究家からアドバイス
ガーデニング研究家
排水性や通気性が低ければ、底に鉢底石を多く入れる
プランターは色や形も大切ですが、植物が健全に育たなければガーデニングの楽しさが半減します。
プランター選びで私が最も重要視するところは、排水性と通気性です。必ず鉢底を確認してください。
形や色が気に入ったけど、排水性や通気性が考慮されていないプランターの場合は、鉢底石を多めに入れるなど工夫してください。
家庭菜園用プランターとあわせてチェックしたい商品 ガーデニングをする際にあると便利なおすすめアイテム!
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1967年生。兵庫県西宮市出身。1991年に大手住宅メーカーに入社し、研究所(造園研究室)、マンション事業、本社設計部などを経験。現在は独立し、人と人、人と自然の繋がりを大切にし、毎日丁寧に暮らすことを提案する『庭暮らし研究所』を設立。 奈良市で草屋根の家に暮らしながら、家族5人分のお米と野菜をつくり、自給生活を送る。NHK総合テレビ「ぐるっと関西おひるまえ」では、野菜づくり講師として8年間毎月出演。NHK出版WEBサイト「みんなの趣味の園芸」でブログ担当。 著書に「コップひとつからはじめる自給自足の野菜づくり百科」(内外出版社)、「現役サラリーマンの自給自足大作戦~菜園力で暮らしが変わる~」(家の光協会)が翻訳され台湾で発刊される。