モバイルプリンターとは? ビジネス用途や、スマホ写真の印刷にも
さまざまなプリンターが市販されていますが、モバイルプリンターとそれ以外のプリンターの明確な線引きはどのあたりにあるのでしょうか?

モバイルプリンターはそのなかでもサイズや性能などバリエーションが豊富にあります。オフィス内での使用を考えるなら、スキャナーの機能がついた複合機が便利でしょう。
持ち運びができる便利なプリンター 小型、軽量がウリです
モバイルとは、「可動性の」「動きやすくて」のような意味の英語、mobileのこと。つまり、直訳するなら「可動性の、持ち運べるプリンター」といった意味になります。あちこちに移動して使用するプリンターと言いかえてもよいでしょう。
持ち運べる、というあいまいな言い方だと腕力によって差が出てしまいます。一般的には、2Kg程度までの移動可能なプリンターをモバイルプリンターといいます。
Brother(ブラザー)『PocketJet PJ-663』
印字速度は約9.4秒/枚。なんといっても、593gと軽量コンパクトな抜群の携帯性。
>> Amazonで詳細を見るA4サイズまでの印刷を想定 対応用紙サイズは?
モバイルプリンターで、重さとともに気になるのが印刷能力です。とくにどの大きさの紙に対応しているかは、使用場面可能シーンにも直結する重要なポイントです。
モバイルプリンターとして市販されている製品は、大きくてもA4サイズまでの印刷までを想定しています。逆に小さいサイズは、レシートサイズやA7、写真サイズなど製品によってバリエーションがあります。
業務用アプリケーションと連動し、出先で帳票やレシートが出力できるものもあります。
HP(ヒューレット・パッカード)『OfficeJet 250 Mobile AiO』
A4、A5、A6、B5など印刷・スキャン・コピーがおこなえる複合機。さらに、オプションのバッテリで、電源がない環境でも最大415枚の印刷が可能。
>> 楽天市場で詳細を見るモバイルプリンターの選び方 携帯性、印刷用途、インクの入手しやすさなど
ITサポートエンジニアの古賀竜一さんに、モバイルプリンターを選ぶときのポイントを教えてもらいました。

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小さくても実力は本格派。モバイルプリンターは高精細の写真プリントもこなす。
持ち運びしやすさ、携帯性で選ぶ
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
大きさや重量は大切なポイント
モバイルプリンターはその名のとおり、おもにモバイル用途で使用されるプリンターです。そのため、持ち運びやすさは重視されます。大きさや重量は、その部分でチェックしておきたい点です。
しかし持ち運ぶ頻度次第で、大きさや重量はさほど問題にならない場合もあり、出先で必要な操作性や機能を重視して選ぶという考え方もあります。
EPSON(エプソン)『PX-S05』
サイズや重量がコンパクト仕様で軽いため、かばんなどで頻繁に持ち運ぶ用途に適している。出先で必要となる設定や操作をサポートする機能も装備。低ランニングコストで高速印刷が可能。
写真印刷、モノクロ、カラーなど、印刷用途で選ぶ
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
用途から必要な機能を探そう!
モバイルプリンターで、おもにどのような印刷を行うのか、その印刷に適した機能を重視して選択します。「文書だけ」「資料をカラーで出力したい」「写真も印刷したい」など想定はさまざまだと思います。
たとえば、写真が必要な場合はインク色の多いカラー印刷重視のものにするなど、求める機能に適した機種を選択したほうがよいでしょう。
Canon(キヤノン)『PIXUS iP110』
インク色は5色で写真や文字もきれいに印刷できます。Wi-Fi対応など通常のプリンターに必要な機能は備わっており、オールマイティーに使えるモバイルプリンター。
>> Amazonで詳細を見るインクの入手しやすさで選ぶ
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
インクが入手しやすい機種も大事な要素
モバイルプリンターのインクや周辺機器は、機種によっては入手しづらい場合があります。そのため、インクが入手しやすい機種を選択したほうが維持管理がスムーズです。
出先でインク探しのために奔走したのでは、余計な手間や経費がかかるばかりで本末転倒です。また、バッテリーは消耗品ですから交換の際に安価で入手しやすいものがよいでしょう。
HP(ヒューレット・パッカード)『OfficeJet 200 Mobile CZ993A#ABJ』
ヘッド一体型インクはほかの一般的なインクジェットプリンターと共通のため、インク入手もしやすく取り換えもかんたん。
>> Amazonで詳細を見るそのほかの選ぶときのポイント 電源タイプ、印刷方法
モバイルプリンターを選ぶときに、ほかに知っておくといいポイントを紹介します。

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モバイルプリンターのなかには画像の加工やエフェクトが可能なモデルもある。
電源タイプ|バッテリー対応が必要かを検討
モバイルプリンターの電源タイプは、「AC電源タイプか」「バッテリー対応タイプか」の2種類です。外出先とはいっても、印刷する場面で電源を確保できる場所ばかりなら、AC電源型でも問題ありません。逆に、モバイルプリンターを使うときに電源のそばにいないことが多いと考えられる場合は、バッテリー対応タイプでないと困ります。
ビジネス用途で取引先での印刷がメインの使い方なら、バッテリ対応タイプがスマートです。「旅行先で撮影した写真を印刷したいけど、印刷はホテルでする」という場合はAC電源タイプを選んでも問題ありません。
基本的にはバッテリー対応タイプが無難ですが、コストとの兼ね合いでしっかり検討しましょう。
印刷方法|カラー:インクジェット 白黒:感熱式
モバイルプリンターは、印刷方法によってメリット・デメリットに違いがあります。インクジェットプリンターは安価で購入できますが、インク代が高い場合がありランニングコストがかかります。
感熱式は、消耗品が紙だけなのでランニングコストが比較的安く、大きさもコンパクト。しかし、購入価格は相対的に高く、カラー印刷の場合は紙代が高くなるという弱点もあります。
ビジネス印刷などでモノクロ印刷ばかりの場合は感熱式、出先でカラー写真を印刷したい場合はインクジェットプリンターを第一候補にして検討をはじめるとよいでしょう。
モバイルプリンターのおすすめ|エキスパート厳選 人気のキャノン、エプソン、HPから、はがき対応のものも
ITサポートエンジニアの古賀竜一さんに選んでもらった、おすすめのモバイルプリンターをご紹介します。

Canon(キヤノン)『PIXUS iP110』

出典:Amazon
商品重量 | 約2.0kg |
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サイズ | 約W322×D185×H62mm |
タイプ | カラー、モノクロ |
電源 | AC100~240V 50/60Hz |
使用可能サイズ | A4~A5、レター、リーガル、洋形封筒4号/6号、長形封筒3号/4号、はがき |
給紙タイプ | 後トレイ |
最高解像度(dpi) | 9,600(横)×2,400(縦) |

HP『OfficeJet 200 Mobile CZ993A#ABJ』

出典:Amazon
商品重量 | 2.1kg |
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サイズ | 約W364×D186×H69mm |
タイプ | ISOカラー、ISOモノクロ |
電源 | AC100~240V 50/60Hz |
使用可能サイズ | A4、A5、A6、B5(JIS)、封筒(長形3号/長形4号)L判、2L判、はがき、往復はがき |
給紙タイプ | 後トレイ |
最高解像度(dpi) | モノクロ(最高):1,200×1,200、カラー(最高):4,800×1,200 |

EPSON(エプソン)『PX-S05』

出典:Amazon
商品重量 | 約1.6kg |
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サイズ | 約W308×D232×H217mm |
タイプ | カラー、モノクロ |
電源 | AC100~240V 50/60Hz |
使用可能サイズ | A6~A4、リーガル、レター、六切、ハイビジョン、名刺、KG、2L判、L判、ほか |
給紙タイプ | 背面MPトレイ |
最高解像度(dpi) | 5,760×1,440 |

HP『OfficeJet 250 Mobile AiO』

出典:Amazon
商品重量 | 3.06kg |
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サイズ | W380×D198×H91mm |
タイプ | ISOカラー、ISOモノクロ |
電源 | AC100~240V、50/60Hz |
使用可能サイズ | A4、A5、A6、B5 (JIS)、封筒(長形3号/長形4号)L判、2L判、はがき、往復はがき |
給紙タイプ | 後トレイ |
最高解像度(dpi) | モノクロ(最高):1,200×1,200、カラー(最高):4,800×1,200 |
モバイルプリンターのおすすめ|A4対応 ビジネス向けモバイルプリンター
ビジネス用途だと主流になるA4用紙が印刷できるモバイルプリンターを紹介します。
EPSON(エプソン)『PX-S06』

出典:Amazon
商品重量 | 約1.7kg(外付けバッテリー装着時:約2.0kg) |
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サイズ | W309×D159×H61mm(収納時) |
タイプ | カラー、モノクロ |
電源 | AC100-240V±10% 周波数50/60Hz |
使用可能サイズ | A6~A4、リーガル、レター、六切、ハイビジョン、名刺、KG、2L判、L判、ほか |
給紙タイプ | 背面MPトレイ |
最高解像度(dpi) | 最高:5,760×1,440dpi |
Brother(ブラザー)『USB接続モデル PJ-723』

出典:Amazon
商品重量 | 約480g(充電池型コネクタ装着時)、約610g(充電池装着時) |
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サイズ | W255×D55×H30mm |
タイプ | 感熱紙 |
電源 | ACアダプター、カーアダプター、リチウムイオン充電池(Li-ion充電池) |
使用可能サイズ | A4、A4ロール紙、A5、レター、リーガル、カスタム |
給紙タイプ | 手差し |
最高解像度(dpi) | 300×300 |
モバイルプリンターのおすすめ|スマホ対応、写真印刷 スマホやiPhoneから写真を無線接続で印刷、シール対応も
スマホからBluetooth接続で印刷できるモバイルプリンターなどをご紹介します。
3E(スリーイー)『pomini(ポミニ) MA-100』

出典:Amazon
商品重量 | 186g(本体のみ) |
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サイズ | W120×D74×H22.8mm |
タイプ | 専用紙(カラー) |
電源 | 付属の専用USBケーブルにて充電 |
使用可能サイズ | 50mm×76mm |
給紙タイプ | 専用紙をセット |
最高解像度(dpi) | 313 |
Canon(キヤノン)『iNSPiC PV-123』

出典:Amazon
商品重量 | 160g(内蔵電池含む) |
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サイズ | W118×D82×H19mm |
タイプ | 感熱紙式(Zero Ink® technology) |
電源 | USB充電 |
使用可能サイズ | 50×76mm |
給紙タイプ | 手差し |
最高解像度(dpi) | - |
HP『Sprocket 1AS85A#ABJ』

出典:Amazon
商品重量 | 170g |
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サイズ | W118×D80×H22mm |
タイプ | 感熱紙(ZINK Zero Ink) |
電源 | 電源の種類:リチウム ポリマー7.4 V、2セル、550 mAh内蔵充電式バッテリ |
使用可能サイズ | - |
給紙タイプ | フォト:最大10ページおよびスマートシート |
最高解像度(dpi) | 313×400 |
FUJIFILM(富士フイルム)『スマホ de チェキ instax SHARE SP-3 SQ』

出典:Amazon
商品重量 | 312g(バッテリー、フィルム別) |
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サイズ | W116×D130.5×H44.4(突起部除く) |
タイプ | その他(フジフイルム インスタントフィルム instax SQUARE) |
電源 | 充電式バッテリー NP-50(1個) |
使用可能サイズ | - |
給紙タイプ | そのほか(フィルムパックをセット) |
最高解像度(dpi) | 12.5ドット/mm(318dpi、80μmドットピッチ) |
Brother(ブラザー)『Mprint MW-145MFi』

出典:Amazon
商品重量 | 約300g(充電池・感熱紙C-11含む) |
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サイズ | W160×D100×H17.5mm |
タイプ | 感熱紙 |
電源 | リチウムイオン充電池、充電用ACアダプター、充電用カーアダプター |
使用可能サイズ | ブラザー純正A7カット紙 69×100mm(複写紙の場合:62×95mm) |
給紙タイプ | ペーパーカセットによる自動給紙機構 |
最高解像度(dpi) | 300×300 |
【番外編】レシート・プリント用モデル 業務用モバイルプリンター
業務用としてレシートやバーコードなどのプリントが可能な超小型プリンター。屋外イベントなどでの出店時にも活躍しそうです。
SII(セイコーインスツルメント)『MP-B20』

出典:Amazon
商品重量 | 約180g |
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サイズ | W79×D110×H44mm |
タイプ | 感熱ラインドット方式 |
電源 | Li-lon充電池 |
使用可能サイズ | - |
給紙タイプ | サーマルロール紙(紙幅58mm) |
最高解像度(dpi) | - |
おすすめ商品の比較一覧表
モバイル用途の範囲の想定を明確にする エキスパートからのアドバイス
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
あなたが大切にしたいポイントは携帯性? 機能性?
モバイルプリンターは、持ち運びの頻度が多い場合、できるだけコンパクトなものがよいのは言うまでもありません。しかし、据え置きプリンターとして使う頻度のほうが多い場合や機能的に一般的なプリンター同等のものがほしい場合は、サイズアップを多少妥協して機能的に充実したものを選ぶ必要があります。
モバイル用途としてどこまで機能的なものを求めているかを明確にすることで適切な機種選びができます。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする モバイルプリンターの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのモバイルプリンターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
印刷方式や電源に注意してモバイルプリンターを選ぼう 安いモデルは価格と機能のバランスを考えて
ITサポートエンジニア・古賀竜一さんにお話をうかがい、モバイルプリンターの選び方とおすすめ機種をご紹介しました。
古賀さんのアドバイスにもありましたが、モバイルプリンターは、印刷方式によって特徴が異なります。それぞれの特徴を踏まえたうえで機種選びをはじめましょう。電源方式も忘れず確認しておくことで、購入後も満足して使える商品が選べます。
モバイルプリンターはなんでもできるものより、目的を絞り込んだ方がリーズナブルな価格で購入できます。自分の目的に合ったモバイルプリンターを購入することで、ビジネスや遊びでの活用もより便利になりますよ。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:拝島祐子、掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/01/28 一部コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 横尾忠徳)
中小企業庁 ミラサポ専門家派遣 登録専門家。 ITサポートエンジニアとして2002年に創業しこれまでに数多くのサポート実績があります。 オーダーPCの製作をはじめ、コンピューター端末・周辺機器などのハードウェア、IT環境保守が専門です。 個人、事業所問わず提案型技術アドバイザーとしてIT環境のリプレース、リペアを数多く成功させています。 メディアへの記事監修協力、IT記事寄稿なども行っています。