プリンターの種類
プリンターの種類は、印刷方式別に大きく分けて「インクジェットプリンター」と「レーザープリンター」の2つがあります。
一般的に家庭用はインクジェット、ビジネス用はレーザーというように分かれています。それぞれのプリンターについて解説していきます。
インクジェット方式(インクジェットプリンター)
インクジェット方式は、インクに圧力や熱を加えることで細かな粒子にし、印刷用紙に吹きかけてプリントする方式。家庭用に向いているのがこの方式を採用したインクジェットプリンターです。
シンプルな印刷方式を採用しているため、本体のサイズがコンパクトに収まり、機種によっては、解像度の高い写真印刷も可能です。しかし、印刷時間が掛かってしまうのがデメリットです。ランニングコストがかかるので、コストパフォーマンスを考えて選択しましょう。
レーザー方式(レーザープリンター)
レーザー方式は、「ドラム」と呼ばれる内部の筒にレーザービームを照射し、インクを付着させ、その筒を印刷用紙に押し当ててプリントする方式。そのため、ビジネス用に向いているのがレーザープリンターです。
「ドラム」をスタンプの様に押し当てて用紙に印刷していくため、早く、大量に印刷することが可能なのがメリット。しかし、解像度があまり高くなく、写真や画像の印刷には不向きです。白黒のみのコピー機や印刷機としては業務用プリンターとして大活躍してくれます。
メリット・デメリット一覧表
メリット | デメリット | |
インクジェット方式 |
・インクが手に入りやすい |
・音が少々大きい |
レーザー方式 |
・音が静か |
・価格が高い |
プリンターの選び方
それでは早速、プリンターを選ぶ際のポイントについて解説していきます。ポイントは下記の3点。
【1】機能性
【2】インクカートリッジ
【3】使用インクの種類
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能のプリンターやコスパのいい商品を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】機能性をチェック
各プリンターは、機能数に応じて、「複合機タイプ」「単機能タイプ」「フォト専用プリンター」の3つがあります。用途・目的によって選ぶことで使いやすさやコスパが変わってきます。しっかり押さえておきましょう。
●複合機タイプ
複合機タイプは、印刷だけでなく、書類のコピーやスキャン、FAX、ほかにも、CDやDVDのラベル印刷まで、様々な機能を搭載しているプリンターです。
本体サイズが大きく、より高機能であれば価格も高くなります。しかし、一般的な印刷やコピーといった機能であれば、低価格で購入できますのでおすすめです。特にこだわりがないなら、スキャン、コピー機能の付いた複合機がおすすめです。
たまに使う程度であれば、サイズのコンパクトさや本体価格で選ぶのもいいでしょう。大量にプリント・コピーをする場合は、ランニングコストをよく考えて選びましょう。
●単機能タイプ
単機能プリンターは、プリント機能のみを搭載したプリンターです。機能が絞られたぶん、ローコストであることが多く、本体価格5000円程度で購入できるものもあり、相場よりも格安で手に入れることも可能。コンパクトプリンターやモバイルプリンターも多く、省スペースであるケースがほとんどです。
ただし、写真印刷をすることができるものもありますが、多くはモノクロ・白黒の印刷に特化したタイプです。そのため、写真印刷がきれいなプリンターを探している場合には別途探しましょう。「たくさんの機能はいらない」「プリントさえできればいい」という方は単機能プリンターがおすすめです。
●フォト専用タイプ
フォトプリンターは、スマートフォンやデジタルカメラの写真をそのまま印刷できるプリンターです。接続方法は機種により、Wi-Fiや有線などがあります。
写真のみ印刷することができるもので、本体サイズも小さく、価格も安いため、「画像データを気軽に印刷したい」という人にとっては、コスパが抜群でおすすめです。しかし、商品の中にはA4不可やハガキサイズのみといった機種もありますのでしっかり確認しておきましょう。
【2】インクカートリッジをチェック
インクのカートリッジについても、「分割型」「一体型」「トナー型」の3種類があります。カートリッジ方法によっては、ランニングコストが大きく変わりますので、しっかり押さえておきましょう。
●カートリッジ分割型
多くのインクジェットプリンターで採用されているのが分割型。各色ごとにカートリッジがあり、1色が切れた際にはその色のみの交換で済みます。一体型に比べ大きくランニングコストを節約できるでしょう。
●カートリッジ一体型
全色一つのカートリッジに入っているのが、一体型。本体サイズの小さなプリンターはほとんどがこのタイプでしょう。ただし1色でも切れると印刷することができず、ほかの色が残っていても取り換える必要があります。
●トナー型
カラーレーザーやモノクロレーザーなど、レーザープリンターで採用されているのがトナータイプ。トナーは1本で1万円ほどすることもあり、一見するとコスパが悪いようにも感じますが、その1本で2,000枚ほどプリントすることが可能ですので、交換頻度は3種類の中で最も少なくなります。
【3】使用インクの種類をチェック
印刷の仕上がりに影響するインクには、「顔料インク」、「染料インク」、染料と顔料を一緒に使用する「ハイブリッドインク」の3種類があります。家庭用インクジェット複合機では、ハイブリッドインクを使用するケースがほとんどですが、ここもしっかり押さえておくと、印刷の写りが変わります。
●顔料インク
顔料インクは、インクの粒子が大きく、水に溶け切っていないインクのこと。印刷用紙に染み込ませないで、表面にインクを付けられるので、鮮明な色合いを表現します。
また、速乾性も高く、かすみにくいため、写真やグラフなどが多い資料の印刷もきれいに仕上げます。カラープリンターとしてきれいに印刷できるかは重要な指標なので、しっかりと確認しておきましょう。
●染料インク
染料インクは、インクの粒子が細かく、水に溶け切っているインクのこと。印刷用紙の繊維にインクを浸透させ、発色させるため、用紙の紙質を活かした、鮮やかで透明感のある色合いを表現します。
しかし、乾くまでに時間がかかり、また、水滴がかかるだけで滲んでしまうので、印刷直後や保管には注意が必要です。
●ハイブリッドインク
ハイブリッドインクは、顔料インクと染料インクを組み合わせたインクのこと。文章の印刷、写真・画像の印刷の際、最適なインクを選び、自動で使い分けてくれるため、それぞれの被写体に合わせたきれいにプリントできます。
しかし、たくさんのインクを使用するのでインクコストが掛かります。プリンター本体が安く買えても、インクコストが高くなってしまっては元も子もありません。本当に必要な写真印刷のレベルはどの位なのかを、よく見極めた方がいいでしょう。
●トナーインク
トナーインクは、ミクロサイズの粉末状になっている、レーザープリンター専用のインクのこと。粉末状で粒子が定着しやすいため、滲まずにプリントができます。また、インクコストも安いです。
しかし、様々な色合いを表現するには不十分ですので、ビジネスで文章印刷する際に活躍するインクです。
有名メーカー・ブランドをチェック
家庭用プリンターを販売しているメーカーは数多く存在しますが、その中でも3強ともいえるのがキヤノン、エプソン、ブラザーの3社。パソコンの接続機能や操作性なども含めてメーカーのカンタンな特徴をご紹介しますので、商品選びの参考にしてみてください。
エプソン(EPSON)
エプソンで有名なのは、写真印刷のクオリティの高さが売りの「カラリオ」シリーズです。もともとエプソンは写真プリントに定評がありましたが、最近では全て染料インクの6色対応タイプが増えたことで、より鮮明な画質でプリントできるようになりました。
エプソンのプリンターはコスパ最強との呼び声も高く、小型プリンターの評判もいいです。カートリッジにも大きな変更を加え、コスト面、環境面でメリットのある大容量エコタンク(インクタンク)機種もあります。印刷技術だけでなく、プリンターそのものの機能性を高めてきているメーカーです。
キヤノン(CANON)
キヤノンは、国内のインクジェットプリンターシェアが高い人気メーカー。人気機種「PIXUS(ピクサス)」を筆頭に、6色のハイブリッドインクを採用している機種が多く、写真、文書ともに、バランスのよい印刷をすることができます。
家庭用プリンターとして使われることが多く、最新プリンターの評価も毎度高いです。にじみがなくシャープな印象を与える印刷ができるので、特に文字印刷ではその真価を発揮してくれるでしょう。
ブラザー(brother)
ブラザーは、世界40カ国に拠点を置くグローバル企業。特にインクジェットプリンター「PRIVIO(プリビオ)」シリーズは低コスト、高機能と人気が高く、主力商品となっています。
パソコン用のプリンターであればどれも非常に使いやすく、慣れによる部分が大きいかもしれません。ブラザーでは6色インクには対応しておらず、4色インクのみでの印刷となります。必要十分の機能をバランス良く搭載したコスト面で優れた機種を揃えています。
(★)ポイント:プロから見た各メーカーの特徴
家電製品・家電流通ライター
キヤノン、エプソン、ブラザーならば、全国の家電量販店やホームセンターに純正インク、一部の100円ショップやディスカウントショップでは互換インクが売っており、どのメーカーを選んでも失敗はないです。あえて言うなら、印刷の美しさならエプソン、キヤノン。コスト重視ならブラザーでしょうか。
各社、年賀状などのダウンロードコンテンツも豊富で、パソコンプリントだけでないさまざまな楽しみ方を用意しています。また、キヤノンは下取りサービス、エプソンは未開封純正インクのポイント交換を含む5年サポート(有償)と、買い替え時のサービスも充実してます。
プリンターおすすめランキング
それでは、プリンターのおすすめランキングをご紹介いたします。すぐに各商品が見たい方は、下記のリンクをクリックしてくださいね。
▼ランキング10選|インクジェットプリンター
▼ランキング3選|レーザープリンター
▼番外編 3選|ハガキ・スマホ写真・持ち運び用プリンター
▼おすすめ商品の比較一覧表
▼ランキング10選|インクジェットプリンター
まずは家電製品・家電流通ライター近藤克己さんが選んだ、インクジェットプリンターのベスト10選をご紹介します。家庭用のプリンターとして活躍する機種ばかりですので、ぜひ参考にしてください。

キヤノンで迷ったらコレ、全部入りのハイスペック機
6色ハイブリッドインク、4.3型タッチパネル式液晶モニター、多目的トレイ、SDカードスロット搭載によるダイレクトプリントなど、たくさんの機能がぎゅっと詰まったピクサスシリーズのハイスペックモデルです。
新たにプラスされた染料グレーインクにより色の安定性が増しました。文書印刷もそこそこ多い、一眼レフカメラを所有しているので写真にはちょっとこだわりたい、というファミリーユーザーにおすすめ。
多目的トレイにより、ネイルシールのプリントができます。週末だけオシャレしたいという娘さん、クリスマスやお正月だけ特別なネイルをしたいというイベント好きにピッタリです。パソコン/スマホからの印刷指示で自動的に電源オン/排紙トレイオープン機能も搭載。また、CD/DVD/BDのレーベルプリントも可能。

安心の1台、迷ったらコレを買っておけ
エプソンの家庭用インクジェット複合機と言ったら800シリーズ。定番中の定番で、間違いのないモデルです。A4カラー文書1枚あたりの印刷コストは約12円、L判写真は約20.6円と、エコタンクモデルに比べると高くつきますが、発色性のよい6色染料インクにより、スマホ写真も美しいプリントが楽しめます。
逆光補正や普通紙の写真画質を鮮やかにするモードなど、PCを使わずに写真・画像をよりきれいに補正できる機能を搭載しており、文書よりも写真・画像の印刷が多い人に最適です。
また、無線LAN接続したPC・スマホから印刷指定しただけで電源が入り、自動で排紙トレイをオープン。いちいちプリンターのそばまで行って準備する必要がないので、離れた部屋から印刷指示するときに便利です。自動両面プリント機能搭載。



大容量タンク搭載のエコノミーモデル
大量印刷ニーズ向けの特大容量タンク搭載「GIGA TANK」シリーズのスタンダードモデル。A4カラー普通紙の1枚当たり印刷コストは約0.9円、A4モノクロでは1枚約0.4円。
前面カセットに250枚、背面トレイに100枚、合計350枚の普通紙をセットでき、自動両面印刷にも対応しているので、大量印刷でも紙を補給する手間が省けます。
ダウンロード無料のソフトウエアにはチラシ・ポスター・POPのテンプレートが業種別に約100種類用意されているほか、写真・クリップアートも多数利用できるので、SOHOや店舗経営者にもおすすめ。A4用紙を16枚合わせたA0サイズの大判印刷機能も搭載。

文章をたくさん印刷するし、写真もキレイに残したい
エプソンの大量印刷ニーズ向けエコタンクシリーズのスタンダードモデル。本体価格を抑えるとともに、インクも使い切りパックと注ぎ足しパックの2種類を用意し、買い求めやすくなりました。
使い切りパックは5色インクの1回分で、A4カラー文書約1,000ページの印刷が可能、1枚あたりのコストは約2.9円。
注ぎ足しパック(増量サイズ)はA4カラー文書約3,700枚分、1枚あたりのコストは約2.7円。
インク5色のうち、にじみが少なく文書印刷に適した黒色顔料インクが1個、残り4個は黒・青・赤・黄の染料インクとなります。
人物の顔を自動的に判別し、逆光や色かぶりを自動補正して印刷する「オートフォトファイン!EX」を搭載。失敗写真も鮮やかに蘇ります。前面1段給紙カセット、自動両面プリント機能も搭載しています。



使いやすさ重視のエントリーモデル
一体型染料3色インクタンクと独立した顔料ブラックタンクを搭載。女性と若いユーザーをターゲットにラウンド型のやさしいデザインを採用しました。スマホメニューが充実しており、スマホ写真を多用するユーザーにおすすめのエントリーモデルです。
印刷頻度はそれほど多くなく、画質にもそれほど強いこだわりを持たないけど、デザイン性と使い勝手にはこだわりたいユーザーにオススメ。一人暮らしの大学生にも人気です。スマートフォン内の写真を自動補正して印刷する機能や、LINEのトーク画面に写真を送信するだけで簡単に印刷できるトークプリント機能も搭載。フェイスブックのMessengerにも対応(写真のみ)しています。

▼ランキング3選|レーザープリンター
まずは家電製品・家電流通ライター近藤克己さんが選んだ、レーザープリンターのベスト3をご紹介します。小規模オフィスなど、ビジネスの際にメインで活躍するプリンターを紹介しているので、ぜひ参考にしてください!



▼番外編 3選|ハガキ・スマホ写真・持ち運び用プリンター
最後にハガキ専用など、機能特化型のものを番外編的に選んでいただきました。使用用途がフィットする場合は、一般的なインクジェット複合機より、こちらの方がいいかもしれませんので、ぜひ参考にしてください!



▼おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする プリンターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのプリンターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
その他のプリンター関連の記事はこちら
写真の印刷やアルバムも作れる
現在、コンビニなどでも手軽に書類や写真の印刷、コピーなどができ、家庭での必要性はあまり感じなくなっています。しかし、急に免許証のコピーが必要になった、明日提出の書類データを印刷したいなど、プリンターがあるとちょっとした手間もなくなり、とても便利になります。
また、プリンターひとつで写真の印刷やアルバム作りまで、友人や家族同士で楽しめることも増えます。本記事を参考に、どんな用途でどんな機能が必要かを知って、ぜひ自分にピッタリのプリンターを選んでくださいね。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
家電業界専門誌の編集長を経て独立、家電製品専門のフリーペーパー「カデンプラス」を発行しながら、フリーランスのライターとしても活動中。日々、家電製品と格闘している。 家電量販店業界にも精通し、家電流通のウラのウラまで知り尽くしている。趣味はフォークギター、アニメ、登山、ゴルフ。