サイフォンとは サイフォンの原理
HARIO(ハリオ) 復刻版 コーヒーサイフォン
サイフォンとは、ギリシア語で「チューブ・管」の意味です。隙間のない管を利用して、液体をある地点から目的地まで移動させる仕組みのことで、その途中で出発地点より高い地点を通って導く装置であり、このメカニズムをサイフォンの原理と呼びます。
お店や家庭で多く利用されるコーヒーサイフォンは、水の蒸気圧を利用してコーヒーを淹れるガラス製の器具のことをいいます。
サイフォンの選び方 メーカー別の特徴、熱源、容量、仕様、メンテナンス方法をみる
スタバなどのコーヒー店で味わうような本格的なコーヒーが、自宅でも味わえたら幸せですよね。そんなときはサイフォンを使って、自分で本格的な味わいを体験してみましょう。安定したおいしさが自宅で楽しめるので、コーヒー好きにはとても魅力的です。
しかし、はじめての人にとっては、たくさん種類があって悩んでしまいますよね。メーカー別の特徴や熱源など、選び方のポイントをご紹介していきます。

Photo by Joey Huang on Unsplash
味にこだわるコーヒー愛好家ならぜひともほしいサイフォン。選ぶときにはどんなポイントに注目したらよいのでしょうか?
メーカーの特徴で選ぶ HARIO、KONO、BONMAC、Tiamo、YAMA、Diguo
サイフォンはさまざまなメーカーから商品が販売されています。それぞれメーカーの特徴が異なるので、まずはメーカーから選ぶのがポイントです。大手メーカーの特徴をまとめたので、あなたにあったものはどれか、考えながらご覧ください!
デザイン性の高さが魅力「HARIO」 世界的から認められた!
まずは「HARIO(ハリオ)」です。デザイン性の高さで、多くのユーザーから支持されているメーカーです。1921年に創業した耐熱ガラスの老舗で、サイフォンだけではなく、コーヒーグッズを多数取り扱っています。
コーヒー関係の商品ならここ! といっても過言ではなく、世界的にも評価が高い信頼のできるメーカーです。長年の実績と技術力を生かした商品展開に目が離せません。種類も多く、こだわりを持った方から初心者まで幅広い層に愛されています。
よりいい味を抽出「KONO(珈琲サイフォン株式会社)」 豆の味を楽しむなら!
珈琲サイフォン株式会社のブランドは「KONO(コーノ)」。会社の名前の通りサイフォンに特化した会社で、こだわりを持った魅力あふれるサイフォンを販売してきました。
細部へのこだわりや作り込みに加え、豆の特徴を生かした味を抽出することに力を注いでいます。とくにサイフォンで重要な円錐フィルターにこだわり、コーヒー豆の持ち味をそのまま味わえるアイテムが多数販売されています。向上心が高く、つねに改良を続けているメーカーになります。
高品質でリーズナブルな「BONMAC」 初心者向け!
「BONMAC(ボンマック)」は高品質さとリーズナブルな価格が特徴のメーカーです。1964年に創業し、価格がとにかくリーズナブルだと注目されました。初心者やとりあえずはじめてみたい方にも向いていますよ。
気軽に購入して試せるコーヒー器具が話題となり、趣味感覚ではじめられるようになりました。高品質で手軽にお試しできるのが魅力のメーカーです。
そのほかの海外メーカー Tiamo、YAMA、Diguoなど
日本メーカー以外に、海外のメーカーについてもご紹介いたします。海外メーカーのなかでもおすすめしたいのが「Tiamo(ティアモ)」です。こちらはレトロな雰囲気が魅力的なサイフォンを製造販売しています。家庭用の携帯ガスコンロを使用したサイフォンなど、場面に合わせて製品を選ぶことができますよ。
同じく「YAMA(ヤマ)」が手掛けるサイフォンも、スタイリッシュなデザイン性にすぐれており見逃せません。インテリアとしても親しまれていることが多く、見た目と機能性のどちらも兼ね備えています。
さらに、「Diguo(ディグ)」は、レトロで重量感のある天秤型のサイフォンのシリーズ、シンプルなデザインの帝国手動サイフォンの2つの系統があります。
熱源で選ぶ アルコールランプ、ガスタイプ、ハロゲンタイプ、電気式など
サイフォンは、熱源によってもアイテムが異なります。はじめて自分でコーヒーを淹れたいと思っても、なにもわからないと熱源の違いも理解できませんよね。
サイフォンの熱源には大きく分けて、アルコールランプ、ガス、ハロゲン、電気式の4種類があります。それぞれどのような違いがあるのかしっかりチェックしていきましょう。
比較的容易に扱える「アルコールランプ」 初心者はここから!
比較的使いやすく、初心者にもおすすめなのがアルコールランプ式のサイフォンです。製品展開も多く、手軽さが魅力的です。
熱量となるアルコールも、薬局などで用意に手に入れることが可能です。理科の実験などで取り扱った経験のある方もいるのではないでしょうか? ただし、風に弱い傾向列があり、野外で使用するのには向いていません。屋内のみでの使用をおすすめします。
火力調整が可能「ガス」 自動で着火してくれる!
火力調節ができるガスタイプでは、おもにキッチンのガス台で使用します。
昨今では商品展開も豊富となってきており、カセットコンロやガスボンベを使用できるものなど、手軽なものも増えてきました。自動で着火してくれる装置が備わっており、火力調節もアルコールランプに比べるとラクです。
保温ができて安全面が高い「ハロゲン」 家庭での利用者が多い!
ハロゲンは、ビームヒーターとも呼ばれています。保温ができるのに加えて安全性がかなり高いのが特徴的です。火を使用しないので、うっかり危ない思いをしてしまう心配がありません。
もともとは業務用として使われることが多かったのですが、火力調節がかんたんで、安全性も高いことから家庭で使用する方も増えています。ただしその分、値段はあまり手軽ではありません。
火を使った器具が不安な方は「電気式」 コンセントにさして使う!
最後にご紹介する熱源は電気式タイプです。こちらは、ご紹介してきたなかでももっとも手軽といっても過言ではありません。
アルコールランプのように消耗品がなく、火を使わないので安全です。コンセントにさすことで電源が入り、自動で暖かくなります。ただし、熱の調節ができないものが多く、初心者向けなサイフォンとなっています。
容量で選ぶ 一度に飲む量を事前に検討する
サイフォンを選ぶ際に、忘れないでいただきたいのが容量です。自分がどのくらいの容量を求めているのか、日常的にどれくらいの容量がほしいのかをしっかりと把握しておきましょう。
大事なのは一度にどのくらいの量を淹れるのか、を基準に考えれば問題ありません。
その都度飲みたい分だけ作りたい方は「1〜2杯用」 ひとり暮らしやふたり暮らし向け!
その都度コーヒーを淹れて、飲みたい分だけを作りたい方は1~2杯用で問題ありません。とくに1杯専用のものは小型のものが多く、ひとりで楽しむのに向いています。
2杯用サイズならば、一般的でかつ1杯分に調節することもできます。ひとり暮らしや、パートナーとのふたり暮らしにぴったりな大きさとなっています。
大人数でシェアなどしたい方は「3〜5杯用」 作りおきをしたい方やファミリー向け!
作りおきを目的としていたり、家族で使いたい方は3~5杯用のものを選びましょう。ただし、お湯の上下移動には時間がかかってしまうので、1杯だけ淹れる目的には向いていません。
3杯程度であれば、サイフォンならではの風味が出やすくなります。さらに大きいサイズでは、時間がかかるうえに、ある程度調節する技術が必要となってくるので、初心者には向いていません。
製品仕様で選ぶ フィルターによって風味が変わる!
見た目や製品仕様も選ぶ際には外せません。使用する熱源やサイズ、フィルターの素材などにも違いがあるのです。
なかでもフィルターの素材は、紙や布、金属、セラミックからプラスチックまであります。フィルターによって風味も異なるので、こだわりのある方はフィルターの種類にも注目してください。
メンテナンス方法も確認 自分が出来る範囲で!
どんなに気に入ったサイフォンでも、メンテナンスが面倒に感じてしまったら、なかなか継続できませんよね。飲み終わった後のお手入れがどんな方法となるのかにも注目してください。
電気式であれば、アルコールランプなどの火が熱源のサイフォンよりは比較的管理がかんたんです。汚れ落としやフィルターの管理など、自分ができる範囲のものを選びましょう。
付属品の入手しやすさで選ぶ 海外メーカーは要注意!
サイフォンには、それぞれ付属品を交換しなければならないものがあります。フィルターもそうですし、アルコールランプであればアルコールを補充しなければなりませんよね。交換用品が定期的にしっかりと手に入れられるものを選んでください。
ガラス部品やパッキンなど、手軽に買えるお店があるかなども把握しておくことをおすすめします。とくに海外メーカーの場合、付属品を輸入しなければならない、なんてことになりかねません。
お気に入りメーカーのサイフォンでおいしいコーヒーを コラムニストからのアドバイス
コラムニスト・イラストレーター
サイフォンを使ってコーヒーを淹れようと思う方は、ハンドドリップなども経験済みのコーヒー好きさんが多いはずです。なので使いやすさも重視しながら、すでに使ったことのあるお気に入りのメーカーから選べば、チョイスが広がります。
サイフォンのおすすめ10選 人気のハリオほか、おしゃれでレトロなものを紹介
実際に発売されている数あるサイフォンから、おすすめのアイテムを厳選しました。
コラムニスト・イラストレーター
HARIOの『テクニカ』は、コーヒーショップでプロによく使われているメーカー。スタンダードなサイフォンなので、自分好みのコーヒーに仕上げるための、攪拌(かくはん)や抽出のルーティンを確立しやすくなっています。容量は2杯分なので、ひとり暮らしやふたり暮らしで重宝てくれると思います。

HARIO(ハリオ)『テクニカ 2人用(TCA-2)』














出典:Amazon
熱源 | アルコールランプ、ガス |
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容量 | 2杯分 |
フィルター | ネル |
コラムニスト・イラストレーター
ツインバード『サイフォン式コーヒーメーカー』は、熱源が電気でアルコールランプを使わないので、目を離せないなどの火の心配がなく、取り扱いがラクなのが特徴です。

TWINBIRD(ツインバード工業)『サイフォン式コーヒーメーカー(CM-D854BR)』














出典:Amazon
熱源 | 電気 |
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容量 | 4杯分(480ml) |
フィルター | ネル |
コラムニスト・イラストレーター
Diguo『ベルギーコーヒーメーカー』は、珍しい横式で西洋のレトロな機械のような雰囲気。最新型とは違って少し手間がかかりますが、そのぶんできあがったコーヒーはおいしく感じるはずです。

Diguo(ディグ)『二代目ベルギーコーヒーメーカー サイフォンコーヒーメーカー横式』

出典:Yahoo!ショッピング
熱源 | アルコールランプ |
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容量 | 4杯分 |
フィルター | ステンレス |
HARIO(ハリオ)『コーヒーサイフォン ネクスト(NXA-5)』
















出典:Amazon
熱源 | アルコールランプ |
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容量 | 5杯分 |
フィルター | ステンレス、ネル |
HARIO(ハリオ)『コーヒーサイフォン ハリオ ソムリエ(SCA-5)』














出典:Amazon
熱源 | アルコールランプ |
---|---|
容量 | 5杯分 |
フィルター | ステンレス、ネル |
HARIO(ハリオ)『ミニフォン(DA-1SV)』














出典:Amazon
熱源 | アルコールランプ |
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容量 | 1杯分 |
フィルター | ネル |
KONO(コーノ)『SKD型 コーヒーサイフォンセット 2人用(SK-2AP)』






出典:楽天市場
熱源 | アルコールランプ |
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容量 | 2杯分 |
フィルター | ペーパー |
BONMAC(ボンマック)『ゴールドサイフォン(TCA-3GD-BM)&ビームヒーター(BMBH-350N)セット』






出典:楽天市場
熱源 | アルコールランプ |
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容量 | 3杯分 |
フィルター | ネル |
KONO(コーノ)『SKD型 コーヒーサイフォンセット 2人用(SK-2G)』




出典:Amazon
熱源 | ガス |
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容量 | 2杯分 |
フィルター | ネル |
HARIO(ハリオ)『モカ 3人用(MCA-3)』
















出典:Amazon
熱源 | アルコールランプ、ガス |
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容量 | 3杯分 |
フィルター | ペーパー |
「サイフォン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする サイフォンの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのサイフォンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
まとめ
今回は、コーヒーを淹れるサイフォンの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。サイフォンを選ぶ際に気にしたいのは次の6つ。「メーカー」「熱源」「容量」「製品規格」「メンテナンス方法」そして「付属品の入手の容易さ」です。
ひとつあれば本格的なコーヒーが楽しめるようになるサイフォン。迷っているのであれば、ぜひ、思い切って購入していただきたいアイテムです。その際、この記事の選び方のポイントが、あなたのサイフォン購入の参考になったのであれば幸いです。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/16 リンクの修正のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 加藤佑一)
コロラド大学大学院で日本語教育学を学び、2009年から外務省専門調査員としてシアトル日本国総領事館勤務。 趣味で立ち上げたコーヒーのトリビアをイラストで紹介する『I Love Coffee』が月間訪問者数60万人のサイトに成長しアメリカで書籍化される。 中国語、韓国語、ロシア語に翻訳出版されている。 日本語著書に『シアトル発ちょっとブラックなコーヒーの教科書』。 宝島社リンネルwebやTABI LABOでコーヒーコラム連載中。