バナナプラグとは
オーディオやスピーカーなどに詳しくないとあまり耳にする機会がない「バナナプラグ」。これは一体どんなものなのでしょうか? かんたんに説明すると、スピーカーとアンプを接続する際、ケーブルに装着するプラグの一種で、お気に入りの音楽を安定した音質で楽しめます。
装着方法はとてもかんたんで、ケーブルの被膜を剝いで取りつけるだけ。音質以外にも、接触不良によって発生する音の途切れ、導線の酸化が原因の音質低下などを防ぐことが可能です。
「臨場感を味わいたい」「音質にこだわりがある」という方は、ぜひお手持ちのオーディオやスピーカーをバナナプラグで改善してみましょう。
バナナプラグの選び方
それでは、バナナプラグの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】用途や使い方のタイプで選ぶ
【2】求める音質と材質で選ぶ
【3】安全性や機能で選ぶ
【4】軽くてコンパクトなものを選ぶ
【5】バナナプラグはオーディオ機器との相性も確認
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】用途や使い方のタイプで選ぶ
バナナプラグは、用途により3つのタイプがあります。使用する目的に合ったものを選ぶことが大切です。
▼初心者向けの定番タイプ「板バネスリット式」は、幅広い音楽が楽しめる
バナナプラグのなかでもっとも主流と言えるタイプが「板バネスリット式」。薄い金属にスリットを入れるように切り込みを入れ、バナナの形のように曲線をえがくように膨らませた形状です。
機器の端子に差し込むと、なかで膨らみしっかりと接触するため、伝導性にすぐれ、音質が安定します。また、抜き差しのしやすいタイプになるので、頻繁に機器を変える場合や、オーディオ初心者に適しています。
万が一、壊れてしまっても気軽に買い替えができる、リーズナブルな価格もポイントです。
▼音質が安定するタイプ「円筒波型スリット式」は、重低音好きに
金属製の部分に波型のスリットが入り、円筒状に加工したタイプが「円筒波型スリット式」になります。スピーカーの振動にも強く、「板バネスリット式」よりも接地面が大きいため、安定した音質を楽しむことができます。
しかし、頻繁な抜き差しをおこなう場合、接続部が緩くなり、音質低下に繋がります。円筒波型スリット式は、部屋に据え置くタイプの機器に適した形状です。
▼ガッチリ接続して長く愛用できる「ねじ込み式」は、振動に強く音質重視タイプに
音の安定感や再現性を求めるなら「ねじ込み式」。差し込んだあとにねじで締めるので、がっちりと固定することができ、音に安定感をもたらします。
接地面も大きく振動に強いので、音質を重視する場合に適しています。音質だけでなく接続の強固さにこだわる、一度はめてしばらく繋ぎっぱなしにするという人におすすめです。
【2】求める音質と材質で選ぶ
信号を伝える接続部の材質や純度により、音の解像度や再現性に大いに関わってきます。おもにメッキに使用されている3つの素材を紹介します。
▼中低音にすぐれた「金メッキ」は、劣化しにくい
金メッキは、バナナプラグの材質としてよく利用されています。表現力と安心感のある温かで良質な音質が特徴。解像度を保ったまますぐれた中低音を表現でき、クラシックからハードロックまで、幅広いジャンルの音楽に対応可能で、3種メッキのなかではバランスの取れた音を表現してくれます。
比較的安価なものから高額なものまで商品の幅も広く、劣化しづらいのも魅力のひとつでしょう。
▼高音が強調される「ニッケルメッキ」は、初心者でも手を出しやすい
ニッケルメッキは材料費が比較的安価なため、低価格で広く流通しているタイプです。リーズナブルでありながら、高音が硬質に強調される特徴があり、硬質で華やかで臨場感のある音質を表現できるので、派手さを演出したい場合にいいでしょう。
ひとつ当たりのコストを抑えられるので、その導入しやすさによって多数用意したいときや、初心者にとっては手を出しやすいタイプと言えます。
▼音の変化をクリアに表現する「ロジウムメッキ」は、中上級者向け
ロジウムは硬度が高く、抜き差しした際の表面劣化が少なく、金メッキタイプより高価な素材です。高音域にメリハリがあり、シャープになる傾向で、高音質にこだわりがある方にぴったり。やわらかくて落ち着きのある音質というよりも、輪郭がはっきりとした音質が好みの方に適しています。
ただし、金メッキやニッケルメッキに比べ、ケーブルやセッティングで音質が左右されやすい、という難点があり、中上級者向けの素材と言えます。
【3】安全性や機能で選ぶ
バナナプラグは、端子と接続するプラグ部分とスピーカーケーブルを差し込む本体部分に分かれています。接続したい機器に安全に取り付けできるものを選ぶようにしましょう。
▼高音質を求める場合、ケーブルは4mm径以上を目安に
バナナプラグは、対応できるスピーカーケーブルの線径が異なります。スピーカーケーブルの線径は、一般的には2~4mm程度ですが、高音質を求める場合には4mm径以上にも対応できるモデルがいいでしょう。
▼絶縁体付きかショート対策の有無で選ぶ
バナナプラグのプラグ部分と、ハウジングと呼ばれる、いわゆる持ち手に当たる本体部分には絶縁体がないのでショートするおそれがあります。
ハウジング部分にプラスチック製の絶縁のカバーがついているものを選ぶか、ビニール製のチューブを絶縁体として被せられるタイプなら安全に利用できるでしょう。
▼初心者がかんたんに接続できるものを選ぶ
商品によってハウジング部に使われている材質は異なっています。とくにハウジング部分の構造や重さは要チェック。
なぜならハウジング部分の重さや構造上の負荷はプラグ一点にかかってくるからです。場合によっては、プラグが劣化し音質低下やショートなんてことにも。オーディオ初心者には、ハウジングの色分けで接続状況が一目でわかるものがいいでしょう。
【4】軽くてコンパクトなものを選ぶ
バナナプラグのメッキ部分ではない持ち手(ハウジング)の部分の材質は、プラスチックや金属などさまざまなタイプのものがありますが、選ぶ際にはなるべく軽いものやコンパクトなものがおすすめです。なぜなら、重すぎると接続部分に余計な負荷がかかってしまい、音質の低下、ショートリスクの上昇につながる可能性が高くなります。
また、バナナプラグを使うのがはじめてという方の場合、持ち手(ハウジング)の色分けがされていると、接続の状況が一目でわかるため、ぜひ実践してみましょう。
なお、ここまでの説明はジャックが背面にある場合になるので、お手持ちのオーディオ機器のジャックが前面にあるなら、デザイン面も考慮する必要があります。
【5】バナナプラグはオーディオ機器との相性も確認
バナナプラグを選ぶ際には、使用しているオーディオ機器であるアンプやスピーカーのジャックの形状を確認しておきましょう。
また、バナナジャックを取りつけるケーブルの形状だけでなく、差し込む側のオーディオ機器との相性も重要です。バナナプラグは、ワンタッチ式には使用ができないので注意が必要です。
エキスパートのアドバイス
音響機器メーカー・時計輸入販売「株)ムジカコーポレーション」代表
使用目的をしっかり考えましょう
バナナプラグは使用目的を考えて選択しましょう。しょっちゅう抜き差しするために使用するのか? ケーブルを強固に接続するためなのか? バナナプラグでの接続が標準のスピーカーを使っているからか? 抜き差しの容易さや外見形状を考慮して選びましょう。
おすすめ商品の比較一覧表
バナナプラグおすすめ13選
さまざまな特徴のあるバナナプラグの中でおすすめの商品を紹介します。
小柳出電気商会『SRBN』

出典:楽天市場
KRYNA『Banana Plug(BA-7G)』






出典:Amazon
Audio Technica(オーディオテクニカ)『AT6301』

出典:Amazon
『バナナ プラグジャック コネクタ』
















出典:Amazon
Audio Technica(オーディオテクニカ)『ソルダーレスバナナプラグ(AT6302)』

出典:Amazon
Audio Technica(オーディオテクニカ)『ソルダーレス バナナプラグ(AT6C63)』

出典:Amazon
FURUTECH『オーディオ・グレード バナナプラグ(FP-200B-G)』

出典:Amazon
audioquest(オーディオクエスト)『バナナプラグ(SGBFA GSET/4)』

出典:Amazon
MG-MART『MG‐M』














出典:Amazon
ONKODO『24K 金メッキ バナナプラグ(BP-146G)』






出典:Amazon
nakamichi (ナカミチ)『24K 金メッキ バナナプラグ』


















出典:Amazon
NFJ『金メッキバナナプラグ』








出典:Amazon
FosPower『ソルダーレス バナナプラグ コネクタ』












出典:Amazon
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする バナナプラグの売れ筋をチェック
Amazonでのバナナプラグの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【関連記事】バナナプラグで連結する機器
まとめ
バナナプラグを利用することで、音質がよくなる可能性があります。バナナプラグの素材やケーブルとの相性により、さまざまな音質の変化を楽しむことができるでしょう。バナナプラグのそれぞれの機能性や特徴を見きわめて、よりよいオーディオ環境の構築を実現しましょう。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
専門は音響アンプの電子回路設計。筐体設計。真空管回路設計。2005年音響機器を開発・製造・販売する会社を設立。国内はもとより、欧州を中心に37ケ国に輸出。 2007年プロオーディオ事業、2013年ログハウス事業、2015年コンサート企画運営事業を開始。2018年から新規事業としてロシア製軍用時計の輸入を始める。その後、数ケ国の機械式腕時計や懐中時計をラインナップ。 2008年よりFM岐阜の長寿番組である『ムジカスタイル』(毎週木曜18:30~)のナビゲーターに。コラム等の執筆多数。総アクセス数370万を超えるブログは、現在も100万アクセス/年のペースで進行中。 ローカル鉄道養老鉄道支援組織『乗って残そう揖斐養老線実行委員会』会長。大垣ケーブルテレビ番組審議委員。