プリメインアンプとは
プリメインアンプとは、「プリアンプ」と「メインアンプ」が一体となったアンプのこと。
●プリアンプとは、CDやレコードのプレーヤーなどから発生する音響のバランス調整を行う機器のこと。
●メインアンプとは、音響を増幅させるための機器のこと。
つまり、プリメインアンプは、CD・レコードプレーヤーなどの音を変換・調整し、高音質で聴くことができるようになるためのデバイスとなります。
▼スペース削減になり、細かな調整も必要ないのがメリット
プリメインアンプ使用する大きなメリットは設置スペースの省略です。通常、CDやレコードのプレーヤーを高音質で流す際は「プリアンプ」「メインアンプ」の2台が必要です。しかし、プリメインアンプがあれば1台で済みます。
また、「プリアンプ」「メインアンプ」が2台一緒になっているため、細かな調整は必要なく、購入したその場で使用できるのも大きなメリットです。
▼若干、音質が下がってしまうのがデメリット
一方、デメリットもあります。
「プリアンプ」と「メインアンプ」をそれぞれ別にするメリットは、それぞれ調整することでノイズを防ぐためにあります。そのため、プリメインアンプとして一体化してしまうと、若干のノイズが入る場合があり、音質が下がってしまいます。
自分好みの最高峰の音質を追求したい場合は、プリメインアンプはおすすめできないかもしれません。
プリメインアンプの選び方
それでは、プリメインアンプの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】入力端子の種類
【2】ハイレゾ対応かどうか
【3】パワー
【4】ワイヤレス機能
【5】設置サイズ
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】入力端子の種類をチェック
プリメインアンプはCDプレーヤーなどほかの機器に接続して使うアイテム。そのため、どんな入力端子がアンプに搭載されているのか、しっかりとチェックしておきましょう。
▼デジタル機器との接続方法を確保しておく
近年音楽のデジタル化が進んでおり、CDプレーヤーなどを持っていないことも増えています。そこで、USB端子を始めとした、デジタル入力に対応した端子が搭載されているかをチェックしておきましょう。
また、ハイレゾ音源などデジタル専用の音楽ファイルも増えているため、音質を気にする場合もデジタル入力の有無が重要なポイントになります。
▼レコードなど接続機器に合う入力端子を選ぶ
幅広い音楽を楽しみたい人ほど注目しておきたい部分が、専用の入力端子に対応しているかどうかです。たとえば、レコードプレーヤーに接続するなら、アンプ側がフォノ端子に対応していなければいけません。
また、入力端子が多いほど同時にいくつもの機器と入力できます。アンプと接続したい機器が多い人ほど、搭載された入力端子の数や種類をチェックしておきましょう。
【2】ハイレゾ対応かどうかチェック
音質にこだわる人から注目されているのが「ハイレゾ音源」です。CDよりも高い音質を実現するハイレゾ音源ですが、アナログ出力をするときに音質が落ちてしまう場合があります。
そこでチェックしておきたいのが、デジタル信号をアナログ出力する「DAC」の有無です。DACが搭載されているともとの音質をキープしながらアナログ出力をするため、出力するスピーカーを問わずキレイな音質を楽しめます。
【3】パワーをチェック
プリメインアンプを購入する目的は、お気に入りのスピーカーを選び音楽を聴くこと、そして高音質へのこだわりでしょう。音質の目安になるスペックはアンプの出力の「W(ワット)」の数字で、大きいほど駆動力があり、大型スピーカーもしっかり鳴らせます。
また、再生できる低音から高音の音域幅をあらわす「周波数帯域」の数値が幅広いほど、定格上すぐれています。
ただし、聴感上の音のよさはスペックの数値ではあらわしきれない部分も多く、横並びで比較できない設計上の工夫や部品によるサウンドチューニングに左右されます。いわばメーカーの持つ独自の味があるので、商品説明やレビューを参考にして、自分の求める音楽性に合った製品を探しましょう。
【4】ワイヤレス機能をチェック
最近のプリメインアンプは、BluetoothやWi-Fiのワイヤレス機能を一体化したものもあります。
Bluetooth、Wi-Fi対応のメリットは、Bluetoothならスマホやタブレット、Wi-Fiではスマホアプリと連携して定額音楽配信からネットワークで音楽を再生できることにあります。
プリメインアンプは本来ほかの機器と接続するものですが、ケーブルの代わりにBluetoothやWi-Fiを使ってワイヤレスで繋ぎ、スマホがプレイヤーになる設計となっています。昔ながらのオーディオとしては邪道に見えるかもしれませんが、ゼロから買いそろえる人にはBluetoothやWi-Fi内蔵タイプはとても便利です。
【5】設置サイズをチェック
最後に、アンプを購入する際には設置サイズを確認しておきましょう。昔ながらのHi-Fiオーディオには「フルサイズ」と呼ばれる幅43cmの規格に則ったプリメインアンプも数多くありましたが、最近では古い規格にとらわれないデスク上に置ける小型サイズのプリメインアンプも増えています。
現代的なコンポーネントにとくに決まったサイズはありませんが、省スペースなモデルほど設置性がいいのは当然のことです。
一方、すでに幅43cmのオーディオ機器やシステムラックを所有しているなら、サイズのそろうフルサイズで選ぶと見た目にも統一感を出せます。
プリメインアンプおすすめ13選
前述してきた選び方をもとに、おすすめのプリメインアンプをご紹介します。
超小型のデジタルアンプ
デスクトップ上にかんたんに置ける幅わずか10.8cmの超コンパクトボディに、20WのデジタルアンプとアナログRCA入出力を各1系統のみ搭載と、ミニマムな機能だけを備えたデジタルアンプ。もともとはFOSTEXによる小型ハイレゾスピーカー「P804-S」との組み合わせを想定したプリメインアンプですが、他社製スピーカーも接続できます。
FOSTEXの音の特徴としては、味つけがなくモニター調。最低限の機能でデスク上の小さなスペースに置ける、そんなコンセプトで選びたい人向けです。
国内メーカー製フルサイズ入門
フルサイズのオーディオコンポーネントとして、入門から高級モデルまで幅広いプリメインアンプを展開しているヤマハのラインナップでも、もっとも手ごろなモデルが「A-S301」です。
YAMAHA(ヤマハ)の高級オーディオまで共通する「ToP-ART」思想にもとづく設計で、内部回路まで左右対称設計のパワーアンプ構成と本格派。CDプレイヤーやターンテーブルと組み合わせたHi-Fiオーディオを組みたい人向けです。「ナチュラルサウンド」と呼ばれる、ヤマハのしなやかで瑞々しい音質は、とくにポップ・ミュージックに合うサウンドと呼べるでしょう。
英国ブランドのプリメインアンプ
英国のオーディオブランドとして50年以上の歴史を持つCambridge Audio(ケンブリッジ・オーディオ)が発売している、フルサイズのプリメインアンプの入門モデル。プリメインアンプとしての構成はアナログ入力専用ときわめてオーソドックスな設計ですが、音質はやはりブリティッシュ調。音のとおりと粒立ちがいいサウンドで、ロックにはよく合います。
お手ごろ価格で英国ブランドのHi-Fiオーディオのシステムを組めるという満足感もあって、ハイコスパな機種を求める人向けです。
パワー感あふれる高音質プリメインアンプ
Hi-Fiオーディオとしてそこそこの価格でフルサイズのプリメインアンプでは、定番となっている機種。Hi-Fiオーディオブランドであるデノンのサウンドの特徴は、パワー感たっぷりの低音とともにワイドレンジに音を鳴らす迫力です。
入力端子はアナログRCAと光・同軸デジタルのスタンダードなものに加えてUSB DAC機能もあるので、PCと直結してハイレゾ・オーディオを聴く用途にも活躍します。ここまでの価格帯になるとサウンドの基本性能はもう十分。どんなジャンルでもエネルギーと迫力志向で聴きたい人におすすめです。
オートスタンバイ機能を搭載したコンパクトサイズ
先代モデルから大幅にアップデートし、歪率と残留ノイズ性能を改善した『AP15mk2』。
15W+15Wのデジタルアンプを搭載したコンパクトサイズのアンプは、自動で消費電力を抑えるオートスタンバイ機能を搭載しています。また、スタンバイモードに切り替わると、消費電力を0.5W以下に抑えてくれます。
Alexa・ワイヤレス・各種音楽配信サービス対応
4K Ultra HD対応・5入力1出力のHDMI端子を搭載した定格出力75W+75W(8Ω)の2chフルディスクリート・パワーアンプ。音楽配信サービスはAmazon Music、AWA、Spotifyなどに対応し、インターネットラジオやハイレゾ音源の再生にも対応しています。
また、ワイヤレスはBluetoothのほかWi-Fi、AirPlay 2に対応。Amazon Alexa対応で音声によるコントロールも可能となっています。
大人気モデル!ダイナミックな音が楽しめる
ラックスマンのロングセラーモデル『L-505uX』。ハイエンドな仕様ながらコストを抑えており、コスパ面でも好評なプリメインアンプです。ラックスマンオリジナルの帰還回路ODNFは、4.0を搭載。ダイナミックかつ繊細な音楽表現を実現しています。また、プリアンプの機能でも特に重要な音量調節機能では、独自の電子制御アッテネーターLECUAを採用。音質変化は最小限に、88ステップの音量調節が可能です。
Bluetoothやフォノ入力対応の多機能アンプ
アナログ入力、光デジタル入力、FMチューナー、Bluetooth接続などを備えており、さまざまな機器につないで音楽が楽しめます。フォノ入力では、「フォノボリュームオフセット(フォノ音量調整機能)」を搭載。再生機器間の音量差を自然に調整してくれます。広帯域でノイズを抑えた「リニア広帯域パワーアンプ」搭載で、低音から高音まで豊かで重厚な音を再現。スピード感があってエネルギッシュな音が楽しめるでしょう。
本格的機能が人気!デノンのエントリーモデル
エントリーモデルながら、Bluetooth対応、ハイレゾ対応DAC搭載で、本格的機能と高音質を兼ね備えた『PMA-600NE』。オーディオ初心者にもおすすめのプリメインアンプです。「Advanced HCシングルプッシュプル回路」採用で、クリアで濁りのない音を再現します。NEシリーズの上位モデルにも搭載されているパーツ、劣化しにくい金メッキ端子を使用しているので、長期間安定して高音質が楽しめるでしょう。
PMシリーズの上位モデル!ダイレクトな音が魅力
マランツでも人気のPMシリーズで、『PM6006』の上位モデルです。ダイナミックで臨場感のある音にこだわりたい方におすすめ。「電流帰還型増幅回路」採用で、ハイスピード、高S/N、低歪率が特徴です。電子ボリューム搭載で、アナログボリュームの使いやすさはそのままに、空間表現力が大きく向上しました。また、新開発のフォノイコライザー「Marantz Musical Phono EQ」搭載で、アナログならではのリッチな高音質を実現しています。
スピード感と躍動感のあるサウンドが魅力
ソウルノートオリジナルの「完全無帰還のディスクリート回路」を採用し、細部にわたるまで徹底的に再検証を実施。スピード感と躍動感のあるリアルなサウンドを実現しています。音量調節には「リレーアッテネーター方式」を採用。左右のギャングエラーをなくし、小音量時でも高音質が楽しめます。高級感のある外観にもこだわっており、フロントパネルには15mmの厚さのアルミパネルを使用。飽きのこないデザインで、長い間愛用できるでしょう。
コンパクトで扱いやすい
マランツは、1953年に米国で創設されたオーディオ機器の大きな会社で、真空管やトランジスタ、時代にも常に評判の良い音響製品を世に送り出しています。今もなお多くのファンを持つメーカーです。また洗練されたアルミのデザインがかっこよく光っています。ボタンや周りの木目調も特徴的なので、部屋のおしゃれなインテリアにも抜群です。
コンパクトなデザイン
こちらのアンプには、アナログ指針式のメーターが搭載されています。信号のレベルに合わせて振れるメーターは、クラシカルな音響機器の雰囲気を醸し出しスタイリッシュさが増しています。またメーターの明るさは4段階あるので、その日の気分によって変えられます。また、トグルスイッチの採用によって操作しやすくなっているなど、細部までこだわりが感じ取れます。
おすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトのランキングを見る プリメインアンプの売れ筋をチェック
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※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
Hi-Fiオーディオの歴史は長く、個別のコンポーネントを自分で選ぶことを前提で細分化された製品が多数あります。オーディオアンプを探そうとしても、どれを揃えれば音楽を流せるかもわかりにくいものです。
また、音楽の聴き方は時代とともに変化していて、音楽CDを再生する環境は揃えられても、定額音楽配信やスマホの音源を再生できる環境を揃えるのは大変です。
そんな選びにくさを一気に解決する方法として、入門用にはBluetoothやWi-Fiに対応したプリメインアンプがおすすめです。あとは相棒となるスピーカーを購入して、自分だけのオリジナルHi-Fiオーディオシステムを作りあげましょう。
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「家電・オーディオ」「パソコン・スマホ」「カメラ・ビデオカメラ」カテゴリーを担当する30代編集者。炊飯器を調べたのがきっかけで、家電やガジェット周りに興味が広がる。日々、ネット・雑誌から新商品をチェックするため、欲しい家電が増えすぎてしまう。現在はドラム式洗濯機購入のため貯金中。