AVアンプの選び方
それでは、AVアンプの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の6つ。
【1】音質に違いがある「対応フォーマット」
【2】対応サラウンドフォーマット
【3】臨場感を左右する「チャンネル数」
【4】接続する機器に合わせた「入出力端子」
【5】設置場所を想定したサイズ
【6】自分が欲しい機能があるかどうか
上記のポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】音質に違いがある「対応フォーマット」を確認
AVアンプで扱うフォーマットにはいくつかの種類があります。
まず、2チャンネルのステレオオーディオについては、デジタル入力の対応フォーマットをチェックしておきましょう。代表的なものはCDのPCMですが、このほかにSACDなどで使われるDSDや、CDと同じPCMでも高サンプルレートのハイレゾ音源などがあります。音楽を高音質で楽しみたいなら、これらのフォーマットに対応しているものを選びましょう。
映画やゲームで使う5.1チャンネルや7.1チャンネルといったマルチチャンネルのサラウンド音声については、おもにDolby DigitalとDTSの2つがあり、どちらも複数のバージョンがあります。バージョンによる大きな違いはチャンネル数ですが、音質も異なることがあります。
たとえばブルーレイに採用されている高音質の音声規格に対応し、192kHz/24bitの音声を再生できるのは、Dolby DigitalならDolby TrueHD、DTSならDTS-HD Master Audioよりも新しいバージョンです。サラウンドについても音質を重視するなら、これらの点もチェックしましょう。
【2】対応サラウンドフォーマットを確認
映画やゲームのサラウンド音声を楽しむAVアンプの最新トレンドは、劇場映画で採用例が増えている「Dolby Atmos」「DTS:X」といった立体音響技術。立体音響技術では、音の空間情報にオブジェクト方式を採用し、頭上から聴こえる音の情報も収録しています。
AVアンプを使った本格的なホームシアターでは、高さ方向を再現する天井スピーカーを含めた5.1.2chのようなスピーカー構成とすることで、劇場さながらの立体音響を再現。ほかにもいくつかの新方式が登場しています。
【3】臨場感を左右する「チャンネル数」を確認
映画やゲームで臨場感ある音声を楽しむには、マルチチャンネルのサラウンドが欠かせません。そのためには、出力できるチャンネル数もチェックしておきましょう。
前述のDolby DigitalやDTSでは、前方の左右と後方の左右、前方中央、そして低音専用のウーハーを使う5.1チャンネルを基本として、後ろの中央を追加した6.1チャンネルのDolby Digital EXやDTS-ES、左右2つを追加した7.1チャンネルのDolby Digital PlusやDTS-HD High Resolution Audioなどがあります。スピーカーの数が多いほど前後左右から音に包まれ、音が斜め前から後ろに通過していくなど、リアルで臨場感ある音声を楽しむことができます。
最初はステレオの2チャンネルからスタートして、あとからスピーカーを追加してサラウンドシステムを構築することもできるので、予算が許すならできるだけチャンネル数の多いものを選ぶとよいでしょう。
【4】接続する機器に合わせて「入出力端子」を確認
接続する機器の出力端子を確認して、対応する入力端子を備えるAVアンプを選びましょう。
BDプレーヤーや4Kチューナーと接続するときに使われるHDMIは、複数装備する製品がほとんどです。ただしHDMIは多くの家電製品で使われているため、あとからゲーム機などを接続したくなることも想定して、数に余裕があるものを選ぶのがベターです。
また、CDプレーヤーなどのデジタル音声出力には、光と同軸の2タイプがあります。手持ちのプレーヤーがどちらを備えているかを確認して、同じタイプのものを選びましょう。なお光デジタルには角型と丸型がありますが、これは変換コネクタなどで対応できます。
カセットデッキなどのアナログ機器ならRCA端子(ピンジャック)が一般的です。またレコードプレーヤーを使いたいなら、PHONO端子の有無もチェック。これがあれば、PHONOイコライザーを用意しなくてもレコードプレーヤーを直接接続することができます。
【5】設置場所を想定してサイズを確認

Photo by Tom Jablonski on Unsplash

Photo by Tom Jablonski on Unsplash
置きたい場所に置けるかどうか、サイズの確認も必要です。AVアンプの多くは横幅が43~44cm、高さが15~17cmとなっています。
AVラックなどを使う場合は、ほとんどの場合問題なく収められますが、これよりも高さのある製品もあるので注意してください。「薄型アンプ」と呼ばれる背の低い製品もあるので、設置場所が限られる場合はこういった薄型タイプから選ぶとよいでしょう。
【6】自分が欲しい機能があるかどうかも確認
AVアンプには、多彩な機能を持つ製品も数多くあります。たとえばBluetoothやWi-Fiといったワイヤレス接続に対応していれば、スマホやタブレットなどのBluetooth対応機器や、Wi-Fi対応のPCなどに収録した音楽を、配線をせずに再生することができます。
DLNA対応なら、LAN経由でさまざまな機器を接続でき、リビングにいながら別の部屋にあるCDプレーヤーの音を聞く、といった使い方ができます。
また、サラウンドシステムを構築する場合に、数多くのスピーカーを最適な位置に配置するのは面倒ですが、最適な音場になるように自動調整してくれるものもあります。ただし機能が豊富な製品は高価になりますし、自分にとっては不要な機能が含まれている場合もあるでしょう。
CDやDVDプレーヤーを再生できればよいという人ならワイヤレスは不要ですし、AV機器をひとつの部屋にまとめて置いているならDLNAはほとんど使わないでしょう。このように、使い方に応じて自分に必要な機能を絞り込み、最適な製品を選んでください。
AVアンプおすすめ2選|5万円以下
まずは、できるだけコストを抑えてAVシステムを構築したいという人におすすめしたい低価格な製品を紹介します。
自動音場補正機能を搭載する5.1chアンプ
HDR10やHLG、Dolby Visionなどに対応し、4Kコンテンツを高音質、高画質で視聴できる5.1チャンネルのアンプ。HDCP 2.2パススルー機能で4K放送にも対応します。
使用する部屋の音響特性を自動的に測定して補正する、独自の自動音場補正機能を搭載。室内の広い範囲で自然なサラウンドを楽しめます。サラウンドスピーカーがなくても、フロントスピーカーだけで仮想的にサラウンド音場を再現する機能も搭載しています。
同社のテレビ「ブラビア」ユーザーなら、入力切替や音質などの設定は、テレビのリモコンを使って画面上で行なえます。このほかBluetoothに対応、圧縮音源の高域信号を補完する「オーディオエンハンサー」も搭載しています。
高音質で8K Ultra HDにも対応
上位モデルの高音質設計を利用し、リーズナブルな価格でありながら、しっかりとした性能を備えています。
映像フォーマットは4K/120Hzだけでなく8K Ultra HDなどにも対応し、お持ちのモニター次第でキレイな映像を高音質で楽しめますよ。Bluetooth機能やスマホ対応のリモコンアプリも搭載し、使い勝手もバッチリ。
「セットアップアシスタント」機能も付いているので、機械の操作が苦手な方でも比較的簡単に設定することが可能です。
AVアンプおすすめ2選|5〜10万円
続いては、価格がちょうどいいスタンダードタイプの商品です。もう少し機能が欲しい、という人はこのクラスが狙い目。多彩なサラウンドに対応、豊富な機能を持つスタンダードなタイプのAVアンプをご紹介します。
最新のサウンド技術に注目!
Dolby AtmosとDTS:Xに対応し、最新の解像度の高いサウンドを楽しめるモデル。HDMIは8K/60Hzと4K/120Hzの映像信号に対応するHDMI入力を3系統、出力を2系統備え、音響・映像ともにハイクオリティな仕上がりです。
部屋の空間に合わせて、適切に調整を行う音場補正技術「Audyssey MultEQ XT」を採用しているので、AVアンプに不慣れな人でもきっと満足いく製品です。
初心者から中級者まで満足する逸品!
最新の機能と高音質でコストパフォーマンスの高いモデル。Dolby AtmosやDTS:Xに対応しており、立体的な音響を楽しめるのが魅力的です。また、「Audyssey MultEQ XT」という音の補正技術を搭載し、設置した部屋に最適な調整を自動で行ってくれます。
立体的な音響で、映画やゲームの臨場感もさらにアップしますよ。AIアシスト機能と組み合わせた音声操作にも対応しており、非常に便利な一台です。
AVアンプおすすめ3選|10万円以上
最後は、サラウンドサウンドを思い切り楽しみたいという人におすすめしたい、多彩なスピーカー構成や最新の3Dサラウンドに対応するハイエンドのAVアンプをご紹介します。
独自の立体音響技術による圧倒的な臨場感
立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」により、空間全体に音が反響することで映像の中に入ったかのような臨場感を体験できます。
また、映像フォーマットも8KやHDR、4K120Hzに対応しており、映画やゲームなどをよりキレイな映像で楽しむことが可能です。さらにソニーのテレビと接続してテレビとセンタースピーカーの両方から音を出せる「アコースティックセンターシンク」という機能にも対応。
家庭用ゲーム機との接続もできるので、ゲームをさらに快適に楽しみたい方にもぴったりです。
9chのアンプにより臨場感抜群の音響体験を実現
9chのアンプを搭載したことで、空間全体に音が響くような体験を実現。また、HDMIによる接続も入力6系統と出力2系統と使い方の幅が広く、テレビとプロジェクターそれぞれに接続して使い分けるといったスタイルも可能に。
さらにこちらは「Dirac Live」という補正機能にもアップデートで対応予定。部屋の中の反射や位置のずれによる音の遅延も補正するようになりますよ。
AIによる分析で最適な音場効果を発揮
ヤマハ独自のサラウンド機能「SURROUND:AI」を搭載した高性能なAVアンプ。AIが再生中のコンテンツ内のさまざまな音の要素を分析し、各場面で最適な音場効果を発揮できるよう自動調整してくれます。
さらに演算処理の精度が向上し、よりノイズが抑えられた臨場感のある音響を実現。人気の高い「AVENTAGE」シリーズを基準にしたハイクオリティな製品ながら、シリーズの中では比較的お手頃価格なのも嬉しいポイントです。
「AVアンプ」のおすすめ商品の比較一覧表
【ランキング】通販サイトの最新人気! AVアンプの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのAVアンプの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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【まとめ】自宅での映画鑑賞をさらに楽しく!
本記事では、AVアンプの選び方、そしておすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?商品を選ぶ際は、下記の6つのポイントを抑えておきましょう。
【1】音質に違いがある「対応フォーマット」
【2】対応サラウンドフォーマット
【3】臨場感を左右する「チャンネル数」
【4】接続する機器に合わせた「入出力端子」
【5】設置場所を想定したサイズ
【6】自分が欲しい機能があるかどうか
上記のポイントを抑えることで、より使いやすいAVアンプを選べるはずです。
音を増幅させる働きを持つAVアンプ。自宅で映画などをさらに楽しめます。さらにゲームや音楽鑑賞などでも活躍するため、幅広く活用できるアイテムです。ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
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「家電・オーディオ」「パソコン・スマホ」「カメラ・ビデオカメラ」カテゴリーを担当する30代編集者。モノを極力持ちたくないミニマリストで、趣味は断捨離。とはいえ、最新ガジェットには興味津々で、多機能な家電に目がない。