インクの種類を解説
ゴム印やスタンプを押すときの必需品「スタンプ台」ですが、スタンプ台に欠かせないインクにもさまざまな種類があります。
インクの種類は、油性顔料系インク、油性染料系インク、水性顔料系インク、水性染料系インク、と、大きく分けて4つあります。速乾性にすぐれたもの、紙に押してもにじまないものなど、インクにも特色がありますので、まずはインクの種類について解説していきます。
油性顔料系インクのスタンプ台
油性顔料系インクのスタンプ台は、表面加工がほどこされていない普通紙に向いていて、乾きが早いのが特徴です。油性ですから、押したインクも水に流れにくくなっています。顔料系のインクは退色に強く、スタンプの文字を長くきれいなまま残したい場合に向いています。
おもにビジネス用のスタンプに使われます。乾きが早いので、スタンプを押した紙を重ねても他の紙にうつりにくいタイプのインクです。
油性染料系インクのスタンプ台
油性染料系インクのスタンプ台は、表面に光沢がある紙に押しても乾きが早いのが特徴です。ポスターやカタログのように、表面がツルツルした紙に押すのに向いています。水に強く、多少の雨などがあたっても色が落ちにくいインクです。しかし、耐光性の面で油性顔料系のインクに劣り、光に長い時間当てると色があせてしまうおそれがあります。
油性染料系インクのスタンプ台も事務用としてよく使われ、カタログやハガキに住所や会社名などを押すのに便利です。
水性顔料系インクのスタンプ台
水性顔料系インクのスタンプ台は、水性なので乾くのに時間がかかります。にじみが少なく、和紙などの目の粗い紙や感熱紙・ノンカーボン紙に押すのにも適していて、乾けば水に流れにくくなります。
顔料系なので耐光性にすぐれ、退色しにくいのも特徴です。
水性染料系インクのスタンプ台
水性染料系インクのスタンプ台も、乾くのに時間がかかります。インクの浸透性が高いので、浸透しにくいアート紙・コート紙・トレーシングペーパーなどに押すのに向いています。
水性染料系インクは、耐光性が弱く、光に長時間当てると色あせする可能性があります。水性染料系インクのスタンプ台は色鮮やかに押せるのですが、最近ではあまり使われなくなっているようです。
スタンプ台の選び方
ゴム印やスタンプを押すときのアイテム「スタンプ台」。事務の書類等だけでなく、カードをデコレーションしたり、布や金属にスタンプしたり、さまざまなシーンで活用できます。
この記事では、文具ソムリエールの菅 未里さんに、スタンプ台を選ぶときのポイントを教えてもらいました。ぜひ参考にしてみてください。ポイントは下記4点。
【1】何にスタンプしたいのかチェックする
【2】スタンプの完成イメージから選ぶ
【3】サイズで選ぶ
【4】そのほかのチェックポイント
それでは解説していきますので、チェックしていきましょう。
【1】何にスタンプしたいのか、しっかりチェックする
文具ソムリエール
最初にチェックしなければいけないのは、何に対してスタンプを押すか、です。スタンプが押せるのは紙だけではありません。プラスチックや金属に使えるスタンプ台もあります。
紙に使うなら、インクの種類にこだわる必要はありませんが、金属やプラスチックに押すならば、顔料系など特殊なインクを選ばなければいけません。
パッケージに用途が書いてある場合が多いので、よく見てみましょう。
【2】スタンプの完成イメージから選ぶ
文具ソムリエール
次に、インクの色を選びましょう。赤や黒などの単色がいいのか、それとも複数色にするかです。
今は複数の色をひとつにまとめたスタンプ台もあり、スタンプにインパクトが生まれますので、ぜひ検討してみてください。
複数色の場合には、個々の色が分かれているタイプと、分かれておらずグラデーションになっているタイプとがあります。
【3】スタンプ台のサイズは購入前にチェックして
文具ソムリエール
意外と重要なのが、スタンプ台のサイズです。同じスタンプ台なら小さいほうが安価ですが、スタンプ台がスタンプの印面(インクをつける面)よりも小さい場合があります。
この場合、スタンプを固定して、そこにスタンプ台をポンポンと押し付ければいいのですが、スタンプ台が印面より小さい場合には、インクをつける作業に時間がかかります。
慣れていない方がスタンプ台を買う場合には、スタンプ台のサイズが使うスタンプの印面より大きいと手間がかからず、手軽に使えます。
【4】そのほかのチェックポイント
スタンプ台を選ぶうえで、そのほかのチェックポイントもご紹介します。
ゴム印とインクの相性をチェック
実は、ゴム印とインクには相性があります。ゴム印に使われるゴムには数種類あり、たとえば、赤ゴムや白ゴムは油性タイプのインクに弱く、長く使い続けると文字の部分は溶けてしまうことがあります。そのため、水性タイプにしておくのが◎。
一方、耐油性のあるゴム印なら、油性タイプのインクでも問題なく使い続けられます。
補充インクの確認
ずっと使っていくと次第にインクが減ってきます。そうなるとインクを補充することになりますが、色ムラの原因等にもなるので、同じ種類のインクを補充する必要があります。
なお、インクの種類によっては、販売していない店舗もありますし、取り寄せ等で時間がかかる場合もあります。そのため、すぐに補充インクが購入できる、手に取りやすいスタンプ台がおすすめです。
スタンプ台おすすめ12選
うえで解説したスタンプ台の選び方のポイントをふまえて、文具ソムリエールの菅 未里さんと編集部で選んだ、おすすめ商品をご紹介します。





プラスチックや金属にも押せるすぐれもの
シヤチハタから販売されている大型の黒の強着スタンプ台です。プラスチックや金属・木材・革製品にも使えます。印面が広いので、大きめの住所印などを押すのにも便利。
油性顔料系インクを使用しているため、雨や水にも強く、屋外のガーデニング用品に押しても消えにくくなっています。子どものプラスチック製の学校用品や、表面がツルツルした教科書などに名前スタンプを押すのにも向いています。
朱肉と黒がひとつになった乾きやすいスタンプ台
はんこやスタンプ台を作っているサンビーから販売されている、朱肉と黒色のスタンプ台がひとつになった画期的な商品です。厚さが12mmというシンプルな薄型デザインのスタンプ台で、捺印後3秒で乾く速乾性タイプ。
フタもフラットに開くので、オフィスでも使いやすいように設計されています。朱肉と黒のスタンプ台を仕事でもち歩く方も、これひとつをバッグに入れておけばいいので、使いやすく便利です。
乾きやすい油性スタンプ台
はんこやスタンプ台を作っているメーカー・サンビーの黒の油性顔料系のスタンプ台。不揮発性なので、フタを開けておいても乾きにくいという便利な商品です。
普通紙・PPC用紙などに押したインクは3秒で乾き、にじみにくく鮮明にスタンプを押すことができます。アート紙・コート紙には不向きですが、耐水性・耐光性にすぐれ、スタンプの文字も長くきれいな状態をたもてます。
布や和紙にも押せる! 色の種類が豊富なスタンプ台
ホビークラフト用スタンプパッドで有名なツキネコの商品。この「バーサクラフトL」は、印面も広く、布や木、和紙などにも押せるスタンプ台です。24色ものきれいな色がそろっています。
布に押したあと、15秒以上アイロンで熱を加えると、洗濯しても色落ちしにくくなります。子どもの体操着などに名前スタンプを押すのにも向いています。紙に押して、エンボスヒーターでエンボス加工をほどこすこともできます。
光沢紙にも使える! 速乾の黒のスタンプ台
「カタログやチラシなど表面がツルツルした紙に、たくさんスタンプを押したい」とお考えの方に便利な商品。シヤチハタから販売されている、光沢紙に向いているスタンプ台です。もちろん普通紙にも使えます。
約1分で乾く速乾タイプで、ポスターやカタログなどにも手早く捺印できます。乾いたら水にぬれてもにじまないというすぐれもの。仕事でたくさん黒のスタンプを使う方に向く商品です。
一家に一台あると便利! 弔事用薄墨スタンプ台
香典袋の表書きに便利な薄墨の弔事用スタンプ台です。会社や家庭にひとつあると非常に重宝する商品。筆で文字を書くとにじんでしまうこともありますが、このスタンプ台はにじむことがなく、簡単できれいに押すことができます。
耐水性・耐光性にすぐれていて、少々の雨に濡れても大丈夫。アート紙、コート紙のような光沢のある紙には向きませんが、普通の香典袋にはきれいに文字を押すことができます。
不透明性インクとインク台のセット
インクを吸収しない面にも使えるオールマイティーな商品。不透明性インクとインク台がセットになっていて、使用するときにインクをインク台にしみ込ませてから使います。使い終わったら、スタンプは別売りの「ステイズオンクリーナー」で掃除する必要があります。
コットンホワイトのほかにもベビーブルー、ブラッシュピンクなどパステルカラーもそろっていて、子どもの靴やプラスチック製品などに名前スタンプを押すのにも向いています。革製品にイニシャルや名前を押したいときにも使えます。
「スタンプ台」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スタンプ台の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのスタンプ台の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
文具ソムリエールからアドバイス
文具ソムリエール
紙以外にも押せるスタンプ、ただしサイズには要注意
実は、スタンプは紙以外にも押せるのです。色もカラフルになっていますし、多色やグラデーションモデルもめずらしくありません。ほかにも、キラキラしたラメ入りタイプなども作られています。慣れていない方は、購入の際に必ずサイズを確認してください。
また、力を入れすぎて、インクが余分につき失敗してしまう場合もありますよね。その際にはスタンプ台を動かし、印面を確認しながらインクをつけることで解決します。印面よりも小さなスタンプ台を購入してしまった場合は、スタンプ台を動かしてインクをつければ無駄になりません。
そのほかのスタンプ関連の記事はこちら
便利なスタンプ台を選んで、生活を便利にしよう
文具ソムリエールである菅 未里さんへの取材をもとに、スタンプ台の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。いかがでしたか?
スタンプは子どもの学用品に名前を押したり、手紙やカードを華やかにしたり、オフィスで使ったり、日常生活に密着しているものです。お気に入りのスタンプ台を選んで、毎日の生活のなかで活用してください。
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大学卒業後、文具好きが高じて雑貨店に就職し文房具売り場担当となる。 現在は、商品企画、売場企画、文房具の紹介、コラム執筆、企業コンサルティングなどの活動を行っている。 著書に『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)『文具に恋して。』(洋泉社)『仕事が効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)