トラックボールとは 疲労軽減や省スペースに!
トラックボールは見た目のデザインでもわかる通り、マウスにトラックボールが付属しているマウスになります。一般的なマウスは手を動かすことでカーソルを移動させますが、トラックボールは指先でボールを回転させる操作になります。
そのため、一般的なマウスに比べて長時間の作業でも疲れにくい特徴があります。また、スペースを必要としないので場所をとらないことも魅力のひとつです。
使いこなすためには慣れることが不可欠ですが、慣れてしまうと作業の効率化が期待できます。
トラックボールの選び方 Bluetooth対応、機能割り当て、人差し指タイプほか操作方法
トラックボールマウスを選ぶときのポイントをご紹介します。
ボールの位置と操作する指で選ぶ
トラックボールを選ぶときは、どの指で操作をするか考えて選びましょう。操作する指によって適したボールの位置も変わってきます。その点に注意して選ぶことが大切です。
マウス感覚で操作しやすい「親指タイプ」
トラックボールをマウス感覚で操作したいのであれば、親指で操作するタイプがよいでしょう。親指で操作するタイプは、マウスに近いかたちをしており、側面にトラックボールがついています。マウスを使い慣れている人は、違和感なく使えるのがポイントです。
ただし、親指に負担がかかりやすくなるので、適度に手を休ませるなどして負担をやわらげましょう。
左利きの人も使いやすい「人差し指タイプ」
左利きの人でも使いやすいのが、中央にボールがある人差し指タイプです。左右対称に作られているものが多いので、利き手を問わず快適に使用できます。
人差し指や中指で操作するため可動域が広いのもポイント。カーソルを大きく動かしやすい一方で、左クリックを親指で行なうためマウスに慣れた人は慣れるまでに時間がかかることがあります。
大きく動かしやすい「手のひらタイプ」
カーソルを大きく動かしたいのであれば、手のひらでボールを操作するタイプがよいでしょう。手のひらや指の腹でボールを転がすことで、スムーズに大きくカーソルを動かせます。
かたちが左右対称のものも多く、利き手を問わず使えるのもポイント。しかし、マウスとは使い勝手が異なるため、慣れないうちは使いにくさを感じることもあるでしょう。
指先で操作するものが使いやすい
トラックボールは、操作するボールの位置によって大きく分けて3タイプあります。
基本は、手のひらで大きなボールを操作するタイプで、ボールは直径50mm以上ある、ずっしりしたタイプになります。このタイプは手首を多少動かす必要がありますが、デザインが左右対象のものが多く、右利きでも左利きでも利用可能。
次に、人差し指(および中指)で操作するタイプで、これはボールが左に寄っている右利き専用機と、左右対象な両利き用に別れます。指先だけで操作できるので、手首への負担は減りますが、多ボタンタイプは右利き用のみ。
最後に、親指で操作するタイプの製品で、こちらも右利き専用です。人差し指用と同様に指先だけで操作できますが、スクロールホイールが付くなど、よりマウスに近い操作感の製品が多い傾向にあります。
いずれも根強いファンがいるタイプであり、優劣は付けにくいですが、左利きでなければ指先操作型のほうが使いやすいでしょう。
接続インターフェースで選ぶ USBまたはBluetooth接続対応が主流
トラックボールの接続は主にUSBまたはBluetoothで行います。
Bluetoothの場合、ケーブルがないので配線がすっきりし、設置場所の自由度も高まりますが、電池を入れ替えたり、充電する手間がかかります。USBの場合は充電の手間はかかりませんが、最近のUSB Type-CポートしかないノートPCなどで使う場合、製品に付属するケーブルがType-Cに非対応だと、USBハブなどを別途用意する必要があります。また、中には無線ではあるもののBluetoothではなく独自形式を採用しているタイプもあり、パソコン側にUSB接続のアダプターを付ける必要があります。
最近は高性能な製品ほどBluetoothに対応している傾向が強く、汎用性という点でも多くの機器で利用できるので、パソコンが対応しているなら、Bluetooth接続のモデルを選んでおけばいいでしょう。
レシーバーが本体に収納できるものを選ぶ
ワイヤレスのトラックボールを選ぶときは、レシーバーが本体に収納できるものを選ぶとよいです。レシーバーは小さく、失くしてしまいやすいもの。持ち歩きの最中に、カバンのなかで行方不明になってしまうと厄介です。
その点、レシーバーを本体内に収納できるものであれば、レシーバーを紛失するおそれがありません。トラックボールを持ち歩いて使う際はとくに、レシーバーが本体に収納できるものを選んでください。
ボタン数や機能で選ぶ 機能割り当てが便利
シンプルなトラックボールは2ボタン構成が基本ですが、高度な製品になると、ボタンが増えたり、スクロールホイールなどが付いています。
たとえば、ボタンの数が多ければ、OSの基本機能(クリック、右クリック)に加えて、付属のソフトウェアでブラウザの「進む」「戻る」など特定の機能を割り当てることもできますし、スクロール機能についても、上下だけでなく左右へのスクロールができるなど、単にカーソルを動かすだけでなく、効率よく作業するために付加機能が使えるものがあります。また、手首への負担を減らすため、角度を変えられたり、着脱可能なパームレストが付属しているものもあります。
パソコンを操作する時間が長いほど、体への負担が腱鞘炎(けんしょうえん)や肩こりといったかたちで現れやすくなりますが、高機能なトラックボールには、こうした負担を軽減してくれる効果も期待できるのです。
カーソル速度が調節できるものを選ぶ
画像編集などこまかい作業をする人は、カーソル速度が調節できるものを選びましょう。カーソル速度は、dpiという値で表されます。とくに用途が決まっていないのであればあまり気にする必要はありませんが、ち密な作業が求められる際は速度を調整できるもののほうが、こまかい作業がしやすいです。
最近は、ボタンひとつで速度を切り替えられるものもあるので、その点にも注目して選んでみてください。
ボールの掃除のしやすさ、メンテナンス面にも注目 ITライターからのアドバイス
ITライター
トラックボールは読み取りに使用するボールを直接手で触るため、どうしても手の脂などでボールが汚れてしまいます。今は直接読み取り機構が汚れることは少ないのですが、ボールが汚れると滑りが悪くなり使いづらくなります。定期的にボールを外して、ボールそのものを中性洗剤で洗ったり、ボール受けになっている部分を拭き取ったりと、メンテナンスが必要です。
ほとんどの製品は裏側に穴が開いており、ここからボールを突き出すことで外せますが、穴が小さめだとペンや棒などが必要になります。一方、大型ボールを搭載したモデルでは、上からボールを持ち上げるだけで外せるものもあります。なお、ボールそのものはサイズが合っていれば、たとえば大理石や水晶などを削ったものでも利用可能です。ただし、読み取り方式によっては、素材を選ぶことがあるので注意しましょう。レーザー方式は光学式よりもかなり多くの素材に対応します。
トラックボールおすすめ19選 人気のロジクール、ケンジントン、エレコムほか
ここまで紹介したトラックボールマウスの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。
角度調節も可能な親指トラックボール
ロジクールは親指で操作するタイプのトラックボールを長く販売していますが、その最新版がこの「MX ERGO」です。手首への負担を減らすため、20度の角度が付けられていますが、角度調整ヒンジを使うことでスタンダードな0度にも設定できます。
ボタンは8つ付いているほか、左右へのチルト(傾け)も可能なスクロールホイールも付いており、カスタマイズしてひじょうに多彩な機能を割り当てられます。
接続はBluetoothまたは、同社独自のUnifying(レシーバーは本体に付属)で、2台のPC間で切り替えて使用できる「FLOW」機能にも対応。複数のPCを使っている人にも便利です。欠点は右利き専用の配置なので、左利きの人には使いづらいこと。
ハイエンドモデルだけに高価ですが、慣れると便利な一台です。
シンプルな入門用トラックボール
ケンジントンの入門用トラックボールが「Orbit」シリーズです。
接続はUSB(Type A)で、Type-Cしかないパソコンで使うには変換コネクターかハブなどが必要になります。正中線にボールがある左右対象タイプではありますが、手のひらでボールを操作するExpertMouseと異なり、Orbitシリーズは直径40mmの中型ボールを人差し指と中指で操作するタイプになります。
ボタンは左右に1つずつですが、ボールの周りにスクロールリングが付いており、ページのスクロールはこれでスムーズに行えます。Orbitシリーズにはさらにスクロールリングもないタイプがありますが、ウェブブラウザーなどを使うなら、やはりスクロール機能はあったほうが便利なので、こちらがおすすめです。
価格も安いので、トラックボールの入門機として最適な一台です。
人差し指で軽く操作の8ボタントラックボール
国内のパソコン用周辺機器メーカーであるエレコムも、トラックボール製品を販売しています。
人差し指タイプと親指タイプの両方を販売しており、ラインナップも多彩です。この『M-DT1DRBK』は、人差し指タイプのワイヤレス接続トラックボールのスタンダードモデルに相当します。接続は独自形式で、USB接続のレシーバーが付属します。また有線モデル『M-DT1URBK』もあります。
ボールの直径は34mmですが、比較的軽めで、人差し指でも軽快に操作できます。ボタン数は8つあり、スクロールホイールを含めて10種類の機能を登録できます。ボールが軽めな方が使いやすいと感じる人向けの機種になります。
巨大なボールが特徴的なトラックボールの決定版
トラックボール製品を古くから販売し続けている米ケンジントン社が販売する、ハイエンドなトラックボール。名前がマウスなので少しややこしいですが、直径55ミリと巨大なボールを見ればマウスと間違えることはないでしょう。
高精度な光学センサー「ダイヤモンドアイ」により、正確な操作が得られるとともに、ボールの周りに配置されたスクロールリングでページの閲覧も快適になります。接続はBluetoothまたは独自形式のどちらも利用でき、独自形式用のレシーバーは本体に内蔵可能です。左右対象なので右利きでも左利きでも問題なく使え、4つの大きなボタンには付属のTrackballWorksソフトでさまざまな機能を割り当てられます。
また、付属のパームレストをつければ、手首への負担も最小限に抑えられるなど、トラックボールを知り尽くした老舗ならではの配慮も万全。大玉派のトラックボールユーザー向けのゴールといえる製品です。
「トラックボール」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする トラックボールの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのトラックボールの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
トラックボールのお手入れ方法 快適作業を!
トラックボールは、しばらく使っていると滑りが悪くなります。ボールを回転させてもつまったような感じで操作がしにくくなるはずです。
トラックボールの構造上、ボールと本体のすき間に汚れが付着します。快適に作業するためには、定期的にお手入れをしてあげましょう。
お手入れ方法は簡単です。マウスの裏面からボールを押し出して中の支持球をティッシュや布で吹き上げるだけです。必要があれば、エアダスターでほこりを取り出してあげましょう。
そのほかのマウス関連の記事はこちら 【関連記事】
デスクワークを快適に
トラックボールのおすすめ19選をご紹介しました。
デスクワークを快適にして、作業の効率化に最適のトラックボールですが、疲労軽減やボタン切替など機能もさまざまあります。
この記事を参考にして、あなたに合ったトラックボールを選んでくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
大学在学中よりパソコン総合誌、Windowsプログラミング誌、Mac専門誌の記者/編集者として活動し、その後輸入自動車やカーナビ等のマニュアル翻訳/制作などを経て、フリーランスとして現在に至る。 キャリアは25年目に突入。専門はアップル製品だが、WindowsもAndroidも周辺機器もソフトも等しく愛する何でも屋。