輪行とは
輪行(りんこう)とは、鉄道や船、飛行機などの公共交通機関を利用し、手荷物として自転車を運ぶ手段のことをいいます。もとは競輪選手が自走では行くことができない遠くの競技場へ移動する際、自転車を列車に持ち込んだことから生まれた言葉のようです。
今では選手だけでなく、サイクリングを愛好する人の間にも広まっている輪行。自転車で走れる距離には限界がありますが、輪行なら自宅から遠く離れた街や自然のなか、さらには海外でも乗り慣れた自分の自転車で走りを満喫できるとあって人気がますます高まっています。
サイクリストの活動範囲を大きく広げてくれる輪行ですが、利用する際は各交通機関の規定を確認する必要があります。大きさや袋の素材など、輪行に関するルールがこまかく設定されていることもありますので、事前に各社のホームページなどで必ず確認するように心がけましょう。
輪行袋の選び方
それでは、輪行袋の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】移動手段
【2】用途に応じた形状(縦型・横型)
【3】ホイールポケットの有無
【4】スペック
上記の4つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】移動手段をチェック
輪行袋を大きく分けると、電車利用を前提とした軽量タイプと飛行機用のバイクケースの2種類があります。傷や破損を嫌うのであれば飛行機用のハードケースが理想ですが、滞在型の旅行以外では現実的とは言えません。
ナイロン製の輪行袋にはロードバイク、ツーリング車&MTB、折りたたみ車用があり、収納可能という意味で大は小を兼ねますが、軽さとサイズは小さい方が旅先でのフットワークが軽くなります。
【2】用途に応じた形状(縦型・横型)をチェック
袋の形状には縦型と横型の2種類があります。横型は後輪を外さずに収納できるメリットがあるため、初心者が好む傾向にあります。しかし、鉄道会社によって若干の違いはありますが、たとえばJRだと3辺の合計が250cm以内、重さ30kgでなければ車内に持ち込めないという規定があるため、横型では持ち込めないサイズになってしまいます(両輪をはずすタイプの横型なら可)。
一方、両輪を外して収納する縦型の多くは250cm以内に収まるメリットがあります。反面、フレームと後輪を固定するエンドに金具を装着するなどのひと手間がかかります。これらのメリット・デメリットをふまえ、用途に応じた商品を選ぶことが重要です。
【3】ホイールポケットの有無をチェック
輪行袋は、輪行袋内にホイールのポケットがあるかないかによって、収納時の手間に大きな差を生みます。ポケット付きの場合、フレームとホイールを縛って固定する必要がないため手軽ですが、輪行袋内でホイールが動きやすくフレームと接触しやすくなるので注意が必要となります。
逆にポケットなしの場合は、当然ですがフレームとホイールを縛って固定する手間がかかる反面、しっかりと固定できるため、ホイールとフレームの接触を気にする必要はなくなります。はじめて輪行袋を使用する方は、ポケット付きの方が使いやすいかもしれませんが、固定する手間を惜しまないなら、自分で固定するタイプがおすすめです。
【4】スペックをチェック
収納時に自転車が一部でもはみ出ていると電車に持ち込めません。シートポスト一体型のフレームで、身長が180cmを超える人は輪行袋からサドルがはみ出しがちなので、ボトムブラケット~サドルトップを計測し、買う前に確認しておきましょう。また、飛行機輪行は2019年5月1日からハードケースのみの受付になっている航空会社もあります。ルールが厳格化してきているので「なんとかなる」と過信せず、航空会社のホームページで確認しましょう。
そして、重量も輪行袋選びの重要なポイントのひとつです。一般的に耐久性と反比例し、軽さを求めれば耐久性が低くなります。それでも軽量な製品が出てくるのは、走行中の軽さやコンパクトさがとても大切だからです。輪行の多いライダーになると、飛行機用、電車用、緊急用携帯輪行袋と使い分ける人も多いようです。
輪行袋おすすめ5選|縦型
上記で紹介した輪行袋の選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品をそれぞれご紹介していきます。さまざまなスペックの輪行袋が厳選されていますので、用途に応じた商品選びの参考にしてください。


輪行袋おすすめ3選|横型
続いては、横型の輪行袋のおすすめ商品をご紹介いたします。こちらもぜひ参考にしてください。


「輪行袋」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 輪行袋の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの輪行袋の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
輪行袋に関するQ&A
使いやすいのは、縦置きと横置きのどっち?

それぞれメリットがあるので、使い分けがベスト
縦置きは接地面積と回転半径が小さいので、ほかの乗客の邪魔になりにくいのがメリット。横置きは自転車を立てるエンド金具を装着する必要がないので、早く袋に入れられるのがメリットになります。
それぞれにメリットがあるので、使い分けができるとベスト。
鉄道で使うことができないものもある?

実はある!
冒頭でもお伝えした通り、輪行袋は鉄道や船、飛行機で移動する際に必要になります。しかし、中には現在の規定から外れている輪行袋が販売されている場合も。
ただ、輪行サイズは昔から変わっていないので、ロードバイクを運ぶ場合、前後のホイールを外してしまうタイプ以外は鉄道会社の規定から外れてしまうので、注意しよう。
そのほかのロードバイク用アイテムの記事はこちら 【関連記事】
規則に応じた製品を選んでトラブル防止!
輪行というのは、日本固有の運搬方法であり、海外に競合製品が多くありません。そのためオーストリッチの製品が多くなりましたが、他社製品は自転車の一部が露出してしまうなど、JRグループの定める「旅客営業規則 – 無料手回り品」に抵触する粗悪な製品が多いのが現状なので、注意が必要です。
また、輪行時のキズの多くはホイールとフレームの接触が原因です。袋の中で自転車がしっかりと固定されているか、フレームとホイールが接触しないように完全に区切られているのが望ましい状態です。エンド金具、フレームカバー、養生テープ、タイラップなどを上手に使うことで、価格の安い輪行袋でもキズを防ぐことはできます。
価格の安いものは耐久性が著しく劣り、数回の使用で穴が空く製品もあります。置き場所や移動するときに細心の注意を払えば、これも防ぐことができます。初心者は丈夫なものを、慣れてきたら軽量の輪行袋を使ってみましょう。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
80年代から国内外のレースやサイクルショーを取材するベテランジャーナリスト。分かりやすいハードウエアの評論は定評が高く、近年はロードバイクのみならず、クロスバイクのインプレッションも数多く手掛けている。グランフォンドやセンチュリーライドなど海外ライドイベントにも出場経験を持つ。単行本の他、自転車産業振興協会でプロ向け教本の監修も手掛ける。