ロードバイクホイールの選び方 材質、タイヤのタイプ、ブレーキ仕様、リムハイト、サイズや重量をみる
自転車ライターの浅野真則さんに、ロードバイクのホイールを選ぶときのポイントを教えてもらいました。ポイントは下記。
【1】リムの材質
【2】対応するタイヤのタイプ
【3】リムブレーキ or ディスクブレーキ
【4】サイズや重量の目安
【5】リムハイトによって走りが変わる
ロードバイクのホイールは走り心地を左右する重要なパーツですので、ポイントを押さえてほしい商品を探すヒントにしましょう。
【1】リムの材質で選ぶ コスパ重視ならアルミリム、軽さ重視ならカーボンリム
ホイールを選ぶ際に注目したいのがリム(タイヤをはめこむ部分)の材質で、おもに次の2つにわかれます。
アルミリム
カーボンリムに比べて安価で扱いやすく、悪天候でもリムブレーキの制動力が安定。
カーボンリム
重量が軽く、空力性能にすぐれたリムハイト(リムの高さ)の高いモデルでも軽量に仕上がる。
しかし、カーボンリムのリムブレーキは、アルミリムに比べ制動力にやや劣り、下りなどで長時間ブレーキをかけ続けるとリムが熱で変形する恐れがあるなど、扱いに繊細さが求められます。
【2】対応するタイヤのタイプを確認 クリンチャー、チューブラー、チューブレスの3種類
ロードバイクのホイールは、対応するタイヤによってクリンチャー、チューブラー、チューブレスの3タイプがあります。
クリンチャー
インナーチューブの空気圧でタイヤをリムに固定するタイプです。パンク修理をしやすく、タイヤの種類も豊富にあります。
チューブラー
タイヤとチューブが一体になった「チューブラータイヤ」をリムに貼りつけるタイプ。トータル重量が軽くなるというメリットがありますが、パンクしたときにタイヤごと交換する必要があります。
チューブレス
チューブを使わずに空気圧だけでタイヤをリムに固定する方式。空気圧を低めにしても、転がりが軽く乗り心地もいいですが、重量はほかのタイプよりやや重め。
タイヤの豊富さとパンク修理のしやすさを重視するならクリンチャー、レース向けに軽さを重視するならチューブラー、ロングライドも楽しむならチューブレスがおすすめです。
【3】リムブレーキかディスクブレーキかを確認 ディスクブレーキ仕様なら専用ホイールを
ロードバイクのホイールは、リムブレーキ仕様のほか、ディスクブレーキ仕様があります。
リムブレーキ
ブレーキシューでリムをはさんで止める一般的なタイプ。リムブレーキ仕様のリムは左右にブレーキ面という平らな面がある。
ディスクブレーキ
オートバイのように、ホイール中央のハブ部分にディスクローターがついており、これをブレーキキャリパーのパッドで止める。
最近はロードバイクでも採用する車種が増えています。また、両者に互換性はないので、自分のバイクがどちらのブレーキを使っているかをチェックしてから対応するホイールを選びましょう。
【4】サイズや重量の目安 ホイールサイズと重さ、タイヤ幅の数値を確認
ここからは、ホイールのサイズと重量についてご紹介します。
ホイールサイズ|通常サイズは700c、小柄な方は650cを選ぶ
ロードバイクは、身長と股下に合わせてフレームが決まります。したがって、ホイールの一般的なサイズは700cサイズ。身長160cmを下回る小柄な方であれば、650cでも大丈夫です。
ホイールの重さ|1700g前後がレースや街乗りに快適
ロードバイクは、ホイールが軽ければ軽いほどスピードが出ます。軽ければヒルクライムでも疲れにくく、レースでは有利です。しかし、軽くなるほど価格も高くなっていく傾向にあります。
タイヤ幅|23~25C対応のものを
ロードバイクのタイヤ幅は23Cか25Cどちらかで選ぶのが一般的です。幅の狭い23Cのほうが軽量でスピード重視の方はこちらを選ぶとよいでしょう。対して、25Cは安定感があるため、快適な走りを求める方に適しています。両サイズに対応しているものもあります。
タイヤ自体でいうと、ロードバイク界では現在25cが主流になっており、28cというワイドなサイズも出てきています。
【5】リムハイトによって走りが変わる リムの高さとリム幅をみる
次に、ホイールの要である「リムハイト」(リムの高さ)と「リム幅」についてもご紹介していきます。
リムの高さは30mm前後が目安
リムハイトとはリムの高さで、空力性能や重量に影響します。リムハイトが高いほど、空力性能は上がりますが、重量は増す傾向にあります。また、リムハイトが高いホイールは走行中に横風の影響を受けやすく、風にあおられやすくなることも。
このためホイールを選ぶときは平地メインか、ヒルクライムのような長い上りかといった、コース特性によってリムハイトを決めるのが一般的です。一般的にリムハイトが30mm以下のホイールは上り向き、50mm以上のホイールは平地向き、40mm前後のホイールはどちらもバランスよく走れる万能型といえます。
平地メインなら「ワイドリム」、上りメインなら「ナローリム」
ロードバイクのホイールには、「ワイドリム」(幅17C)と「ナローリム」(幅15C)が広く採用されています。平地が多い場所にはワイドリム、上りが多い場所にはナローリムが適しています。
ロードバイクのホイールのおすすめ7選 定番メーカーのシマノ、カンパニョーロ、フルクラムほか
ここまで紹介したロードバイクのホイールの選び方のポイントをふまえて、自転車ライターの浅野真則さんと編集部が厳選したおすすめ商品をご紹介します。
交換前より明らかな軽さと快適さを実感できる
初めてホイール交換する際におすすめの商品がこちらの『ゾンダC17』。その違いがはっきりとわかるのが斜面での走行。
ワイドリムでより太いクリンチャータイヤを着けられ、タイヤとリムの効率的なインターフェイスもともに向上し、明らかなる軽さと快適さを実感できるようになります。

チューブレスとクリンチャーに対応する定番
カンパニョーロのアルミリムの定番モデル「シャマルウルトラ」の最新モデル。モデル名に2WAYとあるように、タイヤの種類が豊富なクリンチャータイヤも、乗り心地や転がりの軽さに定評のあるチューブレスタイヤも使えるのが最大の魅力。クリンチャータイヤとチューブラータイヤの両方に対応したホイールをお探しの方にはおすすめのホイールです。
リム幅が広い最新のC17リムを採用し、近年ロードバイクシーンで多く採用される25C以上の太めのタイヤとも相性が高まっています。「USBベアリング」を採用し、ライバルメーカーのホイールと比べて違いを体感できる回転性能の高さも魅力です。

プロ選手も使用する万能チューブラーホイール
シマノのレーシングロードコンポーネントの最高峰、デュラエースグレードのカーボンチューブラーホイール。リムハイトは40mmで、軽さと空力性能を両立。上りだけでなく平坦の高速巡航までそつなくこなしますので、シーンを問わずに使える万能さを求める方におすすめです。
後輪のスポーク組みは、駆動側と非駆動側を2:1とするオプトバル。これによって駆動ロスが少なく、よく進むホイールに仕上がっています。ツール・ド・フランスを走るトッププロもこのホイールを使って勝利を重ねており、耐久性や信頼性も高いレベルです。

坂道に強い軽量アルミリムホイール
ハブやスポークに定評があるDTスイスは、完組ホイール(※)にも定評があります。なかでも前後ペアで1,421gという軽さを誇るアルミリムホイールが、「PR1400ダイカット21」。クリンチャータイヤに対応するのはもちろん、専用のリムテープとシーラントを使うことで、チューブレスレディタイヤに対応するのも特徴です。
ヒルクライムでも使える軽さに加え、アルミリムならではの使い勝手のよさ、転がりの軽さと乗り心地のよさも体感でき、汎用性にすぐれています。レースからトレーニングまであらゆるシーンで活躍する万能なホイールをお求めの方におすすめです。
(※)ハブ・スポーク・ニップル・リムといったホイール構成部品をホイールとして完成形で販売されているもの。

カーボンラミネートリム採用のディスク用モデル
最近ロードバイクにも浸透してきたディスクブレーキ。ホイールのグレードアップを考えるならこのクラスの軽量ホイールがはじめての方にもおすすめです。
このモデルはシマノのロードバイクコンポーネントの「セカンドグレード・アルテグラクラスのホイール」。ハイエンドモデルの「デュラエース」のホイールにも採用されている「カーボンラミネートリム」を採用し、ホイールの走行性能に大きな影響を与えるリムの外周部が軽量化されていて、すぐれた加速性能を実現しています。さらにクリンチャータイヤ、チューブレスタイヤの両方に対応している点もおすすめするポイントのひとつです。
航空宇宙工学を体感する
革新的な技術力を持ち、世界中のライダーから支持されているホイールブランド が FULCRUM(フルクラム)です。
『FULCRUM RACING 5』は、航空宇宙工学理論を取り入れ、リムのパフォーマンスを最大限まで引き出すことで、走行振動がもたらす肉体の疲労や痛みの軽減に成功しています。
アルミホイールでありながらも大幅な軽量化を追求しているので、ロングライドやヒルクライムのシーンでその性能を実感できるでしょう。ショップでの評判もよく、はじめてのホイール交換にも最適という声が多く挙がっています。
初心者にもおすすめのエントリーモデル
日本が世界に誇る自転車パーツメーカー、シマノ製のホイール『WH-RS100』は、コストパフォーマンスに優れたエントリーモデルです。エントリーといってもそこはシマノ製だけあって、重量や剛性のバランス、走行の快適さは文句のつけようがありません。昨今はホイールワイドリム化の波もあって、『WH-RS100』は対応リム幅が32~23と広くなっています。これによりほとんどのタイヤに合わせられるという汎用性を誇ります。練習用やテスト走行からロードバイク初心者までさまざまなニーズに応え、お財布にも優しいモデルです。
「ロードバイク用ホイール」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ロードバイク用ホイールの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのロードバイク用ホイールの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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購入時は国内正規品かの確認をしましょう 自転車ライターからのアドバイス
ホイールは自転車の走行性能を大きく変える重要なパーツです。選ぶ際は、おもにどういうコースを走るかでリムハイトを決め、さらにリムの材質やブレーキの仕様を確認してから選ぶといいでしょう。
また、ホイールは上位モデルだと数十万円するものもあります。通販では比較的安価で購入できることもありますが、一部では海外から並行輸入した製品も販売されています。並行輸入品は国内代理店の保証が受けられない可能性が高く、なにか不具合があったときに困るかもしれません。通販利用時は価格だけで選ぶのではなく、国内正規品かを確認してからの購入をおすすめします。
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自転車専門誌やウェブサイトなどで活動する自転車専門のライター。 ロードバイクやサイクルパーツ、サイクルアパレル、自転車用デジタルデバイスなどのインプレッション記事、トレーニング系の記事、ロングライドの実走レポートなどを得意とする。 執筆活動の傍ら、Jエリートツアーの選手としてロードレースやタイムトライアル、ヒルクライムなど幅広いレースに参戦。 自転車版の耐久レース・エンデューロも好きでよく出場している。