ジェットボイルのメリット
ジェットボイルのメリットは、通常のバーナーの約半分の時間でお湯が沸かせること。おおよそ100秒で500mlのお湯が沸きます。アウトドアなどで飲みものを飲みたくなったとき、すぐに作ることが可能です。
カートリッジや五徳などは本体に収納できるのでコンパクトに持ち運びでき、アウトドアライフには便利です。いろいろなモデルがあり、湯沸かしと調理が同時にできるものなど、用途によって選べます。
値段は高めですが、機能や使い勝手からすればジェットボイルは必要なアイテムです。
ジェットボイルの選び方
キャンプライターの中山一弘さんへの取材をもとに、ジェットボイルを選ぶポイントを6つご紹介します。
【1】使う環境や用途に合わせてモデルを選ぶ
ジェットボイルはいろいろなモデルがあります。選ぶときは使い方や用途に合わせてください。湯沸かし用や調理用など、自分に合ったものを探しましょう。
湯沸かし重視とコスパなら「フラッシュ」か「ジップ」を
ジェットボイルを湯沸かし専用で使いたいなら「フラッシュ」か「ジップ」を選んでください。フラッシュはライターのような点火装置があり、ジップは点火装置がないのでライターやマッチで点火します。
どちらも短時間でお湯を沸かせるのが特徴。商品によって沸かせる量が異なるので、人数によって選びましょう。コスパ重視なら「ジップ」が適しています。
火力調整が必要なら「マイクロモ」「スモー」「ミニモ」を
低温環境で長時間使用するのなら、火力調整ができる「マイクロモ」「スモー」「ミニモ」「マイティーモ」が適しています。湯沸かしと調理を同時に行なえるのが特徴です。
火力を調整しながらとろ火で煮物やスープが作れ、料理の幅が広がります。自動的に火力をたもってくれるサーモレギュレーターがついているので、アウトドアで料理を作るのに適したジェットボイルです。
(※)ポイント:環境・状況によって選ぶ基準が変わります。
キャンプ/釣りライター
ジェットボイルには同じようなデザインのモデルが複数ありますが、実はそれぞれ得意とする環境や特徴が違います。最適なモデルを選択するには、実際に自分がアウトドアで使用する環境をイメージすることが大切です。
まず考えたいのが、厳冬期や高所など低温が予想される環境が含まれるかどうか。もし氷点下の環境になりそうなのであれば、マイナス6度まで対応する「サーモレギュレーター」を搭載したモデルがよいでしょう。
ちなみに、ジェットボイル専用のガスカートリッジは、もともとオールシーズン対応のプロパン・イソブタン・ノルマルブタン混合タイプなので、モデルや時期を選ばず共通に利用できるようになっています。
【2】自動点火装置の有無をチェックして選ぶ
ジェットボイルを選ぶときに快適性・操作性を重視するなら自動点火装置があるものを候補にしてください。自動点火装置があれば点火する際にマッチやライターを使わずにすみます。ヤケドすることもなくなるでしょう。
ただし、自動点火装置つきのモデルはなしのものより重たいです。使いやすさと携帯性のどちらを優先するかで決めてください。自動点火装置つきでも、万一のことを考えてライターは必要です。
【3】低温下で使うならサーモレギュレーターつきを選ぶ
自動的に火力をたもつ機能がサーモレギュレーターですが、冬の登山や寒い季節のアウトドアライフには重宝します。マイナス温度の低温下でも、スペックの表示どおりにお湯が沸くので便利です。
寒い環境のなかで、温かい飲み物をなるべくはやく作りたいときでも、サーモレギュレーターつきなら可能。「マイクロモ」「スモー」「ミニモ」などははじめから搭載されているので、選択候補になります。
【4】オプションパーツを使うなら対応モデルをチェック
ジェットボイルを楽しく使うには、オプションパーツもそろえてください。コーヒーを淹れるコーヒープレス、収納ボックスなどいろいろなオプションが別売りで用意されています。持っているジェットボイルに対応しているかチェックして選びましょう。
愛用のジェットボイルにオプショナルパーツを加えれば、アウトドアライフがより充実したものになります。
【5】収納性にもかかわるクッカーのサイズもチェック
キャンプ/釣りライター
ジェットボイルを利用する人の多くが、「少ない燃料で早くお湯が沸く」ことを選択した理由にあげると思います。ジェットボイル調べでは、ジェットボイルは一般的な他社製バーナーと比較して、約半分程度の燃料でお湯が沸かせるとされています。装備重量を少なくしたい山行などでは、持ち込む燃料を減らせるということが大きなメリットです。
ジェットボイルの各モデルは、基本的にクッカーがセットになっていて、内部にバーナーやガスカートリッジが収納できます。つまり、ザックにしまうときには、クッカーが入る場所さえあればよいのです。自分のザックにパッキングすることを想定して、実際のサイズ感を確かめてみましょう。
【6】調理メニューが決まれば最適なモデルがわかる
キャンプ/釣りライター
テント泊山行などでは、かさばりがちな食料や燃料の軽量化を図ることも多いもの。最近では軽いフリーズドライ食品を中心にして、お湯さえ沸かせればいいという人もいるでしょう。また、日帰り山行やキャンプでは、コーヒーやカップラーメン用のお湯だけあればいい、ということもあります。そんなとき、ジェットボイルは最適です。
ただ、ジェットボイルもモデルによっては、とろ火に対応するものがあります。お湯を沸かすだけでなく、とろ火が必要な煮込み料理なども楽しみたい、といった場合にはそういうモデルを選択しましょう。食事はテント泊の大きな楽しみですから、自分の嗜好にあったメニューが作れるモデルを選びたいものです。
ジェットボイルおすすめ6選
上記で紹介した選び方のポイントをふまえ、キャンプライターの中山一弘さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。

JETBOIL『フラッシュ』














出典:Amazon
容量 | 1リットル |
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重量 | 約440g (ガスカートリッジを除く) |
サイズ(収納時) | Φ10.4×18cm |
沸騰到達時間 | 1分40秒(0.5リットル) |
火力 | 2,269kcal/h |
自動点火装置 | あり |
サーモレギュレーター | - |
とにかく早くお湯を沸かしたいときに最適
縦長のクッカー搭載モデルとしてはもっとも高火力で、0.5リットルの水をわずか100秒で沸騰させるとされます(カタログ値)。
意外にもバーナーの出力自体は、実は他社製バーナーと比較してもそれほど大きくありません。しかし風の影響を受けにくく、バーナーの熱を逃がさない特徴的なフラックスリングによって、素早く沸騰させることができます。これは同時に、燃料消費量の低減にも貢献しています。さらに、燃料消費量が少ないということは、ガスカートリッジが奪われる気化熱も小さいということ。そのため、長時間使ってもドロップダウンが起きにくく、安定した火力が維持しやすいのです。基本モデルとして、『フラッシュ』はおすすめだといえます。
JETBOIL『マイクロモ』










出典:Amazon
容量 | 0.8リットル |
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重量 | 約400g(ガスカートリッジを除く) |
サイズ(収納時) | Φ10.4×16.5cm |
沸騰到達時間 | 2分15秒(0.5リットル) |
火力 | 1,512kcal/h |
自動点火装置 | あり |
サーモレギュレーター | 〇 |
とろ火も使えるコンパクトな寒冷地対応モデル
マイナス6度まで対応する「サーモレギュレーター」を搭載したモデルで、標準のクッカー容量は0.8リットルです。ソロでも使いやすいサイズなので、冬季も含めて1年中活用できるモデルだといえます。
こちらもバーナーの出力自体は大きくないのですが、それでも0.5リットルの水を約2分15秒で沸騰させる能力があります。他のモデルも共通ですが、クッカー本体はネオプレン製の断熱カバーで覆われています。
はじめて見たときは燃えないのかと思ったくらいですが、このおかげでバーナーから外して食事をするときも、冷めにくくなっています。『マイクロモ』はとろ火も使えるので、煮込み料理や炊飯など細かい火加減の調節が必要な料理にも最適です。

JETBOIL『ジップ』












出典:Amazon
容量 | 0.8リットル(調理容量は0.5リットル) |
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重量 | 約400g(ガスカートリッジを除く) |
サイズ(収納時) | Φ10.4×16.5cm |
沸騰到達時間 | 約2分30秒(0.5リットル) |
火力 | 1,134kcal/h |
自動点火装置 | なし |
サーモレギュレーター | - |
コスパがよくシンプルな使い勝手が魅力
ジェットボイルとしての基本的な性能はそのままに、コンパクトで購入しやすい価格を実現したのがこの『ジップ』というモデルです。
ガスカートリッジを除いた総重量は約400gと、マイクロモと同程度になっていますが、自動点火装置も省くことでコストダウンを果たしています。このため、ライターなどの着火用具が別に必要です。Amazonなどでの実売価格をみると、かなり買いやすい価格になっているようなので、はじめてのジェットボイルとしても最適でしょう。
最初に『ジップ』を買って使ってみて、気に入ったらステップアップとしてサーモレギュレーターを搭載したモデルを追加して、山行スタイルで使い分けるというのもアリだと思います。

JETBOIL『ミニモ』








出典:Amazon
容量 | 1リットル |
---|---|
重量 | 約500g(ガスカートリッジを除く) |
サイズ(収納時) | Φ12.7×15.2cm |
沸騰到達時間 | 2分15秒(0.5リットル) |
火力 | 1,512kcal/h |
自動点火装置 | あり |
サーモレギュレーター | 〇 |
広口浅型のクッカーで調理しやすい
ジェットボイルといえば、縦型クッカーが印象的だという人が多いでしょう。そのなかで『ミニモ』は、直径を2センチメートル以上広くし高さは5センチメートル近く抑えた、広口浅型のクッカーと組み合わせたモデルです。
もともとジェットボイルの各モデルには、スタビライザーが標準で付属していますが、さらに重心を下げることでより安全に使えるように設計されています。たとえば具だくさんのラーメンやポトフなどの汁物をつくっても、かなり調理しやすく食べやすいでしょう。一般的なスプーンで底をすくうようなときにも、使いやすいことが実感できます。サーモレギュレーターも搭載しとろ火も可能なので、調理重視の人にはいいモデルです。

JETBOIL『マイティーモ』










出典:Amazon
容量 | - |
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重量 | 約95g(ガスカートリッジ、スタビライザーを除く) |
サイズ(収納時) | Φ5.1×7.6cm |
沸騰到達時間 | 3分(1リットル) ※1.5Lクッキングポット(別売)使用時 |
火力 | 2,519kcal/h |
自動点火装置 | あり |
サーモレギュレーター | 〇 |
ジェットボイル初のシングルバーナーモデル
ジェットボイルは基本的にネオプレン製のコジー付きクッカーとのセットなのですが、この『マイティーモ』ははじめてシングルバーナー単体で販売されたモデルです。出力もモデル最大の2,519kcal/hとなっていて、普段は一般的なクッカーと組み合わせて使えます。
もちろんそれだけではなく、オプションのフラックスリング付き専用クッカー(別売)と組み合わせれば、従来のジェットボイルのスタイルで強力な火力を持つモデルとなります。サーモレギュレーターも搭載するため、もっともオールマイティなモデルといえるでしょう。大型の1.5Lクッキングポットにも対応するので、グループでの使用などにも向いています。
ジェットボイル『スモー(1824382)』










出典:Amazon
容量 | 約1.8L |
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重量 | 約550g |
サイズ(収納時) | φ125mm×高さ210mm |
沸騰到達時間 | 1Lで約4分15秒 |
火力 | 1512kcal/h |
自動点火装置 | 有 |
サーモレギュレーター | 有 |
おすすめ商品の比較一覧表
【最後に】キャンプライターのアドバイス
キャンプ/釣りライター
オプションと上手に組み合わせて料理の幅を広げよう
ジェットボイルの純正オプションには、各モデルに付属するクッカーに適合するネオプレン製の交換用コジーや、クッカーに入れて使うコーヒーや紅茶を淹れるためのコーヒープレスなどがあります。また、ほかにもフラックスリングのついたフライパンや、スキレットなども揃えるとできる料理の幅が広がります。
料理好きなユーザーのためには、公式サイトにレシピ集もありますし、ジェットボイルを使ったレシピ本まであるのも面白いところです。スペアクッカーもあるので、人数分用意して食器を兼用するといったこともできます。オプション品にもぜひ注目してみてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2019/12/16 コンテンツ追加・修正と価格を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
※2020/04/28 タイトル変更のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 水貝英斗)
青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。