「防災用ヘルメット」のおすすめ商品の比較一覧表
防災用ヘルメットの必要性
災害が発生してしまったときには、さまざまな危険が生じます。地震が起きたあとは、余震や震災後の火災などからも身を守らなければなりません。
ヘルメットをしっかり装備しておけば、建物の倒壊や危険な落下物などから守ってもらえます。ヘルメットがあるだけで、大けがを避けたり、命を落とさずにすむということも多いので、災害時には着用することが必須です。
防災用ヘルメットの選び方 工事用ヘルメットとの違いも解説
備え・防災アドバイザー・高荷智也さんへの取材をもとに、防災用ヘルメットの選び方を紹介します。ポイントは以下です。
【1】「労・検」ラベル
【2】材質
【3】耐用年数
【4】フィット感
【5】装備
【6】収納性
【7】「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」規格
それぞれ詳しくみていきましょう。
【1】「労・検」ラベルがついた国家検定規格品を選ぶ
実は「防災ヘルメット」という規格は存在せず、防災用のヘルメットはもっぱら「作業用」を指しています。作業用のうち、厚生労働省が定めるヘルメットの安全基準、「保護帽の規格」に適合したものには「労・検」ラベルが付与され、各種作業現場で安全に着用ができるヘルメット、正式には「保護帽」として認定されます。
特定の作業現場に入る際には、この基準を満たしたヘルメットの着用が法律で義務づけられていますが、災害避難時のための規格ではありません。ヘルメットがなければ防災頭巾でも帽子でも構わないわけです。ただ、ヘルメット性能の目安としては有効ですので、新規購入時には「労・検」ラベルがついた検定品を選ぶとよいでしょう。
【2】ヘルメットの材質で選ぶ
防災用ヘルメットを選ぶときは、ヘルメットの材質に注目してみましょう。
耐熱性・耐候性にすぐれたFRP樹脂
繊維と樹脂を組み合わせたFRP樹脂は、金属よりも軽く、耐食性・耐水性・対候性にすぐれているのが特徴です。耐熱性があるので、火災のときでも使用できます。ほかの熱可塑性樹脂よりも劣化の速度が遅いため、長く使えるのも魅力です。
耐電性はあまりありませんが、強度が高くさまざまなシーンで使えるバランスのよい素材なので、迷った際はFRP樹脂製のヘルメットを選ぶとよいでしょう。
リーズナブルな値段のABS樹脂
ABS樹脂製のヘルメットはリーズナブルなので、コストをかけずに家族全員分のヘルメットをそろえたい人にぴったりです。耐衝撃性にすぐれている一方で、耐熱性は70~100℃とあまり高くないため火災などの際には適しません。
また、有機溶剤などに触れるとヒビが入ったり割れたりするおそれもあります。ABS樹脂製の防災ヘルメットを使う場合は、周囲の状況をよく確認しましょう。
丈夫で耐候性・耐電性もあるPC樹脂
PC(ポリカーボネート)樹脂は耐衝撃性にすぐれているだけでなく、難燃性も高い素材です。基本的に割れることがなく、防弾材料に使用されたりもします。耐候性にもすぐれており、長期間紫外線にさらされても劣化しにくいのがポイントです。
高機能な素材でコストもかかるため、PC製の防災ヘルメットは値が張ります。
耐電性や耐薬品性にすぐれたPE樹脂
PE(ポリエチレン)樹脂は、耐電性・耐薬品性にすぐれた素材です。熱には弱くよく燃える一方で、有機溶剤がかかってもヒビが入ったり割れたりすることがありません。
耐衝撃性も高いとはいえないので、頭を落下物から守る際には不向きです。PE製のヘルメットは、有機溶剤などがかかるおそれのある現場や工場などでの使用に適しています。
【3】耐用年数が長いものを選ぶ
防災用ヘルメットを選ぶときは、耐用年数が長いものを選びましょう。一般社団法人 日本ヘルメット工業会の指針によれば、「ヘルメットを使いはじめてから、あるいはヘルメットを購入・保管しはじめてから6年が経過したヘルメットは交換すること」となっています。耐用年数が短いものは、頻繁に買い替えなければならずコストがかさむので、できるだけ耐用年数が長いものを選んでください。
長期間にわたってヘルメットを使用・保管しているうちに、素材が劣化していることも考えられます。万が一のときに頭をしっかり衝撃から守るためにも、年に1回は点検し、商品の説明書に書かれている耐用年数を守って使用してください。
【4】フィット感がよいものを選ぶ
防災用ヘルメットを選ぶときは、フィット感がよいものを選びましょう。転倒しても脱げにくいものを選ぶのが大切です。
サイズが調節できる・着脱しやすいものを
ヘルメットを選ぶときは、サイズが調整できて、着脱しやすいものを選びましょう。頭にしっかりフィットするヘルメットは、転倒しても脱げにくいです。また、あごヒモが太く、長さが調整できるものは装着していて安定感があります。
避難中、瓦礫に挟まってしまったときのことも考えて、かんたんに脱げる機能がついているかどうかもチェックしてください。ボタンを押してスライドさせるだけで脱げるプッシュ式のものは、サイズ調整もしやすく、万が一のときもかんたんに脱いで脱出できます。
ヘッドバンドがあるものはフィットさせやすい
防災用ヘルメットを選ぶときは、ヘッドバンドの有無も忘れずにチェックしましょう。ヘッドバンドがあるものは、ヘルメットが頭にしっかり固定されるので脱げにくいです。
あごヒモはほとんどのヘルメットについていますが、ヘッドバンドがついたヘルメットは種類が多くありません。ヘッドバンドつきのヘルメットを選ぶときは、ヘッドバンドがかんたんに調節できるかどうかにも気を配って選んでください。
【5】そのほかの装備もチェックする
防災用ヘルメットを選ぶときは、ヘルメットの装備にも注目しましょう。防災用ヘルメットのなかには、シールドやヘッドランプがついたものもあります。粉塵などで足元が見えにくいときの避難を助けてくれる装備なので、ぜひチェックしてください。
瓦礫に挟まってしまったときは、ホイッスルつきのヘルメットが活躍します。救助が必要なときに自分の居場所をホイッスルで知らせることができるので、予算に余裕があればこれらの装備がついたヘルメットも検討してみましょう。
【6】収納場所が限られる場合は折りたたみ式も検討
作業用ヘルメットのなかには折りたたんで保存できる商品もあります。家族数人分のヘルメットを玄関などの場所に保管する場合は、収納スペースが問題になりますが、折りたたむと半分程度の空間で収納できるため、こうした商品も選択肢に入ります。
なお、折りたたみ式ヘルメットを選ぶ場合も、できるだけ「飛来・落下物用」「墜落時保護用」の両方に対応しているものを選択するとよいでしょう。
また、防災用ヘルメットを使用することになる前に、必ずヘルメットをもとに戻す方法を確認・練習しておき、すばやくかぶれるように調整をしておくことが重要です。
【7】「飛来・落下物用」「墜落時保護用」両規格に対応
保護帽の規格には、「飛来・落下物用」「墜落時保護用」「電気用」の3種類がありますが、防災用には「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」を満たしたものを選ぶとよいでしょう。「飛来・落下物用」規格のヘルメットは、頭部への衝撃をおよそ10分の1に軽減させることができます(一般社団法人 日本ヘルメット工業会資料より)。
また「墜落時保護用」規格のものは、座位からの転倒に対する衝撃軽減効果は「飛来・落下物用」規格のものと大差ありませんが、立った状態からの転倒に対しては倍以上の衝撃軽減効果が得られる実験結果があります(平成30年7月版 ⻘梅労働基準監督署 資料より)。
「防災用」をうたっている作業用ヘルメットには「飛来・落下物用」規格のみの商品が多いのですが、避難時には転倒の可能性も高いため、両方を満たしたものを選びましょう。
防災用ヘルメットのおすすめ13選 収納しやすい折りたたみ式も!
ここまで紹介した防災用ヘルメットの選び方のポイントをふまえて、備え・防災アドバイザー・高荷智也さんおすすめ商品などを紹介します。
メーカーよりさまざまな機能を持ったヘルメットが販売されています。使用する人数や、必要な性能を考慮し、自分に合ったヘルメットを選びましょう。




「一番頑丈かつ万能なもの」というニーズに対応
業界初の耐電性能を持つFRPヘルメットとして開発された商品です。ヘルメット素材として高い耐候性・耐熱性・耐薬品性にすぐれ、かつもっとも耐久性にすぐれる素材である「FRP」素材ですが、耐電性能に劣るという弱点があり、国家検定のうち「電気用」の基準を満たすFRPヘルメットはありませんでした。
国家検定の「電気用(7,000V)」規格ではなく、低電圧(600V)の規格となるため厳密には「電気用」規格は満たしていませんが、防災用ヘルメットにおける電気用規格の優先順位は低いため問題にはなりません。
とにかく、あらゆる状況に対応する最強のヘルメットを準備したいというニーズにおすすめの商品です。

飛来落下・墜落時保護を満たす折りたたみヘルメット
非常時にしか使用しない防災用ヘルメットは、その保管場所の確保に苦労します。このヘルメットは収納する際に折りたたむことができ、8cm程度の厚みにすることができるためコンパクトに収納できることが特長です。
組立もヘルメットを内側からグイッと押すだけで完了するかんたん設計で迷いません。折りたたんだ状態で頭に押しつけることでも組立を完了できます。
多くの折りたたみヘルメットは「飛来・落下物用」にしか対応していませんが、この商品は「墜落時保護用」にも対応していることがポイント。防災用としてじゅうぶんな性能をもっています。たためば玄関の下駄箱の中などにも容易に収納できるため、防災専用としてたいへんおすすめです。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 防災用ヘルメットの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの防災用ヘルメットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
使用期限・保管期限もチェックを 備え・防災アドバイザーからひとこと
備え・防災アドバイザー
防災用ヘルメットは日光が当たらないよう保管しよう
作業用ヘルメットが劣化する最大の原因は、日光に含まれる紫外線です。防災用ヘルメットは、原則としてふだん利用しないことを前提に、保管期間の目安が6年と長期に設定されていますので、劣化させない対応をしなければなりません。
ヘルメットは避難時に身につけるため、玄関などの場所に保管することが多いのですが、このときに日光が当たらないように工夫してください。下駄箱の中に入れる、袋やカゴの中に入れるなどの方法で保管するのがよいでしょう。
防災用ヘルメットに関するQ&A
防災用のヘルメットについてよく尋ねられる質問に答えます。
防災ヘルメットはどこで売っていますか?

通販サイトやワークマンやホームセンターなどで買えます。買う場所はどこでも大丈夫ですが、一番大事なことは国家検定合格品の証明である「労・検」マークが付いている商品にしましょう。
防災ヘルメットは家のどこに置くのがいいですか?

使用者が家のなかで一番長くいる場所にしましょう。リビングや寝室はもちろんですが、キッチンやリビングでも大丈夫です。一番大切なのは、地震などの災害が発生したときにヘルメットが物の下敷きにならない場所に置くことが必要です。
防災用ヘルメットを備えて緊急時に落ち着いた対応を
防災用ヘルメットがあるのとないのとでは、いざ災害に遭遇したときの危険回避の可能性が大きく異なってきます。防災専用のヘルメットを、家族全員の分をしっかり備えておくことで、心配をせずに、被災後の行動をしっかりとれるようになるでしょう。
各メーカーがさまざまなアイデアで、実際的な機能を持たせながら、平常時にも邪魔にならない設計のヘルメットを開発しています。災害に備えて、気にいった防災ヘルメットを装備しておくようにしましょう。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
「自分と家族が死なないための防災対策」のポイントをロジックで解説するフリーの専門家。 地震対策や感染症パンデミック対策などの自然災害から、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災をやわらかく伝える分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、講演・執筆・コンサルティング・メディア出演など実績多数。1982年、静岡県生まれ。