スタッフバッグとは 小分けにパッキングできて普段使いにも
スタッフバッグは、登山やキャンプでパッキングをするときに、荷物を小分けにしたり、用途別に収納したりするために使うバッグです。アウトドアでの利用のほか、旅行時や普段使いにも便利に利用できます。
おもにアウトドアシーンで利用されることから、軽量性、防水性、耐久性にすぐれた製品が多く、荷物量に合わせたサイズやカラーリングも豊富にあります。
スタッフバッグの選び方 サイズ、軽量性と素材、防水性、耐水圧など
アウトドアライターの夏野 栄さんに、スタッフバッグを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
サイズから選ぶ パート分けで判断、S・M・L表記も参考に
作家/アウトドアライター
スタッフバッグの本来的機能は荷物のパート分け。より早く正確に効率よく、ほしい道具にアクセスするため、各荷物をパート分けするための道具です。
パッキングの際、荷物をテーマごとにパート分けしたあと、各パートの荷物量にマッチしたサイズのスタッフバッグを選ぶのが基本です。
衣類のような多くの容量が必要とされるパート用には大きなサイズを、貴重品など、さほど容量を必要としないパート用には小さいサイズのスタッフバッグを選びましょう。
GRANITE GEAR(グラナイトギア)『エアペアー』
ひとつで二気室を備えたユニークなスタッフバッグ。コードやコードロックからグロメット部まで軽量パーツを採用し、軽量化を強く意識したデザインも魅力的。
>> Amazonで詳細を見る軽量性と耐久性(素材)から選ぶ 耐久性は繊維の太さをあらわす「デニール」で確認
作家/アウトドアライター
サイズの次に気をくばりたいのが「軽さをとるか耐久性をとるか」という点です。軽さと耐久性というそれぞれのメリットは基本的に反比例します。最終的にどちらのメリットがほしいかでスタッフバッグを選ぶわけですが、答えは「何を収納するスタッフバッグか」という点にあります。
スタッフバッグの本質的機能は荷物のパート分けです。収納したいパートの荷が、デリケートであったり、重さのあるものであれば耐久性の高いスタッフバッグを選びましょう。一方、道具自体に耐久性があったり、たいして重さのない道具をほかの荷と区別したいというパート用には軽量性を重視したスタッフバッグがおすすめです。
生地の耐久性を把握する上で、「デニール(D)」という繊維の太さをあらわす単位が指標のひとつとなります。たとえば某ファミリーテントの仕様ではフライが78D、インナーが68D、ボトム210Dという生地で構成されています。それが某ULシェルターでは15Dナイロンが採用されています。これほどコンセプトや用途により数値の違いがあります。
スタッフバッグの場合、軽さを求めるなら30D以下の生地を選びたいところですが、耐久面では数字が減るほどにデリケートな扱いが必要になります。
防水性の高いタイプを選ぶ 防水対策にはドライバッグやロールアップタイプを
作家/アウトドアライター
荷物の防水面は総合力で判断します。ザックカバーとザック自体の防水性から、インナーのスタッフバッグにどこまでの防水性が必要か検討します。
ザック外側の防水対策をしたうえで、着替えや精密機器、貴重品といった「絶対に濡れてはいけない」パートの荷物を収納するスタッフバッグには、より防水性の高いドライバッグを選びます。また防水面を重視する場合、単純な巾着タイプは水が浸入しやすいためロールアップタイプがおすすめです。
耐水圧を確認する 耐水圧10,000mmを超えるバッグを選ぶ
作家/アウトドアライター
防水性の指標となる単位である耐水圧は、高くなるほど防水性は増しますが、レインウェアと異なりスタッフバッグの場合、耐水圧が明記されていないアイテムも多くあります。
精密機器等を収納するスタッフバッグを選ぶ場合、耐水圧10,000mmを超えるアイテムを探すか、あるいは防水性の高いスタッフバッグを二重に使うなどで対応します。
MAMMUT(マムート)『Drybag Light』
耐水圧10,000mmとスタッフバッグとしては上位の防水性能。口部分もしっかりとしたロールトップタイプで安心。
>> 楽天市場で詳細を見るスタッフバッグのおすすめ10選 コスパのよい商品から人気アウトドアブランドのものまで
ここまで紹介したスタッフバッグの選び方のポイントをふまえて、アウトドアライターの夏野 栄さんに選んでもらったおすすめ商品、編集部で選んだ商品を紹介します。

Sea to Summit(シートゥサミット)『ライトウェイト70D ドライサック』














出典:Amazon
サイズ | 1L:幅11×高さ24cm、2L:幅13×高さ29cm、4L:幅15×高さ33cm ほか |
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メイン素材 | 70Dナイロン |
耐水圧 | 10,000mm |
重量 | 1L:30g、2L:38g、4L:44g ほか |
容量 | 1L~35L |
防水 | 〇 |

EXPED(エクスペド)『Fold Drybag UL』

出典:Amazon
サイズ | S:幅17×高さ31cm、M:幅19×高さ35cm、L:幅22×高さ44cm ほか |
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メイン素材 | 15Dリップステトップナイロン |
耐水圧 | 1,500mm |
重量 | S:20g、M:23g、L:29g ほか |
容量 | 1L(XXS)~40L(XXL) |
防水 | 〇 |

ISUKA(イスカ)『じょうぶなスタッフバッグ D21』

出典:楽天市場
サイズ | D15:幅15×高さ54.5cm、D18:幅18×60cm、D21:幅21×65cm |
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メイン素材 | 21Dナイロン(コーティング) |
耐水圧 | - |
重量 | D15:40g、D18:55g、D21:70g |
容量 | - |
防水 | × |

GRANITE GEAR(グラナイトギア)『エアペアー』

出典:Amazon
サイズ | S:幅11.6×高さ28cm、M:幅14.5×高さ32cm、L:幅16.5×36cm、XL:幅18.3×高さ40cm |
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メイン素材 | 30Dシルナイロンコーデュラ |
耐水圧 | - |
重量 | S:14g、M:16g、L:19g、XL:21g |
容量 | 2L(S)~6L(XL) |
防水 | 〇 |

MAMMUT(マムート)『Drybag Light(ドライバッグライト)』






出典:Amazon
サイズ | 5L:幅17×高さ42cm、10L:幅19×高さ51cm、15L:幅22×高さ58cm |
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メイン素材 | 75Dナイロン(TPUコーティング) |
耐水圧 | 10,000mm |
重量 | - |
容量 | 5L~15L |
防水 | 〇 |
mont-bell(モンベル)『GORE-TEX スタッフバッグ』
サイズ | 1L:直径9×高さ16.5cm、1.5L:直径10×高さ20cm、2L:直径11×高さ22.5cm ほか |
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メイン素材 | ゴアテックスファブリクス3レイヤー |
耐水圧 | ー |
重量 | ー |
容量 | 1〜15L |
防水 | ○ |
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)『パーテックススタッフバッグ』






出典:Amazon
サイズ | 2L:幅11×高さ21cm、3L:幅13×高さ25cm、5L:幅15×高さ30cm |
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メイン素材 | PERTEX Quantum(ナイロン100%) |
耐水圧 | ー |
重量 | 2L:5g ほか |
容量 | 2〜7L |
防水 | ー |
PaaGo WORKS(パーゴワークス)『W-FACE STUFF BAG』






出典:Amazon
サイズ | 0.3L:幅12×高さ23cm、7L:幅16×奥行12×高さ36cm、13L:幅23×奥行13×高さ45cm ほか |
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メイン素材 | 30Dシルナイロン、ポリメッシュ |
耐水圧 | ー |
重量 | 0.3L:15g、7L:35g、13L:75g ほか |
容量 | 0.3〜13L |
防水 | ー |
caravan(キャラバン)『SILICコーデュラ・ドライサック』

出典:Amazon
サイズ | 2L:直径13×高さ23cm、15L:直径22×高さ48cm、25L:直径27×高さ53cm |
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メイン素材 | 30D SILICONEコーデュラナイロン(シリコン透過撥水加工) |
耐水圧 | 2,000mm |
重量 | 2L:約26g、15L:約53g、25L:約64g |
容量 | 2〜25L |
防水 | ○ |
oxtos(オクトス)『スタッフバッグ 3L~10L(3枚セット)』

出典:Amazon
サイズ | 3L:幅13×高さ23.5cm、6L:幅16×高さ33cm、10L:幅17×高さ42cm(平置き時) |
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メイン素材 | 40デニールリップストップナイロン 2.5層防水(透湿)コーティング |
耐水圧 | 10,000mm |
重量 | 3L:21g、6L:28g、10L:35g |
容量 | 3L、6L、10L |
防水 | ○ |
スタッフバッグにもなるウォッシュバッグ 【番外編】
スタッフバッグのようなバッグインバッグとして持ち運びができるだけでなく、ポータブルな洗濯袋として使える便利なアイテムをご紹介します。
Scrubba(スクラバ)『ウォッシュバッグ』














出典:Amazon
サイズ | 幅54×奥行32cm(広げたとき) |
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メイン素材 | ー |
耐水圧 | ー |
重量 | 142g |
容量 | 13L |
防水 | ○ |
「スタッフバッグ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スタッフバッグの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのスタッフバッグの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのアウトドア系バッグもチェック! 【関連記事】
スタッフバッグ活用でパッキング効率大幅アップ! アウトドアライターからのアドバイス
作家/アウトドアライター
重心を高くすると歩きやすくなる
スタッフバッグは荷物をパート分けする道具です。パッキングの際に使用することで大幅に効率が上がるため積極的に使ってみてください。この「パート分け」にはコツがあります。それぞれのパートごとに、収納する道具にテーマを持たせます。そのパートごとに上記の基準から、マッチしたスタッフバッグを選んでみてください。
パッキングのコツは「重い物を身体に近く、軽い物を身体から遠く」が基本です。以前は「上に重い荷を、下に軽い荷を」と言われていました。しかし、最近はザックの進化により少し変わっています。実際に重心を高くすると歩きやすくなります。重い荷を日常的に運ぶ部族が頭上に荷を載せるのと同じ原理です。
同時に、体制を崩しかけると修正しづらいというデメリットもあります。そのうえで、「使用頻度の高い荷」をなるべくアクセスしやすい上の層に収納します。
5つのポイントをおさらい スタッフバッグについて
1)スタッフバッグのおもな役割はバックパック内における「荷物のパート分け」
2)衣類なら大きめ、小物用なら小さめといったように、収納する荷物に合ったサイズを選ぶ
3)重いアイテムを収納するなら耐久性の高い素材がベター
4)軽さと耐久性は基本的に反比例する
5)精密機器など絶対に濡らしたくないものを入れるなら防水性も考慮する
「どのアイテムを小分けしたいか」によって必要となるサイズも変わってくるでしょう。荷物の量によってはスタッフバッグを複数用意すればパッキングや持ち運びが便利に。防水性や丈夫さも考慮しながら、用途に適したスタッフバッグを選んでください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/11 一部コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 横尾忠徳)
作家、マルチクリエイター、アウトドア・ファッションのライター・エディターとして活躍。 アウトドア誌やファッション誌でジャンルを超えて連載。ライトノベルやゲームシナリオを執筆。 アウトドアでは『キャンプチャリ』の制作やキャンプ場プロデュースを手掛ける。またファッションマーケットの企画運営からプロダクト開発まで幅広く活動。山岳部出身、海育ちのテンカラ師。 『BE-PAL』や『camp hack』、『OCEANS』や『MonoMax』『Fine』といったメンズ誌のほか、女性ファッション誌にも参加。