ソニーEマウントとは? 「Eマウント」と「Aマウント」の違い
ソニーの「Eマウント」レンズとは、ソニーのミラーレス一眼カメラに対応したレンズの規格を指します。そして、ソニーのEマウントレンズを語るうえで欠かせないのが「Eマウント」と「Aマウント」という2つのマウントの存在です。まずは、この2種類のマウントについてご説明していきます。
Eマウントレンズの選び方 イメージセンサー・ソニーブランドレンズ・焦点距離など
ここからは、プロカメラマンの武石 修さんにお話をうかがい、Eマウントレンズの選び方のポイントについて解説していきたいと思います。
Eマウント ミラーレスに採用
「SEL」の型番から始まる主にミラーレス一眼カメラのボディで採用されているマウントです。ソニーはミラーレス一眼カメラのパイオニア的存在で、ミラーレスに対応したEマウントレンズもフルサイズ、APS-Cともに豊富なラインナップです。ちなみに、EマウントレンズをAマウントのボディに装着させることはできません。
Aマウント コニカミノルタ時代のマウント継承
「SAL」の型番から始まるのが「Aマウント」レンズです。Aマウントは、ソニーがコニカミノルタのカメラ事業を引き継いだことで残っているコニカミノルタ時代のマウント規格です。Aマウント対応レンズをソニーのミラーレス一眼カメラに装着するには、マウントアダプターが必要になります。
イメージセンサーのサイズに合わせて選ぶ 「APS-C」か「フルサイズ」か
ここでは、イメージセンサーのサイズの違い、特徴についてご紹介します。
「APS-C」の特徴
APS-Cは型番が「E」から始まるレンズです。フルサイズ用レンズと比べて価格が安くラインナップが豊富です。さらに軽量でコンパクトなものが多いのが特徴です。
「フルサイズ」の特徴

センサーサイズの比較
フルサイズは型番が「FE」から始まるレンズです。フルサイズ用レンズはフルサイズのボディはもちろん、APS-Cのボディにも取り付けることができ、諧調表現が豊かなうえ、高画質なのが特徴です。暗い環境でも多くの光量を取り込むこめるので、高感度撮影でもノイズの少ないきれいな夜景を撮影することができます。
被写体に合わせてレンズ(焦点距離)を選ぶ 標準・望遠・広角・単焦点・魚眼・マクロレンズの特徴
レンズ選びは焦点距離選びといっても過言ではありません。焦点距離とはすなわち、レンズの中心点からイメージセンサーまでの距離のことを指します。たとえば、50mmが標準レンズで人間の肉眼で見たときの画角といわれていますので、これより大きい数字になるほど望遠域、逆に小さい数字になるほど広角域ということになります。
肉眼で見える範囲に近い画角「標準レンズ」 焦点距離40~60mm
40、50、60mmあたりのレンズを標準レンズと呼びます。人間の肉眼で見たときに一番近い画角のレンズのため、初心者におすすめのレンズです。自分の目で見たままの景色を撮影できるため、構図も決めやすく、使い勝手のよい焦点距離のレンズといえます。
遠く離れた被写体の撮影に「望遠レンズ」 焦点距離100mm~
100mm~のレンズを望遠レンズと呼びます。運動会や野鳥、野生動物といった遠くの被写体を撮影したいときにおすすめのレンズです。スポーツ写真や野生動物といった遠くのものを撮るのが決まっているようなら、レンズが明るい望遠単焦点を。近くのものも撮りたいのであれば望遠ズームを選びましょう。
風景写真向き「広角レンズ」 焦点距離35mm以下
35mm以下のレンズを広角レンズと呼びます。広角レンズの特徴は撮影範囲が広いことです。集合写真や風景写真など画面いっぱいい被写体を撮り込みたいときに最適なレンズです。
きれいなボケ味の明るいレンズ「単焦点レンズ」 ズームできない単一の焦点距離
単焦点レンズはズーム機能のないレンズのことを指します。つまり、焦点距離が1つのみなので、自ら動いて被写体に近づきピント合わせをしなくてはなりません。一見、手間のように思えますが、単焦点レンズはほかのレンズにはない美しいボケ味を表現することができます。
また、ほかのレンズよりもF値が小さい明るいレンズなのも特徴です。あらかじめ撮影シーンが決まっている方におすすめのレンズです。
芸術的な写真が撮れる「⿂眼レンズ・マクロレンズ」 広角レンズの仲間
料理などの物撮りなど被写体に限りなく近づいて撮る際には、「最短撮影距離が35cm以下」の短いレンズを選びましょう。考え方としては広角レンズと同じで、「FE」や「E」で始まる数字が小さいレンズを選べば自ずと最短距離も短いレンズとなります。正確な最短撮影距離を知るには、スペック表を確認してみてください。
魚眼レンズ(フィッシュアイ)は、最短撮影距離が短く、広い範囲の景色を写せるという意味では、接写レンズや超広角レンズの仲間ともいえます。しかし、広角レンズとの大きな違いであり最大の特徴は、中心が盛り上がったような180度以上の写真を撮ることができる点です。この面白さからアート写真でよく用いられる遊び心のあるレンズともいえます。
マウントアダプターで互換性をもたせることが可能 他社製レンズを使いたいときは?
ソニーのミラーレスカメラはEマウントレンズにしか対応していませんが、「マウントアダプター」を装着することでAマウントやニコン、キヤノンなど他社製マウントのレンズも取り付けることができます。
50mm単焦点を入門にレンズを増やしてみよう プロカメラマンからのアドバイス
フリーランスライター/カメラマン
「こんな写真が撮りたい」と思ったら、その写真が撮られたレンズの焦点距離を確認してみましょう。まず、自分が撮りたい写真に合った焦点距離を把握することが重要です。
とはいえ、どんな写真が撮りたいのか定まっていない人もいるでしょう。その場合は、50mmレンズを単焦点レンズの入門にすることをおすすめします。撮り方次第で広角レンズ的にも望遠レンズ的にも使えて、汎用性が高いからです。
一方、同じ焦点距離だと明るいレンズのほうが高級品で高性能といえますが、現在は廉価版のレンズもじゅうぶんな性能をもっており、画質に大きな不満は出ないでしょう。それどころか小型軽量かつ安価というメリットを活かして、本数を増やして撮影に行けばより多くのバリエーションをものにでき、多くの傑作が生まれるかもしれませんね。
3つのソニーブランドレンズ それぞれのシリーズの特徴
続いて、ソニーのブランドレンズについてご紹介します。ソニーのブランドレンズは3種類。それぞれ違った特徴をもっていますので、撮影シーンを思い浮かべながら、お好きな用途に使ってみてください。
すぐれた解像性能「G Master(GM)」シリーズ
ソニーの技術力が光る圧倒的な解像度を実現した「G Master(GM)」シリーズ。静止画では美しいボケ味を表現しつつ、動画においても高い解像度での撮影が可能です。
美しいボケ味「Gレンズ(G)」シリーズ
「Gレンズ(G)」シリーズは、「ソニーα」のルーツである「ミノルタα」の伝統とレンズ技術を継承しており、大口径で優れた描写力となめらかで美しいボケ味が特徴のレンズです。
はっきりしたコントラスト「ZEISS レンズ(ZA)」シリーズ
「ZEISS レンズ(ZA)」シリーズは、ソニーとカールツァイスが共同開発したレンズ。色の再現性が抜群でヌケの良い透明感を演出したいときに最適のレンズです。くっきりとしとコントラストが好みなら、ぜひおすすめしたいシリーズです。
Eマウント【ズーム】レンズのおすすめ4選 焦点距離・開放F値・最短撮影距離もチェック!
ここまでで紹介したEマウントレンズの選び方のポイントをふまえて、プロカメラマンの武石 修さんと編集部が厳選したおすすめ商品をご紹介します。レンズの特徴とともに、使いどころもわかりやすく解説いただいたので、ぜひ参考にしてみてください。
まずはズームレンズからご紹介!
Eマウント【単焦点】レンズのおすすめ9選
続いて、Eマウントのおすすめ単焦点レンズをご紹介します。
α7シリーズとベストマッチのコンパクトレンズ
35mmは広角レンズのなかでは比較的背景をボカしやすく、風景や人物など幅広い被写体に対応できることから、単焦点レンズのなかでも人気がある焦点距離です。
本レンズは明るさがF2.8と少々暗めの設計ですが、わずか120g程度という軽さでスナップ撮影などにもってこいの1本といえます。全長も36.5mmと短く、α7シリーズに装着すればかさばらずに持ち運ぶことが可能です。
35mm F2.8というスペックのレンズはさらに安いものもサードパーティーから出ていますが、このレンズは高品位レンズの代名詞ともなっている「ZEISS」ブランドを冠しているのが大きなポイント。画質は折り紙つきです。
「Eマウントレンズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする Eマウントレンズの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのEマウントレンズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ソニーEマウントレンズに関するQ&A よくある質問
望遠ズームと単焦点どちらを選べばよいですか?

撮るものが明確に決まっているのであれば、レンズが明るい「単焦点」がおすすです。逆に、撮るのがとくに決まっておらず、いろんなシーンの写真を撮りたいのであれば、「ズーム」をおすすめします。
APS-C用レンズをフルサイズのボディに付けることはできますか?

ニコン、ペンタックス、ソニーは付けられますが、キヤノンは付けられません。ただし、シグマやタムロンなどサードパーティー製レンズは装着可能です。また、フルサイズ用のレンズの場合は下位互換があるため、マウントさえ同じであればどのメーカーのものでもAPS-Cのボディに付けることができます。
【関連記事】Eマウントレンズに関するそのほかの商品
撮りたいものにあわせてレンズを選ぼう
ソニーのミラーレス一眼カメラに対応したレンズの規格である「Eマウント」。自身のカメラに合うレンズを選ぶには、規格だけでなく被写体との焦点距離やサイズ、明るさなどをよく確認するようにしましょう。
ただし、ものによってはかなり高価になる場合があるため、予算と自身の希望のバランスをうまく取るようにしてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。 2018年からフリー。雑誌やWebサイトでの執筆の他、作品撮影も行い、ストックフォトサイトでの販売も行っている。 2019年はデジタルシネマカメラを導入し、ミュージックビデオなどの撮影・編集も手がけている。