ソニーEマウントレンズとは?
ソニーの「Eマウント」レンズとは、ソニーのミラーレス一眼カメラに対応したレンズの規格を指します。
ソニーはミラーレス一眼カメラのパイオニア的存在で、ミラーレスに対応したEマウントレンズもフルサイズ、APS-Cともに豊富なラインナップです。
ソニー製のカメラとレンズには、ほかに「Aマウント」という規格がありますが、これは、ソニーがコニカミノルタのカメラ事業を引き継いだことで残っているコニカミノルタ時代のマウント規格です。Aマウント対応レンズをソニーのミラーレス一眼カメラに装着するには、マウントアダプターが必要になります。
Eマウントレンズの選び方 プロカメラマンが解説
プロカメラマンの武石 修さんに、Eマウントレンズを選ぶときのポイントを教えてもらいました。レンズ選びに関わるカメラ用語もていねいに説明していただいています。
イメージセンサーのサイズに合わせて選ぶ
ソニーのイメージセンサーには、「フルサイズ」と「APS-C」の2種類のサイズが存在します。どのレンズがフルサイズでAPS-Cかは次のレンズの型番で区別されています。
・「a7」「a9」シリーズなどのフルサイズ……「FE~」のレンズ
・「a+4桁の数字」で始まるAPS-C……「E~」のレンズ
フルサイズ用の「FE」で始まるレンズであれば、APS-Cサイズのセンサーにも対応するため、こちらがおすすめです。ちなみに、フルサイズのカメラボディにAPS-C用の「E」で始まるレンズを付けると、APS-Cサイズの画角でしか写りません。
ソニーブランドのレンズを選ぶ
ソニーブランドのレンズとは、それぞれソニー独自の技術を生かして開発された次の3つの高性能レンズになります。
・「G Master(GM)」シリーズ……すぐれた解像性能
・「Gレンズ(G)」シリーズ……美しいボケ味
・「ZEISS レンズ(ZA)」シリーズ……はっきりしたコントラスト
被写体に合わせて選ぶ
レンズを選ぶ際は、撮るものに合わせて選ぶのがポイントです。ポートレートなど背景をきれいにぼかした人物写真なら「F値の小さいレンズ」、風景など画面いっぱいに映したいときは「広角レンズ」、遠くのものを撮りたいときは「望遠ズームレンズ」を選ぶとよいでしょう。
望遠ズームレンズ
動物や運動会など遠くにいるものを撮りたいときは、「E」や「FE」で始まる数字が「85mm」以上のものを選びましょう。おおよその目安は次の通りです。
・中望遠レンズ……85mm以上
・望遠レンズ……135mm以上
・超望遠レンズ……400mm以上
なお、望遠レンズは遠くのもの撮ろうとすればするほど手ブレをおこしやすくなります。そんなときは、光学式手ブレ補正「OSS」(Optical Steady-Shot)の表記があるレンズがおすすめです。
F値の小さいレンズ
人の目の画角に近い50mmの単焦点レンズ。F値1.8の明るさと単焦点ならではのボケ味を堪能できる。
ポートレート写真などでよく背景がきれいにボケた写真がありますが、そうした写真を撮るときは「F~」で始まるF値の低いレンズを選んでください。目安として、「F2.8」を基準に小さいレンズといえます。
フリーランスライター/カメラマン
レンズの明るさをあらわす「F値」。この数字が小さいほど明るく撮れるレンズで、多くの光を取り込めます。焦点距離が同じレンズならF値が小さいほど背景を大きくボカすことが可能です。
ただし、F値が小さくなるほどレンズは大きく重くなる傾向にあり、価格も上昇します。たとえば、50mmレンズであればF1.4のタイプは高級品で10万円を超える製品も見られますが、F1.8になると比較的求めやすい価格になるので狙い目。
単焦点レンズはズームレンズよりもF値が小さいのが一般的ですから、50mmレンズならF1.8でもじゅうぶんに背景をボカして撮ることが可能です。
広角レンズ
旅行に行った際、風景写真などを撮る機会ありますよね。そうしたときには、画面に映しこめる範囲が広い広角レンズがおすすめです。選ぶ際は、「FE」や「E」のあとに続く数字が「35mm」より小さいものを目安に選びましょう。
接写(マクロ)撮影には最短撮影距離が短いものを
撮影距離とは、イメージセンサーから被写体までの距離のことを指します。料理などの物撮りなど被写体に限りなく近づいて撮る際には、「最短撮影距離が35cm以下」の短いレンズを選びましょう。考え方としては広角レンズと同じで、「FE」や「E」で始まる数字が小さいレンズを選べば自ずと最短距離も短いレンズとなります。正確な最短撮影距離を知るには、スペック表を確認してみてください。
芸術的な写真に仕上がる魚眼レンズ
「コンバーターレンズ」(別売り)を装着すると「21mmの超広角レンズ」や「16mmの魚眼レンズ」としても使える。
魚眼レンズ(フィッシュアイ)は、最短撮影距離が短く、広い範囲の景色を写せるという意味では、接写レンズや超広角レンズの仲間ともいえます。しかし、広角レンズとの大きな違いであり最大の特徴は、中心が盛り上がったような180度以上の写真を撮ることができる点です。この面白さからアート写真でよく用いられる遊び心のあるレンズともいえます。
オートフォーカスかマニュアルフォーカスか
基本的にはAFだが、自分でピントリングを回しMFでも撮影できるレンズ。別売りコンバーターレンズが2種使用でき、多彩な絵作りが楽しめる。
フリーランスライター/カメラマン
交換レンズにはピントが自動で合う「オートフォーカス」(AF)タイプと、自分でピントリングを回して合わせる「マニュアルフォーカス」(MF)タイプがあります。
ソニー純正のEマウントレンズはすべてAF対応です。また、社外品のEマウントレンズも多くがAFに対応しています。
一方で、数は少ないながらMFのEマウントレンズも存在します。これらは描写性能を追求した高級レンズなどに見られ、プロやハイアマチュア向けがほとんど。MFレンズならではのピント合わせの楽しさがあるのも確かですが、使いこなすにはそれなりのスキルが必要です。
カメラをはじめたばかりであれば、AFレンズを選ぶのが無難といえます。なお、今回取り上げるのはすべてAFレンズです。
「焦点距離」で変わる画角とボケ量 プロカメラマンからのアドバイス
フリーランスライター/カメラマン
交換レンズを選ぶ際にまずチェックしたいのが「焦点距離」です。
焦点距離はレンズに「○○mm」と記載してある数字で、この数字が小さいレンズほど広い範囲を写すことができます。反対にこの数字が大きいレンズは写る範囲が狭くなりますが、遠くのものを引き寄せて写すことが可能です。
焦点距離の分類は厳密に決まっているものではありませんが、フルサイズカメラでは一般的に35mmくらいまでを「広角レンズ」、50mm前後を「標準レンズ」、85mm以上を「望遠レンズ」と呼んでいます。
焦点距離が長いほうが背景をボカしやすいので、大きく背景をボカしたいなら標準レンズや望遠レンズを選びましょう。
Eマウトレンズのおすすめ10選 焦点距離・開放F値・最短撮影距離もチェック!
ここまでで紹介したEマウントレンズの選び方のポイントをふまえて、プロカメラマンの武石 修さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。レンズの特徴とともに、使いどころもわかりやすく解説いただいたので、ぜひ参考にしてみてください。

SONY(ソニー)『FE 50mm F1.8(SEL50F18F)』

出典:Amazon
焦点距離 | 50mm |
---|---|
開放F値 | F1.8 |
最短撮影距離 | 0.45m |
フィルターサイズ | φ49mm |
最大径×長さ | φ68.6×59.5mm |
重量 | 186g |
キットレンズの次に手に入れたい定番単焦点レンズ
50mmレンズは人間の目に近い画角になることから「標準レンズ」と呼ばれており、この種類のレンズを使いこなすことは写真上達の近道でもあります。
本レンズは明るさをF1.8に押さえた廉価版(れんかばん)に当たり、購入しやすいのがポイントです。また、上位のF1.4のタイプ(Planar T* FE 50mm F1.4 ZA)に比べて大幅に小型、軽量となっているのもうれしいところでしょう。
ズームレンズの場合、高級品でもF2.8程度ですからF1.8はじゅうぶんに明るく、背景をボカした写真が手軽に撮れます。ポートレートや散歩がてらのスナップにぴったりです。

SAMYANG OPTICS(サムヤン・オプティクス)『AF 50mm F1.4 FE』




















出典:Amazon
焦点距離 | 50mm |
---|---|
開放F値 | F1.4 |
最短撮影距離 | 0.45m |
フィルターサイズ | φ67mm |
最大径×長さ | φ73.5×97.7mm |
重量 | 585g |

SONY(ソニー)『FE 85mm F1.8(SEL85F18)』












出典:Amazon
焦点距離 | 85mm |
---|---|
開放F値 | F1.8 |
最短撮影距離 | 0.8m |
フィルターサイズ | φ67mm |
最大径×長さ | φ78×82mm |
重量 | 371g |

SONY(ソニー)『Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA(SEL35F28Z)』










出典:Amazon
焦点距離 | 35mm |
---|---|
開放F値 | F2.8 |
最短撮影距離 | 0.35m |
フィルターサイズ | φ49mm |
最大径×長さ | φ61.5×36.5mm |
重量 | 120g |
α7シリーズとベストマッチのコンパクトレンズ
35mmは広角レンズのなかでは比較的背景をボカしやすく、風景や人物など幅広い被写体に対応できることから、単焦点レンズのなかでも人気がある焦点距離です。
本レンズは明るさがF2.8と少々暗めの設計ですが、わずか120g程度という軽さでスナップ撮影などにもってこいの1本といえます。全長も36.5mmと短く、α7シリーズに装着すればかさばらずに持ち運ぶことが可能です。
35mm F2.8というスペックのレンズはさらに安いものもサードパーティーから出ていますが、このレンズは高品位レンズの代名詞ともなっている「ZEISS」ブランドを冠しているのが大きなポイント。画質は折り紙つきです。

シグマ『35mm F1.4 DG HSM』

出典:Amazon
焦点距離 | 35mm |
---|---|
開放F値 | F1.4 |
最短撮影距離 | 0.3m |
フィルターサイズ | φ67mm |
最大径×長さ | φ77×94.0mm |
重量 | 665g |

SONY(ソニー)『FE 28mm F2(SEL28F20)』


























出典:Amazon
焦点距離 | 28mm |
---|---|
開放F値 | F2 |
最短撮影距離 | 0.29m(AF時)/0.25m(MF時) |
フィルターサイズ | φ49mm |
最大径×長さ | φ64×60mm |
重量 | 200g |
コンバーターレンズで楽しめる本格的な広角レンズ
28mmは35mmよりも広々と写せることから、本格的な広角レンズとして風景やスナップ撮影で多用されています。本レンズの明るさはF2で、一般的なズームレンズよりも明るいのがポイント。それでいながら、重さは約200gと軽いのも◎。
このレンズは2種類の「コンバーターレンズ」と呼ばれるオプションが用意されている変わり種で、これを装着すると「21mmの超広角レンズ」または「16mmの魚眼レンズ」としても使えます。
21mmのレンズも魚眼レンズも単体で購入するととても高価なレンズですが、それらを手軽に楽しめるのは大きな魅力といえるでしょう。
タムロン 『28-75mm F/2.8 DiIII RXD』
![[3年保険付]タムロン28-75mmF/2.8DiIIIRXD(ModelA036)フルサイズ対応ソニーEマウント大口径標準ズームレンズ[02P05Nov16]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/mitsuba/cabinet/tamron/imgrc0077555908.jpg)
![[3年保険付]タムロン28-75mmF/2.8DiIIIRXD(ModelA036)フルサイズ対応ソニーEマウント大口径標準ズームレンズ[02P05Nov16]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/mitsuba/cabinet/tamron/imgrc0077555907.jpg)
![[3年保険付]タムロン28-75mmF/2.8DiIIIRXD(ModelA036)フルサイズ対応ソニーEマウント大口径標準ズームレンズ[02P05Nov16]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/mitsuba/cabinet/tamron/imgrc0077555910.jpg)
![[3年保険付]タムロン28-75mmF/2.8DiIIIRXD(ModelA036)フルサイズ対応ソニーEマウント大口径標準ズームレンズ[02P05Nov16]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/mitsuba/cabinet/tamron/imgrc0077555908.jpg)
![[3年保険付]タムロン28-75mmF/2.8DiIIIRXD(ModelA036)フルサイズ対応ソニーEマウント大口径標準ズームレンズ[02P05Nov16]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/mitsuba/cabinet/tamron/imgrc0077555907.jpg)
![[3年保険付]タムロン28-75mmF/2.8DiIIIRXD(ModelA036)フルサイズ対応ソニーEマウント大口径標準ズームレンズ[02P05Nov16]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/mitsuba/cabinet/tamron/imgrc0077555910.jpg)
出典:楽天市場
焦点距離 | 28-75mm |
---|---|
開放F値 | F2.8 |
最短撮影距離 | - |
フィルターサイズ | - |
最大径×長さ | - |
重量 | 550g |
ソニー 『E PZ 18-105mm F4 G OSS』






出典:Amazon
焦点距離 | 27-157.5mm |
---|---|
開放F値 | F4 |
最短撮影距離 | 0.45m(ワイド端)/0.95m(テレ端) |
フィルターサイズ | φ72mm |
最大径×長さ | - |
重量 | 427g |
ソニー 『FE 135mm F1.8』

出典:Yahoo!ショッピング
焦点距離 | 135mm |
---|---|
開放F値 | F1.8 |
最短撮影距離 | 0.7m |
フィルターサイズ | - |
最大径×長さ | - |
重量 | 1.44kg |
ソニー『E 70-350mm F4.5-6.3 OSS』

出典:楽天市場
焦点距離 | 70mm |
---|---|
開放F値 | F4.5 |
最短撮影距離 | - |
フィルターサイズ | Φ67mm |
最大径×長さ | - |
重量 | 625g |
「Eマウントレンズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする Eマウントレンズの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのEマウントレンズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【関連記事】Eマウントレンズに関するそのほかの商品
50mm単焦点を入門にレンズを増やしてみよう プロカメラマンの「ここがポイント」
フリーランスライター/カメラマン
「こんな写真が撮りたい」と思ったら、その写真が撮られたレンズの焦点距離を確認してみましょう。まず、自分が撮りたい写真に合った焦点距離を把握することが重要です。
とはいえ、どんな写真が撮りたいのか定まっていない人もいるでしょう。その場合は、50mmレンズを単焦点レンズの入門にすることをおすすめします。撮り方次第で広角レンズ的にも望遠レンズ的にも使えて、汎用性が高いからです。
一方、同じ焦点距離だと明るいレンズのほうが高級品で高性能といえますが、現在は廉価版のレンズもじゅうぶんな性能をもっており、画質に大きな不満は出ないでしょう。それどころか小型軽量かつ安価というメリットを活かして、本数を増やして撮影に行けばより多くのバリエーションをものにでき、多くの傑作が生まれるかもしれませんね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:拝島祐子、掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/30 コンテンツ追加・修正のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。 2018年からフリー。雑誌やWebサイトでの執筆の他、作品撮影も行い、ストックフォトサイトでの販売も行っている。 2019年はデジタルシネマカメラを導入し、ミュージックビデオなどの撮影・編集も手がけている。