「クーゲルバーン」とは?
クーゲルバーンとは、ドイツ語で「玉の道」や「玉の塔」という意味を表します。傾斜のついたレールの上に、玉やボールを置いて転がしてあそぶおもちゃのことをいいます。
スロープトイともいわれるクーゲルバーンの動きは、赤ちゃんの心とからだを動かす魅力にあふれています。商品によってはパーツが大きく、赤ちゃんや小さなこどもでも安心して遊べるタイプもあります。
ボールを落としたり転がすだけで楽しめるものもあるので、1歳頃の赤ちゃんから、3歳頃まで、長い間遊ぶことができます。
購入する際は、必ず対象年齢を確認しましょう。
「クーゲルバーン」の選び方 色・形や安全性をチェック!
おもちゃコンサルタントマスター・加藤理香さんに、赤ちゃん向けクーゲルバーンを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
ポイントは下記の4つ。
【1】色・形をチェック!
【2】スピードが速すぎないものを選ぶ
【3】誤飲に注意! 大きさを確認
【4】安定して設置できるかをチェック
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】色・形をチェック!
赤ちゃんの目のちから=視力は、まだぼんやりとしています。
月齢にもよりますが、淡い色目よりも濃いもののほうが目にとらえやすいといわれています。また、こまかいものよりも、ある程度大きさのあるものがよいともいえます。
クーゲルバーンの大切な要素である「転がる」ものが、しっかりととらえられる大きさや色・形であることが、このおもちゃを楽しく遊べる条件になります。
【2】スピードが速すぎないものを選ぶ
動くものを目で追いかけることを「追視(ついし)」といいますが、赤ちゃんの追視のちからでは、動きの速すぎるものをとらえるのは難しいといわれています。
赤ちゃんが遊ぶためには、ゆっくり転がる、ゆっくり目で追いかけられるおもちゃであることが大切。
転がっていく音は、見る力をサポートするので、集中しておもちゃに向き合えます。
また、動いた先になにか音が出るしかけがあると、その音を頼りに動きを想像することもできていきます。
ボードを仕切りに、消えたり現れたりという視覚効果を持ったおもちゃも、赤ちゃんにとっては魅力的。
クーゲルバーンは、「道の上を転がっていくなにかを楽しむおもちゃ」ともいえますから、どんなスピードが赤ちゃんのお好みか、見つけておくとよいでしょう。
【3】誤飲に注意! 大きさを確認
赤ちゃんが少し大きくなると、まわりの大人たちはおもちゃとじっくり向き合って遊んでほしいと思いますよね。
ついつい、おもちゃと赤ちゃんを一対一にしたりします。でも、ちょっと待って! 転がるものは、誤飲の事故につながらない大きさでしょうか?
誤飲チェッカーなどがあっても、うっかり確認を忘れてそのまま遊ばせてしまう場合があります。
赤ちゃんが転がるものに手を伸ばした次の瞬間、お口に入れて喉に詰まらせることになってはたいへん!
誤飲につながらない大きさであるかどうか、きちんと確認しましょう。
また、赤ちゃんとおもちゃを一対一にするのではなく、注意を払いながら、楽しく一緒に遊びましょう。
誤飲を防ぐだけではなく、手指の発達の状態から、握る、つまむ、はなすがどのくらいできているかを知ることもできます。
【4】安定して設置できるかをチェック
おすわりができるようになった赤ちゃんは、自分で玉を転がそうとするでしょう。
その際、百発百中、レールや穴に置けるとは限りません。手を差し出したときに、本体がぐらぐらしたり倒れたり、レールが外れたりしては遊びが続かなくなってしまいます。
玉を乗せたときに安定感のあるものが好ましいでしょう。
次から次へとものを乗せては転がっていく様子を楽しむ、この繰り返しが大切な遊びの要素のひとつ。
赤ちゃんの場合、座って遊んでいるものの、自分自身の安定に必死かもしれません。
そのため、おもちゃが安定して設置できること、ものを置いても壊れたり崩れたりしないことを選ぶ目安にするよいでしょう。
クーゲルバーンのおすすめ11選 木製・プラスチック製や、1歳頃から遊べるものなど!
うえで紹介した赤ちゃん向けクーゲルバーンの選び方のポイントをふまえて、おもちゃコンサルタントマスター・加藤理香さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。
1歳頃から遊べるものや、木製やプラスチック製など素材にもさまざまな種類があります。ぜひ、赤ちゃんにぴったりの一品を選ぶ参考にしてくださいね。

転がる・消える・出た・チリン! 大好きがいっぱい
木でできたかわいいデザインで、赤ちゃんの大好きがいっぱい入っているおもちゃ。転がる玉は、お口に入りにくい直径4.5cmなので、まだ指でつまめない赤ちゃんでも、握るように玉を持って入り口に運ぶことができます。
玉の入り口も、ぽっとんと落としやすいつくりになっています。転がって消えて、また出てくるという「いないいないばあ」のようなアクションは、赤ちゃんの心をとらえて離さないでしょう。
土台もしっかりしていて倒れにくいので、お座りが上手にできて、なんでも自分でトライしてみたいという赤ちゃんにおすすめ。また、お座りがまだの赤ちゃんに大人が見せてあげたいときにも、ぴったりです。

玉の道の王道、転がりおもちゃ
道のパーツをつなげてルートを作り、玉を転がす、クーゲルバーンの王道のようなおもちゃです。見て楽しい、転がして楽しい、最後にチンと音がして楽しい、赤ちゃんの大好きな要素満載です!
玉の直径は4.5cmと誤飲しにくいサイズ。玉を握りこんで、積み木の上にのせれば転がるので、端っこでなければどこに乗せても大丈夫! 組み立てタイプですが、ずれないように工夫もされています。
白木の道にカラフルな玉と橋げたがとてもきれい。ハバ社から、このセットと同じ基尺のクーゲルバーンがいくつも出ています。遊びはじめは数を少なくして、少しずつ増やしていくというのは飽きさせないよいやり方。まずは基本からという方にぴったりです。

イタリアうまれのカラフルクーゲルバーン
ジョイントの仕方でいろいろなルートが作れるクーゲルバーンです。スロープもボールもカラフルで、とてもおしゃれ。うねうねしてみたり、隠れてみたりと、とにかく玉の動きがユニークで赤ちゃんを飽きさせることはないでしょう。直径4.5cmのボールは軽く、入口にぽとんと落としてもうるさくありません。
3つのボールのうち、ひとつだけなかにビーズが入っているので、転がっていくときの音も楽しめます。ブロックやリコーダーなどにも使われる樹脂素材で洗えるので、清潔にしていたい方にとくにおすすめです。

カラフルボールがダイナミックに動くタワー
直径5cmの大きなボールと、高さ46.5cmのタワー型おもちゃです。一番上にはじょうご形の玉の入り口があるので、正確に穴に落とさなくても、そこまで手を持っていて握っていた玉を離せば転がり落ちてきます。
座っている姿勢からぐーんと手を伸ばす動きや、ボールを追いかける動きをともなうのにちょうどいい高さ。レールをどんどん転がり落ちると思いきや途中でストップ、ボタンを押してリスタート! その緩急のある動きで赤ちゃんの心をとらえます。ダイナミックな遊びが好きな赤ちゃんにぴったりです。

はじめてのクーゲルバーンに!
さまざまなシリーズを展開しているニック社の、「はじめて買って遊ぶ方」に向けたシンプルなセットです。わずか12ピースのなかに、クーゲルバーンの魅力がしっかりと詰まっています。
ルートを自分で組み立てられること、スタートとエンドを自分で決められること、通り道を見渡して玉の動きを予想できることなど、赤ちゃんが夢中になる要素がたくさん。
転がる玉は直径4.5cm。ルートを長くしたり複雑にしたりできるセットを買い足せば、世界がぐんと広がっていきます。まずは少ないパーツでじっくり遊んでみたい、そんな方におすすめです。

ジグザグスロープがかわいいおもちゃ
スロープのうえを、車のコマが転がっていきます。スロープサイドに立ち上がりがあるので、小さな手で車を乗せても落ちにくく、滑らせやすい構造になっています。コマを乗せて手を離す、その結果、最後まで転がっていくというシンプルな構造から、成功体験を得ることができるでしょう。
コマやスロープにかわいらしい色がついているので存在感がありますが、お部屋のなかで邪魔になるほどの大きさではありません。車の好きな赤ちゃんや、座ってじっくり遊ぶことが好きな赤ちゃんにおすすめします。

転がる姿のかわいらしさに思わず目を奪われちゃう!
会津(あいず)地方の郷土玩具・起き上がりこぼしをモチーフにした、コマが転がるタイプの日本製クーゲルバーン。ボードに施した溝を通るので、回転する姿をじっくりと目で追いかけることができます。
ボードには日本の風景を想起させるイラストが描かれているので、昔話を語りかけながら、お話し遊びを楽しみながら、何度もコマを転がして遊ぶことができます。お子さまのイメージを紙に描いて、貼って転がる風景を変化させても楽しいでしょう。
球体ではないので、遊んでいるうちに、どこかに転がっていってしまう心配がないのも大事なポイントです。省スペースで遊びたいご家庭や、お部屋のインテリアにしたいご家庭にぴったりです。

大きなコマがダイナミックに動く!
2本のレールの間を転がるタイプのクーゲルバーンで、コマが縦に回転をします。4つのコマの大きさや転がり方、シルエットが異なるので飽きずに楽しめますし、お子さまにとっては自分のお気に入りを見つける楽しさがあります。
大きなおもちゃなので、立ちあがって一番上のレールにコマを乗せられると、それだけで満足感が得られるでしょう。また、立っち前の赤ちゃんに転がりを見せてあげても喜ぶと思います。
「リングこま」は、通常の「コマ」として遊ぶこともできます。最後にストッパーがついていますから、コマが本体から飛び出していく心配はありません。お外遊びにつなげたり絵本の世界と結びつけたりと、おもちゃとさまざまな遊びを広げて楽しみたいご家庭におすすめです。
聴覚を刺激! 心地よい音色に家事の疲れも吹き飛ぶ
まるで鹿威し(ししおどし)のような、カラカラコロコロ鳴る音に癒されるのがこちら。下段の他、サイドにも木琴のようなパーツが付いているため、玉がカタカタと音を立てながら転がり落ち、聴覚と視覚を同時に刺激してくれます。
調律された鍵盤は、すっと身に染み入る心地よい音色。子どもの聴覚を刺激し、音の世界を広げてあげたい方におすすめです。聞いているうちに、ママやパパも家事や育児の疲れが吹き飛ぶことでしょう。
ボール、まゆ玉、はしご落としの3way
ボール落とし、まゆ玉落とし、はしご落としと、3種類の遊び方ができて、それぞれ異なる落ち方をじっくりと観察することができます。指の動かし方のトレーニングにもなるので、初めての木のおもちゃとして選んでみてはいかがでしょう。
小さなパーツがカラフルな橋の上を下りていく様子は、見ていて飽きることがありません。部屋に置いておいてもかわいいカラフルなデザインなので、おしゃれなお部屋にしたい方にもおすすめです。

速くなったり遅くなったり、転がるボールに釘付け!
まん丸ではなく歪んだ形の玉や、手足の付いた人形型のボールがコロコロと動きの強弱を付けながら転がり落ちます。ただ上から落とすだけというシンプルな遊びですが、ボール同士で競争させたり、違った場所から落としてみたりと、熱中して遊んでくれるでしょう。
子どもがまたがって遊んでも壊れにくい、頑丈さもポイント。長く愛用できる木のおもちゃを探している方におすすめです。
スロープトイおすすめ商品比較一覧表
クーゲルバーンの遊び方は? 大人はどう関わるといい? おもちゃコンサルタントマスターが解説
赤ちゃんが、玉の動きを追ってつい手を伸ばしてしまう。それは遊びに入り込んでいる証拠です。
「スタートからゴールまで転がるのを見る」は大人の考え。お子さまは、心が動いたときに手が動きます。玉の動きをストップするのも取り出すのも、楽しいチャレンジであり遊びなのです。
ここにきっとくるだろうなと、スロープの途中に手を置いて待っていることもあるでしょう。予測を立てて遊ぶのは遊びのステップを上がっているということです。
また、スタートに置くのはちょっと難しい場合があるので、手を伸ばしやすいところに玉や車を置くかもしれません。それは、自分で自分の「ちょうどよい」を決められたということ。日々できること、届くところが広がっていきます。いろいろなトライを見守りましょう。
赤ちゃんにおすすめの「おもちゃ」を紹介!
クーゲルバーン選びで迷ったら おもちゃコンサルタントマスターのアドバイス
クーゲルバーンは、本当にたくさんの種類があります。選ぶ際には、遊ぶ場所の広さや環境、お子さまの手の動きなどをポイントにするといいですよ。
転がる速さやコマ同士のぶつかる音などの、聴覚や視覚に直接働きかける要素は、おもちゃそのものの好き嫌いに密接に関わるといえます。おもちゃを遊んでいる動画などを探して参考にすると、より間違いのないチョイスができるでしょう。
この記事で紹介したのは小さなお子さま向けのものですが、より複雑で立体的な思考力や推理力の必要なタイプのクーゲルバーンもあります。成長にともない、このようなおもちゃに移行して知的好奇心を伸びやかに育み、家族や友達と一緒に遊んで豊かな時間を過ごしてくださいね。
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