「青のり」「あおさ」「あおさのり」のちがい

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青のりとあおさは、食品としての名称と生物としての分類が一致しておらず、とてもややこしいのです。
「青のり」の仲間に、「あおさのり」があります。また、青のりとして販売されているものの食材にも「アオサ」が含まれていることは多いです。
少しややこしいのですが、ちがいを整理しておきましょう。
主にふりかけて香りを楽しむ「青のり・あおさ」 和食の仕上げに、お好み焼きやたこ焼きの風味付けに
「和食の仕上げや、お好み焼き・たこ焼きのトッピングとして使う「青のり」。
糸のりのように細かく加工する前の状態で販売されていることもありますが、多くはふりかけやすいよう、また、より香りを楽しめるよう、乾燥させてから細かく加工されて流通しています。
その正体は、緑藻アオサ目アオサ科の「アオサ」「アオノリ」という海藻です。
真の「青のり」は高級品
「アオノリ」は筋状(糸状)の細長い形の海藻で、加工したときに細かい粉になり、とても香りがよく、高級品として、料亭などで和食の仕上げに使われています。
「青のり」の正体が「あおさ」のこともある?
「アオサ」は幅のある葉状の海藻で、「アオノリ」より安く流通しています。お好み焼きやたこ焼き、ポテトチップスなどにかかっているのは、手に入れやすい「アオサ」であることも多いです。
「青のり」と呼ばれるのは「青のり・あおさ」だけじゃない!
「アオサ」「アオノリ」どちらも「青のり」として販売されています。
さらにややこしいことに、次に解説する「あおさのり(ヒトエグサ)」を「青のり」と呼ぶこともあるのです。商品名だけで判断せず、用途に合わせて買い分ける必要があるのです。
食感も楽しめる「あおさのり」 お味噌汁やスープに入れて、納豆や酢の物にも
「青のり」の仲間に、「あおさのり」があります。
「あおさのり」は、海藻を乾燥させたそのままの状態で販売されていることが多く、栄養豊富で、健康食品としても注目されています。ふりかけて使う「青のり」と比べて歯ごたえがあり、また熱に強く、加熱調理してもおいしく食べられます。
お味噌汁などの汁物や麺類などに入れれば、風味と食感を楽しめる一品が完成します。納豆や酢の物に混ぜても、また、てんぷらや佃煮にしてもおいしくいただけます。
生物学上の分類としては、「ヒトエグサ」といわれる緑藻アオサ目ヒトエグサ科の海藻で、沖縄では「アーサー」とも呼ばれています。また、単に「あおさ」とも、ややこしいことに「青のり」と呼ばれることもあります。
「青のり」「あおさ」「あおさのり」の選び方
飲食店コンサルタント・大槻洋次郎さんへの取材をもとに、青のりを選ぶときのポイントを解説します。
「卓上タイプ」「使い切りタイプ」の青のり・あおさ 家庭で毎日いただくなら
家庭で気軽に使うなら、手に入れやすく価格もお手ごろなアオサの「青のり」がいいですね。高級青のりと比べれば香りが劣るとはいえ、保存や賞味期限に気を付ければ、じゅうぶんおいしくいただくことができます。
ポイントは、「少量タイプ」や毎日でも使いやすい「卓上タイプ」を選んで、風味が飛んでしまう前に使いきることです。
風味が薄れる前に食べきるのがおいしく食べるコツ
青のりと言えば、焼きそばや、お好み焼き、タコ焼きなどにぴったりですよね。
家庭で使うのであれば、まずは少量の「使い切りタイプ」や「卓上タイプ」を使いたいところ。乾燥タイプの青のりでも一度封を開けると風味が徐々に飛んでしまいますので、いきなり大きなサイズを買うことはおすすめしていません。
「すじ青のり」「糸のり」といった高級青のり 風味や香りにこだわるなら
本格的な和食やおもてなしに使うなら、こだわって高級青のりを選びましょう。「アオサ」と比べてより香り高く繊細な「アオノリ」を、ぜひ楽しんでみてください。
国産の、養殖ではなく天然のアオノリを、天日干しで乾燥させた「青のり」は最高級品です。産地は愛媛、徳島、岡山、高知などが知られています。
パッケージからは「アオサ」と「アオノリ」の区別がつかないことも多いです。その場合は、「すじ青のり」「糸のり」とある品を選んでみるといいですよ。筋状、糸状の細かい形こそ「アオノリ」の証。手でほぐすようにしてふりかけて使いましょう。
加熱に強く食感ゆたかな「あおさのり(ヒトエグサ)」 汁ものや麺類、てんぷらや和え物など味と食感を楽しむなら
お味噌汁やラーメンなどに入れたり、てんぷらにしたりと、そのものを加熱して食べるなら、「あおさのり」がおすすめです。
ふりかける「青のり」ほど少量で豊かに香ることは少ないながらも、磯の香りとともに独特な食感も楽しむことができます。たっぷり食べることで、食物繊維やミネラルなどの栄養をとれるのもうれしいですね。
「あおさのり」として販売されているほか、沖縄産のものは「アーサ」「アーサー」としても販売されています。また、地方によっては「あおさのり」のことを「青のり」と呼びます。
青のり(あおさのり)の「佃煮」 フレッシュな風味を楽しみたいなら
海苔の佃煮としてポピュラーなのは黒い海苔の佃煮ですが、青のりの佃煮もおすすめです。
佃煮になる「青のり」は、実は「あおさのり(ヒトエグサ)」。加熱に強く、佃煮にしても風味を楽しむことができます。
全国的にはまだまだ商品は少ないですが、ぜひ知っておいて欲しいのが青のりの佃煮です。青のりのフレッシュな色合いと風味がたまりません。締めのご飯にぴったりの一品です。
粉末とはまた違う楽しみ方をしたい方におすすめしたい商品です。
ふりかけて楽しみたい「青のり・あおさ」7選 和食の仕上げに、お好み焼き・たこ焼きに
買いやすい価格。さまざまなレシピに!
手ごろな価格で、お好み焼きやたこ焼きなどにたっぷりかけられるあおさです。天ぷらやおでん、あんかけ大根、揚げ出し豆腐などの和食のおかず、和風ピザやパスタ、サラダなどのトッピングに幅広く使え、おかずに風味を加えてくれます。
袋は保存に便利なチャック付きです。
※Amazon・楽天市場は1袋、Yahoo!ショッピングは10袋の価格です。
ゆかりで有名な三島食品の青のり
人気のふりかけメーカー、三島食品が手掛ける粉末状青のり。小分けのパウチに入っており、上部の一面がチャックで開け閉めするタイプなので、スプーン等で取り出すといいでしょう。粉末状の青のりには珍しく、国産すじ青のり100%のこだわりの商品で、徳島県吉野川産の高品質な原料を使用しています。
なお、形状は純粋な粉末ではなく、細長いスジ状をしており、お手頃ながら風味が良いです。定番のお好み焼きや焼きそばのほか、とろろ汁や納豆のトッピングなど幅広く活用できます。
調味料専門会社が販売する、こだわりの青のり
戦後青のりの加工を始めた香辛料専門会社が製造しているすじ青のりです。粉末の青のりですが、こだわりの国産すじ青のりを使用しており、なめらかな口どけと風味が特徴です。
大量生産でなく、作りたての香りと味わいを大切にていねいに製造されています。上部がチャック式になっており、退色を防いで鮮度を守ってくれます。
おはぎやおもちなどの和風スイーツの仕上げ用にも相性のよい青のりです。

青のりそのままの贅沢な味わいと香り
より本物感を味わいたい方はこの商品がおすすめです。
三重県の伊勢志摩の粉状でもフレーク状でもなく、青のりそのままの形状の商品です。こういった形状の青のりを「糸のり」と呼ぶそうです。
丸のままということもあり、袋を開けた時にブワーッと磯の香りがします。餅や煮物にまぶすのが通の食べ方ですが、贅沢にふりかけのようにごはんにかけて楽しむのもおすすめです。

懐かしくて香り高い定番品
食卓に置きたい、間違いのない定番商品をお探しの方には、青のりひと筋90年のカメセ水産の青のりをおすすめします。
ホームページをご覧いただいてもわかるかと思いますが、青のりへのこだわり、熱い想いには頭が下がります。
焼きそばやお好み焼きはもちろん、かまぼこやちくわの天ぷらに混ぜてもグッドです。フライドポテトにかけても、ちょっぴり和風テイストでおいしいです。レトロな瓶にも温もりを感じます。
※Amazonは1本、楽天市場は2本の価格です。

少し大きめカットだから風味がしっかり
卓上用ではなく、こだわりの青のりを探している方には、人気がある富澤商店製の瀬戸内海産の青のりがおすすめです。荒波にもまれた豊かな風味が特徴で、粉末というよりは少し大きめの青のりのイメージです。
お好み焼きなどに贅沢にかけてもいいですが、おにぎりにまぶしてもおいしいです。他の食材とあえてサラダ風にしても、しっかりした風味なので味がまとまります。
贈答品で有名な永井海苔。高品質な粉末青のり
高品質の瀬戸内海産の青のりを使用、贈答品の定番として有名な永井海苔の粉末青のりです。青のりの形状をやや残しながら細かく加工されているため、粉末では力不足になりがちな揚げ物やサラダ、パスタやスープ料理に添えても存在感を発揮してくれます。
上部のチャックで開閉するパウチ式なので湿気や光から守り、風味を長く保ちます。
食感を楽しみたいおすすめの「あおさのり」3選 お味噌汁に、ラーメンに、てんぷらに、和え物に
色鮮やかな宮古島産アーサ
沖縄は宮古島のアーサ。色鮮やかで、汁物や揚げ物はもちろん、たまご焼きに、麺類にと、さまざまな料理に使えます。料理に使う場合は、1分ほど水に浸して戻してください。
風味・香りをそのままフレッシュパック
伊勢志摩産の風味・香りよいあおさをフレッシュパックした一品。お水でさっと戻した後に、おみそ汁・お吸い物・サラダ・麺類・酢の物などに入れれば、香りとともに楽しめます。
沖縄のちゅらうみで育った天然アーサ
沖縄の「美ら海(ちゅらうみ)」で、ミネラルたっぷりに育った、天然のアーサ(ヒトエグサ)は、潮の香りと、アーサ特有の旨みがたっぷり。お味噌汁などの汁物に加えるだけで、おいしさが格段にアップします。
青のりの佃煮としておすすめの「あおさのり」2選 白いごはんにのせて楽しみたい

珍しい青のりの佃煮
青のりの佃煮なら 宮城県気仙沼市の横田屋本店謹製のものをぜひお試しください。のりの佃煮を食したことのある方は多いかと思いますが、青のりの佃煮は食べた経験はないのでは?
色味は黒ではなく、美しい深緑色が特徴です。とろりとした食感とほんのり甘口の仕上がりがご飯と最高に合います。何度でも食べたくなる味わいです。
※Amazonは1個、楽天市場・Yahoo!ショッピングは5個の価格です。

斬新なパウチ入りの青のりの佃煮
話題の商品をお探しならこちら! 写真をご覧いただいてわかるかと思いますが、パックに入ったなんとも斬新な青のりの佃煮です。
確かに瓶だとちょっと取り出しにくいし、きれいに取るのは大変ですが、堂本食品『青のりわかめ入り』なら問題なし! 必要な分だけちょっとずつ出して食べられます。
しかもスタンディングタイプで食卓でも使いやすいです。風味豊かな青のりに細切りの茎ワカメを加えてあって食感も最高です。
「青のり」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 青のりの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの青のりの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【番外編】季節限定の希少な生青のりを食べてみる
国内で取れる青のりのうち、生青のりとして流通しているのはごくわずか。海水と淡水が混じる「汽水域」で青のり栽培が盛んなので、静岡県の浜名湖や三重県の伊勢志摩地域の生青のりが有名です。
乾燥ものと違い、芳醇な磯の香りが魅力。産地によっても変わりますが、青のりの旬はおおむね冬から春にかけてです。スーパーの海産物コーナーで生の青のりを見かけたらぜひご賞味あれ!生の青のりの調理のコツは、デリケートなので手早く調理すること。そのままあえものにしてもおいしいです。
そのほかの青のり・あおさ関連の記事はこちら 【関連記事】
使いやすさや形状からこだわりの品を選ぼう
カフェの専門家・飲食店コンサルタントの大槻洋次郎さんへの取材をもとに、青のりの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。
ひとくちに青のりと言っても、糸状の高級「青のり」から「あおさ」、さらに「あおさのり」まで、種類も風味もちがうことがおわかりいただけたことでしょう。
しかし、どれも磯の香りを食卓に届けてくれることは間違いありません。青のり・あおさを上手に活用して、普段の食卓に彩りを添えてくださいね。
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飲食業に携わって20年。カフェ経営の経験を活かし、現在は店舗経営サポート業、大手カフェスクールや展示会などでの講演活動、執筆活動を行なっている。 著書には、『ひとりではじめるこだわりカフェ塾(セルバ出版)』がある。また、カフェメニューの創作も得意で、「家庭にあるものでプロの味」がモットー。1974年生まれ/京都出身。