PLCアダプターとは|役割を解説
鉄筋コンクリートのマンションではWi-Fi電波が届かないことがあります。また、インターネットに接続できるLAN端子がない部屋ではWi-Fiが利用できません。
このような状況を解消するのがPLCアダプターです。コンセントにさすだけでネット環境を構築し、電波強度に関係なく有線接続環境を作れます。ただし同じ分電盤を利用しているコンセントにしか使えないので、利用環境を事前にチェックする必要があります。
IT&家電ライター
鉄筋コンクリート製のマンション屋内や母屋と離れた離れ屋では、Wi-Fi親機からの電波が届かないというケースも少なくありません。
そういった場合に便利なのがPLCアダプター。屋内電気配線を使って通信するため、離れていてもコンセントがあればWi-Fiが届き、インターネットを利用できるようになります。また、LANの敷設が難しい場合にも手軽にネットワークを利用できる方法です。
PLCアダプターの仕組み

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PLCアダプターは「コンセントLAN」とも呼ばれています。仕組みは簡単で、家の中にすでにある電気配線をLANケーブルの代わりとして利用できるようにします。
PLCアダプターは、基本的には2つで1セットになっていて、1つをホームゲートウェイやONUのようなルーターにLANケーブルで接続し、自宅の電源コンセントへと挿します。もう片方のPLCアダプターをインターネット接続したいPCとLANケーブルで接続し、ちかくの電源コンセントに挿せば完了です。
あまり知られていない宅内の電気配線を使っての有線接続を可能したLPCアダプターですが、使ってみると「あ、Wi-Fiよりも速くなった!」とよろこんでいる人も多いみたいです。本記事を参考にどんなPLCアダプターがいいのかを見極めて、商品選びの参考にしてみてくださいね。
PLCアダプターの選び方
それでは、PLCアダプターの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】ワンタッチで接続できるモデルなら設定もかんたん
【2】接続数とLANコネクタ数をチェック
【3】ゲームや高画質動画を楽しむなら高速通信モデルが◎
【4】消費電力をチェックして選ぶ
【5】子機の追加は同規格・同メーカーを
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ワンタッチで接続できるモデルなら設定もかんたん
はじめてPLCアダプターを使う場合の選ぶポイントは、かんたんに設定できるかどうかです。適しているのは、コンセントにさしてLANケーブルをつなぐだけの設定不要のモデル。
このようなモデルは初期登録設定や暗号化設定が終わっているので、届いてすぐに使えます。
子機を追加する予定があるなら、ペアリングボタンつきのモデルならかんたんに増設可能です。
IT&家電ライター
PLCアダプターは、親機と子機がセットになっており、コンセントに挿すだけですぐにネットワークを構築できます。Wi-Fiのような難しい設定は必要ありません。
また、子機を増設すれば、複数の端末をインターネットに接続可能なほか、ペアリングボタン付きのモデルを選べば、ワンタッチで子機を増設できます。手軽にネット環境を構築するならPLCアダプターは非常に便利です。
【2】接続数とLANコネクタ数をチェック
PLCアダプター(子機)から有線接続できる機器は、基本的にひとつです。設置する部屋が多い場合や、複数の機器に接続したいのなら「最大接続数」をチェックしてください。
最大接続数とは、ひとつの親機から接続できるPLCアダプター(子機)の数です。モデルによっては16個まで接続可能なものもあるので、必要に応じて選びます。
【3】ゲームや高画質動画を楽しむなら高速通信モデルが◎
ゲームや高画質動画を楽しみたいのなら、通信速度をチェックしてください。PLCアダプーを利用すると多少の速度制限はかかりますが、「最大通信速度(Mbps)」が速いものを選ぶことが大事です。
ただし、最大通信速度は理論上の参考数値。利用する環境や通信会社のプランなどによって速度は変わるので、その点は理解しておきましょう。
IT&家電ライター
速度だけでなく、ノイズ耐性もチェック!
ゲームや高画質動画を楽しむ場合、高速通信できるモデルがおすすめ。最大数百Mbps程度の高速通信ができるPLCアダプターを使えば、通信速度にシビアなオンラインゲームや高画質動画も、十分に楽しむことができます。
なおPLCアダプターは、ノイズによって通信速度が落ちる場合もあるので、ノイズ耐性が高いモデルを選ぶといいでしょう。
【4】消費電力をチェックして選ぶ
PLCアダプターを選ぶときは消費電力にも注目しましょう。一日中さしっぱなしにすることもあるので、コストを考える必要があります。
通信速度が速いモデルほど消費電力がかかるので、選ぶときは通常時の消費電力をみてから選ぶことが大事です。
「省エネモード」を搭載しているモデルもあります。
【5】子機の追加は同規格・同メーカーを
現在は必要なくても、将来的に子機を増設する場合もあるでしょう。そのときは現在使用中のモデルと同じ規格・同じメーカーのものを選んでください。
子機は親機と同じ規格でなければ利用できないのです。増設する予定があるなら、親機が子機にもなる切り替えスイッチつきのモデルなどを選ぶのもひとつの方法。
規格には、HD-PLC、HomePlugAV、UPAの3種類がありますので、事前に確認してください。
PLCアダプターおすすめ7選
先ほど紹介したポイントをふまえて、家電ライターの秋葉けんたさんと編集部が選んだおすすめのPLCアダプターを紹介します。




Panasonic(パナソニック)『PLCアダプター PL-LS14KT』
「PLCアダプター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする PLCアダプターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのPLCアダプターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの配線に関連する記事はこちら 【関連記事】
最後に|家電ライターのアドバイス
IT&家電ライター
最長通信距離のチェックも忘れずに
PLCアダプターは、数百メートルの通信距離であれば利用できるものがほとんどですが、電力線の距離ということに注意が必要です。
直線距離では近くても、配線によっては遠回りしていることも。購入時には、最長通信距離が長いものを選んだ方が安心です。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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編集プロダクション「マイカ」所属のIT&家電専門ライター。 スマホやパソコン、ストレージ、ネットワークなどIT全般のみならず、家電についての執筆実績が多い。書籍、雑誌、新聞、業界誌やWebコンテンツなど、様々な媒体に記事を提供している。 また、広告やカタログ、導入事例といったB2Bの営業支援ツール制作にも携わる。IT系、家電を中心にコンセントにささるいいモノをおすすめしていきます。 略歴 1973年生まれ。 高等学校の教職員勤務経験を経て、マイカに勤務。雑誌や専門誌のライターとして活躍する。 その後、IT流通の専門誌の記事制作を担当し、B2BからB2Cまで幅広い専門知識を獲得。 最近では、Webメディアやオウンドメディアの編集企画制作も担当。 著書歴 ・iCloud&iTunes超使いこなしガイド 2019最新版 (三才ムック) ・今すぐ使えるかんたん はじめる&使える MacBook入門(技術評論社) ・スマホの困ったを解決する本 (三才ムック) ・iPhone超活用ガイド (三才ムックvol.988) ・今すぐ使えるかんたんEx iPhone プロ技BESTセレクション(技術評論社)