固形燃料の選び方のポイント 種類や燃焼時間、保存方法をチェック!
キャンプライターの中山 一弘さんに、固形燃料の選び方のポイントを教えてもらいました。どんな点に注目して商品を選べばいいのかわからない方は、エキスパートの視点を商品選びに生かしてみてください。
固形燃料の種類で選ぶ
固形燃料とひとくちにいっても、その材質や形状にはさまざまなものがあります。アウトドア用でよく使われる材質としては、アルコール系のものと木質系(木炭)のものがあります。これらを利用した形状の違いで紹介していきます。
定番の「卓上用固形燃料」
アウトドアシーンだけでなく、ご家庭でも手軽に使える定番の固形燃料。揮発しにくいよう、密閉状態を維持しやすいのもうれしいポイントです。
アルコール系の代表格、「卓上用固形燃料」です。よく旅館の宴会などでも使われる、コンロと一緒に使うアルミ箔のついた燃料として見たことがあるかもしれません。固形燃料として一番最初におもいつくのはこれかもしれませんね。
防災グッズとしても人気「缶入り固形燃料」
一度火をつけて消しても再度利用できるのが「缶入り固形燃料」の特徴です。缶入りは容量も多く長時間利用することができるので、保存性に優れ非常用として使われることが多い固形燃料です。
着火剤とし広く利用「タブレット型固形燃料」
おもに木炭の着火剤として利用されるのが「タブレット型固形燃料」です。必要な分を割ってつかえるものが多く、火力や使用時間に応じて量を調整して利用します。もともとは軍用として使われていたといわれています。
バーベキューの命「木炭」
木質系の木炭には、「黒炭」、「白炭(備長炭)」、「成型炭(オガ炭・オガライト)」などがあります。詳しくは下記の記事で紹介しています。
木質系の商品については、こちらの記事をご覧ください
アウトドアでの楽しみといえば、みんなでワイワイ盛り上がるバーベキューだという方も多いでしょう。バーベキューで活躍する燃料といえば炭ですが、実は種類も使い方もさまざまなタイプのものが販売されています。そのため、どんなものを選べばいいのか悩んでしまいますね。そこで本記事では、キャンプライターの中山...
キャンプ/釣りライター
それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選択
ほかには小分けで手軽なジェルパックなどもあります。自分がどのような固形燃料を利用したいのか、それぞれ燃焼時間や保管の仕方などがことなるので、特徴をまず調べてから選ぶようにしましょう。
必要な火力を満たすか燃焼時間で選ぶ
キャンプ/釣りライター
強い火力で15分が燃焼時間の最低ライン
固形燃料には、ティーライトキャンドルのようなものも含めることがあります。とても安価に販売されていることがありますが、アウトドア用としてはあまり向きません。
燃焼時間は長いものの、風で吹き消されやすく、火力もそれほど期待できないためです。自宅でチーズフォンデュをするだけ、という程度ならばよいのですが、炊飯や調理に使おうとするのであれば、やはり燃焼時間が長く火力も高いものがおすすめです。
一般的にお湯を沸かしたり炊飯をしたりといったことを考えるなら、強い火力で15分程度の燃焼時間が基準だと考えましょう。追加投入できるのであれば、ひとつあたり燃焼時間が5分だとしても、連続して3つ使えば15分持つという考え方でもOKです。
揮発性の高いアルコール燃料は、保存しやすいものを選ぶ
キャンプ/釣りライター
気密性のある容器に移す、高温になる場所に置かない
宴会などでよく出てくる、ひとり用コンロで使うアルコール燃料は、長く保存しているうちに揮発してしまい、気づいたら中身がなくなっていた、ということもあります。燃料の包装自体の密閉性が高い商品を選ぶとよいでしょう。
なお、購入して開封したら、気密性のある容器に移して保管しておけば安心です。また、自己着火の危険を避けるため、とくに夏場に窓の近くで直射日光が当たって高温になる場所には置かない心配りも必要です。注意書きなどをよく読み、安全に保管するようにしましょう。
固形燃料はニオイにも注意! キャンプライターからアドバイス
キャンプ/釣りライター
炭の火起こしなどであれば、持続時間と火力だけに注目すればよいのですが、調理に使う場合はニオイや煙が出るかどうかなども調べておきたいものです。
メーカーによって異なるのですが、商品によっては多少ガソリンに近いニオイのものもあり、それで食材を焼くとニオイが移ってしまうことも。「コッヘル」などの調理器具を使うならよいのですが、直火が食材にあたる使い方の場合は注意しましょう。
実際に使ってみないとわからないことなので、アウトドア用品店で聞いてみたり、通販サイトのレビューなども参考にしてください。
固形燃料のおすすめ8選 気になる燃焼時間や使い方もチェック!
上でご紹介した固形燃料の選び方のポイントをふまえて、キャンプライターの中山 一弘さんと編集部が選んだおすすめの商品をご紹介します。エキスパートならではのていねいな解説つきで商品をご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

エスビット『固形燃料ミリタリー』

出典:Amazon
重量 | 14g |
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燃焼時間 | 1タブレット約12分 |
入り数 | 6個 |
500mlのお湯を沸かすのもこれひとつでOK
エスビットはドイツのメーカーで、固形燃料を入れた状態で折りたたんで持ち運べる、「ポケットストーブ」とのセット商品でおなじみです。アウトドア用品を扱うお店には、必ず置いてあるような定番商品です。
「固形燃料ミリタリー」はタブレット状の商品で、ひとつあたり約12分ほど燃焼します。500mlのお湯を沸かすのが約8分程度なので、ちょうど使いやすいものになっているといえるでしょう。ガス缶とは違い、高所や低温下でも安定して燃焼するのが特徴です。さまざまな環境下で頼りになる燃料として、常備しておくのもよいでしょう。
これより小さい『固形燃料スタンダード』は燃焼時間が5分ほどなので、組み合わせて調整する使い方もあります。

ニイタカ『チャック付き袋入りカエン』








出典:Amazon
重量 | 25g |
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燃焼時間 | - |
入り数 | 20個 |

ファイヤーサイド『ドラゴン着火剤』








出典:Amazon
重量 | 1パック350g |
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燃焼時間 | 約15分(1個) |
入り数 | 24個 |
小分けしやすく使いやすいキューブ状
薪ストーブをはじめとして、焚き火道具や直火用ケトルなど、火に関連する商品を販売しているファイヤーサイドの着火剤です。
着火剤となっていますが、調理に使ってもかまいません。価格も比較的安価なので、常備する固形燃料としても最適です。キューブ状の燃料はひとつあたり15分ほど燃焼し、火力もじゅうぶんなので使いやすいものです。
1パック24個入りで販売されていますが、キューブ間のすきまが大きめなので、はさみなどで切って必要な個数だけ持ち歩きやすいのがこの商品の特徴。密閉できる金属缶などに小分けして入れ、不意の発火を防ぐなど、安心して持ち運ぶこともできます。

ニチネン『屋外用トップ丸缶600g』






出典:Amazon
重量 | 600g |
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燃焼時間 | 約110分 |
入り数 | 12個 |
災害時のそなえにも最適な缶入りタイプ
故障せず安心して使える缶入りタイプの燃料が、登山などで多く使われていた時代がありました。現在でもほぼ変わりませんが、それほど完成されたスタイルだったといえるのがこの商品です。
非常用・防災用などで備蓄されることも多いので、目にしたことがあるかもしれません。この商品のすばらしいところは、上ふたが五徳(ごとく)になる仕組みで、このまま鍋などを置いて調理することが可能な点です。燃焼時間も110分と長く、きちんとふたをして消火すれば再使用も可能です。
ちなみに同タイプで250gもありますが、こちらは燃焼時間150分と、今回紹介している600gのものより燃焼時間が長くなっています。これは、250gの方が火のでる穴が小さく、火力を抑えているためです。

LOGOS(ロゴス)『ゲルネンミニパック』

出典:Amazon
重量 | 25g |
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燃焼時間 | -- |
入り数 | 8個 |
パック入りのジェル状で保管しやすい
こちらの「ゲルネンミニパック」は、単体で調理が可能なものではなく、炭による火おこしをかんたんにしてくれる商品です。
アルコール系の固形燃料のなかでも、ジェル状にして小さなパックに分けているタイプも根強い人気があります。チューブからしぼり出すタイプより使いやすいという方が多いのも、人気の秘密でしょう。
キャンプ用品をフルラインアップでそろえる人気のLOGOS(ロゴス)の商品だけあって、安心して使えます。ただし、すでに燃えている状態のコンロなどに追加投入はしないように注意が必要です。
ジェルタイプを燃えている火の中に投げ込むと、場合によっては爆跳(ばくちょう)することがあるためです。燃焼時間も長めで火力もあるので、上手に使えば一袋で炭の火起こしができます。
LOGOS(ロゴス)『エコココロゴス・ミニラウンドストーブ3』












出典:Amazon
重量 | 450g |
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燃焼時間 | 30~45分(1個) |
入り数 | 3個 |
井之上事務所『Dual-Heat』








出典:Amazon
重量 | 130g |
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燃焼時間 | 120分(強火)、180分(弱火) |
入り数 | 1缶 |
ニチネン『パック 四角タイプ』

出典:Amazon
重量 | 27g |
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燃焼時間 | 約20分30秒 |
入り数 | 12個 |
固形燃料とあわせて使いたいキャンプグッズ コンロや五徳、受け皿など!
LOGOS(ロゴス)『マイクロステンコンロ』
























出典:Amazon
重量 | 160g |
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燃焼時間 | - |
入り数 | コンロ本体、燃料受け皿 |
Esbit(エスビット)『チタニウムストーブ(ESSTI115TI)』










出典:Amazon
重量 | 11.5g |
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燃焼時間 | - |
入り数 | コンロ本体 |
イケダ『火消し蓋(固形燃料皿用)』

出典:Amazon
重量 | 23g |
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燃焼時間 | - |
入り数 | 本体 |
「固形燃料」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 固形燃料の売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの固形燃料の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
固形燃料についてのおさらい まとめ
1)アウトドア用でよく使われる固形燃料はアルコール系のものと木質系のもの
2)バーベキューなどで使うなら火力や燃焼時間をチェック
3)包装にも注目して保存しやすいものを選ぶ
固形燃料は、着火速度や火力を重視して選ぶといいでしょう。アルコール系や木質系などタイプによって特徴が異なるので、用途に合ったものをチョイスしてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/11/20 コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 大熊武士)
青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。