固形燃料の種類・タイプ
固形燃料とひとくちにいっても、その材質や形状にはさまざまなものがあります。アウトドア用でよく使われる材質としては、アルコール系のものと木質系(木炭)のものがあります。これらを利用した形状の違いで紹介していきます。
定番の「卓上用固形燃料」
アルコール系の代表格、「卓上用固形燃料」です。よく旅館の宴会などでも使われる、コンロと一緒に使うアルミ箔のついた燃料として見たことがあるかもしれません。固形燃料として最初におもいつくのはこれかもしれませんね。
防災グッズとしても人気「缶入り固形燃料」
一度火をつけて消しても再度利用できるのが「缶入り固形燃料」の特徴です。缶入りは容量も多く長時間利用することができるので、保存性に優れ非常用として使われることが多い固形燃料です。
着火剤とし広く利用「タブレット型固形燃料」
おもに木炭の着火剤として利用されるのが「タブレット型固形燃料」です。必要な分を割ってつかえるものが多く、火力や使用時間に応じて量を調整して利用します。もともとは軍用として使われていたといわれています。
(★)それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選択
ほかには小分けで手軽なジェルパックなどもあります。自分がどのような固形燃料を利用したいのか、それぞれ燃焼時間や保管の仕方などがことなるので、特徴をまず調べてから選ぶようにしましょう。
固形燃料の選び方
それでは、固形燃料の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
【1】燃焼時間
【2】保存のしやすさ
【3】ニオイや煙の量
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】燃焼時間をチェック
固形燃料には、ティーライトキャンドルのようなものも含めることがあります。とても安価に販売されていることがありますが、アウトドア用としてはあまり向きません。
燃焼時間は長いものの、風で吹き消されやすく、火力もそれほど期待できないためです。自宅でチーズフォンデュをするだけ、という程度ならばよいのですが、炊飯や調理に使おうとするのであれば、やはり燃焼時間が長く火力も高いものがおすすめです。
一般的にお湯を沸かしたり炊飯をしたりといったことを考えるなら、強い火力で15分程度の燃焼時間が基準だと考えましょう。追加投入できるのであれば、ひとつあたり燃焼時間が5分だとしても、連続して3つ使えば15分持つという考え方でもOKです。
【2】保存のしやすさをチェック
宴会などでよく出てくる、ひとり用コンロで使うアルコール燃料は、長く保存しているうちに揮発してしまい、気づいたら中身がなくなっていた、ということもあります。燃料の包装自体の密閉性が高い商品を選ぶとよいでしょう。
なお、購入して開封したら、気密性のある容器に移して保管しておけば安心です。また、自己着火の危険を避けるため、とくに夏場に窓の近くで直射日光が当たって高温になる場所には置かない心配りも必要です。注意書きなどをよく読み、安全に保管するようにしましょう。
【3】ニオイや煙の量をチェック
炭の火起こしなどであれば、持続時間と火力だけに注目すればよいのですが、調理に使う場合はニオイや煙が出るかどうかなども調べておきたいものです。
メーカーによって異なるのですが、商品によっては多少ガソリンに近いニオイのものもあり、それで食材を焼くとニオイが移ってしまうことも。「コッヘル」などの調理器具を使うならよいのですが、直火が食材にあたる使い方の場合は注意しましょう。
実際に使ってみないとわからないことなので、アウトドア用品店で聞いてみたり、通販サイトのレビューなども参考にしてください。
固形燃料おすすめ12選
上記でご紹介した固形燃料の選び方のポイントをふまえて、おすすめの商品をご紹介します。エキスパートならではのていねいな解説つきで商品をご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

500mlのお湯を沸かすのもこれひとつでOK
エスビットはドイツのメーカーで、固形燃料を入れた状態で折りたたんで持ち運べる、「ポケットストーブ」とのセット商品でおなじみです。アウトドア用品を扱うお店には、必ず置いてあるような定番商品です。
「固形燃料ミリタリー」はタブレット状の商品で、ひとつあたり約12分ほど燃焼します。500mlのお湯を沸かすのが約8分程度なので、ちょうど使いやすいものになっているといえるでしょう。ガス缶とは違い、高所や低温下でも安定して燃焼するのが特徴です。さまざまな環境下で頼りになる燃料として、常備しておくのもよいでしょう。
これより小さい『固形燃料スタンダード』は燃焼時間が5分ほどなので、組み合わせて調整する使い方もあります。

小分けしやすく使いやすいキューブ状
薪ストーブをはじめとして、焚き火道具や直火用ケトルなど、火に関連する商品を販売しているファイヤーサイドの着火剤です。
着火剤となっていますが、調理に使ってもかまいません。価格も比較的安価なので、常備する固形燃料としても最適です。キューブ状の燃料はひとつあたり15分ほど燃焼し、火力もじゅうぶんなので使いやすいものです。
1パック24個入りで販売されていますが、キューブ間のすきまが大きめなので、はさみなどで切って必要な個数だけ持ち歩きやすいのがこの商品の特徴。密閉できる金属缶などに小分けして入れ、不意の発火を防ぐなど、安心して持ち運ぶこともできます。
料理をするならコレ!
燃える時のガソリン臭さなどが一切無いため、料理のおいしさを損なうことなく気軽に楽しめます。1つで18~26分程度燃えるため、キャンプでご飯を炊くにも良し、ご家庭でコンロ料理やチーズフォンデュをするのも良しと、使い勝手は抜群です!アルミカップ付きなので片付けが簡単なのも嬉しいところ。初心者さんにも扱いやすい一品ではないでしょうか?
長期保管にも最適な燃料
揮発しないので長期保管に適している商品です。従来の固形燃料は長期保管を行うと揮発して量が減る・少なくなる・なくなってしまうなどの欠点があり、ラップなどでくるんでの面倒な保管が必要でした。パック燃料はその点を改善し、揮発しない特徴があり、長期保管に優れており防災対策用品としてもおすすめです。
業務用だからたっぷり使えます!
25gの固形燃料が20個セットになったお得な商品です。原材料にメタノールを使用しているため、気になる燃焼時の匂いなどはありません。燃焼時間は約20分とスタンダードな仕様なので、ほどよい火加減で料理がおいしく仕上がりますよ。アルミ箔がついているタイプなので、火皿は使用しないように注意して下さい。

パック入りのジェル状で保管しやすい
こちらの「ゲルネンミニパック」は、単体で調理が可能なものではなく、炭による火おこしをかんたんにしてくれる商品です。
アルコール系の固形燃料のなかでも、ジェル状にして小さなパックに分けているタイプも根強い人気があります。チューブからしぼり出すタイプより使いやすいという方が多いのも、人気の秘密でしょう。
キャンプ用品をフルラインアップでそろえる人気のLOGOS(ロゴス)の商品だけあって、安心して使えます。ただし、すでに燃えている状態のコンロなどに追加投入はしないように注意が必要です。
ジェルタイプを燃えている火の中に投げ込むと、場合によっては爆跳(ばくちょう)することがあるためです。燃焼時間も長めで火力もあるので、上手に使えば一袋で炭の火起こしができます。
1分で即着火! エコでパワフルな炭燃料
バーベキューで大活躍しそうな便利な炭。使用している原料はヤシの実やココナッツ採取の際に廃棄処分になるはずのヤシガラで、環境に優しい固形燃料です。
エコにも関わらず、1個で4枚以上のステーキが焼けるほどのパワフルな火力を保ち続けます。さらに、着火するまでわずか「1分」という驚きの速さは、この商品最大の特徴と言えるでしょう。着火方法も一部に集中して火を当てるだけなので、初心者でもカンタンです。
鍋料理にピッタリ!手軽につかえる卓上用
燃焼時間は約25分と使い切りにはちょうど良いサイズです。パックのまま点火できるため手を汚すことなくスムーズに加熱できるのが便利ですね。メスティン容器にも使えますが、おすすめは鍋料理!調理にピッタリの火力で安定して燃えてくれますよ。価格も比較的試しやすい価格に抑えられていることも、お財布に嬉しいポイントですね。

安定の火力で炊飯などにも最適
アウトドア専用品として販売されているわけではありませんが、多くの方がよく知っている固形燃料といえばこの商品。
チャック付きの袋に入っているので、使用後も密封状態を保つことができ、残った固形燃料が揮発して小さくなってしまうのを最小限に防げます。ひとり用コンロなどで使ったことがある方も多いと思いますが、ライターやマッチでかんたんに着火し、火持ちもよいのが特徴です。
「メスティン」や「コッヘル」などで炊飯する際にも、適度な火力でおいしいご飯が炊けるでしょう。15g~30gまで、4段階の容量で販売されています。

災害時のそなえにも最適な缶入りタイプ
故障せず安心して使える缶入りタイプの燃料が、登山などで多く使われていた時代がありました。現在でもほぼ変わりませんが、それほど完成されたスタイルだったといえるのがこの商品です。
非常用・防災用などで備蓄されることも多いので、目にしたことがあるかもしれません。この商品のすばらしいところは、上ふたが五徳(ごとく)になる仕組みで、このまま鍋などを置いて調理することが可能な点です。燃焼時間も110分と長く、きちんとふたをして消火すれば再使用も可能です。
ちなみに同タイプで250gもありますが、こちらは燃焼時間150分と、今回紹介している600gのものより燃焼時間が長くなっています。これは、250gの方が火のでる穴が小さく、火力を抑えているためです。
最長2時間燃焼!キャンプのお供に最適です
アウトドア総合ブランドによる缶入りタイプの商品です。燃焼時間は約1時間程度、ふたについている「中ぶた」を使用すれば約2時間とたっぷり使えます。キャンプや登山にはもちろん、保存性の高さを活かして災害時用にストックしておくのも良いでしょう。本格的な固形燃料をお求めの方におすすめです。
非危険物認定で災害時の備蓄にも重宝する燃料
空輸も含めたすべての交通機関での輸送が可能な固形燃料で、旅行先やアウトドアでも利用できる便利なアイテムです。消防署の規制を受けない「非・危険物」で、再保存や再利用も可能なので、災害時用の備蓄としても役立つでしょう。
特許を取得した特殊なロックウールを使用しているので、万が一倒れても燃料がこぼれないだけでなく、発火点が152℃高いため、自然発火の危険性もないすぐれた安全性も魅力です。
番外編|その他のキャンプグッズ5選
ポケットサイズに折りたためるコンパクトなストーブ
特徴は、ポケットサイズに折りたたむことが可能な超コンパクト設計で、持ち運びしやすいストーブになっています。
コンパクトになるというだけでなく、ステンレスを使用しているので、耐久性も兼ね備えています。ステンレス製は、丈夫なだけでなく軽くて汚れが落ちやすいというメリットも。キャンプのあとも、洗えばキレイなまま使い続けることができるでしょう。トレッキングやソロキャンプでも活躍しそうです。
ソロキャンプに最適なポケットストーブ
ドイツエスビット社製の固形燃料ストーブです。収納時には10cm×7.7cm×2.3cmと片手で十分おさまるコンパクトサイズなため、持ち運びに便利でソロキャンプには最適です。また、エスビットの固形燃料もセットになっているため、すぐ利用できるのも便利です。
超軽量の13g! 扱いやすいチタン製ストーブ
コンパクトさと軽量性から、ヨーロッパ諸国の軍で採用されている、サバイバルブランド・エスビットの製品です。チタニウム製で、重量はわずか13gという超軽量ストーブ。カンタンに折りたたむことも可能なので、コンパクトに持ち運ぶことができるでしょう。
五徳は斜めカット仕様で滑り止めのギザギザつき。クッカーの大きさを問わず安定感が増すような設計になっています。
燃料の無駄使いを防げる便利な逸品
燃焼中でも、途中で火が消すことができ、燃料の無駄使い防止に役立ちます。再利用できる燃料もあるので、そういった燃料を扱うときに役立つでしょう。
ステンレス製で耐久性や軽さがすぐれているのも魅了のひとつ。使用後にきちんと手入れをすれば、長期間使用することも可能です。シンプルですが、持っていると便利なアイテムではないでしょうか。
メスティン『 アルミ製飯ごう ハンドルカバー「4点セット」』
炊飯だけじゃないさまざまな調理に対応するセット
アルミ製飯盒、ハンドルカバー、ストーブ、バット網の合計4点がセットになった商品です。これひとつですぐに調理ができ、コスパも最高です。また、高熱伝導のアルミなためお米のアレンジ料理はもちろん、ラーメンやパスタなどの麺類も調理可能です。これ1台で調理の幅が大きく広がるでしょう。
「固形燃料」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 固形燃料の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの固形燃料の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのアウトドアアイテムもチェック 【関連記事】
アウトドアでの使い勝手が大きく変わる!
本記事では、固形燃料の種類や選び方、そしてタイプ別のおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?商品を選ぶ際は、種類ごとの特徴を把握した上で、下記の3つのポイントを抑えておきましょう。
【1】燃焼時間
【2】保存のしやすさ
【3】ニオイや煙の量
アウトドアにて、バーベキューなどで火起こしをする際に便利な固形燃料。種類によって燃焼時間が違ったり、持ち運びやすさが変わるなど、それぞれに特徴があります。一つひとつを押さえることで、アウトドアでの使い勝手が大きく変わりますので、ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。