3万円台のノートパソコンの選び方
ここからは、ITジャーナリストの一条真人さんにお話をうかがい、3万円台のノートパソコンを選ぶときのポイントを教えてもらいました。ノートパソコンにどんな性能を求めるかという点を考えるうえで大事な部分です。低価格で、かつ満足できるノートパソコンを選ぶために重要なポイントですので参考にしてみてください。
Windows? Chrome OS?|用途で選ぶ
3万円台のノートパソコンに搭載されているOSは、おもに「Windows」と「Chrome OS」の2種類です。それぞれの特徴をチェックして、使いやすいほうを選びましょう。
オールマイティーに使える「Windows」
日ごろからパソコンを使っている方にはなじみのある「Windows」。プログラムが豊富で、プライベートからビジネスまでオールマイティーに使えるのが魅力です。パワーポイントを使ったプレゼンテーション用にも適しています。
Windowsでしか動かないソフトも多いので、ノートパソコンを幅広く活用したい方はWindowsを選ぶといいでしょう。
PC初心者でも扱いやすい「Chrome OS」
OS(Operating System)とはパソコンを動かす基本ソフトです。現時点ではマイクロソフトのWindows 10やMacOSが主流ですが、GoogleのChrome OSを搭載したものなども一定の市場を持っています。
その利点はWindows 10よりも低いハードスペックでスムーズに動作するところです。そして、Chrome OSはGoogle製Chromeアプリが使え、マイクロソフトオフィスとデータ互換性のあるソフトもあり、仕事でも実用的に使えます。
また、OSやアプリのアップデートは自動的に行われ、手間もかかりません。本体のストレージを主力に使わないため、落とすなどの物理的なダメージの影響も受けにくく、小学生などの低年齢でも使いやすいのが特徴です。
各種スペックをチェック!
3万円台のノートパソコンを選ぶときに押さえておきたい基本機能について解説します。ノートパソコンを選ぶときの目安にしてみてくださいね。
SSD? eMMC?|ストレージを選ぶ
ストレージとは、データを保存するデバイス。多くのプログラムをインストールして使うには大きな容量が必要です。また、デジカメ写真や動画を大量に保存するにも大きな容量が必要です。Windowsパソコンの場合、通常は500GBあれば充分です。
ChromeBookでは起動時にクラウド経由でプログラムを読み込むのでストレージは16GB程度で普通に使えます。ストレージ容量が少なくとも大きな問題にならないでしょう。
ストレージには、ハードディスク、SSD、eMMCなどがあります。ノートパソコンに多く採用されているのは、データの処理速度が速いSSDと、小さくて省電力なeMMCです。性能(データの読み書きの速さ)順に並べると「SSD>eMMC>HDD」となります。
メモリの理想は4GB以上
メモリは、プログラムを動作させるためのワークエリアのことです。容量が大きいほどパソコンが余裕を持って動作することができます。メモリ容量が大きければプログラムの動作速度が速くなるとは限りませんが、小さいと動作が遅くなってしまったり動作すること自体ができなくなってしまったりする場合もあります。
必要メモリはOSによって変わりますが、Windows10パソコン・Chrome共に4GB以上がおすすめです。使用する用途に応じてメモリの容量を選びましょう。
キーボードの打ちやすさにも注目
キーボードを打つときの感覚もチェックしておきたいポイントです。キーの沈み具合が浅いものと深いものがあるので、自分にとって使いやすいタイプを選ぶといいでしょう。
また、エクセルや電卓機能などを使用して頻繁に数字を入力するなら、テンキーがあると便利です。ノートパソコンにテンキーがない場合には、外付けのテンキーを利用するという方法もあります。
2in1ならUSB端子の位置の確認を
ノートパソコンとタブレット、ふたつのモードを自由に切り替えられる2in1パソコン。2in1パソコンを選ぶときは、USB端子の位置を確認しましょう。
USB端子の位置は、タブレット側とキーボード側の2タイプ。安定性を求めるならタブレット側についているタイプがおすすめです。
一方、キーボード側にUSB端子がついているタイプは、電力供給が不安定になりやすいといわれています。もし、周辺機器に影響が出る場合は、セルフパワーのUSBハブを活用するといいでしょう。
HDMI端子以外にアナログ端子があると便利
機器によってはHDMI規格に対応していないことがあります。もし、ノートパソコンをプロジェクターに繋ぐことを想定しているなら、HDMI端子だけでなく、VGA端子などのアナログ端子がついていると、いざというときに役立ちます。
出先でプロジェクターをよく使用する方は、変換ケーブルを常備しておくと心強いでしょう。
持ち運ぶ場合のチェックポイント
携帯用のノートパソコンなら、画面のサイズやバッテリーの駆動時間もチェックしておきましょう。
14インチ以下のコンパクトサイズを
ノートパソコンをカバンに入れて持ち運ぶことを考えると、コンパクトなモデルがおすすめです。基準としては14インチ以下のものを選ぶといいでしょう。
また、明るい場所や屋外で使用するなら、光の映り込みが少ないノングレア液晶のノートパソコンが適しています。画面の表面にキズがつきにくく、目への負担が軽いのもノングレア液晶のメリットです。
バッテリー稼働時間は5~6時間ほどでも
バッテリー稼働時間はノートパソコンによってさまざまです。もし、会議やプレゼンテーションなどで一時的に使用するのなら、5~6時間ほどのバッテリー稼働時間でも対応できるでしょう。
3万円台という価格帯でバッテリー稼働時間を重視すると、処理能力などが劣ってしまうことがあります。用途に合わせて選ぶのがベターですが、バッテリー稼働時間だけでなく、性能などのスペックも一緒に確認しておきましょう。
「Office」のほかに互換ソフトも
マイクロソフト「Office」とはWindowsを開発したマイクロソフト社のビジネスソフトのパッケージソフトです。最近のWIndowsパソコンではこれをプリインストールしたものも多く販売されています。
プリインストールではユーザーが自分でインストールする手間もなく、オフィスソフトをパソコンと別に購入するよりもトータルで安くなるのでお得といえます。キングソフト「WPS Office」などの互換ソフトをプリインストールしている機種もあります。
インテル? AMD?|CPUを確認する
パソコンのエンジンともいうべき演算処理を行うパーツで、処理能力を決める重要な部分。現在はインテル製が主流ですが、この価格帯に多いAMD製はコストパフォーマンスが高いことが特徴です。
インテル製のAtomプロセッサは消費電力が小さくバッテリ駆動時間が長くなりますが、Celeronと比較しても処理能力は低くなってしまいます。
ディスプレイサイズと解像度
ディスプレイのサイズが大きくて解像度が高ければ、一度に表示できる情報量が多くなるため、インターネットの閲覧や文書作成、表計算ソフトの利用時など、さまざまな作業の効率が上がります。
ディスプレイ部分を回転させてタブレットモードになる商品、タッチパネル操作に対応している機種などもあり、そうした機種は手書きメモ機能を使う場合などに便利でしょう。
サイズと重量
軽量コンパクトサイズのLenovo(レノボ)『IdeaPad Duet Chromebook(ZA6F0024JP)』。また、レノボ製は価格がリーズナブルなのも特徴。
ノートパソコンは、持ち運びできる点が据え置き用のパソコンと比べた場合のメリットです。とはいえ、サイズと重量によっては持ち運びが現実的とはいえないこともあります。
ディスプレイサイズが大きいと画面に表示できる情報が多くなり使用には便利なのですが、大きくて重いパソコンになりがち。
したがって、便利さをとるか持ち運びのしやすさをとるか、使用用途にあわせた商品選択が重要です。
3万円台のノートパソコン12選 安い! 高性能! 軽量・薄型タイプも
3万円台で買える低価格ノートパソコンの選び方のポイントをふまえて、ITジャーナリストの一条真人さんと編集部が厳選したおすすめ商品をご紹介します。
性能や持ち運びのしやすさなど、使う場面を想像しながら選ぶと、より満足できるノートパソコン選びができるはずです。
HP(ヒューレット・パッカード)『Google Chromebook 14.0型 フルHD IPSタッチディスプレイ』














出典:Amazon

ASUS(エイスース)『Chromebook Flip C101PA』














出典:Amazon

ASUS(エイスース)『laptop E203MA』










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商談時のプレゼンテーションにも!
軽量で持ち歩きやすい11.6インチ液晶搭載のノートパソコン。最長で14.6時間バッテリ駆動できるので、モバイルで活躍できます。20,000回の開閉テストをクリアした堅牢なヒンジを持ち、しかもこのヒンジはディスプレイを180度開くことができます。
ディスプレイをタブレットのように人に見せやすいので、商談時のプレゼンでディスプレイを相手に見せたいときに便利です。プロセッサはCeleronN4000ですが、メモリ4GB、ストレージはeMMC(SSDと同じフラッシュストレージで起動が早い)で軽快に動作してくれます。
バッテリ駆動時間も長く、プレゼンにも活躍できるなど、価格のわりに活用範囲が広く、コストパフォーマンスがいい製品です。

Acer(エイサー)『Chromebook 15 CB3-532-F14N』




















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GLM『超軽量PC ノートパソコン (14-Z8350-JP)』








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Lenovo(レノボ)『Google Chromebook S330(81JW000YJE)』


















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HP(ヒューレット・パッカード)『Stream 11-ak0000(型番: 1W4Z1PA-AAAX)』














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ASUS(エイスース)『E203MA-4000』










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ASUS(エイスース)『R417YA-GA044T』




















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Acer(エイサー)『Chromebook C871T-A14P (712)』
















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VETESA『2020年秋モデル E8000』












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Lenovo(レノボ)『IdeaPad Duet Chromebook(ZA6F0024JP)』














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タブレットとしても使える10.1型ノートPC
キーボード着脱型でタブレットとしても使える、コンパクトな10.1型ノートPCです。ディスプレイは10点ものマルチタッチに対応しており、指やペンで操作したり、複数の指で簡単に拡大縮小できます。IPS液晶の解像度はWUXGA(1920×1200ドット)。内蔵カメラは、前面カメラが200万画素で単焦点方式、背面カメラが800万画素でオートフォーカス方式対応です。
ACアダプターで約4時間充電すると、約10時間連続使用できます。カラーは、タブレット本体「アイスブルー+アイアングレー」、キーボード「グレー」、ファブリック生地のスタンドカバー「グレー」となっており、とてもスタイリッシュな印象です。
「3万円台のノートパソコン」のおすすめ商品の比較一覧表
3万円台の格安ノートパソコンに関するQ&A よくある質問
CPUそれぞれの性能の違いを教えてください。

ノートパソコンで快適に作業をするためには、CPUが「Core i3」または「Ryzen 3」以上であるかどうかを確認してください。性能の順で言うと、このようになります。
「Core i9」「Ryzen 9」「Core i7」「Ryzen 7」>「Core i5」「Ryzen 5」「Core i3」「Ryzen 3」>intel「Atom」「Celeron」「Pentium」/AMD「A SERIES」「Athron」
CPUとは何ですか?

CPUとは、パソコン全体の計算、処理を行う装置で、いわばパソコンの頭脳を司る部分です。CPUの性能が高ければ高いほどデータ処理速度が向上します。現在CPUはintel社製とAMD社製に二分されています。どちらも性能に差はありません。また、appleの最新MacBookなどには、appleの自社製CPU「M1」が搭載されています。
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モバイルか据え置きか目的に合わせて選ぶ ITジャーナリストからのアドバイス
ITジャーナリスト
パソコン選びでは、目的に合ったパソコン選びが大切です。
そのパソコンをモバイルに使用したいのか? 据え置きで使いたいのか? でも最適なモデルは変わるので、自分がどう使いたいのか? をある程度、決めてから必要な機能を考えて絞り込んでいくようにするといいでしょう。
また、バッテリー駆動時間などは使い方で変わるので、カタログ数値だけで神経質に比較しないほうがいいでしょう。
必要な性能をよく見定め自分に合った商品を
ITジャーナリスト一条真人さんへの取材をもとに、低価格ノートパソコンの選び方と、実際のおすすめ商品をご紹介しました。ITジャーナリスト一条真人さんのアドバイスをベースにして、必要な機能と不必要な機能を取捨選択して、より安く、より満足のいく、自分にぴったりのノートパソコンを選んでください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
1961年生まれ。東京都墨田区出身。 パソコン雑誌『ハッカー』編集長、『PC PLUS ONE』編集長を経て、フリーランスに。 小説『パッセンジャー』で河出書房から作家デビューし、40冊以上のパソコン、スマホ関係書籍を執筆。最近では自ら電子書籍の編集パブリッシュなども行っている。