大前提:3万円台のPC性能は“それなり”です
現在、家電量販店からECサイトまで、さまざまなスペックのPCが販売されています。その中でも特に格安PCとして販売されているのが3万円台のPC。各メーカーから少数台、販売されており、セール商品になると3万円を切る場合もあります。
しかし、一つ注意しなければいけないのは「3万円台のPC性能は“それなり”」ということです。
一般的なPCの価格は、しっかり使える性能をCPU:インテルCore i5、メモリ:8GB、ストレージ容量:512GBと仮定すると、大抵10万円を超えるものがほとんどです。
3万円台というと、大抵の場合が上記のスペックよりもはるかに見劣りするPCが多いです。購入する場合は、「使いこなす」というよりも「とりあえず使う」「急ぎで仕方なく使う」といった認識で購入し、過度な期待はしない方がいいでしょう。
■スペックの目安と使い道
3万円台のPCのスペックは、大抵下記の場合が多く、本記事でご紹介する商品もほとんどが下記です。
● CPU
→インテル Celeron、インテル Core i3など
● メモリ
→4GBメモリ(運が良い場合、型落ちなどで8GBもあり)
● ストレージ
→32GB、68GB(運が良い場合、128GBもあり)
といったもの。決して高いとは言えませんが、一方で、Wordのみ使う、エクセルだけ使う、検索だけ使う、といった使い方をする場合は上記でも問題はありません。
短期スポットで使用する、もしくは、今後もマルチタスクで使用する予定はない、といった場合には価格が安いお得なPCとも言えるでしょう。
3万円台のノートパソコンを選ぶポイント
それでは、3万円台のノートパソコンの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】OS
【2】ストレージ
【3】キーボードの打ちやすさ
【4】サイズと重量
【5】そのほかの機能
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】OSをチェック
3万円台のノートパソコンに搭載されているOSは、おもに「Windows」と「Chrome OS」の2種類です。それぞれの特徴をチェックして、使いやすいほうを選びましょう。
▼オールマイティーに使える「Windows」
日ごろからパソコンを使っている方にはなじみのある「Windows」。プログラムが豊富で、プライベートからビジネスまでオールマイティーに使えるのが魅力です。パワーポイントを使ったプレゼンテーション用にも適しています。
Windowsでしか動かないソフトも多いので、ノートパソコンを幅広く活用したい方はWindowsを選ぶといいでしょう。
▼PC初心者でも扱いやすい「Chrome OS」
OS(Operating System)とはパソコンを動かす基本ソフトです。現時点ではマイクロソフトのWindows 10やMacOSが主流ですが、GoogleのChrome OSを搭載したものなども一定の市場を持っています。
その利点はWindows 10よりも低いハードスペックでスムーズに動作するところです。そして、Chrome OSはGoogle製Chromeアプリが使え、マイクロソフトオフィスとデータ互換性のあるソフトもあり、仕事でも実用的に使えます。
また、OSやアプリのアップデートは自動的に行われ、手間もかかりません。本体のストレージを主力に使わないため、落とすなどの物理的なダメージの影響も受けにくく、小学生などの低年齢でも使いやすいのが特徴です。
【2】ストレージをチェック
ストレージとは、データを保存するデバイス。多くのプログラムをインストールして使うには大きな容量が必要です。また、デジカメ写真や動画を大量に保存するにも大きな容量が必要です。Windowsパソコンの場合、通常は500GBあれば充分です。
ChromeBookでは起動時にクラウド経由でプログラムを読み込むのでストレージは16GB程度で普通に使えます。ストレージ容量が少なくとも大きな問題にならないでしょう。
ストレージには、ハードディスク、SSD、eMMCなどがあります。ノートパソコンに多く採用されているのは、データの処理速度が速いSSDと、小さくて省電力なeMMCです。性能(データの読み書きの速さ)順に並べると「SSD>eMMC>HDD」となります。
【3】キーボードの打ちやすさをチェック
キーボードを打つときの感覚もチェックしておきたいポイントです。キーの沈み具合が浅いものと深いものがあるので、自分にとって使いやすいタイプを選ぶといいでしょう。
また、エクセルや電卓機能などを使用して頻繁に数字を入力するなら、テンキーがあると便利です。ノートパソコンにテンキーがない場合には、外付けのテンキーを利用するという方法もあります。
【4】サイズと重量をチェック
ノートパソコンは、持ち運びできる点が据え置き用のパソコンと比べた場合のメリットです。とはいえ、サイズと重量によっては持ち運びが現実的とはいえないこともあります。
ディスプレイサイズが大きいと画面に表示できる情報が多くなり使用には便利なのですが、大きくて重いパソコンになりがち。
したがって、便利さをとるか持ち運びのしやすさをとるか、使用用途にあわせた商品選択が重要です。
【5】そのほかの機能をチェック
▼2in1ならUSB端子の位置の確認を
ノートパソコンとタブレット、ふたつのモードを自由に切り替えられる2in1パソコン。2in1パソコンを選ぶときは、USB端子の位置を確認しましょう。
USB端子の位置は、タブレット側とキーボード側の2タイプ。安定性を求めるならタブレット側についているタイプがおすすめです。
一方、キーボード側にUSB端子がついているタイプは、電力供給が不安定になりやすいといわれています。もし、周辺機器に影響が出る場合は、セルフパワーのUSBハブを活用するといいでしょう。
▼HDMI端子以外にアナログ端子があると便利
機器によってはHDMI規格に対応していないことがあります。もし、ノートパソコンをプロジェクターに繋ぐことを想定しているなら、HDMI端子だけでなく、VGA端子などのアナログ端子がついていると、いざというときに役立ちます。
出先でプロジェクターをよく使用する方は、変換ケーブルを常備しておくと心強いでしょう。
3万円台のノートパソコンおすすめ5選
それでは、3万円台で買える低価格ノートパソコンのおすすめ商品をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
ASUS『L410MA(L410MA-EK589XA)』
FRONTIER『FRT250P(/KD)2in1タブレット着脱式キーボード搭載 Windows10Pro』
HP『15s-eq(15s-eq1000)』
Lenovo『IdeaPad Flex360i Chromebook(82N3000QJP)』
ASUS『Chromebook CX1 (CX1101CMA-GJ0019)』
おすすめ商品の価格一覧表
各通販サイトのランキングを見る ノートパソコンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのノートパソコンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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最後に|エキスパートからひとこと
モバイルか据え置きか目的に合わせて選ぼう
パソコン選びでは、目的に合ったパソコン選びが大切です。
そのパソコンをモバイルに使用したいのか? 据え置きで使いたいのか? でも最適なモデルは変わるので、自分がどう使いたいのか? をある程度、決めてから必要な機能を考えて絞り込んでいくようにするといいでしょう。
また、バッテリー駆動時間などは使い方で変わるので、カタログ数値だけで神経質に比較しないほうがいいでしょう。
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1961年生まれ。東京都墨田区出身。 パソコン雑誌『ハッカー』編集長、『PC PLUS ONE』編集長を経て、フリーランスに。 小説『パッセンジャー』で河出書房から作家デビューし、40冊以上のパソコン、スマホ関係書籍を執筆。最近では自ら電子書籍の編集パブリッシュなども行っている。