大前提:5万円台のPCはエントリーモデルが多い
5万円台のPCは各メーカーで販売されていますが、そのほとんどがエントリーモデル。PC性能自体は5万円台ということもあり、そこまでスペックが高いものはありません。
一般的なPCの価格は、しっかり使える性能をCPU:インテルCore i5、メモリ:8GB、ストレージ容量:512GBと仮定すると、大抵10万円を超えるものがほとんど。
一方で、5万円台のPCは、CPU:インテルCore i3やCeleron、メモリ:4GB、ストレージ容量:128〜256GBくらいが相場です。
大抵の場合が見劣りするスペックのPCが多いですが、「文章制作だけする」「エクセルしか使わない」といった使い方をする場合は十分です。購入する場合は、「使いこなす」というよりも「とりあえず使う」「急ぎで仕方なく使う」といった認識で購入し、過度な期待はしない方がいいでしょう。
5万円台のノートパソコンの選び方
それでは、5万円台のノートパソコンの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の6つ。
【1】OS
【2】ストレージの種類と容量
【3】メモリ
【4】重量やバッテリーの駆動時間
【5】ポートの種類や数
【6】Webカメラ性能
上記の6つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】OSをチェック
OS(オペレーティングシステム)とは、パソコンを動かす基本ソフトのことです。現時点ではマイクロソフト「Windows」やアップル「Mac OS」が主流ですが、Googleの「Chrome OS」を搭載したものなども一定の市場を持っています。
しかし、5万円台のノートパソコンとなると、Macは選択肢から外れてしまいます。Windows か Chrome のOSを搭載したものを選びましょう。
【2】ストレージの種類と容量をチェック
ストレージには、SSD・HDD・eMMCの3つがあります。異なる点は読み込み速度になるので、自分がどのくらいのスペックが必要か検討しましょう。
▼SSD
SSDとは、「Solid State Drive」の略称です。現状ではデータ転送速度がもっとも早いのが特徴です。また、HDDと違い半導体メモリを使用しているため、パソコン駆動時のディスクが回転する音がなく、静音性にすぐれています。熱や衝撃にも強いため持ち運ぶのにも適しています。
なお、5万円台のノートパソコンの場合、SSDの容量はよくて128GB程度でしょう。動画や写真をたくさん保存したいという方には、外付けやクラウドのストレージが必要となってくるでしょう。
▼HDD
HDDとは、「Hard Disc Drive」の略称です。従来のパソコンによく利用されており、記憶できる容量が多いのが特徴です。5万円台のノートパソコンでも、500GB程の容量を持っているので、動画や写真をたくさん保存したいという方にはおすすめです。
その反面SSDと比べると、データ転送の速度が遅く、読み込みや書き込みに時間がかかってしまうのがデメリットです。また、熱や衝撃に弱いので扱いには注意してください。
eMMC
eMMCとは、「embedded Multi Media Card」の略称です。消費電力が少なくバッテリーに負担がかからないのが特徴です。安価なパソコンに多く搭載されています。
データ転送速度はHDDよりは速く、SSDよりも遅いといった具合ですが、パソコンの起動はスムーズです。ただ、記憶容量が少ないのがデメリットで、5万円台のノートパソコンの場合、32GB程度です。外付けやクラウドのストレージは必須と考えた方がよいでしょう。
【3】メモリをチェック
メモリとは、プログラムを動作させるためのワークエリアのことです。一般的には、容量が大きいほどパソコンが余裕をもって動作できるといわれています。CPUのランクを落としてでもメモリ容量を増やしたほうがいいという意見もあります。
5万円台のノートパソコンの場合、4GBか8GBのメモリが一般的です。メモリの容量が多いほど価格が高くなります。とはいえ4GBでも、がっつり動画を編集したり、デザイン作業をしたいという使い方でなければ、じゅうぶんです。
【4】重量やバッテリーの駆動時間をチェック
仕事やプライベートでもパソコンを持ち運ぶ機会が多い方は、できるだけ重量が軽いものを選ぶとよいでしょう。メーカーによっても当然違いますが、画面のサイズが小さいほど、重量も軽くなる傾向にあります。1~1.5kg前後であれば、持ち運びやすいので目安にするとよいでしょう。
バッテリーの駆動時間は5~10時間程のものが一般的です。電源が確保できない場所でパソコンを利用する場合は、長い時間のものを選ぶと安心です。
【5】ポートの種類や数をチェック
ポートの種類や数は必ずチェックすることをおすすめします。最近はUSB-TypeCなどが普及しており、新製品にはあらかじめ搭載されているものが多いですが、価格が安すぎるものは、ポート数が最小限に抑えられている傾向にあります。
例えばVGAやHDMI、USB3.0といったポートの有無や数にも注目しておくとよいでしょう。ディスプレイは別で用意して作業したい方や、スマホへの充電も同時に行いたいなど用途は人それぞれです。
購入したあとにマルチ変換アダプタが必要だった……とならないように事前にチェックしておきましょう。
【6】Webカメラ性能をチェック
近年では、Web会議など用にカメラ機能が搭載された機種がほとんど。ZoomやGoogleMeets、さらには、Skypeなどのビデオチャットなどに対応しているものが多くあります。
画質がいいものも数多くありますので、ぜひチェックしてみてください。
5万円台のノートパソコンおすすめ5選
上記で紹介した約5万円で手に入るノートパソコンの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
ASUS『Chromebook Flip CX1 (CX1102FKA-MK0056)』
軽快に使えるフリップスタイルを採用
インテル Celeron N4500、4GBメモリ、32GBのeMMCなどを備えたリーズナブルな11.6インチモデルです。
液晶部分が360度回転する「フリップスタイル」を採用しており、書類作成や動画視聴など用途に応じて使いやすく変形することが可能。
手軽に持ち歩けるコンパクト設計ながら、米国軍用規格に準拠した堅牢性や十分なキーピッチを確保したフルサイズキーボード、最長約10時間のバッテリー駆動時間も魅力です。
ASUS『Chromebook Detachable CM3 (CM3000DVA-HT0019)』
用途に応じて4種類のスタイルに変化
4GBメモリや128GBのeMMCなどを搭載した10.5インチのChromebook。
着脱可能なキーボードが付属しており、各種作業をスムーズにこなせるオーソドックスな「ノートパソコンスタイル」、
フレックスアングル・スタンドカバーによって動画視聴などを快適に行える「タブレットスタイル(縦/横)」、
スタイラスペンを用いて紙やノートのように使える「タッチ&ペンスタイル」と、
目的や用途に応じて4種類のスタイルを使い分けることが可能です。
ASUS『X415JA(X415JA-EK1011WS)』
趣味や仕事に幅広く使えるエントリーモデル
1920×1080ドット表示の14インチ液晶、インテル Core i3-1005G1 プロセッサー、4GBメモリ、128GBのSSDなどを搭載した、趣味や仕事に幅広く活用できるエントリーモデルです。
重量は約1.53kgで、バッテリー駆動時間は約6.0時間。外部ディスプレイと接続できるHDMI出力×1、USB3.2(Type-C/Gen1)×1、USB3.2 (Type-A/Gen1)×1、USB2.0×2など充実のインターフェースに加え、「Microsoft 365 Personal」の1年間使用権も付属しています。
HP『14s-fq(HP 14s-fq0521AU)』
コスパ重視ならこの1台
コストパフォーマンスを重視した“シンプルイズベスト”な14インチのエントリーモデルです。
AMD 3020e モバイル・プロセッサー、4GBメモリ、128GBのSSDなど、必要にして十分なスペックと機能を厳選。
安全安心かつスピーディーなログインを可能にする指紋認証センサー、45分でフル充電の約50%まで急速充電ができる「HPファストチャージ」など先進的な機能も備えており、エントリークラスながら抜群の使い勝手を誇っています。
Lenovo『IdeaPad Slim 170i(82V70072JP)』
モダンデザインの15.6インチモデル
最薄部17.9mmのスリム&スタイリッシュなボディーに、1920 x 1080ドット表示の15.6インチ液晶やインテル Celeron プロセッサー N4120、8GBメモリ、256GBのSSDなどを搭載したエントリーモデルです。
ボディーカラーはモダンなクラウドグレーを採用。豊かでクリアなサウンドを再現する「Dolby Audio」対応のスピーカー、プライバシーシャッター付きのHDウェブカメラにより、クリアなビデオ通話を楽しめます。
おすすめ商品の価格一覧表
各通販サイトのランキングを見る 5万円台・ノートパソコンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの5万円台・ノートパソコンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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最後に|エキスパートからひとこと
以前は2in1モデルは高価格帯なものが多かったのですが、近年では5万円以下でも2in1モデルが増えてきました。昔ながらのクラムシェル型ノートパソコンは、キーボードに慣れた人には使いやすいと思いますが、状況によってタブレットとして使いわけられると便利です。
まだ使ったことのない人も、2in1タイプも検討してみるといいでしょう。仕事の効率が今より上がるかもしれないですし、使い方によっては新しい世界が開けるかも知れません。
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1961年生まれ。東京都墨田区出身。 パソコン雑誌『ハッカー』編集長、『PC PLUS ONE』編集長を経て、フリーランスに。 小説『パッセンジャー』で河出書房から作家デビューし、40冊以上のパソコン、スマホ関係書籍を執筆。最近では自ら電子書籍の編集パブリッシュなども行っている。