接写リングとは? 仕組み・デメリット
通常、花や昆虫などをマクロレンズで撮影しようとした場合、近くまで寄って接写で撮ります。しかし、そういったシーンは一般的な撮影シーンではまれなケースです。その目的のために数万円もするマクロレンズを買うにはややハードルが高い、そんな方におすすめなアクセサリーが接写リングです。
接写リングを使えば、マクロレンズのように迫力ある写真が撮影できます。仕組みは、レンズとボディの間に接写リングを挟むことで焦点距離を調節し、普通のレンズでマクロレンズのように接写での撮影が可能になるというわけです。
逆に、デメリットは、以下の2点です。
【デメリット】
・ピントの合う部分が大幅に減少。通常、3cm~10cm程度。
・レンズ本来の明るさよりも暗く(F値が大きく)なる。
接写リングの選び方 フォトグラファーに聞く
フォトグラファーの瀬川陣市さんに、接写リングを選ぶときのポイントを教えてもらいました。使い方と選び方をあわせて知ることで、より自分の用途に適した接写リングが選べるようになるはずです。
使用しているカメラのマウントを確認して選ぶ
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
接写リングを選ぶときにまず確認することは、使用しているメーカーのマウント仕様の製品であるかということです。マウント(カメラ本体とレンズの連結部分)が異なれば取りつけることはできません。必ず、取りつけるカメラボディのマウント仕様か確認しましょう。
フルサイズマウントとミラーレスマウントがあるメーカーは、どちらのタイプなのか、確認も必要になります。マウント別に接写リングを選ぶのが鉄則です。
接写リングを選ぶ際、まず自分が使っているカメラのマウントと合っているかどうかを確認しましょう。
接写リングのサイズを選ぶ
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
接写リングは、長ければ長いほど被写体に接して撮影することができます。接写をするための延長リングが接写リングです。使用するレンズとどの程度接写させて撮影するかによって、求めるリングの長さを決めます。
長ければいいわけではなく、撮影したい最短撮影距離に合わせて、接写リングの長さを求める必要があります。複数本セットの製品を選ぶのもいいでしょう。
絞り機能のタイプを選ぶ
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
接写リングには、レンズの絞り機能が自動絞りに対応しているものと、対応していないものがあります。自動絞りに対応していないタイプは、手動でマニュアル式に絞りを連動させる必要があります。
接写リングを選ぶときは、絞り機能についても確認してから選びましょう。使いやすいのは、自動絞りに対応している接写リングです。
自動絞りに対応している接写リングなら撮影の負担が軽くなります。
接写リングのおすすめ4選 オートフォーカス対応・TTL露出計対応の有無もチェック!
上で紹介した接写リングの選び方のポイントをふまえて、フォトグラファーの瀬川陣市さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。自分の使っているシステムのマウントや、必要な長さなどを念頭に置いて、それぞれの商品を見比べて購入する商品を選んでください。

Canon(キヤノン)『エクステンションチューブ(EF25II)』






出典:Amazon
オートフォーカス対応 | 対応 |
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TTL露出計対応 | 対応 |
サイズ(厚さ) | 27.3mm |

NIKON(ニコン)『AI オート接写リング(PK‐11A)』

出典:Amazon
オートフォーカス対応 | 非対応 |
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TTL露出計対応 | 対応 |
サイズ(厚さ) | 8mm |

VILTROX『自動延長チューブセット(DG‐M43)』


















出典:Amazon
オートフォーカス対応 | 対応 |
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TTL露出計対応 | 対応 |
サイズ(厚さ) | 10mm、16mm |

VILTROX『自動延長チューブセット(DG‐FU)』






出典:Amazon
オートフォーカス対応 | 対応 |
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TTL露出計対応 | 対応 |
サイズ(厚さ) | 10mm、16mm |
「接写リング」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの接写リングランキングを参考にする
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの接写リングの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法がやや異なる場合があります。
接写リングに関するQ&A よくある質問
接写リングとクローズアップレンズの違いは何ですか?

接写リングは画質の面でクローズアップレンズよりもやや有利といわれています。一方で、接写リングはF値の面で本来のレンズの明るさよりも低下するのに対し、クローズアップレンズは低下しません。
接写リング&マクロレンズ&クローズアップレンズで超拡大撮影は可能?

可能です。ただし、画質が荒れてしまいます。絞りを絞ることでやや改善されます。
接写リングに関するそのほかのおすすめ 【関連記事】
接写リングは適合するマウントで好きな長さのものを選ぶ フォトグラファーからのアドバイス
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
接写リングは、被写体に最短撮影距離よりも近づけて撮影するときに、カメラボディとレンズの間に取りつける中間リングです。メーカーのマウントごとに製品が発売されているので、使用しているマウントの製品から選びます。
また接写リングのサイズによって、接写できる距離も変わります。互換製品には2本や3本のセットになったものも多く、さまざまな接写距離を楽しめるでしょう。使用しているレンズサイズと合わせて、どの接写リングが合うかを総合的に選択してください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2021/01/25 コンテンツ追加・修正と価格を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
米国ウィスコンシン州立大学などで写真を学び、帰国後に独立。 1995年からプロカメラマンとして人物、ウェディング、料理、建築、海外取材など広い分野の撮影をする傍ら、写真講座やメディア出演、執筆などを通じて撮影テクニックやフォトライフの楽しみ方を伝えている。 さらに動画撮影、ドローン撮影にも着手。画像や動画を未来につなげる活動を提案している。2018年には、長崎県五島市アンバサダーに就任。 写真と映像で行う地域貢献や海外に向けた日本文化の映像発信にも積極的に取り組んでいる。