Windows用キーボードの選び方 キーストローク、サイズ、有線か無線か、快適性、キー構造をみる
それでは、Windows用キーボードの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の6つ。
【1】キーストロークで選ぶ
【2】使用する机のサイズで選ぶ
【3】有線か無線かで選ぶ
【4】快適性のある疲れにくいものを選ぶ
【5】キー構造の方式から選ぶ
【6】自宅やタブレットでの作業に適しているキーボードを選ぶ
上記の6つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】キーストロークで選ぶ キーの深さは製品によってさまざま
キーボードはマウスと同じで思考を機械に伝えるという感覚的でデリケートなデバイスですから、打鍵感によって好みが大きく分かれます。また、入力の方式やタイプもいろいろあります。
まずキーを押下する深さ(キーストローク)に、好みがあるかと思います。できるだけ浅いほうがよい方もいるし、深くないと入力した感覚にならないという方もいると思います。まずは自分がどちらの好みであるかを確かめておきましょう。
【2】使用する机のサイズで選ぶ コンパクトタイプはキーの幅やキー間隔、テンキーの有無も

Photo by Juan Gomez on Unsplash
机のサイズによっては大きなキーボードが置けなかったり、じゃまになったりすることもあります。コンパクトサイズのキーボードやテンキーがないモデルなどを選択すればスペースの問題は解決しますが、仕事効率を考えるとどうしてもテンキーが必要という場合もあるかと思います。まず机のサイズと作業内容のバランスを考えて、キーボードを選択するとよいかと思います。
コンパクトサイズの場合、たしかに幅は小さくなりますが、キーやキーピッチ(隣接するキーとの間隔)も小さくなります。それが操作性にどの程度影響するのかは使う人によっても違ってきます。コンパクトサイズのキーボードのご購入をお考えの場合、隣のキーを押してしまうような誤入力が生じないかどうかにも留意して選びましょう。
【3】有線か無線かで選ぶ ゲーミング用では確実な有線方式がよい
無線キーボードはデスクまわりの配線がなくなってスッキリします。物理的な作業を机上でおこなう際もケーブルがないので撤去もかんたん。しかし電波を使用しているため、送信だけでなく受信側の影響などで環境によっては入力に影響が出ることもまれにあります。有線であればそのようなことはほとんど起きません。
ゲーミング用など、たびたび途切れては困る用途の場合は、確実な有線方式がよいでしょう。無線方式にはBluetoothとUSB無線方式があります。Bluetoothはタブレットなどでも使用可能ですので、マルチユースとしての選択肢としても有効でしょう。
【4】快適性のある疲れにくいものを選ぶ エルゴノミクス(人間工学)キーボードなど
キーボードの選択は、設置環境にも左右されます。どうしても大きさを妥協しなくてはならない場合、コンパクトサイズを選ぶしかありませんが、キーピッチなどを犠牲にせずに省スペースデザインなどでカバーできるものもあります。
また、使用環境に余裕があるのに、デザインだけで小さく操作しにくいキーボードをあえて選んでしまうと、作業環境の悪化によりミスや疲れやすさの原因となってしまいます。キー入力操作は意外と疲れますので、できる限り快適性を重視した選択を心がけましょう。
【5】キー構造の方式から選ぶ メンブレン方式、パンタグラフ方式、メカニカル方式
▼メンブレン方式|壊れにくく安価、しっかり押下したい人向け
キーとスイッチの間にあるメンブレンシートというシート状の部品が、押下したキー部分の入力を各スイッチに伝達する方式です。構造がシンプルなため壊れにくく、値段が比較的安価なのが特徴です。キーストロークが深いタイプのものが、しっかりとキーを押下したい人に向いています。
▼パンタグラフ方式|そこそこ安価、軽く押下したい人向け
ノートパソコンのキーボードのようにキーの厚さが薄いキーボードです。そのためキーストロークも浅く、軽い打鍵感が特徴。少ない力で入力が可能なため、文字入力が多い人に向いています。内部でふたつのパーツが交差している構造により、キーが傾いたり擦れる感覚が少ないことが特徴です。(パンタグラフ方式もメンブレンシートを使用するのでメンブレン方式の一種ですが、使用感が大きく違うため違う方式としています)。
▼メカニカル方式|機械的な打鍵感が好きな人向け
キーのひとつひとつがスイッチになっているキーボードです。タイピング時にばねの感覚を感じることと、入力のたびにカチカチとはっきりとした音が出るのが特徴です。その代わり、タイピング音は大きめなので、静かに事務作業をしたい仕事用には不向きです。
メリットはどれかひとつのキーが壊れても部分交換が可能なことと、カスタマイズ性にすぐれた商品が多いことです。デメリットは、メンブレン方式と比べ構造が複雑なため、値段も高価になりがちなことです。一方で、この方式の熱心なファンは多く、キー単体の製造会社がブランドとして認知されているほどです。
【6】自宅やタブレットでの作業に適しているキーボードを選ぶ バックライト付きや折りたたみ式など
▼+αの機能があると自宅での作業がはかどる
使用できる作業スペースと必要なキーの数との見合いで選ぶほかに、意外と大事なのが雰囲気を盛り上げる要素。ゲーミング用途ならバックライトが光るキーボードを選ぶなどの演出で、気持ちも入りやすいものです。自宅ならキー音に配慮する必要もありませんので、予算が許すならわがままに選びたいですね。
▼スマホやタブレット向けはコンパクトなワイヤレス!
スマートフォンやタブレットにはケーブルが不要のBluetooth接続に対応したコンパクトなキーボードが向いています。小型であればあるほど持ち運びは便利になりますが、必然的にキーの面積も小さくなるので文字入力のしやすさは失われます。
持ち運びをラクに、かつ入力しやすさも求めるのであれば、折りたたみ式のキーボードがよいでしょう。持ち運び時はコンパクトに、使用時は従来のキーボードと同じような感覚で入力できます。またスマホやタブレット用のスタンドつきであれば、操作もより快適になります。
【Windows用】キーボードのおすすめ 人気のロジクールほか、無線、有線、折りたたみタイプも
ここからは、ITサポートエンジニアの古賀竜一さんに、おすすめのキーボードをあげていただきました。ぜひ参考にしてみてください

マルチユースに最適のBluetoothキーボード
Bluetooth接続なのでPC、タブレット、スマホなどさまざまなデバイスで使用できます。キーはパンタグラフ方式を採用、ハイエンドモデルに引けを取らない打鍵感で、非常に快適です。キー配列は、「HOME」「END」や「Pg Up」「Pg Dn」の各キーがファンクションキー扱いではなく独立し、使いやすい位置に配置されています。
特筆すべきは3台の端末とマルチペアリングができて、すぐに切り替えが可能な点。モバイル用途として使う場合、こちらのモデルにテンキーなしモデルの「TK-FBP100」があり、どちらもおすすめです。

耐水ではなく「洗える」キーボード
キーボードにミルクや砂糖入りコーヒーを盛大にこぼしてしまうと、ほとんどのキーボードは全損となって交換が必要です。また、パソコン周辺機器のなかでもっとも汚れがつきやすいのがキーボードだといわれていますが、この洗えるキーボードならそのような心配はなくなるでしょう。
キーストロークが深めですがカチャカチャとした余計な遊びはなく、カタカタと入力しやすい打鍵感です。とくに注目したいのは、公共の場所や共有して使用されているパソコンで、このキーボードを使用することにより、衛生面を良好にできることです。そのような用途での利用にはとくにおすすめしたいと思います。

フルサイズなのに省スペース
デスクトップ用キーボードは、フルサイズになるとその大きさが作業環境を圧迫してしまいます。しかし、このキーボードはフルサイズキーにもかかわらず、本体の外郭をリサイズして省スペース化に成功したおもしろい発想のキーボードです。
このようなデザインチックなキーボードは大体高価になりがちですが、このキーボードは通販で驚くほど安価に販売されています。
キーストロークは深めですが押しやすく、音はカチャカチャではなくスタスタという印象でうるさくありません。価格のわりに品質は標準的で長寿命。4年前にこのキーボード5台を納入した事業所では、今でも問題なく動いています。
入手しやすい価格であるうえ省スペースなので、ぜひおすすめしたいキーボードです。

キーボードとマウスの機能がひとつに
Bluetooth方式でUSBレシーバーも付属し、リチウムイオンバッテリーを内蔵。ほとんどのOSに対応するマルチデバイス時代にふさわしいキーボードです。タッチパッド搭載でこれ1台でマウス操作もできる点は「買いたい」という気持ちを「買う」に変えるにはじゅうぶん。
スマホ、タブレット、PC、テレビなど幅広いデバイスに対応しています。このキーボードの用途の幅の広さなら、買ったけども結局使わなかった……という、ガジェットアイテムにありがちな失敗はないと思います。

重みのある頑丈なつくりのキーボード
しっかりとしたつくりで重さがあるため激しいタイピングにも負けない、質実剛健でスタンダードなキーボードです。キーは非常に打ちやすく、かつてスイッチに板バネを使用していたIBMキーボードを思い出す質感の高さです。
キーはコトコトという感じのタイピング音でうるさくはなく、ストロークは深めですがタッチが軽いため、とても気持ちよく打てます。
設置環境の広さを確保できるのなら、入力中心の作業に最適なこのキーボードをおすすめします。
指の負担を抑えるDIPスイッチつきキーボード
メカニカルキーボードの定番であるドイツのCHERRY社製MXキースイッチの青軸(※1)を使用しているため、打鍵感ははっきりしていて、タッチ音もカチッという軽快な音。キーの文字が印刷ではないため、タイピングの摩擦で消えてしまうことがありません。
キーに段差をつけることで、どのキーにも指が届きやすいよう考慮されています。DIPスイッチの設定により、キー配列の入れ替えと制限が可能。すべてのキーを同時押ししても入力を認識してくれる「Nキーロールオーバー」に設定することもできます。
USB接続のキーボードですが、ケーブルは脱着可能。使用環境に合わせて両サイドと中央からケーブルを引き出せるので、配線のわずらわしさを軽減することができます。
高耐久でなめらかなタッチのゲーミングキーボード
7,000万回のキーストロークテストをクリアした、耐久性の高いRomer-Gメカニカルキースイッチ(※1)を使用しています。タイピング時の感触はなめらか。本体に航空機でも使用される高強度・高耐久のアルミ合金を採用している点が特徴的です。USBパススルーポートを備えており、マウスなどのUSBデバイスを接続することも可能です。
Logicoolゲームソフトウェアを使用すると、バックライトと発色パターンのカスタマイズができ、約1,680万色の演出が楽しめます。FNキーと指定のFキーを押すことで、音量調節やゲームモードのオン/オフなども操作することができます。
iClever『折りたたみ式Bluetoothキーボード IC-BK03』
【Windows用+マウスセット】キーボードのおすすめ 一緒にそろえたい人向け
キーボードとマウスを一緒にそろえたい方のために、Windowsキーボードとマウスのセットを3点ご紹介します。
インストール作業なしで使える快適なキーボード
こちらの商品は、専用ドライバのインストールが必要なく、無線コネクタをPCに差し込むだけですぐに使うことができます。PCのほかPlayStation3でも使用可能で、傾斜角調節スタンドを使えばさらに快適にタイピングができます。
マウスは右手でも左手でも使える左右対称のデザイン。打ちやすい19mmのキーとともに使いやすいと好評です。
【Windows・Mac両対応】キーボードのおすすめ 複数台使用でも安心!|
自宅ではMacOSのPCを、職場ではWindowsOSのPCを使っている方もいらっしゃると思います。しかし、WindowsとMacではキーボードの配列が異なるため、「Macのキーボードは使いにくい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、Mac・Windows両対応のキーボードを3点ご紹介します。
「キーボード」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする キーボードの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのキーボードの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
メカニカルキーボードには、いろいろな会社が製造したキースイッチ(押下されるキーを受け止め、入力をパソコンに伝える部品)が使われています。Cherry社、Logitech社、kaihua社、Razer社などの製造会社があります。会社によっては部品を色分け分類し、各色それぞれにスイッチ(カチッという反応)の有無、押下圧などが違います。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
令和3年度 中小企業庁 「中小企業119」登録専門家。 ITサポートエンジニアとして2002年に創業しこれまでに数多くのサポート実績があります。 オーダーPCの製作をはじめ、コンピューター端末・周辺機器などのハードウェア、IT環境保守が専門です。 個人、事業所問わず提案型技術アドバイザーとしてIT環境のリプレース、リペアを数多く成功させています。 メディアへの記事監修協力、IT記事寄稿なども行っています。