マーガリンの選び方とは? タイプ・原材料・健康面
お菓子・パン・ジャム研究家の飯田順子さんに、マーガリンを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
用途に合う容量・タイプで選ぶ
マーガリンにはさまざまなタイプの商品があるため、自分にとって使い勝手のいいものを選びましょう。
毎日使う方は酸化しにくい「プラスチック容器タイプ」
マーガリンは、プレスチック容器に詰められているタイプが一般的で、毎日利用する場合も酸化しにくいのがメリットです。ほかに、アルミペーパーで包装された商品もありますが、開封後はバターケースなどに移して保存するほうがいいでしょう。
また、冷蔵庫にバター・マーガリン用スペースが設けられているなら、スペースに適した製品を選ぶと収納しやすくて使い勝手がいいです
複数人で使うなら「小分けタイプ」も便利
家族で一緒に使う場合など、大人数でマーガリンを使うなら、1回分に小分けされたタイプやポーションに入ったタイプが衛生的で便利です。
小分けされているタイプは酸化しにくいため、いつもフレッシュな状態で使えるのがうれしいポイント。また、マーガリンの使いすぎが気になる場合も、1回分ずつ分けられたものを活用するといいでしょう。
お菓子作りには「大容量の塩分不使用タイプ」
お菓子の材料にマーガリンを使いたい場合は、たっぷり使える大容量タイプがぴったりです。食塩不使用であれば、より幅広いレシピに活用できて便利。
商品パッケージに「無塩」や「ケーキ用マーガリン」と記載されているため、事前にチェックしてください。また、少量ずつお菓子を作る場合は、小さめのサイズを利用するといいでしょう。
デニッシュ作りには手軽な「シートタイプ」
デニッシュパンやクロワッサン作りにマーガリンを使うと、サクサクっとした食感が出るほか、バターよりコストが抑えられるのがメリットです。
パンの生地を作るときは、シート状になったマーガリンを利用すると、より手早く作業できて便利でしょう。冷凍保存できる商品もあるため、パン作りが好きな方はチェックしてください。
お菓子・パン・ジャム研究家
マーガリンには、四角く切りわけてあるブロックタイプや、プラスチック容器に入っているもの、チューブや袋に入っているもの、小分けタイプやシート状など、さまざまな包装の商品が存在しています。
その中でも、お菓子やパン作りには大きめのブロックタイプがおすすめです。とくに、クッキーにマーガリンを使うとサクサクとした軽い食感が得られ、おいしく作れますよ。
毎朝のパンに塗るのには、チューブタイプや小分けのものが1回分ずつ使えて便利です。持ち運びにも向いているでしょう。
マーガリンはバターより安価なものが多いですが、毎日使う方や家族が多い方は大容量のタイプを選ぶと、より一層お得感を得られることでしょう。また、プラスチック容器に入っているものは酸化しにくく保存性が高いので、清潔に使える点がメリットです。
飽きずに楽しめるアレンジテイストもおすすめ
ひとくちにマーガリンといっても、さまざまな種類が発売されています。バター配合のマーガリンなら豊かな風味が楽しめるほか、ガーリックがブレンドされたものなら、いつもと違った味わいでメニューのバリエーションが広がるでしょう。
また、ディスペンパックは、マーガリンとジャムをあわせて食べられることや、絞るだけで手軽に利用できる点が魅力です。
原材料をチェックして選ぶ
マーガリンはバターの代用品として19世紀に生まれ、冷蔵庫から取り出してすぐに使える便利さと、値段の安さが人気の理由です。
現在売られているマーガリンの原料はおもに植物油脂で、大豆油、菜種(なたね)油、コーン油、パーム油、ヤシ油、べに花油、ひまわり油などが使用されています。
それらの油脂に牛乳や豆乳を加えて風味づけされて作られているので、健康志向な方やカロリーが気になる方は、選ぶときに原材料をチェックするといいでしょう。
また、マーガリンには有塩、無塩があり、有塩はおもにパンにそのまま塗って食べる人向けで、無塩はお菓子やパン作りをされる人向けです。
よりバターの風味を強く感じたい人には、バター入りの「コンパウンドマーガリン」がおすすめ。マーガリンのよさとバターのよさの両方をあわせ持っていて、使いやすいことから人気があります。
健康面を考えて選ぶ
毎朝食べるマーガリンですから、カロリーが控えめのものや、トランス脂肪酸の少ないものを選びたいですよね。
なかでも、乳製品の摂取を控えている方やダイエットをされている方におすすめなのは、豆乳で作られたマーガリンです。一方、べに花油で作られたマーガリンはトランス脂肪酸の含有量が比較的少なく、美容と健康を気にされる方におすすめ。
そのほかにはカロリーハーフでコレステロールゼロの商品や、オリーブオイルで作られたマーガリンも販売されています。
ご自身の健康に気を配りつつ、おいしく食べられるマーガリンを見つけてくださいね。
トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸とは、脂質を構成する成分の一種で、植物油からマーガリンやショートニングをつくる際などに生成されるもののほか、天然由来のものも存在しています。海外では、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患にかかる可能性が高くなるという研究成果があります。WHO(世界保健機関)の基準としては、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるようにと提示されています。※厚生労働省ホームページより。
マーガリンおすすめ13選! お菓子・パン・ジャム研究家がセレクト
上で紹介したマーガリンの選び方のポイントをふまえて、お菓子・パン・ジャム研究家の飯田順子さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

月島食品工業『パン屋さんのおいしいマーガリン』






出典:楽天市場
内容量 | 200g |
---|---|
原材料 | 食用植物油脂、食用精製加工油脂、クリーム、牛乳、濃縮乳、発酵乳、食塩 |
賞味期限 | - |
有塩・無塩 | 有塩 |
おいしいパンをよりおいしく
1948年に創業の食用加工油脂メーカー・月島食品工業が作るこだわりのマーガリン。「パンはマーガリン派」という方におすすめです。
原材料は植物油脂、生クリーム、牛乳、濃縮乳、発酵乳、食塩のみで、保存料などの食品添加物が一切使われていないのは安心ですね。
マーガリンの製造には油の雑味成分を大幅にカットした「クリアオイル製法」が用いられているほか、素材のおいしさをいかす製法にこだわっており、乳のコクと塩味が効いた味わいを楽しめます。
パンが大好きで、パンをよりおいしく食べたいという方には特におすすめ。また、販売店が限られているためインターネット通販を利用するといいでしょう。

丸和油脂『ホテルマーガリン』








出典:Amazon
内容量 | 800g |
---|---|
原材料 | 食用植物油脂、食用精製加工油脂、食塩、脱脂粉乳、乳化剤、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、アナトー色素 |
賞味期限 | - |
有塩・無塩 | 有塩 |

創健社『べに花ハイプラスマーガリン』

出典:Amazon
内容量 | 180g、370g |
---|---|
原材料 | 食用植物油脂(べに花油、パーム油)、食用精製加工油脂(パーム核油、べに花油、パーム油)、発酵乳、全粉乳、クリーム、食塩、レシチン |
賞味期限 | 製造日より270日 |
有塩・無塩 | 有塩 |
べに花油を使用。こだわりのつまったマーガリン
こちらのマーガリンはオレイン酸を含むべに花油を使用し、マーガリンに含まれる脂肪酸のなかでオレイン酸が占める割合は63%となっています。
トランス脂肪酸の含有量が抑えられていることに加え、香料・酸化防止剤・着色料は不使用。塩はまろやかな風味のメキシコ産粗塩を使用したという、さまざまなこだわりのつまった商品です。
また、自家製造の発酵(はっこう)乳が従来品より50%増量されたことにより、コクと風味がプラスされ、よりクリーミーでまろやかな仕上がりに。あっさりした風味でクセがないので、さまざまなお料理に使用できます。
素材とおいしさの両方にこだわったマーガリンをお探しの方におすすめです。

創健社『発酵豆乳入りマーガリン』














出典:Amazon
内容量 | 160g |
---|---|
原材料 | 食用植物油脂(べに花油)、食用精製加工油脂(パーム核油、べに花油、パーム油)、発酵豆乳、食塩、レシチン、酸化防止剤 |
賞味期限 | 製造日より240日 |
有塩・無塩 | 有塩 |

日油『リラナチュラル オーベルニュCF40』

出典:Amazon
内容量 | 500g |
---|---|
原材料 | 発酵バター、食用精製加工油脂、食用植物油脂、卵黄油、乳加工品、食塩 |
賞味期限 | 製造日より210日 |
有塩・無塩 | 有塩 |
発酵バターのおいしさがたのしめるマーガリン
乳製品の名産地であるフランスのオーベルニュ地方の発酵バターが40%使用され、本物のバターのような芳醇(ほうじゅん)な香りと贅沢(ぜいたく)なコクが楽しめるマーガリン。パンに塗るだけでなく、お菓子作りにも便利です。
こちらを使って作るパウンドケーキやクッキーは、まるで本物のバターで作るケーキのように香りがよく、ひけを取らないおいしさにできあがります。お菓子づくりが大好きな方には、とくにおすすめしたい商品です。
また、食品添加物や遺伝子組み換えの原料は使われていませんので、その点も安心ですね。500gと大容量なので、保存を工夫して上手に使ってみてください。
リボンオーガニック『有機のマーガリン』

出典:Amazon
内容量 | 160g |
---|---|
原材料 | 有機植物油脂、加糖卵黄、食塩、バター、脱脂粉乳 |
賞味期限 | 生産日より6ヶ月(冷蔵10℃以下保存) |
有塩・無塩 | 有塩 |
小岩井 マーガリン『ヘルシー芳醇仕立て』




出典:楽天市場
内容量 | 180g |
---|---|
原材料 | 食用植物油脂(国内製造)、食用精製加工油脂、発酵乳、食塩、ナチュラルチーズ/乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、カロテン色素 |
賞味期限 | 270日 |
有塩・無塩 | 有塩 |
雪印メグミルク『ネオソフト』

出典:Amazon
内容量 | 300g |
---|---|
原材料 | 食用植物油脂(国内製造)、食用精製加工油脂、食塩、粉乳/乳化剤、香料、着色料(カロテン)、(一部に乳成分・大豆を含む) |
賞味期限 | 240日 |
有塩・無塩 | 有塩 |
明治『コーンソフト』






出典:楽天市場
内容量 | 300g |
---|---|
原材料 | 食用植物油脂、食用精製加工油脂、食塩、ホエイパウダー(乳成分を含む)/乳化剤(大豆由来)、香料、着色料(β-カロテン) |
賞味期限 | ー |
有塩・無塩 | 有塩 |
明治『オフスタイル べに花』






出典:楽天市場
内容量 | 140g |
---|---|
原材料 | 食物繊維(イヌリン)(タイ製造)、食用植物油脂、食用精製加工油脂、食塩/乳化剤、香料(乳由来)、着色料(β-カロテン) |
賞味期限 | ー |
有塩・無塩 | 有塩 |
FBクリエイト『マリンフード ガーリックマーガリン』

出典:Amazon
内容量 | 160g |
---|---|
原材料 | 食用植物油脂、食用精製加工油脂、ガーリック、食塩、脱脂粉乳、チーズ、生クリーム、パセリ、レッドベルペッパー、乳化剤 ほか |
賞味期限 | 製造日より8カ月 |
有塩・無塩 | 有塩 |
Jオイルミルズ『マーガリン ジェネータ 無塩』

出典:Amazon
内容量 | 500g |
---|---|
原材料 | 食用精製加工油脂、植物油脂、乳清、クリーム(乳製品)、香料、乳化剤、安定剤(セルロース、キサンタンガム)、ほか |
賞味期限 | ‐ |
有塩・無塩 | 無塩 |
QP『はちみつ&マーガリン』














出典:Amazon
内容量 | 11g×20個 |
---|---|
原材料 | はちみつ、マーガリン(食用植物油脂、食用精製加工油脂、食塩、バターミルクパウダー/乳化剤、香料)、ほか |
賞味期限 | ‐ |
有塩・無塩 | 有塩 |
「マーガリン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする マーガリンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのマーガリンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
マーガリンの幅広いおいしさを楽しもう お菓子・パン・ジャム研究家からアドバイス
お菓子・パン・ジャム研究家
マーガリンのなかには、トランス脂肪酸の含有量が抑えられたものや、低カロリーのもの、コレステロールや添加物なしの商品などもあります。
このように健康志向のニーズにこたえたもののほかには、大容量でリーズナブルなもの、素材にこだわったもの、乳製品のアレルギーがある方でも食べられる乳製品フリーのものまで、今やさまざまなマーガリンが作られています。
そのほかにも、チョコレート味、イチゴ味、ガーリック風味など一味違ったマーガリンもありますので、ご自分の用途や好みに合わせて選んでみるのも楽しいですよ。
ぜひ、軽くて口溶けのいいマーガリンの特徴をいかし、パンと一緒に味わったり、毎日のお料理やお菓子作りに使ってみてくださいね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/02/24 本文修正のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 福本航大)
結婚後かねてから大好きだったお菓子・パンの研究をスタート。 専門書を片手にお菓子を作り続け、パティシエの講習会にも参加し、独自のレシピを開発。1998年よりお菓子・パン・料理教室を主宰。 スィーツファンを集めて都内の有名パティスリー巡りやフランスへのスィーツツアーを定期的に開催する一方で、毎年フランスで研修を重ね、リッツエスコフィエやベルエコンセイユで本格的に学ぶ。 現地のパティシエやマダムからの取材をもとにプロのテクニックと家庭菓子への造詣を深める。著書多数。